)” の例文
ここおいせいぐんものをして、(五三)萬弩ばんどみちはさんでふくせしめ、(五四)していはく、『くれがるをともはつせよ』
五六日すると、壮い男の懲罰ちょうばつを受けるが尽きました。むすめは壮い男に昼の自由を与えて、夜はそのままに切燈台の役を勉めさせました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ことに我が国のごときは十年を一とし、おそらくは七、八年中には、思想が一変しつつあるかと思わるるほどに変化が多い。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
我々は牛肉ぎうにくくらへども我々の邸内ていないに在る物捨て塲に於て牛骨を見る事はがたし。是自家庖廚はうちうの他に牛肉販賣店はんばいてん有るに由る。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
せずして、かれの周囲しゅういを、一同のものがドッと取りまいた、ただそのようすを、さびしそうにながめていたのは、坂東巡礼ばんどうじゅんれいのおときであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これには人間にんげんこぶしほどもある大形おほがたのものが非常ひじようおほいのでありまして、一番いちばんふる石器せつきといはれ、セイユ石器せつきばれてゐるものであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
われらの名探偵は、何か胸にするところあるもののようなおももちで、じっと殿村をにらみつけたではありませんか。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
帝国議会ハ明治二十三年ヲもつこれヲ召集シ議会開会ノ時ヲ以テ此ノ憲法ヲシテ有効ナラシムルノトスヘシ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
けだし、せずして、ひと宙返ちうがへりをして車夫わかいしゆあたま乘越とびこしたのである。はらふほどすなもつかない、が、れはあと悚然ぞつとした。……じつところいまでもまだ吃驚びつくりしてゐる。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
思想しさう人間にんげん成熟せいじゆくたつして、其思想そのしさう發展はつてんされるときになると、其人間そのにんげん自然しぜん自分じぶんがもうすで輪索わなかゝつてゐるのがれるみちくなつてゐるのをかんじます。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
彼等かれらのあるものは、避暑ひしよといふ名義めいぎもとに、すで東京とうきやうはなれてゐた。あるものは不在ふざいであつた。またあるものは多忙たばうのためときして、勤務先きんむさきはうとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それは少年少女おわりごろから、アドレッセンス中葉ちゅうようたいする一つの文学としての形式けいしきをとっている。
し其をしてばうに至らしめば、則ち其の神明はかられざること、おもふに當に何如たるべきぞや。凡そ孔子を學ぶ者は、宜しく孔子の志を以て志と爲すべし。
双剣一に収まって和平を楽しむのいまだいたらざるあかしであろうが、前門に雲舞いくだって後門こうもんりゅうを脱す。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
さうして挿絵さしゑ桂舟けいしう担当たんとうするなど、前々ぜん/\の紙上から見るとすこぶ異色いしよくを帯びてました、ゆえこれだいる、我楽多文庫がらくたぶんこ生命せいめいだいまたしばら絶滅ぜつめつしたのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
こんなことをしなくても、かれらは自然しぜんをたのしみ、なやむことなく、安心あんしんして生活せいかつするではないか。こんなようなうたがいが、せずして三にんあたまなかにあったのでした。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今後こんごするところは士族に固有こゆうする品行のなるものを存してますますこれを養い、物をついやすの古吾こごを変じて物を造るの今吾こんごとなし、あたかも商工のはたらきとって士族の精神に配合し
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさその性質せいしつからいつても、かゝる擧動きよどうでたのはおほいするところがあつたに相違さうゐない。
だい修行中しゅぎょうちゅう経験けいけんした、おもなる事柄ことがらにつきては、以上いじょう大体だいたい申上もうしあげたつもりでございますが
たま/\市場しぢやうとほうまはこもの成熟せいじゆくはやめたつやゝかなかずいくつても自分じぶんくちにはれない。すこしづゝでもほか必要品ひつえうひんもとめるためぜにへようとするのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
才はつたなくして零落れいらくせり、槐葉くわいえふ前蹤ぜんしようし難く、病重うして栖遅せいちす、柳枝りうし左のひぢ
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
どうした事かいまだにが熟さない、芝居の千本桜の狐忠信の鼓は少し馬鹿馬鹿しいが、謡曲の「綾の鼓」はいかにも深酷しんこくで、これは少し舞台を考えるとそのまま小説になるだろう。
探偵小説と音楽 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
文珠岩の如きはじつに奇中のたるものなり、要するに人跡未到のなるを以て、動植物及鉱物共におほいに得る所あらんとするをせしなれ共、右の如く別に珍奇ちんきなる者を発見はつけんせざりき
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
「そう。もうそろそろいい時刻だね。ところで、誰が偵察にいくか、これは公平をしてくじ引きということにしよう。ひとりじゃ心細いから二人一組となっていくことにしようじゃないか」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
問、足下は日本の基督教は今より何年をして復興するとかんがへらるゝや。
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
せわしい農家の夏の戦闘いくさにも休戦のがある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
うすひらたいもの、さき鋭利えいりとがつたものなども出來できてきたのです。これをムスチェーのものといつてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
待ちかまえていた一同の腕は、せずして、梅雪のからだにのびる。いまはいやもおうもあらばこそ、みにくい姿をズルズルと伊那丸いなまるのまえへ引きだされてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だれが音頭おんどをとるともなく、せずしてみんなの両手が、高く空にあがりました。そして一同、かわいらしい声をそろえて、くりかえしくりかえしさけぶのでした。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
柳田やなぎださんは、旅籠はたごのあんまに、加賀かが金澤かなざはでは天狗てんぐはなしくし、奧州あうしう飯野川いひのがはまちんだのは、せずして、同氏どうし研究けんきうさるゝ、おかみん、いたこの亭主ていしゆであつた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
思想しそう人間にんげん成熟せいじゅくたっして、その思想しそう発展はってんされるときになると、その人間にんげん自然しぜん自分じぶんがもうすでにこの輪索わなかかっているのがれるみちくなっているのをかんじます。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こうかんがえると、もうその時計とけいりかえすにはなれませんでした。それから、二人ふたりはいろいろとはなしをして、またたがいにこころしながら、わかれたのであります。
般若の面 (新字新仮名) / 小川未明(著)
穰苴じやうしよすなはへうたふ(一二)ろうけつし、りてぐんめぐへい(一三)ろくし、約束やくそく(一四)申明しんめいす。約束やくそくすでさだまる。夕時せきじ莊賈さうかすなはいたる。穰苴じやうしよいはく、『なんすれぞおくるる』
鐵車てつしやは、險山けんざん深林しんりん何處いづくでも活動くわつどう自在じざいだが、このすなすべりのたにだけでは如何どうすること出來できぬのである、萬一まんいちして、非常ひじやうちからで、幾度いくたび車輪しやりん廻轉くわいてんしてたがまつた無效むだだ。
女がふりかえって微笑しながら、「初めより桑中そうちゅう無くして、すなわ月下げっかぐう有り、偶然にあらざるに似たり」と持ちかけたので、喬生は、「弊居咫尺へいきょしせき佳人かじんく回顧すべきや否や」
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
以て無事目的を達してかへるを得せしむるなり云々と、朝来雨やうやれ来れば一行笑顔えがほを開き、一して戸倉に至るをす、此夜森下君の発案により、鍋伏なべふせを行ふてうをるをたり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
さうして勘次かんじ仕事しごとらちいたのでまた利根川とねがはかれることゝこゝろしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この人は我楽多文庫がらくたぶんこだいころすでに入社してたのであるが、文庫ぶんこには書いた物を出さなかつた、俳諧はいかい社中しやちう先輩せんぱいであつたから、たはむれ宗匠そうせうんでた、神田かんだ五十稲荷ごとふいなりうらんで
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これを察せざるべからず。今日の有様を以て事の本位と定め、これより進むものを積極となし、これより退しりぞくものを消極となし、余輩をしてその積極を望ましむればするところのごとし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
〔譯〕もの其の好む所にあつまるは、人なり。ことせざる所におもむくは、天なり。
私達わたくしたちせずしてたがい見合みあわせました。
そこにあるのは舊石器時代きゆうせつきじだい最後さいごころであるオリニヤックのもので、そのぎにるのが、舊石器時代きゆうせつきじだいから新石器時代しんせつきじだいうつつて中間ちゆうかんのアジールのものです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
つづいては、東国で参陣された宗良むねなが親王へもすすめて、この君とも、ってここで別れた。そして吉野へ送らせた。——彼には胸にする何かがすでにあったとみえる。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敦賀つるが悚毛おぞけつほどわづらはしいのは宿引やどひき悪弊あくへいで、其日そのひしたるごとく、汽車きしやりると停車場ステーシヨン出口でぐちから町端まちはなへかけてまねきの提灯ちやうちん印傘しるしかさつゝみきづき、潜抜くゞりぬけるすきもあらなく旅人たびびと取囲とりかこんで
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのことをおもえば、なにものにも万全ばんぜんすることはかなわないだろう。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それで彼等かれらこゝろにはつてやれ、んでやれ、さうしてらねばはらえぬといふ觀念くわんねんせずして一致いつちするのである。ざるはこんだ饂飩うどん多人數たにんずう彼等かれら到底たうていぶん滿足まんぞくあたるものではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
... なん相送あひおくると』と、(一八)軍正ぐんせいしてうていはく、『軍法ぐんはふに、しておくいたものなにふ』と。こたへていはく、『ざんたうす』と。莊賈さうかおそれ、ひとをしてせて景公けいこうはうじ、すくひをはしむ。
いわんや今後敵国外患がいかんへんなきをすべからざるにおいてをや。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
おほいなるものであつたが、これはせずして年方としかた插繪さしゑ清楚せいそであつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
唐突だしぬけしげりなかから、宛然さながら應答へんたふしてたもののごとく、なにいた。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)