“知死期”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちしご91.7%
ちしき8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
意気地のない男などが、まるで知死期ちしごの苦しみのように口を歪め歯を喰いしばり、ひい/\と悲鳴をあげる事があると、彼は
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
夏頃から夜な夜なここで抱かれていた当の恋人が、知死期ちしごの苦悶を型づけながら死んでいる姿を見たら、とても耐えられるものであるまい。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
或ものは断末魔のうめきを立て、十本の指に空を掴み、あるものは知死期ちしき痙攣けいれんに震え、あの死の恐怖、大手術の恐怖を、まざまざと見物の目の底に焼きつけようとしていたのである。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)