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此上
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このうへ
ふりがな文庫
“
此上
(
このうへ
)” の例文
幸
(
さいはひ
)
に
非常
(
ひじやう
)
なる
同情
(
どうじやう
)
と
好意
(
かうい
)
を
以
(
もつ
)
て一
億圓
(
おくゑん
)
のクレデイツトの
設定
(
せつてい
)
をすることが
出來
(
でき
)
たことは、
日本
(
にほん
)
の
財界
(
ざいかい
)
に
取
(
と
)
つて
此上
(
このうへ
)
もなき
次第
(
しだい
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
此上
(
このうへ
)
にお
頼
(
たの
)
みは
萬々
(
ばん/″\
)
見送
(
みおく
)
りなどして
下
(
くだ
)
さるな、さらでだに
泣
(
な
)
き
男
(
おとこ
)
の
我
(
わ
)
れ
朋友
(
ともだち
)
の
手前
(
てまへ
)
もあるに
何
(
なに
)
かをかしく
察
(
と
)
られてもお
互
(
たがひ
)
に
詰
(
つま
)
らず
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ヘイ、
色々
(
いろ/\
)
に
介抱
(
かいはう
)
いたしましたが
気
(
き
)
が
附
(
つ
)
きませぬ、
此上
(
このうへ
)
は
如何
(
いかゞ
)
いたしませう。殿「イヤ、
全
(
まつた
)
く
生体
(
しやうたい
)
なければ
幸
(
さひは
)
ひぢやて、
今度
(
こんど
)
は
解剖
(
ふわけ
)
ぢや。 ...
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
思へば
故
(
こ
)
内府の思顧の侍、其數を知らざる内に、世を捨てし瀧口の
此期
(
このご
)
に及びて君の御役に立たん事、
生前
(
しやうぜん
)
の
面目
(
めんぼく
)
此上
(
このうへ
)
や候べき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
話
(
はなし
)
は
夫
(
それ
)
から
前
(
まへ
)
の
家
(
うち
)
を
離
(
はな
)
れて、
家主
(
やぬし
)
の
方
(
はう
)
へ
移
(
うつ
)
つた。
是
(
これ
)
は、
本多
(
ほんだ
)
とは
丸
(
まる
)
で
反對
(
はんたい
)
で、
夫婦
(
ふうふ
)
から
見
(
み
)
ると、
此上
(
このうへ
)
もない
賑
(
にぎ
)
やかさうな
家庭
(
かてい
)
に
思
(
おも
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
死神
(
しにがみ
)
が
吾等
(
われら
)
の
婿
(
むこ
)
、
死神
(
しにがみ
)
が
吾等
(
われら
)
の
嗣子
(
あとつぎ
)
、
此上
(
このうへ
)
は
吾等
(
われら
)
も
死
(
し
)
んで
何
(
なに
)
もかも
彼奴
(
あいつ
)
に
與
(
く
)
れう、
命
(
いのち
)
も
財産
(
しんだい
)
も
何
(
なに
)
もかも
死神
(
しにがみ
)
めに
與
(
く
)
れませうわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「おほせまでも
候
(
さふら
)
はず、
江戸表
(
えどおもて
)
にて
將軍
(
しやうぐん
)
御手飼
(
おてがひ
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
たりとも
此上
(
このうへ
)
に
何
(
なん
)
とか
仕
(
つかまつ
)
らむ、
日本一
(
につぽんいち
)
にて
候
(
さふらふ
)
。」と
餘念
(
よねん
)
も
無
(
な
)
き
體
(
てい
)
なり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
實
(
じつ
)
は
私
(
わたくし
)
は
貴方
(
あなた
)
との
談話
(
だんわ
)
に
於
(
おい
)
て、
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
い
滿足
(
まんぞく
)
を
得
(
え
)
ましたのです。で、
私
(
わたくし
)
は
貴方
(
あなた
)
のお
話
(
はなし
)
を
不殘
(
のこらず
)
伺
(
うかゞ
)
ひましたから、
此度
(
こんど
)
は
何卒
(
どうぞ
)
私
(
わたくし
)
の
話
(
はなし
)
をもお
聞
(
き
)
き
下
(
くだ
)
さい。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
救
(
すくひ
)
しなり
或時
(
あるとき
)
彼の四人
打寄
(
うちよつ
)
て
耳語
(
さゝやく
)
やう又七
事
(
こと
)
是迄
(
これまで
)
種々
(
しゆ/″\
)
非道
(
ひだう
)
になすと雖も此家を
出行
(
いでゆく
)
景色なし
此上
(
このうへ
)
は如何せんと
相談
(
さうだん
)
しけるにお
常
(
つね
)
は
膝
(
ひざ
)
を
進
(
すゝ
)
め是は
毒藥
(
どくやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其所
(
そこ
)
を
發掘
(
はつくつ
)
し
得
(
う
)
る
機會
(
きくわい
)
を
得
(
え
)
た。
千載
(
せんさい
)
の一
遇
(
ぐう
)
。それに
參豫
(
さんよ
)
した
余
(
よ
)
は、
實
(
じつ
)
に
採集家
(
さいしふか
)
としての
名譽
(
めいよ
)
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
お前に
此上
(
このうへ
)
心配や労働をさせて成るものか、其れは
己
(
おれ
)
から云ふ事だ。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
空
(
むな
)
しく
波上
(
はじやう
)
に
漾
(
たゞよ
)
つて
居
(
を
)
るのは
無謀
(
むぼう
)
此上
(
このうへ
)
もない
事
(
こと
)
です。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
モン長 なう、
情
(
なさけ
)
なや、
我君
(
わがきみ
)
!
我子
(
わがこ
)
の
追放
(
つゐはう
)
を
歎悲
(
なげき
)
の
餘
(
あま
)
りに
衰
(
おとろ
)
へて、
妻
(
つま
)
は
昨夜
(
やぜん
)
相果
(
あひはて
)
ました。
尚
(
なほ
)
此上
(
このうへ
)
にも
老人
(
らうじん
)
をさいなむは
如何
(
いか
)
なる
不幸
(
ふかう
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
幼君
(
えうくん
)
其時
(
そのとき
)
「これにてよきか」と
彼
(
か
)
の
者
(
もの
)
に
尋
(
たづ
)
ねたまへり。「
天晴
(
あつぱれ
)
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
く
候
(
さふらふ
)
」と
只管
(
ひたすら
)
に
賞
(
ほ
)
め
稱
(
たゝ
)
へつ。
幼君
(
えうくん
)
かさねて、「いかに
汝
(
なんじ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
協
(
かな
)
へるか、」
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先刻
(
さつき
)
、運動会はつまらないから、
此所
(
こゝ
)
にゐると、
丘
(
おか
)
の上で答へた時に、美禰子は真面目な顔をして、
此上
(
このうへ
)
には何か面白いものがありますかと聞いた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
取つて親子が
活計
(
たつき
)
となすも
今茲
(
ことし
)
で
丁度
(
ちやうど
)
三年越し他に樂みもあらざれど娘も
最
(
いと
)
も
孝行
(
かうかう
)
にして呉る故
夫
(
それ
)
のみが
此上
(
このうへ
)
もなき身の
喜
(
よろこ
)
び是も
今茲
(
ことし
)
はモウ十七
婿
(
むこ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
卑賤
(
ひせん
)
にそだちたる
我身
(
わがみ
)
なれば
初
(
はじ
)
めより
此上
(
このうへ
)
を
見
(
み
)
も
知
(
し
)
らで、
世間
(
せけん
)
は
裏屋
(
うらや
)
に
限
(
かぎ
)
れるものと
定
(
さだ
)
め、
我家
(
わがや
)
のほかに
天地
(
てんち
)
のなしと
思
(
おも
)
はゞ、はかなき
思
(
おも
)
ひに
胸
(
むね
)
も
燃
(
も
)
えじを
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
同時
(
どうじ
)
に
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
調節
(
てうせつ
)
、
國際貸借
(
こくさいたいしやく
)
の
改善
(
かいぜん
)
に
此上
(
このうへ
)
もない
次第
(
しだい
)
と
考
(
かんが
)
へる。
尚
(
な
)
ほ
前
(
まへ
)
に
述
(
の
)
べた
如
(
ごと
)
く、
金解禁
(
きんかいきん
)
は
日本内地
(
にほんないち
)
から
見
(
み
)
てもさうであるが、
海外
(
かいぐわい
)
から
見
(
み
)
れば一
層
(
そう
)
の
大問題
(
だいもんだい
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
昔の人で
了簡
(
れうけん
)
が
狭
(
せま
)
いから、
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
れてすご/\と
宅
(
うち
)
へ
帰
(
かへ
)
り、
女房
(
にようばう
)
に
一伍一什
(
いちぶしじう
)
を話し、
此上
(
このうへ
)
は
夫婦別
(
ふうふわか
)
れをして、
七歳
(
なゝつ
)
ばかりになる女の子を
女房
(
にようばう
)
に
預
(
あづ
)
けて、
国
(
くに
)
へ
帰
(
かへ
)
るより
仕方
(
しかた
)
がない。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
マーキュ おゝ、
柔弱
(
てぬる
)
い、
不面目
(
ふめんもく
)
な、
卑劣
(
ひれつ
)
な
降參
(
かうさん
)
!
此上
(
このうへ
)
は
劍
(
けん
)
あるのみぢゃ。(劍を拔く)。チッバルト、いやさ、
猫王
(
ねこまた
)
どの、お
往
(
ゆ
)
きゃらうか?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
進
(
すゝ
)
まれもせず、
引返
(
ひきかへ
)
せば
再
(
ふたゝ
)
び
石臼
(
いしうす
)
だの、
松
(
まつ
)
の
葉
(
は
)
だの、
屋根
(
やね
)
にも
廂
(
ひさし
)
にも
睨
(
にら
)
まれる、あの、
此上
(
このうへ
)
もない
厭
(
いや
)
な
思
(
おもひ
)
をしなければならぬの
歟
(
か
)
と、それもならず。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
既に平岡に
嫁
(
とつ
)
いだ三千代に対して、こんな関係が起り得るならば、
此上
(
このうへ
)
自分に既婚者の資格を与へたからと云つて、同様の関係が
続
(
つゞ
)
かない訳には行かない。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此方は
増々
(
ます/\
)
聲ふるはせ
最
(
もう
)
此上
(
このうへ
)
は爭ふより今に
夫
(
をつと
)
が歸りなば
直樣
(
すぐさま
)
分る事柄なり金の出所は市之丞より受取たるに
相違
(
さうゐ
)
なしと終には互に
大音
(
だいおん
)
揚
(
あげ
)
云爭
(
いひあらそ
)
ひて居たりけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
とも
思
(
おも
)
ひ
又
(
また
)
自
(
みづ
)
から
勵
(
はげ
)
ましては、
何
(
なん
)
の
譯
(
わけ
)
もなきこと、
大英斷
(
だいえいだん
)
の
庭男
(
にはをとこ
)
とさへ
成
(
な
)
りし
我
(
われ
)
、
此上
(
このうへ
)
の
出來
(
でき
)
ごと
覺悟
(
かくご
)
の
前
(
まへ
)
なり、
只
(
たゞ
)
あやふきは
令孃
(
ひめ
)
が
心
(
こヽろ
)
にて、
首尾
(
しゆび
)
よく
文
(
ふみ
)
は
屆
(
とヾ
)
きたりとも
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
又
(
また
)
折々
(
をり/\
)
は
其
(
そ
)
のお
方
(
かた
)
のお
供
(
とも
)
をいたして、
大坂
(
おほさか
)
で
有名
(
いうめい
)
な
藤田様
(
ふぢたさま
)
の
御別荘
(
ごべつさう
)
へ
参
(
まゐ
)
りまして、お
座敷
(
ざしき
)
を
拝見
(
はいけん
)
したり、
御懐石
(
ごくわいせき
)
を
頂戴
(
ちやうだい
)
した
跡
(
あと
)
で
薄茶
(
うすちや
)
を
頂
(
いたゞ
)
いたりして、誠に
此上
(
このうへ
)
もない
結構
(
けつこう
)
な事でございます。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
消費者
(
せうひしや
)
から
見
(
み
)
れば
此上
(
このうへ
)
もない
福音
(
ふくいん
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
固
(
もと
)
より
些細
(
ささい
)
のことながら
萬事
(
ばんじ
)
は
推
(
お
)
して
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
けむ、
向後
(
かうご
)
我身
(
わがみ
)
の
愼
(
つゝし
)
みのため、
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
き
記念
(
きねん
)
として、
彼
(
か
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
は
床
(
とこ
)
に
据
(
す
)
ゑ、
見
(
み
)
て
慰
(
なぐさ
)
みとなすべきぞ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
堪忍
(
かんにん
)
をし、
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
つても
先方
(
さき
)
は
大勢
(
おほぜい
)
、
此方
(
こつち
)
は
皆
(
みな
)
よわい
者
(
もの
)
ばかり、
大人
(
おとな
)
でさへ
手
(
て
)
が
出
(
だ
)
しかねたに
叶
(
かな
)
はぬは
知
(
し
)
れて
居
(
ゐ
)
る、
夫
(
そ
)
れでも
怪我
(
けが
)
のないは
仕合
(
しあはせ
)
、
此上
(
このうへ
)
は
途中
(
とちう
)
の
待
(
まち
)
ぶせが
危
(
あぶ
)
ない
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然
(
しか
)
しいくら
退屈
(
たいくつ
)
だつて、
此上
(
このうへ
)
御目出
(
おめで
)
たいものを、
見
(
み
)
たり
聞
(
き
)
いたりしちや
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れますし、
又
(
また
)
御正月
(
おしやうぐわつ
)
らしいものを
呑
(
の
)
んだり
食
(
く
)
つたりするのも
恐
(
おそ
)
れますから、それで、
御正月
(
おしやうぐわつ
)
らしくない
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
(
可
(
いゝ
)
塩梅
(
あんばい
)
に
今日
(
けふ
)
は
水
(
みづ
)
がふへて
居
(
を
)
りますから、
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
りませんでも
此上
(
このうへ
)
で
可
(
よ
)
うございます。)と
甲
(
かう
)
を
浸
(
ひた
)
して
爪先
(
つまさき
)
を
屈
(
かゞ
)
めながら、
雪
(
ゆき
)
のやうな
素足
(
すあし
)
で
石
(
いし
)
の
盤
(
ばん
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此上
(
このうへ
)
には石があつて、
崖
(
がけ
)
がある
許
(
ばか
)
りである。面白いものがあり様筈がない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
別亭
(
はなれ
)
の
洒落
(
しやれ
)
たるがありて、
名物
(
めいぶつ
)
の
松
(
まつ
)
がありてと
父君
(
ちヽぎみ
)
の
自慢
(
じまん
)
にすがり、
私
(
わたく
)
し
年來
(
としごろ
)
我
(
わ
)
が
儘
(
まヽ
)
に
暮
(
くら
)
して、
此上
(
このうへ
)
のお
願
(
ねが
)
ひは
申
(
まうし
)
がたけれど、とてもの
世
(
よ
)
を
其處
(
そこ
)
に
送
(
おく
)
らしては
給
(
たま
)
はらぬか、
甚之助樣
(
じんのすけさま
)
成長
(
おうきう
)
ならば
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いはゞ
私
(
わし
)
も
福人
(
ふくじん
)
の
一人
(
ひとり
)
、いづれも
柔順
(
おとな
)
しい
子供
(
こども
)
を
持
(
も
)
つて
育
(
そだ
)
てるに
手
(
て
)
は
懸
(
かゝ
)
らず
人
(
ひと
)
には
褒
(
ほ
)
められる、
分外
(
ぶんぐわい
)
の
欲
(
よく
)
さへ
渇
(
かわ
)
かねば
此上
(
このうへ
)
に
望
(
のぞ
)
みもなし、やれ/\
有難
(
ありがた
)
い
事
(
こと
)
と
物
(
もの
)
がたられる、あの
相手
(
あいて
)
は
定
(
さだ
)
めし
母樣
(
はゝさん
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「いで、
此上
(
このうへ
)
は、
茄子
(
なすび
)
の
印
(
いん
)
を
結
(
むす
)
んで
掛
(
か
)
け、いろはにほへとと
祈
(
いの
)
るならば、などか
奇特
(
きどく
)
のなかるべき、などか、ちりぬるをわかンなれ。」と
祈
(
いの
)
る
時
(
とき
)
、
傘
(
かさ
)
を
半
(
はん
)
びらきにした、
中
(
なか
)
にも
毒々
(
どく/\
)
しい
魔形
(
まぎやう
)
なのが
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
此上
(
このうへ
)
には何か面白いものが
有
(
あ
)
つて?」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
月給
(
げつきう
)
の八
圓
(
ゑん
)
はまだ
昇給
(
しようきう
)
の
沙汰
(
さた
)
も
無
(
な
)
し、
此上
(
このうへ
)
小兒
(
ちいさい
)
が
生
(
うま
)
れて
物入
(
ものい
)
りが
嵩
(
かさ
)
んで、
人手
(
ひとで
)
が
入
(
い
)
るやうに
成
(
な
)
つたら、お
前
(
まへ
)
がたが
何
(
なん
)
とする、
美尾
(
みを
)
は
虚弱
(
きよじやく
)
の
身體
(
からだ
)
なり、
良人
(
おつと
)
を
助
(
たす
)
けて
手内職
(
てないしよく
)
といふも六ツかしかるべく
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此上
(
このうへ
)
何事
(
なにごと
)
か
起
(
おこ
)
つたら、
三人
(
さんにん
)
とも
團子
(
だんご
)
に
化
(
な
)
つてしまつたらう。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
如何
(
どう
)
も申されねどお
前
(
まへ
)
さまのお
優
(
や
)
さしさは
身
(
み
)
にしみて
忘
(
わす
)
れませぬ
勿躰
(
もつたい
)
なけれどお
主樣
(
しゆうさま
)
といふ
遠慮
(
ゑんりよ
)
もなく
新參
(
しんざん
)
の
身
(
み
)
のほども
忘
(
わす
)
れて
云
(
い
)
ひたいまゝの
我儘
(
わがまゝ
)
ばかり
兩親
(
ふたおや
)
の
傍
(
そば
)
なればとて
此上
(
このうへ
)
は
御座
(
ござ
)
いませぬ
左
(
さ
)
りながら
悔
(
くや
)
しきは
生來
(
せいらい
)
の
鈍
(
にぶ
)
きゆゑ
到底
(
とて
)
も
御相談
(
ごさうだん
)
の
相手
(
あいて
)
には
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“此上”で始まる語句
此上無