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昇給
母親はほた/\として
茶を
進めながら、
亥之は
今しがた
夜學に
出て
行ました、あれもお
前お
蔭さまで
此間は
昇給させて
頂いたし、
課長樣が
可愛がつて
下さるので
何れ
位心丈夫であらう
月給の八
圓はまだ
昇給の
沙汰も
無し、
此上小兒が
生れて
物入りが
嵩んで、
人手が
入るやうに
成つたら、お
前がたが
何とする、
美尾は
虚弱の
身體なり、
良人を
助けて
手内職といふも六ツかしかるべく