トップ
>
添
>
そ
ふりがな文庫
“
添
(
そ
)” の例文
濁
(
にご
)
れる
水
(
みづ
)
も
色
(
いろ
)
を
添
(
そ
)
へて
極彩色
(
ごくさいしき
)
の
金屏風
(
きんびやうぶ
)
を
渡
(
わた
)
るが
如
(
ごと
)
く、
秋草模樣
(
あきくさもやう
)
に
露
(
つゆ
)
敷
(
し
)
く
袖
(
そで
)
は、
丈
(
せ
)
高
(
たか
)
き
紫苑
(
しをん
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
乘
(
の
)
りて、
驚
(
おどろ
)
き
飛
(
と
)
ぶ
蝶
(
てふ
)
とともに
漾
(
たゞよ
)
へり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして
天児屋根命
(
あめのこやねのみこと
)
、
太玉命
(
ふとだまのみこと
)
、
天宇受女命
(
あめのうずめのみこと
)
、
石許理度売命
(
いしこりどめのみこと
)
、
玉祖命
(
たまのおやのみこと
)
の五人を、お孫さまの
命
(
みこと
)
のお供の
頭
(
かしら
)
としておつけ
添
(
そ
)
えになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
日
(
ひ
)
は
漸
(
やうや
)
く
朝
(
あさ
)
を
離
(
はな
)
れて
空
(
そら
)
に
居据
(
ゐすわ
)
つた。
凡
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
が
明
(
あか
)
るい
光
(
ひかり
)
を
添
(
そ
)
へた。
然
(
しか
)
しながら
周圍
(
しうゐ
)
の
何處
(
いづこ
)
にも
活々
(
いき/\
)
した
緑
(
みどり
)
は
絶
(
た
)
えて
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
らなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
天子
(
てんし
)
さまはたいそう
頼政
(
よりまさ
)
の
手柄
(
てがら
)
をおほめになって、
獅子王
(
ししおう
)
というりっぱな
剣
(
つるぎ
)
に、お
袍
(
うわぎ
)
を
一重
(
ひとかさ
)
ね
添
(
そ
)
えて、
頼政
(
よりまさ
)
におやりになりました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
と云って彼に寄り
添
(
そ
)
うた。ヒューッと風がけたたましく唸るかと思ふと、屋根瓦が飛んで、石垣に強く
打突
(
ぶつつ
)
かって砕ける音がした。
奥間巡査
(新字旧仮名)
/
池宮城積宝
(著)
▼ もっと見る
あらゆる科学文明は人類に生活の「
便宜
(
コンビニエンス
)
」を与えると同時に、殺人の「便宜」までを景品として
添
(
そ
)
えることを忘れはしなかった。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
名は
百合子
(
ゆりこ
)
と云った。歩く時は、いつも男の肩に寄り
添
(
そ
)
っていなければ気が済まないらしく、それがこの少女の
魅力
(
みりょく
)
でもあった。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
汽車
(
きしゃ
)
は、
高
(
たか
)
い
山々
(
やまやま
)
のふもとを
通
(
とお
)
りました。
大
(
おお
)
きな
河
(
かわ
)
にかかっている
鉄橋
(
てっきょう
)
を
渡
(
わた
)
りました。また、
黒
(
くろ
)
いこんもりとした
林
(
はやし
)
に
添
(
そ
)
って
走
(
はし
)
りました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんな折の氏の家庭こそ平常とは打って
変
(
かわ
)
って実に陽気で
愉快
(
ゆかい
)
です。その間などにあって、氏に
一味
(
ひとあじ
)
の「
如才
(
じょさい
)
なさ」が
添
(
そ
)
います。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
もとより彼女のこう云ったのは少しでも保吉の教育に力を
添
(
そ
)
えたいと思ったのであろう。彼もつうやの親切には感謝したいと思っている。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「手児」(巻十四・三三九八・三四八五)の如く、親の手児という意で、それに親しみの「な」の
添
(
そ
)
わったものと云われている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
生中
(
なまなか
)
こがれて
附纒
(
つきまと
)
ふたとて、
晴
(
は
)
れて
添
(
そ
)
はれる
中
(
なか
)
ではなし、
可愛
(
かあい
)
い
人
(
ひと
)
に
不義
(
ふぎ
)
の
名
(
な
)
を
着
(
き
)
せて
少
(
すこ
)
しも
是
(
こ
)
れが
世間
(
せけん
)
に
知
(
し
)
れたら
何
(
なん
)
とせう
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
変えて云うのであるではそのお腹の子の父親はと聞けばそればかりは
尋
(
たず
)
ねないで下さりませどうでその人に
添
(
そ
)
う積りはござりませぬという。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
どれも頑愚な凡石か、
添
(
そ
)
い
屈
(
かが
)
まっている駄石ばかりだ。石にたいして深い観賞眼があるわけでない彼にしても自然見飽きずにはいられない。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
煮たのも来る。
舞茸
(
まいたけ
)
の
味噌汁
(
みそしる
)
が来る。焚き立ての
熱飯
(
あつめし
)
に、此山水の
珍味
(
ちんみ
)
を
添
(
そ
)
えて、関翁以下当年五歳の鶴子まで、
健啖
(
けんたん
)
思わず
数碗
(
すうわん
)
を
重
(
かさ
)
ねる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
だれひとり、その
勇壮活発
(
ゆうそうかっぱつ
)
な
歌詞
(
かし
)
をうたって男先生の
意図
(
いと
)
に
添
(
そ
)
おうとするものはなく、イイイイ ムイミーと歌うのだった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ドイツ文の原文に
添
(
そ
)
えて、
族王
(
エミア
)
が読めるようにというのでアフガニスタン語の翻訳を
携
(
たずさ
)
えて行く。問題はこの訳文だった。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
そのうちに荒田老に
付
(
つ
)
き
添
(
そ
)
っていた鈴田が、平木中佐と何かしめしあわせたあと、朝倉先生の近くによって来てたずねた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
忘れもしない、そのとき、その貧しい老婆のいまわの
床
(
とこ
)
に付き
添
(
そ
)
いながら、わたしは思わずジナイーダの身になって、そら恐ろしくなってきた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
勿論
(
もちろん
)
、あなたの
御迷惑
(
ごめいわく
)
を考え、あっさりした御手紙を
添
(
そ
)
えておいたのですが、きっと返事が来るだろうと信じていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
もっとも君の見らるる通り、僕の家には、装飾品もなければ
骨董品
(
こっとうひん
)
もないし、また僕の着る
着物
(
きもの
)
は、家内のも子供のも同然、流行には
添
(
そ
)
わない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
水
(
みづ
)
を
彈
(
はじ
)
いて
二
(
ふた
)
つが
一所
(
いつしよ
)
に
集
(
あつ
)
まつたと
云
(
い
)
ふよりも、
水
(
みづ
)
に
彈
(
はじ
)
かれた
勢
(
いきほひ
)
で、
丸
(
まる
)
く
寄
(
よ
)
り
添
(
そ
)
つた
結果
(
けつくわ
)
、
離
(
はな
)
れる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
なくなつたと
評
(
ひやう
)
する
方
(
はう
)
が
適當
(
てきたう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
玄関の土間らしい月の光の
朦朧
(
もうろう
)
と
射
(
さ
)
した柱に
添
(
そ
)
うて、
細面
(
ほそおもて
)
の女が大きな舌、六七寸もありそうに思われる大きな長い舌をだらりとたれて立っていた。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
斯
(
か
)
う思つて小池は、ハツと夢から
醒
(
さ
)
めたやうに、自分に引き
添
(
そ
)
つて
低首
(
うなだ
)
れつゝ弱い足を運んでゐるお光の姿を見た。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
次
(
つ
)
ぎに
案外
(
あんがい
)
多
(
おお
)
いのは
若
(
わか
)
い
男女
(
だんじょ
)
の
祈願
(
きがん
)
……つまり
好
(
す
)
いた
同志
(
どうし
)
が
是非
(
ぜひ
)
添
(
そ
)
わしてほしいと
言
(
い
)
ったような
祈願
(
きがん
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
現存石器時代人民中には、此の如き物に
短
(
みぢか
)
き
柄
(
え
)
を
添
(
そ
)
へて
短刀
(
たんとう
)
の如くに用ゐ、或は長き柄を添へて
槍
(
やり
)
とする者有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
認め右道具屋の請取を
添
(
そ
)
へ町奉行所へ差出たり之に依て翌日同心
原田
(
はらだ
)
大右衞門下谷の
自身番
(
じしんばん
)
へ出張し
家主
(
いへぬし
)
廣
(
ひろ
)
次郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
ど
)
うも
此
(
この
)
お
煎茶
(
せんちや
)
の器械からお
茶碗
(
ちやわん
)
からお
茶托
(
ちやたく
)
まで
結構尽
(
けつこうづく
)
め、
中々
(
なか/\
)
お店や
何
(
なに
)
かで
斯
(
か
)
ういふものを使ふお店は無い事で、
何
(
ど
)
うもお菓子まで
添
(
そ
)
へられて
恐入
(
おそれいり
)
ます
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
後ろ向きになつてゐたので顔は分らなかつたが、若い女の人らしく赤ん坊に
添
(
そ
)
へ
乳
(
ち
)
でもしてゐる様子だつた。
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
その男がつけ足していうには、あの小男の首領らしい男は結局自分が連れ
添
(
そ
)
っていたあの女であったらしい。
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その夜、私はミラア先生が
添
(
そ
)
ひ
寢
(
ね
)
して呉れるやうになつてゐた。彼女は私に手傳つて着物を
脱
(
ぬ
)
がしてくれた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
やがて、その
商人
(
あきうど
)
は、やう/\のことで
元
(
もと
)
は
天竺
(
てんじく
)
にあつたのを
求
(
もと
)
めたといふ
手紙
(
てがみ
)
を
添
(
そ
)
へて、
皮衣
(
かはごろも
)
らしいものを
送
(
おく
)
り、
前
(
まへ
)
に
預
(
あづか
)
つた
代金
(
だいきん
)
の
不足
(
ふそく
)
を
請求
(
せいきゆう
)
して
來
(
き
)
ました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
たいくつした見物人の話声が
一時
(
いちじ
)
に
止
(
や
)
んで、
場内
(
ぢやうない
)
は夜の明けたやうな一種の明るさと一種の
活気
(
くわつき
)
を
添
(
そ
)
へた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私の
手
(
て
)
はいつの
間
(
ま
)
にか
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
に
潛
(
くゞ
)
つてゐました。私は
東明館前
(
とうめいくわんまへ
)
から
右
(
みぎ
)
に
折
(
を
)
れて、
譯
(
わけ
)
もなく
明
(
あか
)
るく
賑
(
にぎや
)
かな
街
(
まち
)
の
片側
(
かたがは
)
を、
店々
(
みせ/\
)
に
添
(
そ
)
うて
神保町
(
じんぼうちやう
)
の
方
(
はう
)
へと歩いて行きました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
雪に
潰
(
つぶさ
)
れざる
為
(
ため
)
也。
庭樹
(
にはき
)
は大小に
随
(
したが
)
ひ
枝
(
えだ
)
の
曲
(
まぐ
)
べきはまげて
縛束
(
しばりつけ
)
、
椙丸太
(
すぎまるた
)
又は竹を
添
(
そ
)
へ
杖
(
つゑ
)
となして
枝
(
えだ
)
を
強
(
つよ
)
からしむ。雪
折
(
をれ
)
をいとへば也。
冬草
(
ふゆくさ
)
の
類
(
るゐ
)
は
菰筵
(
こもむしろ
)
を以
覆
(
おほ
)
ひ
包
(
つゝ
)
む。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そんな柳吉のところへ蝶子から
男履
(
おとこば
)
きの草履を
贈
(
おく
)
って来た。
添
(
そ
)
えた手紙には、大分永いこと来て下さらぬゆえ、しん配しています。一同舌をしたいゆえ……とあった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
何某という軍医、恙の虫の論に
図
(
ず
)
など
添
(
そ
)
えて県庁にたてまつりしが、こはところの医のを
剽窃
(
ひょうせつ
)
したるなり云々。かかることしたり
顔
(
がお
)
にいい
誇
(
ほこ
)
るも例の人の
癖
(
くせ
)
なるべし。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そのうちに驅け付けた惡者の仲間が二人、三人、小屋の中に裏切つたお六と、錢形平次が居るものと早合點して、どつと
喊聲
(
かんせい
)
をあげ乍ら、小屋の四方に
薪
(
まき
)
を
添
(
そ
)
へます。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父
(
とう
)
さんはこの
少年
(
せうねん
)
の
讀本
(
とくほん
)
を
書
(
か
)
かうと
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
つた
頃
(
ころ
)
に、
別
(
べつ
)
につくつて
置
(
お
)
いたお
話
(
はなし
)
が一つあります。それは『
兄弟
(
きやうだい
)
』のお
話
(
はなし
)
です。それをこの
本
(
ほん
)
の
後
(
のち
)
に
添
(
そ
)
へようと
思
(
おも
)
ひます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
梟のお父さんは、首を垂れてだまって
聴
(
き
)
いていました。梟の
和尚
(
おしょう
)
さんも遠くからこれにできるだけ耳を傾けていましたが大体そのわけがわかったらしく言い
添
(
そ
)
えました。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
足下
(
きみ
)
の
同情
(
どうじゃう
)
は
多過
(
おほす
)
ぎる
予
(
わし
)
の
悲痛
(
かなしみ
)
に、
只
(
たゞ
)
悲痛
(
かなしみ
)
を
添
(
そ
)
へるばかり。
戀
(
こひ
)
は
溜息
(
ためいき
)
の
蒸氣
(
ゆげ
)
に
立
(
た
)
つ
濃
(
こ
)
い
煙
(
けむり
)
、
激
(
げき
)
しては
眼
(
め
)
の
裡
(
うち
)
に
火花
(
ひばな
)
を
散
(
ち
)
らし、
窮
(
きう
)
しては
涙
(
なみだ
)
の
雨
(
あめ
)
を
以
(
もっ
)
て
大海
(
おほうみ
)
の
水量
(
みかさ
)
をも
増
(
ま
)
す。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
時の将軍家
家慶
(
いへよし
)
公は、前の大御所
家斉
(
いへなり
)
が女の唇が好きだつたのと違つて、若芽薑が何よりも好物であつた。若芽薑といへば、どんな場末の安料理にも
添
(
そ
)
はつてゐるものだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
また
腕
(
うで
)
には
腕環
(
うでわ
)
、
指
(
ゆび
)
には
指環
(
ゆびわ
)
をつけ、
足
(
あし
)
には
金
(
きん
)
めっきした
美
(
うつく
)
しい
銅
(
どう
)
の
靴
(
くつ
)
が
添
(
そ
)
へてあるばかりでなく、この
墓
(
はか
)
からは
支那
(
しな
)
から
渡
(
わた
)
つた
銅器
(
どうき
)
、がらす
器
(
き
)
の
類
(
るい
)
をはじめ、
馬具
(
ばぐ
)
、
刀劍
(
とうけん
)
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「そいつあ今も云った筈だ。たかが窩人の娘じゃねえか。まさか一生
添
(
そ
)
うことも出来めえ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
チベットでは手紙を出す時分には必ず
土産
(
みやげ
)
を
添
(
そ
)
えてやる。相当の土産がないと、この間申しましたカタという
薄絹
(
うすぎぬ
)
を入れてやるのが例ですから、私も相当の土産を贈ってやりました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
かくてはその
災害
(
さいがい
)
を待つに
同
(
おなじ
)
くして
本意
(
ほんい
)
に非ざれば、今より毎年
寸志
(
すんし
)
までの
菲品
(
ひひん
)
を
呈
(
てい
)
すべしとて、その後は
盆
(
ぼん
)
と
暮
(
くれ
)
に
衣物
(
いぶつ
)
金幣
(
きんへい
)
、或は予が特に
嗜好
(
しこう
)
するところの数種を
添
(
そ
)
えて
※
(
おく
)
られたり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
ともう一度、低声につぶやいて、そっとその白覆面白装束の武士に寄り
添
(
そ
)
った。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
或時
(
あるとき
)
徒然
(
つれ/″\
)
なるに
任
(
まか
)
せて、
書物
(
しよもつ
)
の
明細
(
めいさい
)
な
目録
(
もくろく
)
を
編成
(
へんせい
)
し、
書物
(
しよもつ
)
の
背
(
せ
)
には
札
(
ふだ
)
を一々
貼付
(
はりつ
)
けたが、
這麼機械的
(
こんなきかいてき
)
な
單調
(
たんてう
)
な
仕事
(
しごと
)
が、
却
(
かへ
)
つて
何故
(
なにゆゑ
)
か
奇妙
(
きめう
)
に
彼
(
かれ
)
の
思想
(
しさう
)
を
弄
(
ろう
)
して、
興味
(
きようみ
)
をさへ
添
(
そ
)
へしめてゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
庭は
一隅
(
ひとすみ
)
の
梧桐
(
あおぎり
)
の繁みから次第に暮れて来て、ひょろ
松
(
まつ
)
檜葉
(
ひば
)
などに
滴
(
したた
)
る
水珠
(
みずたま
)
は夕立の後かと
見紛
(
みまご
)
うばかりで、その
濡色
(
ぬれいろ
)
に夕月の光の薄く映ずるのは何とも
云
(
い
)
えぬすがすがしさを
添
(
そ
)
えている。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかも、だんだん、その表情に恐怖と不安とが
添
(
そ
)
わって来て、やがて
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
添
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“添”を含む語句
添書
附添
添乳
差添
後添
川添
付添
心添
介添
連添
添臥
浦添
引添
河添
添上
相添
添遂
添寝
添状
口添
...