“ちしご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
知死期84.6%
致死期15.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おっかさんがあぶって上げよう、)と、お絹は一世の思出おもいで知死期ちしごは不思議のいい目を見せて、たよたよとして火鉢にった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
花袋は自家の屋根の下で家族にまもられて死んでいったのであるが、その知死期ちしごのきわでかれの眼に浮んだのはこの嵐の中の月ではなかったろうか。
平六と同じような理由で、敵には臆病おくびょうな彼も、今までに何度、致死期ちしごの仲間の者をそのほこの先で、とどめを刺したかわからない。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「弟ヤーイ!」と甚三は、致死期ちしごの声を振り絞った。「われの言葉、あたったぞヤーイ! おれはお北に殺されるぞヤーイ!」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)