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生涯
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しやうがい
ふりがな文庫
“
生涯
(
しやうがい
)” の例文
私は
二十
(
はたち
)
になつた今日までの
生涯
(
しやうがい
)
にこれぞといつて人さまにお話し申す大事件もなく、父母の
膝下
(
しつか
)
に穏やかな年月を送つて参り
升
(
まし
)
たが
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
駅へついてみて、私は長野か
小諸
(
こもろ
)
か、どこかあの辺を通過してゐる
夜中
(
よなか
)
に、姉は彼女の七十年の
生涯
(
しやうがい
)
に終りを告げたことを知つた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
何より心苦く思ふのでネ、——どうぞ貧乏町に住まつて、あの人達と同じ様に暮らして、
生涯
(
しやうがい
)
其の御友達になりたいと祈つて居るのです
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
丑松は敬之進のことを思出して、つく/″\
彼
(
あ
)
の
落魄
(
らくはく
)
の
生涯
(
しやうがい
)
を憐むと同時に、
亦
(
ま
)
た
斯
(
こ
)
の人を注意して見るといふ気にも成つたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その代金は御二人が
生涯
(
しやうがい
)
たのしく、お楽に暮していかれるだけはございます。どうぞ随分とお
身体
(
からだ
)
をお大事に、いのち長くお暮しなさい。
竜宮の犬
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
▼ もっと見る
親分、待つて下さい、私も何んか
斯
(
か
)
う夢のさめたやうな氣がします。『貸した金を取るのが何が惡い』と思つた
生涯
(
しやうがい
)
が淺ましくなりました。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
飛
(
とん
)
だ
事
(
こと
)
さ。』と、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
聽入
(
きゝい
)
れぬ。『ワルシヤワこそ
君
(
きみ
)
に
見
(
み
)
せにやならん、
僕
(
ぼく
)
が五
年
(
ねん
)
の
幸福
(
かうふく
)
な
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
つた
所
(
ところ
)
だ。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そして軈ては、藝術家が最も自己を發揮するに適するからといふ
理由
(
りいう
)
で、
生涯
(
しやうがい
)
を
繪畫
(
くわいぐわ
)
研究
(
けんきう
)
に
委
(
ゆだ
)
ねるからと切込まれた。勝見子爵はがツかりした。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
生涯
(
しやうがい
)
、その子供に逢ふ事もないだらうと思ふにつけて、富岡の
荒
(
す
)
さびた気持ちのなかに、その思ひ出は、
郷愁
(
きやうしう
)
をそそつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
忘れぬ心にて
生涯
(
しやうがい
)
頭
(
かしら
)
に頂かんと思ふが故に賣殘しぬ然るを先日
落
(
おと
)
して後を
種々
(
いろ/\
)
と
探
(
さが
)
し求めて居しなり偖々嬉しき事哉と幾度となく
押戴
(
おしいたゞ
)
き
喜悦
(
よろこぶ
)
體
(
さま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自分など、今までの
生涯
(
しやうがい
)
を振返つて楽しかつた記憶はないが、
強
(
し
)
ひて取り出せば高等学校時代の印象がさうだ。その頃、自分ははじめて恋愛した。
現代詩
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
自分は
平生
(
へいぜい
)
誰でも顔の中に其人の
生涯
(
しやうがい
)
が
顕
(
あらは
)
れて見えると信じて居る一人で、悲惨な歴史の織り込まれた顔を見る程心を動かす事は無いのであるが
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
いや、
暗
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
を
忘
(
わす
)
れまい。
沼
(
ぬま
)
の
中
(
なか
)
へ
当
(
あて
)
の
無
(
な
)
い
経
(
きやう
)
読
(
よ
)
ませて、
斎非時
(
ときひじ
)
にとて
及
(
およ
)
ばぬが、
渋茶
(
しぶちや
)
一
(
ひと
)
つ
振舞
(
ふるま
)
はず、
既
(
すん
)
での
事
(
こと
)
に
私
(
わし
)
は
生涯
(
しやうがい
)
坊主
(
ばうず
)
の
水車
(
みづぐるま
)
に
成
(
な
)
らうとした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雪国の人は春にして春をしらざるをもつて
生涯
(
しやうがい
)
を
終
(
をは
)
る。これをおもへば
繁栄豊腴
(
はんえいほういゆ
)
の
大都会
(
たいとくわい
)
に
住
(
すみ
)
て
年々
(
ねん/\
)
歳々
(
せい/\
)
梅柳
(
ばいりう
)
媆色
(
ぜんしよく
)
の春を
楽
(
たのし
)
む事
実
(
じつ
)
に
天幸
(
てんかう
)
の人といふべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
熟々
(
つら/\
)
考
(
かんが
)
ふるに
天
(
てん
)
に
鳶
(
とんび
)
ありて
油揚
(
あぶらげ
)
をさらひ
地
(
ち
)
に
土鼠
(
もぐらもち
)
ありて
蚯蚓
(
みゝず
)
を
喰
(
くら
)
ふ
目出度
(
めでた
)
き
中
(
なか
)
に
人間
(
にんげん
)
は
一日
(
いちにち
)
あくせくと
働
(
はたら
)
きて
喰
(
く
)
ひかぬるが
今日
(
けふ
)
此頃
(
このごろ
)
の
世智辛
(
せちがら
)
き
生涯
(
しやうがい
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
其
(
その
)
云
(
い
)
ひ
方
(
かた
)
が、
自分達
(
じぶんたち
)
の
淋
(
さみ
)
しい
生涯
(
しやうがい
)
を、
多少
(
たせう
)
自
(
みづか
)
ら
窘
(
たしな
)
める
樣
(
やう
)
な
苦
(
にが
)
い
調子
(
てうし
)
を、
御米
(
およね
)
の
耳
(
みゝ
)
に
傳
(
つた
)
へたので、
御米
(
およね
)
は
覺
(
おぼ
)
えず
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うへ
)
の
反物
(
たんもの
)
から
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
して
夫
(
をつと
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
斯
(
か
)
ういふお
慈悲
(
なさけ
)
深
(
ぶか
)
い
旦那様
(
だんなさま
)
がおありなさるから、
八百膳
(
やほぜん
)
の
料理
(
れうり
)
を
無宿者
(
やどなし
)
に
下
(
くだ
)
されるのだ、お
礼
(
れい
)
を
申
(
まう
)
して
戴
(
いたゞ
)
けよ、お
膳
(
ぜん
)
で
戴
(
いたゞ
)
くことは、
最
(
も
)
う
汝
(
きさま
)
生涯
(
しやうがい
)
出来
(
でき
)
ないぞ。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼の女は身の上ばなしを初めてはよく泣いた。お絹はいろいろな
生涯
(
しやうがい
)
を経てこの村へ流れて来た女であつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
さりながら
徃日
(
いつぞや
)
の
御詞
(
おんことば
)
は
僞
(
いつは
)
りなりしか、
汝
(
そち
)
さへに
見捨
(
みすて
)
ずば
我
(
わ
)
が
生涯
(
しやうがい
)
の
幸福
(
かうふく
)
ぞと、
忝
(
かたじ
)
けなき
仰
(
おほ
)
せ
承
(
うけたま
)
はりてよりいとゞ
狂
(
くる
)
ふ
心
(
こゝろ
)
止
(
とめ
)
がたく、
口
(
くち
)
にするは
今日
(
けふ
)
始
(
はじ
)
めてなれど
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
子
(
こ
)
ども
達
(
たち
)
をおもひ
且
(
か
)
つ
愛
(
あい
)
することに
依
(
よつ
)
て、わたしはわたしの
此
(
こ
)
の
苦惱
(
くるしみ
)
にみちみてる
生涯
(
しやうがい
)
を
純
(
きよ
)
く、そして
美
(
うつく
)
しい
日々
(
ひゞ
)
として
過
(
すご
)
すでせう。これは
大
(
おほ
)
きな
感謝
(
かんしや
)
であります。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
けれど
爲
(
しよ
)
うことなしに
眠
(
ねむ
)
るのはあたら一
生涯
(
しやうがい
)
の一
部分
(
ぶゝん
)
をたゞで
失
(
な
)
くすやうな氣がして
頗
(
すこぶ
)
る
不愉快
(
ふゆくわい
)
に
感
(
かん
)
ずる、
處
(
ところ
)
が
今
(
いま
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
如何
(
いかん
)
とも
爲
(
し
)
がたい、
眼
(
め
)
の
閉
(
とづ
)
るに
任
(
ま
)
かして
置
(
お
)
いた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
月日は
百代
(
はくたい
)
の
過客
(
くわかく
)
にして、行きかふ年も又旅人なり。船の上に
生涯
(
しやうがい
)
をうかべ、馬の口とらへて
老
(
おい
)
をむかふる者は、日々旅にして、旅を
栖
(
すみか
)
とす。古人も多く旅に死せるあり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
こんな風では、わしが
生涯
(
しやうがい
)
をかけても、家一軒は愚か、牛小屋も出来ないことが、
解
(
わか
)
りましたぢや。それにもう一つ、大きな声では、いはれない障害のあることが解りました。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
自
(
みづ
)
から一の
目的
(
もくてき
)
を
定
(
さだ
)
め、
万障
(
ばんしやう
)
を
排
(
はい
)
し、
終生
(
しうせい
)
一
徹
(
てつ
)
其
(
その
)
目的点
(
もくてきてん
)
に
達
(
たつ
)
せんと
勉
(
つと
)
むるが如きは
余
(
よ
)
の
不信仰
(
ふしんこう
)
時代
(
じだい
)
の
行為
(
こうゐ
)
なりき、
主
(
しゆ
)
の
命
(
めい
)
維
(
こ
)
れ
徇
(
したが
)
ひ、
今日
(
こんにち
)
は
今日
(
こんにち
)
の
業
(
げふ
)
を
成
(
な
)
す、
是
(
こ
)
れ
余
(
よ
)
の
今日
(
こんにち
)
の
生涯
(
しやうがい
)
なり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
つい
家
(
うち
)
が出にくいと
云
(
い
)
ふだけの事である。
長吉
(
ちやうきち
)
は
直様
(
すぐさま
)
別れた
後
(
のち
)
の
生涯
(
しやうがい
)
をこま/″\と書いて送つたが、
然
(
しか
)
し待ち
設
(
まう
)
けたやうな、
折返
(
をりかへ
)
したお
糸
(
いと
)
の返事は
遂
(
つひ
)
に聞く事が
出来
(
でき
)
なかつたのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
不幸
(
ふかう
)
な
彼女
(
かのぢよ
)
は
拭
(
ぬぐ
)
ふことの
出來
(
でき
)
ない
汚點
(
しみ
)
をその
生涯
(
しやうがい
)
にとゞめた。さうしてその
汚點
(
しみ
)
に
對
(
たい
)
する
悔
(
くゐ
)
は、
彼女
(
かのぢよ
)
の
是
(
これ
)
までを、さうしてまた
此先
(
このさき
)
をも、かくて
彼女
(
かのぢよ
)
の一
生
(
しやう
)
をいろ/\に
綴
(
つゞ
)
つて
行
(
ゆ
)
くであらう。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
の
論據
(
ろんきよ
)
は
斯
(
か
)
うでした、それから
斬
(
き
)
り
離
(
はな
)
さるべき
體
(
からだ
)
がなければ、
頭
(
あたま
)
を
切
(
き
)
ることは
出來
(
でき
)
ない、
甞
(
かつ
)
てそんな
事
(
こと
)
をしたこともなければ、これから
後
(
さき
)
とても一
生涯
(
しやうがい
)
そんな
事
(
こと
)
の
有
(
あ
)
らう
筈
(
はづ
)
がない。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
心
(
こゝろ
)
から
漸
(
やうや
)
く
其
(
そ
)
の
瘡痍
(
きず
)
を
勦
(
いたは
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
平生
(
いつも
)
になくそれを
放任
(
うつちや
)
つて
置
(
お
)
けば
生涯
(
しやうがい
)
の
畸形
(
かたわ
)
に
成
(
な
)
りはしないかといふ
憂
(
うれひ
)
をすら
懷
(
いだ
)
いた。さうして
彼
(
かれ
)
は
鬼怒川
(
きぬがは
)
を
越
(
こ
)
えて
醫者
(
いしや
)
の
許
(
もと
)
に
與吉
(
よきち
)
を
連
(
つ
)
れて
走
(
はし
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
われは
己
(
おのれ
)
が
生涯
(
しやうがい
)
のあまり
清
(
きよ
)
くない
事
(
こと
)
を
心得
(
こゝろえ
)
てゐる、
路
(
みち
)
の
傍
(
かたはら
)
の
菩提樹下
(
ぼだいじゆか
)
に
誘惑
(
いうわく
)
に
負
(
ま
)
けた
事
(
こと
)
も
知
(
し
)
つてゐる。
偶
(
たま/\
)
われに
酒
(
さけ
)
を
呑
(
の
)
ませる
会友
(
くわいいう
)
たちの、よく
承知
(
しようち
)
してゐる
如
(
ごと
)
く、さういふ
物
(
もの
)
は
滅多
(
めつた
)
に
咽喉
(
のど
)
を
通
(
とほ
)
らない。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
ただ
生涯
(
しやうがい
)
の船がかり、いづれは
黄泉
(
よみ
)
へ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
おそらくは
生涯
(
しやうがい
)
妻をむかへじと
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
我が
生涯
(
しやうがい
)
はあはれなる夢
誤植
(新字旧仮名)
/
生田春月
(著)
嵐
(
あらし
)
のやうに
渦卷
(
うづま
)
いた
生涯
(
しやうがい
)
を
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
先生の生涯は実に懴悔の
生涯
(
しやうがい
)
さ。空想家と言はれたり、夢想家と言はれたりして、甘んじて其冷笑を受けて居る程の懴悔の生涯さ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
おせいを殺した下手人は自分でありながら、猟師の犬となつた清吉が、囚はれて、あの男は、自分の
生涯
(
しやうがい
)
に極刑を選ぶ、馬鹿な道をとつてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
結びて
懷姙
(
くわいにん
)
なしゝ一子なるが
民間
(
みんかん
)
に成長して後
未見
(
みけん
)
の
父君
(
ちゝぎみ
)
將軍と成しかば證據
物
(
もの
)
を
携
(
たづさ
)
へて訴へ出たるなればよしお
世繼
(
よつぎ
)
とせざるまでも
登用
(
とりあげ
)
てもて
生涯
(
しやうがい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
唯娘が土左衞門になつて、この店に擔ぎ込まれた時は、私は扇屋の主人を
生涯
(
しやうがい
)
呪
(
のろ
)
つてやらうと思ひ定めましたよ。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雪国の人は春にして春をしらざるをもつて
生涯
(
しやうがい
)
を
終
(
をは
)
る。これをおもへば
繁栄豊腴
(
はんえいほういゆ
)
の
大都会
(
たいとくわい
)
に
住
(
すみ
)
て
年々
(
ねん/\
)
歳々
(
せい/\
)
梅柳
(
ばいりう
)
媆色
(
ぜんしよく
)
の春を
楽
(
たのし
)
む事
実
(
じつ
)
に
天幸
(
てんかう
)
の人といふべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
見
(
み
)
るが
切
(
せ
)
めての
樂
(
たの
)
しみなり
我
(
わ
)
れは
望
(
のぞ
)
みとて
無
(
な
)
き
身
(
み
)
なれば
生涯
(
しやうがい
)
この
家
(
や
)
に
御奉公
(
ごほうこう
)
して
御
(
お
)
二
タ
方
(
かた
)
さま
朝夕
(
あさゆふ
)
の
御世話
(
おせわ
)
さては
嬰子
(
やゝ
)
さま
生
(
う
)
まれ
給
(
たま
)
ひての
御抱
(
おだ
)
き
守
(
も
)
り
何
(
なに
)
にもあれ
心
(
こゝろ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「アヽ、剛さん、——世間からは毒婦と恐れられ、神様からは悪魔と
賤
(
いや
)
しめられて
忌
(
いや
)
な
生涯
(
しやうがい
)
を終らねばならんでせうか——私、此の右手を切つて
棄
(
す
)
てたい様だワ——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
丁度
(
ちやうど
)
私
(
わし
)
が
修行
(
しゆぎやう
)
に
出
(
で
)
るのを
止
(
よ
)
して
孤家
(
ひとつや
)
に
引返
(
ひきかへ
)
して、
婦人
(
をんな
)
と一
所
(
しよ
)
に
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
らうと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た
処
(
ところ
)
で。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
男
(
をとこ
)
は
砂埃
(
すなほこり
)
でざらつきさうな
赤
(
あか
)
い
毛
(
け
)
と、
日
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
けて
生涯
(
しやうがい
)
褪
(
さ
)
めつこない
強
(
つよ
)
い
色
(
いろ
)
を
有
(
も
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうも誠に
有難
(
ありがた
)
うございます、
私
(
わたくし
)
は
最
(
も
)
う一
生涯
(
しやうがい
)
、お
薄茶
(
うす
)
一
服
(
ぷく
)
でも
戴
(
いたゞ
)
けることでないと
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
恁云
(
かうい
)
ふ
學説
(
がくせつ
)
は、
唯
(
たゞ
)
種々
(
しゆ/″\
)
の
學説
(
がくせつ
)
を
集
(
あつ
)
めて
研究
(
けんきう
)
したり、
比較
(
ひかく
)
したりして、
之
(
これ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
生涯
(
しやうがい
)
の
目的
(
もくてき
)
としてゐる、
極
(
きは
)
めて
少數
(
せうすう
)
の
人計
(
ひとばか
)
りに
行
(
おこな
)
はれて、
他
(
た
)
の
多數
(
たすう
)
の
者
(
もの
)
は
其
(
そ
)
れを
了解
(
れうかい
)
しなかつたのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そして、自分の
生涯
(
しやうがい
)
をふりかへつて見てはづかしく思ひました。自分は、じつにじつに、何一つ人のためになることをして来てゐませんでした。わがままいつぱいにふるまつて来ました。
鳥右ヱ門諸国をめぐる
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
余に
計画
(
けいくわく
)
なる者あることなし、何と
愍
(
あはれ
)
むべき(羨むべき)
生涯
(
しやうがい
)
ならずや。
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
安くして
頼
(
たの
)
みますと言ふに城富ハイ夫は
何寄
(
なにより
)
以て有がたう存じます
何卒
(
どうぞ
)
お願ひ申ますと是より
口移
(
くちうつ
)
しに道行の
稽古
(
けいこ
)
より始めて段々と
習
(
なら
)
ひ込んで
生涯
(
しやうがい
)
の一藝にせんものを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あるひは、貴方等の目から御覧に成つたらば、
吾儕
(
わたしども
)
の
事業
(
しごと
)
は
華麗
(
はで
)
でせう。
成程
(
なるほど
)
、
表面
(
うはべ
)
は華麗です。しかし、これほど表面が華麗で、
裏面
(
うら
)
の悲惨な
生涯
(
しやうがい
)
は他に有ませうか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
處
(
ところ
)
で——
父
(
ちゝ
)
の……
危篤
(
きとく
)
……
生涯
(
しやうがい
)
一大事
(
いちだいじ
)
の
電報
(
でんぱう
)
で、
其
(
そ
)
の
年
(
とし
)
一月
(
いちぐわつ
)
、
節
(
せつ
)
いまだ
大寒
(
たいかん
)
に、
故郷
(
こきやう
)
へ
駈戻
(
かけもど
)
つた
折
(
をり
)
は、
汽車
(
きしや
)
で
夜
(
よ
)
をあかして、
敦賀
(
つるが
)
から、
俥
(
くるま
)
だつたが、
武生
(
たけふ
)
までで
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「それに、お崎の敵も討つてやり度い。眼は無事だつたが、あの傷は
生涯
(
しやうがい
)
殘るかも知れない」
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“生涯(
人生
)”の解説
人生(じんせい)とは、人がこの世で生きていくこと。人の、この世に生きている間。あるいは、この世で生きている間に経験することなどである。「人の一生」「生涯」などとも言う。
(出典:Wikipedia)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
涯
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“生涯”で始まる語句
生涯唯一
生涯蟄居