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導
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みちび
ふりがな文庫
“
導
(
みちび
)” の例文
唯
(
たゞ
)
ならぬ樣子を見て、平次は女を
導
(
みちび
)
き入れました。奧の一間——といつても狹い家、
行燈
(
あんどん
)
を一つ點けると、家中の用が足りさうです。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御夢想
(
ごむさう
)
の
藥
(
くすり
)
ぢやに……
何
(
なん
)
の
病疾
(
やまひ
)
も
速
(
すみや
)
かに
治
(
なほ
)
るで、
買
(
か
)
ひないな……
丁
(
ちやう
)
ど、
來合
(
きあ
)
はせたは、あなた
樣
(
さま
)
お
導
(
みちび
)
きぢや……
仇
(
あだ
)
には
思
(
おも
)
はれますな。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
A
氏
(
し
)
は一
度
(
ど
)
R
国
(
こく
)
へ
行
(
ゆ
)
く
友人
(
ゆうじん
)
の
送別会席上
(
そうべつかいせきぜう
)
で
見知
(
みし
)
りになつたR
国人
(
こくじん
)
であつたので、
私
(
わたし
)
はいさゝか
心強
(
こゝろつよ
)
く
感
(
かん
)
じて、
導
(
みちび
)
かるゝまゝに
奥
(
おく
)
へ
通
(
とほ
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それから
又
(
また
)
箱
(
はこ
)
を
轉
(
ころが
)
したやうな、
隔
(
へだ
)
ての
障子
(
しやうじ
)
さへ
無
(
な
)
い
小
(
ちひ
)
さな
家
(
いへ
)
で
女
(
をんな
)
が
男
(
をとこ
)
を
導
(
みちび
)
くとて、
如何
(
どう
)
しても
父母
(
ちゝはゝ
)
の
枕元
(
まくらもと
)
を
過
(
す
)
ぎねば
成
(
な
)
らぬ
時
(
とき
)
は
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
不束
(
ふつつか
)
な
娘
(
むすめ
)
でございますが、
何
(
ど
)
うぞ
今後
(
こんご
)
とも
宜
(
よろ
)
しうお
導
(
みちび
)
きくださいますよう……。さぞ
何
(
なに
)
かとお
世話
(
せわ
)
が
焼
(
や
)
けることでございましょう……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
その
心持
(
こころもち
)
は今、私をだん/\と
宗教的
(
しうけうてき
)
な
方面
(
はうめん
)
に
導
(
みちび
)
かうとし、
反動
(
はんどう
)
のやうに起つて來た
道徳的
(
だうとくてき
)
な心は、
日光
(
につくわう
)
となつて私の胸に
平和
(
へいわ
)
の芽を
育
(
そだ
)
てます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
そして、
先生
(
せんせい
)
も
亦
(
ま
)
た、
一心不亂
(
いつしんふらん
)
に
此精神
(
このせいしん
)
を
以
(
もつ
)
て
兒童
(
じどう
)
を
導
(
みちび
)
き、
何時
(
いつ
)
も
樂
(
たのし
)
げに
見
(
み
)
え、
何時
(
いつ
)
も
其顏
(
そのかほ
)
は
希望
(
きばう
)
に
輝
(
かゞ
)
やいて
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
またわたくしの子どもの多くの神はコトシロヌシの神を
導
(
みちび
)
きとしてお仕え申しましたなら、
背
(
そむ
)
く神はございますまい
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
余等は
導
(
みちび
)
かれて紅葉館の
旗
(
はた
)
を
艫
(
とも
)
に立てた小舟に乗った。宿引は
一礼
(
いちれい
)
して去り、船頭は
軋
(
ぎい
)
と
櫓声
(
ろせい
)
を立てゝ
漕
(
こ
)
ぎ出す。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
植物の研究が進むと、ために人間社会を幸福に
導
(
みちび
)
き人生を厚くする。植物を資源とする工業の
勃興
(
ぼっこう
)
は国の
富
(
とみ
)
を
殖
(
ふ
)
やし、したがって国民の生活を
裕
(
ゆた
)
かにする。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
導
(
みちび
)
かるゝまゝに
入込
(
いりこ
)
んだのは、
階上
(
にかい
)
の
南端
(
なんたん
)
の
一室
(
ひとま
)
で、十
疊
(
じやう
)
位
(
ぐら
)
いの
部室
(
へや
)
、
中央
(
ちうわう
)
の
床
(
ゆか
)
には
圓形
(
えんけい
)
のテーブルが
据
(
す
)
へられ、
卓上
(
たくじやう
)
には、
地球儀
(
ちきゆうぎ
)
や
磁石
(
じしやく
)
の
類
(
るゐ
)
が
配置
(
はいち
)
され
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
〔譯〕
誘掖
(
いうえき
)
して之を
導
(
みちび
)
くは、教の常なり。
警戒
(
けいかい
)
して之を
喩
(
さと
)
すは、教の時なり。
躬
(
み
)
に行うて之を
率
(
ひ
)
きゐるは、教の本なり。言はずして之を化するは、教の
神
(
しん
)
なり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
ある日、私は、
私達
(
わたしたち
)
をこの家へ
導
(
みちび
)
き入れた
丘
(
をか
)
の上へ行つてみた。私は二人で
休
(
やす
)
んだ
草
(
くさ
)
の中へ
座
(
すわ
)
つてみた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
「
此方
(
こつち
)
へ御
通
(
とほ
)
し申しませうか」と門野から催促された時、代助はうんと云つて、座敷へ這入つた。あとから
席
(
せき
)
に
導
(
みちび
)
かれた平岡を見ると、もう夏の洋服を
着
(
き
)
てゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぢやお孃さん、こゝに『子供の
導
(
みちび
)
き』と云ふ本があります。お祈りをして、よくお讀みなさい。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
小使は名刺と視学からの手紙とを受け取って引っ込んだが、やがて清三は応接室に
導
(
みちび
)
かれた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
これは清一色めいたものにも利用が出来るし、それにまた普通十三枚の配り牌に対し、自分だけは十五枚も持っているのだから、手をかえ、聴牌に
導
(
みちび
)
くのは、極めて容易である。
麻雀インチキ物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこで
偶
(
たま/\
)
地震
(
ぢしん
)
でも
起
(
おこ
)
ると
兒童
(
じどう
)
は
逃
(
に
)
げ
惑
(
まど
)
ひ、そこらにある
立木
(
たちき
)
或
(
あるひ
)
は
石燈籠
(
いしどうろう
)
にしがみつく。これは
恐
(
おそ
)
らくかういふ
場合
(
ばあひ
)
、
保護者
(
ほごしや
)
の
膝
(
ひざ
)
にしがみつく
習慣
(
しゆうかん
)
から
斯
(
か
)
く
導
(
みちび
)
かれるものであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
と、この
禁猟区
(
きんりょうく
)
に、はじめてみんなを
導
(
みちび
)
いた、りこうながんがいいました。
がん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分
(
じぶん
)
が
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
か
知
(
し
)
らんとかう
疑
(
うたが
)
つてゐるので、その
疑
(
うたが
)
ひの
起
(
おこ
)
る
導
(
みちび
)
きとして
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
(
自尊
(
じそん
)
、
自知
(
じち
)
、
自治
(
じち
)
の三
路
(
じ
)
は、一
生
(
しょう
)
を
導
(
みちび
)
いて王者の位に達せしむるなり)
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ずっとしまいのほうを
飛
(
と
)
んでいるガンたちは、ガチョウがもうこれ
以上
(
いじょう
)
ついていけそうもないのを見てとりますと、クサビ
型
(
がた
)
の
先頭
(
せんとう
)
になって、みんなを
導
(
みちび
)
いているガンにむかって呼びかけました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
み冬つき来むかふ春にこころこそゆらぎてやまね
導
(
みちび
)
きたまふ
情
(
なさけ
)
しぬびて
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
彼等が一日も早く母校に戻って、生徒の本分を尽しますようお
導
(
みちび
)
きあらんことを願い上げます。尚お今日は在学生が出て参りません。彼等は私達と一緒に新しき兄弟を歓び迎える筈でありました。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
かれは
片
(
かた
)
っぽの長ぐつを切って、しじゅうなめし皮のきれをかんでいた。
空腹
(
くうふく
)
がどんなどん
底
(
ぞこ
)
のやみにまでわたしたちを
導
(
みちび
)
くかということを見て、正直の話、わたしははげしい
恐怖
(
きょうふ
)
を感じだした。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「礼をいう、小四郎、よう
導
(
みちび
)
いてくれた。そうだ、そちを連れては、京都の世間がうるさい。わしひとりで行って来る。子に手を引かれるのは恥かしいが、お味方に参じた節は、お
取做
(
とりな
)
しを頼むぞよ」
日本名婦伝:大楠公夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妾を奥の奥のずーッと奥の
愛妓
(
あいぎ
)
八重
(
やえ
)
と差し向かえる魔室に
導
(
みちび
)
きぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
空は殆ど暮切っている。一道の
火光
(
あかり
)
はあきらかに三人を
導
(
みちび
)
いた。
武甲山に登る
(新字新仮名)
/
河井酔茗
(著)
ば見た事もなしと云しが扨々俗家に云
盜
(
ぬす
)
人
猛々
(
たけ/″\
)
しとは汝が事なり今更
斯
(
かゝ
)
る惡人に
交
(
かは
)
す
詞
(
ことば
)
はなけれども
釋迦
(
しやか
)
は又三界の
森羅
(
しんら
)
萬
象
(
しやう
)
捨給
(
すてたま
)
はず汝の如き大惡人
善
(
ぜん
)
道に
導
(
みちび
)
き度思ふがゆゑ及ばずながら出家に
列
(
つら
)
なる大源が申處を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
園
(
その
)
の
主
(
あるじ
)
に
導
(
みちび
)
かれ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
深怨の久我之助と、時の氏神の國府彌八郎と、連れ立つて來たのを、主人永左衞門、自ら案内に立つて、設けの席に
導
(
みちび
)
き入れました。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
只
(
たゞ
)
一
部
(
ぶ
)
、三
角測量臺
(
かくそくりやうだい
)
の
見通
(
みとほ
)
しに
障
(
さは
)
る
爲
(
ため
)
に
切
(
き
)
り
拂
(
はら
)
はれた
空隙
(
すき
)
がそれを
導
(
みちび
)
いた。
火
(
ひ
)
の
子
(
こ
)
は
東隣
(
ひがしどなり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
屋根
(
やね
)
の一
角
(
かく
)
にどさりと
止
(
とま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
雪
(
ゆき
)
が
其
(
その
)
まゝの
待女郎
(
まちぢよらう
)
に
成
(
な
)
つて、
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
導
(
みちび
)
くやうで、まんじ
巴
(
ともゑ
)
の
中空
(
なかぞら
)
を
渡
(
わた
)
る
橋
(
はし
)
は、
宛然
(
さながら
)
に
玉
(
たま
)
の
棧橋
(
かけはし
)
かと
思
(
おも
)
はれました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
方
(
ぽう
)
私
(
わたくし
)
の
方
(
ほう
)
ではそれとなく
良人
(
おっと
)
の
心
(
こころ
)
に
働
(
はたら
)
きかけて、
油
(
あぶら
)
ヶ
壺
(
つぼ
)
の
断崖
(
がけ
)
の
上
(
うえ
)
に
導
(
みちび
)
いてやりましたので、
二人
(
ふたり
)
はやがてバッタリと
顔
(
かお
)
と
顔
(
かお
)
を
突
(
つ
)
き
合
(
あ
)
わせました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「
能
(
よ
)
うこそ」と
云
(
い
)
つて、
叮嚀
(
ていねい
)
に
會釋
(
ゑしやく
)
したなり、
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
宗助
(
そうすけ
)
を
導
(
みちび
)
いた。
二人
(
ふたり
)
は
庫裡
(
くり
)
に
下駄
(
げた
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
あけ
)
て
内
(
うち
)
へ
這入
(
はい
)
つた。
其所
(
そこ
)
には
大
(
おほ
)
きな
圍爐裏
(
ゐろり
)
が
切
(
き
)
つてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
牧羊者
(
ひつじかい
)
が羊の
群
(
むれ
)
を
導
(
みちび
)
いて川を渡るに、先ず
小羊
(
こひつじ
)
を
抱
(
だ
)
いて渡ると
親羊
(
おやひつじ
)
が
跟
(
つ
)
いて渡ると云う例をひいて、次郎少年の死は神が其父母
生存者
(
せいぞんしゃ
)
を
導
(
みちび
)
かん為の死である、と牧師は云うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
特
(
こと
)
に
小形
(
こがた
)
の「フランネル」の
水兵服
(
すいへいふく
)
を、
裁縫係
(
さいほうがゝり
)
の
水兵
(
すいへい
)
に
命
(
めい
)
ずるやら、いろ/\
取計
(
とりはか
)
らつて
呉
(
く
)
れる、
其間
(
そのま
)
に、
大佐
(
たいさ
)
より
命令
(
めいれい
)
のあつた
吾等
(
われら
)
の
居室
(
ゐま
)
の
準備
(
じゆんび
)
も
出來
(
でき
)
たので、
其處
(
そこ
)
に
導
(
みちび
)
かれ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しめやかな
音
(
おと
)
に
雨
(
あめ
)
はなほ
降
(
ふ
)
り
續
(
つゞ
)
いてゐる。
少
(
すこ
)
しばかり
冷
(
ひ
)
え
冷
(
び
)
えとする
寒
(
さむ
)
さは、
部屋
(
へや
)
の
中
(
なか
)
の
薄闇
(
うすやみ
)
に
解
(
と
)
けあつて、そろ/\と
彼女
(
かのぢよ
)
を
現
(
うつゝ
)
な
心持
(
こゝろも
)
ちに
導
(
みちび
)
いて
行
(
ゆ
)
く。ぱつと
部屋
(
へや
)
があかるくなる。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ソレ来たというので、スイッチかなにかを入れると、地面がパッと二つに割れて、団員の身体を呑んでしまう——といったやり方で、団員を結社本部へ
導
(
みちび
)
いているのじゃないかという話だった。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「またそんなことを云ふ、どうして分るのです。どんな直覺によつて、大膽にも、墮落した地獄の最高天使と永遠の
玉座
(
ぎよくざ
)
からの使者——
導
(
みちび
)
くものと迷はすものとの區別を見分ける顏をするのですか。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
兵を
導
(
みちび
)
き入れた僧は云った。
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次とガラツ八は、不安と
焦躁
(
せうさう
)
に眼ばかり光らせてゐる雇人の中をお勝手から納戸へ、奧の方へと通ふ廊下を
導
(
みちび
)
かれます。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
とづいと
立
(
た
)
つと、
逆屏風
(
さかさびやうぶ
)
——たしか
葛
(
くづ
)
の
葉
(
は
)
の
風
(
かぜ
)
に
乱
(
みだ
)
れた
絵
(
ゑ
)
の、——
端
(
はし
)
を
引
(
ひ
)
いて、
壇
(
だん
)
の
位牌
(
ゐはい
)
の
背後
(
うしろ
)
を、
次
(
つぎ
)
の
室
(
ま
)
の
襖
(
ふすま
)
との
狭
(
せま
)
い
間
(
あひだ
)
を、
枕
(
まくら
)
の
方
(
はう
)
へ
導
(
みちび
)
きながら
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
脊負
(
せお
)
つて
巡査
(
じゆんさ
)
の
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いて
主人
(
しゆじん
)
の
家
(
いへ
)
の
裏庭
(
うらには
)
へ
導
(
みちび
)
かれた。
巡査
(
じゆんさ
)
が
縁側
(
えんがは
)
の
坐蒲團
(
ざぶとん
)
へ
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けた
時
(
とき
)
勘次
(
かんじ
)
は
籠
(
かご
)
を
脊負
(
せお
)
つた
儘
(
まゝ
)
首
(
くび
)
を
俛
(
た
)
れて
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何
(
ど
)
うぞ
私
(
わたくし
)
の
罪
(
つみ
)
をお
恕
(
ゆる
)
し
遊
(
あそ
)
ばして、
元
(
もと
)
のとおりこの
不束
(
ふつつか
)
な
女
(
おんな
)
を
可愛
(
かわい
)
がって、
行末
(
ゆくすえ
)
かけてお
導
(
みちび
)
きくださいますよう……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
三四郎は画室へ
導
(
みちび
)
かれた時、
霞
(
かすみ
)
の
中
(
なか
)
へ這入つた様な気がした。
丸卓
(
まるテーブル
)
に
肘
(
ひぢ
)
を
持
(
も
)
たして、此
静
(
しづ
)
かさの
夜
(
よ
)
に
勝
(
まさ
)
る
境
(
さかひ
)
に、
憚
(
はばか
)
りなき
精神
(
こゝろ
)
を溺れしめた。此
静
(
しづ
)
かさのうちに、美禰子がゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
更
(
さら
)
に
大佐
(
たいさ
)
に
導
(
みちび
)
かれて、
今
(
いま
)
は
既
(
すで
)
に二
年
(
ねん
)
有餘
(
いうよ
)
の
歳月
(
さいげつ
)
を
費
(
つひや
)
して、
船體
(
せんたい
)
半
(
なか
)
ば
出來上
(
できあが
)
つた
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
内部
(
ないぶ
)
に
入
(
い
)
り、
具
(
つぶさ
)
に
上甲板
(
じやうかんぱん
)
、
下甲板
(
げかんぱん
)
、「ウオター、ウエー」、「ウ井ング、パツセージ」、
二重底
(
にじゆうそこ
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それは
如何
(
いか
)
にも、あの
綺麗
(
きれい
)
な
雪
(
ゆき
)
が
溶
(
と
)
けて、
露
(
つゆ
)
の
玉
(
たま
)
になつて
樋
(
とひ
)
の
中
(
なか
)
へ
轉
(
まろ
)
び
込
(
こ
)
むのにふさはしい
音
(
おと
)
である……
轉
(
まろ
)
び
込
(
こ
)
んだ
露
(
つゆ
)
はとろ/\と
響
(
ひゞき
)
に
誘
(
いざな
)
はれて
流
(
なが
)
れ、
流
(
なが
)
れる
水
(
みづ
)
はとろ/\と
響
(
ひゞき
)
を
導
(
みちび
)
いて
行
(
い
)
く。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
この調理法は学者アインシュタインの
導
(
みちび
)
き出したものであった。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お國は障子を押し倒して這ひ出すと、
跣足
(
はだし
)
のまゝ格子の外へ、母親の本能の
導
(
みちび
)
くまゝに、曉闇を縫つてバタバタと伜の後を追つて行くのでした。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“導”の意味
《名詞》
(しるべ) 道の案内をすること。また、その人。
(しるべ) 助け導くこと。手引き。案内。
(出典:Wiktionary)
導
常用漢字
小5
部首:⼨
15画
“導”を含む語句
誘導
導火線
指導者
嚮導
導引
教導
訓導
引導
先導
導師
嚮導者
指導
導火
大導師
教導師
裁制補導
導出
導母
木導
善導
...