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窓
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まど
ふりがな文庫
“
窓
(
まど
)” の例文
外
(
そと
)
で、たこのうなり
声
(
ごえ
)
がする。
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けると、あかるく
日
(
ひ
)
が
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
む。
絹糸
(
きぬいと
)
よりも
細
(
ほそ
)
いくもの
糸
(
いと
)
が、へやの
中
(
なか
)
にかかって
光
(
ひか
)
っている。
ある少年の正月の日記
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ひとりきりになると、男は
窓
(
まど
)
ぎわにいって、まだ
昼間
(
ひるま
)
だというのに、カーテンをひいた。へやのなかが、きゅうに、うす暗くなった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
近所
(
きんじょ
)
の
家
(
いえ
)
の二
階
(
かい
)
の
窓
(
まど
)
から、
光子
(
みつこ
)
さんの
声
(
こえ
)
が
聞
(
き
)
こえていた。そのませた、
小娘
(
こむすめ
)
らしい
声
(
こえ
)
は、
春先
(
はるさき
)
の
町
(
まち
)
の
空気
(
くうき
)
に
高
(
たか
)
く
響
(
ひび
)
けて
聞
(
き
)
こえていた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
赤シャツの農夫は、
窓
(
まど
)
ぶちにのぼって、時計の
蓋
(
ふた
)
をひらき、針をがたがた
動
(
うご
)
かしてみてから、
盤
(
ばん
)
に書いてある小さな字を読みました。
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と
独
(
ひとり
)
で
苦笑
(
くせう
)
する。
其
(
そ
)
のうちに、
何故
(
なぜ
)
か、バスケツトを
開
(
あ
)
けて、
鍋
(
なべ
)
を
出
(
だ
)
して、
窓
(
まど
)
へ
衝
(
つ
)
と
照
(
て
)
らして
見
(
み
)
たくてならない。
指
(
ゆび
)
さきがむづ
痒
(
がゆ
)
い。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
狐の
妖魅
(
えうみ
)
をなす事
和漢
(
わかん
)
めづらしからず、いふもさらなれどいふ也。
我
(
われ
)
雪中にはあかりをとらんため、二階の
窓
(
まど
)
のもとにて
書案
(
つくゑ
)
に
倚
(
よ
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
二人
(
ふたり
)
を
七條
(
しちでう
)
迄
(
まで
)
見送
(
みおく
)
つて、
汽車
(
きしや
)
が
出
(
で
)
る
迄
(
まで
)
室
(
へや
)
の
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
つて、わざと
陽氣
(
やうき
)
な
話
(
はなし
)
をした。プラツトフオームへ
下
(
お
)
りた
時
(
とき
)
、
窓
(
まど
)
の
内
(
うち
)
から
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
左
(
ひだり
)
へ
折
(
お
)
れたところに
応接室
(
おうせつしつ
)
か
喫煙室
(
きつえんしつ
)
かといふやうな
部屋
(
へや
)
の
窓
(
まど
)
の
戸
(
と
)
が
少
(
すこ
)
しあいてゐて
人影
(
ひとかげ
)
が
差
(
さ
)
してゐたが、そこを
過
(
す
)
ぎると
玄関
(
げんかん
)
があつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「どうも
腹
(
はら
)
のなかがおもくるしくてしかたがない。お
妃
(
きさき
)
さまの
窓
(
まど
)
の下にあった
指輪
(
ゆびわ
)
を、あわてて、いっしょにのみこんじまったんだ。」
白ヘビ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
後世
(
こうせい
)
地上
(
ちじやう
)
に
來
(
きた
)
るべき
善美
(
ぜんび
)
なる
生活
(
せいくわつ
)
のこと、
自分
(
じぶん
)
をして一
分
(
ぷん
)
毎
(
ごと
)
にも
壓制者
(
あつせいしや
)
の
殘忍
(
ざんにん
)
、
愚鈍
(
ぐどん
)
を
憤
(
いきどほ
)
らしむる
所
(
ところ
)
の、
窓
(
まど
)
の
鐵格子
(
てつがうし
)
のことなどである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
平常
(
つね
)
の
部屋
(
へや
)
に
倚
(
よ
)
りかゝる
文机
(
ふづくゑ
)
の
湖月抄
(
こげつせう
)
こてふの
卷
(
まき
)
の
果敢
(
はか
)
なく
覺
(
さ
)
めて
又
(
また
)
思
(
おも
)
ひそふ
一睡
(
いつすゐ
)
の
夢
(
ゆめ
)
夕日
(
ゆふひ
)
かたぶく
窓
(
まど
)
の
簾
(
すだれ
)
風
(
かぜ
)
にあほれる
音
(
おと
)
も
淋
(
さび
)
し。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『それも
駄目
(
だめ
)
だ』と
心
(
こゝろ
)
秘
(
ひそ
)
かに
思
(
おも
)
つてる
中
(
うち
)
、
愛
(
あい
)
ちやんは
兎
(
うさぎ
)
が
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
へ
來
(
き
)
たのを
知
(
し
)
り、
急
(
きふ
)
に
片手
(
かたて
)
を
伸
(
の
)
ばして
只
(
たゞ
)
當
(
あて
)
もなく
空
(
くう
)
を
掴
(
つか
)
みました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
明治十二年
(
めいじじゆうにねん
)
に
船
(
ふね
)
で
横濱
(
よこはま
)
に
着
(
つ
)
きまして、その
頃
(
ころ
)
出來
(
でき
)
てゐました
汽車
(
きしや
)
で
東京
(
とうきよう
)
へ
行
(
ゆ
)
く
途中
(
とちゆう
)
、
汽車
(
きしや
)
の
窓
(
まど
)
からそこら
邊
(
へん
)
の
風景
(
ふうけい
)
を
眺
(
なが
)
めてをりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
よろめくように
立上
(
たちあが
)
ったおせんは、
窓
(
まど
)
の
障子
(
しょうじ
)
に
手
(
て
)
をかけた。と、その
刹那
(
せつな
)
、
低
(
ひく
)
いしかも
聞
(
き
)
き
慣
(
な
)
れない
声
(
こえ
)
が、
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
から
浮
(
う
)
き
上
(
あが
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
わたしたちの
部屋
(
へや
)
の
窓
(
まど
)
から見ていると、かれは雪の中を行ったり来たりしていた。わたしはどんな番組をかれが作るか、心配であった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
ピカピカした
窓
(
まど
)
ガラスのうしろに、テンジクアオイのある、
裏通
(
うらどお
)
りのこじんまりとした家は、ニールスの目には、はいりませんでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
金
(
かね
)
のありそうな
家
(
いえ
)
を
見
(
み
)
たら、そこの
家
(
いえ
)
のどの
窓
(
まど
)
がやぶれそうか、そこの
家
(
いえ
)
に
犬
(
いぬ
)
がいるかどうか、よっくしらべるのだぞ。いいか
釜右ヱ門
(
かまえもん
)
。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
昨夜
(
さくや
)
も、
一昨夜
(
いつさくや
)
も、
夕食
(
ゆふしよく
)
果
(
は
)
てゝ
後
(
のち
)
は
部室
(
へや
)
の
窓
(
まど
)
を
開放
(
あけはな
)
して、
海
(
うみ
)
から
送
(
おく
)
る
凉
(
すゞ
)
しき
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれながら、さま/″\の
雜談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
るのが
例
(
れい
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「眼に立つや海青々と北の秋」左の
窓
(
まど
)
から見ると、津軽海峡の青々とした一帯の
秋潮
(
しゅうちょう
)
を隔てゝ、
遙
(
はるか
)
に津軽の地方が水平線上に
浮
(
う
)
いて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
どこの家も、それは、
窓
(
まど
)
も戸も、まる一日しめきりで、中にいる人は、ねているのか、どこかよそへ出ているとしかおもえないようでした。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その時一
羽
(
わ
)
の
鳩
(
はと
)
が森のおくから飛んで来て、
寝
(
ね
)
ついたなりで日をくらす九十に余るおばあさんの家の
窓
(
まど
)
近く羽を休めました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
傍
(
そば
)
の
窓
(
まど
)
をあけて
上氣
(
じやうき
)
した
顏
(
かほ
)
を
冷
(
ひや
)
しながら
暗
(
くら
)
いそとを
見
(
み
)
てゐると、一
間
(
けん
)
ばかりの
路次
(
ろじ
)
を
隔
(
へだ
)
ててすぐ
隣
(
となり
)
の
家
(
うち
)
の
同
(
おな
)
じ二
階
(
かい
)
の
窓
(
まど
)
から
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
窓
(
まど
)
からさしてくるぼーっとした明るみのなかに、
香
(
こう
)
の
煙
(
けむり
)
がもつれ、ろうそくの火がちらついて、
僧正
(
そうじょう
)
の
祈
(
いの
)
りの声はだんだん高まってきました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
余は
室内
(
しつない
)
には大小種々の
棚
(
たな
)
の有りし事を
信
(
しん
)
ずる者なり。入り口の他にも
數個
(
すうこ
)
の
窓
(
まど
)
有りしなるべければ、
室内
(
しつない
)
は
充分
(
じうぶん
)
に
明
(
あかる
)
かりしならん。(續出)
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
まち
子
(
こ
)
は
疲
(
つか
)
れた
身體
(
からだ
)
をそつと
椅子
(
いす
)
にもたれて、
靜
(
しづ
)
かな
下
(
した
)
の
道
(
みち
)
をのぞこふと
窓
(
まど
)
をのぞくと、
窓際
(
まどぎは
)
に
川柳
(
かはやなぎ
)
の
青白
(
あをしろ
)
い
細
(
ほそ
)
い
葉
(
は
)
が
夜
(
よる
)
の
空
(
まど
)
に
美
(
うつく
)
しくのびてた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
左門
前
(
さき
)
にすすみて、
八九
南の
窓
(
まど
)
の
下
(
もと
)
にむかへ、座につかしめ、
兄長
(
このかみ
)
来り給ふことの遅かりしに、老母も待ちわびて、
翌
(
あす
)
こそと
臥所
(
ふしど
)
に入らせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
あすこにきたない
一軒立
(
いっけんだ
)
ちの家があって、たった一つの
窓
(
まど
)
がこっちを向いて開いている。あの窓の中をよく見てごらん。
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
おかあさんもおもしろそうに、にこにこ
笑
(
わら
)
って
聞
(
き
)
いていました。その
時
(
とき
)
きこりは
出
(
だ
)
しぬけに
窓
(
まど
)
から
首
(
くび
)
をぬっと
出
(
だ
)
して
金太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
というのは、竹ノ子
笠
(
がさ
)
の
燕作
(
えんさく
)
が、
正則
(
まさのり
)
に
密書
(
みっしょ
)
をわたしたようすを、休息所の
窓
(
まど
)
から、とっくりにらんでいたのである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは豆潜水艇の横腹についている、丈夫なガラスをはめた
窓
(
まど
)
に、あかりがともったのであります。もちろんそのあかりは、艇の中にあるあかりです。
豆潜水艇の行方
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
漸くに
踏
(
ふみ
)
しめ
勝手
(
かつて
)
の
屋根
(
やね
)
へ
到
(
いた
)
らんとする
機
(
をり
)
思ひも寄らぬ
近傍
(
かたへ
)
の
窓
(
まど
)
より大の男ぬつくと出ければ喜八はハツと驚き既に足を
踏外
(
ふみはづ
)
さんとするに彼の男は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
道翹
(
だうげう
)
は
身
(
み
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
石疊
(
いしだゝみ
)
の
上
(
うへ
)
の
虎
(
とら
)
の
足跡
(
あしあと
)
を
指
(
ゆび
)
さした。
偶
(
たま/\
)
山風
(
やまかぜ
)
が
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
を
吹
(
ふ
)
いて
通
(
とほ
)
つて、
堆
(
うづたか
)
い
庭
(
には
)
の
落葉
(
おちば
)
を
捲
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
墓
(
はか
)
か? いや/\、こりゃ
墓
(
はか
)
ではない、
明
(
あか
)
り
窓
(
まど
)
ぢゃ、なア、
足下
(
きみ
)
。はて、ヂュリエットが
居
(
ゐ
)
るゆゑに、
其
(
その
)
艶麗
(
あてやか
)
さで、
此
(
この
)
窖
(
あなむろ
)
が
光
(
ひか
)
り
輝
(
かゞや
)
く
宴席
(
えんせき
)
とも
見
(
み
)
ゆるわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
が、
小娘
(
こむすめ
)
は
私
(
わたくし
)
に
頓著
(
とんぢやく
)
する
氣色
(
けしき
)
も
見
(
み
)
えず、
窓
(
まど
)
から
外
(
そと
)
へ
首
(
くび
)
をのばして、
闇
(
やみ
)
を
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
に
銀杏返
(
いてふがへ
)
しの
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
を
戰
(
そよ
)
がせながら、ぢつと
汽車
(
きしや
)
の
進
(
すす
)
む
方向
(
はうかう
)
を
見
(
み
)
やつてゐる。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その晩になって李が来て、桑に二語三語話しかけたところ、
窓
(
まど
)
の外でせきばらいの音がした。すると李は急に逃げて往った。そこへ蓮香が入って来て言った。
蓮香
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
少し
離
(
はな
)
れたお寺の
庫裡
(
くり
)
の
窓
(
まど
)
から
暖
(
あたた
)
かそうな
灯
(
ひ
)
の光が
洩
(
も
)
れて見えましたが、雪が
子供
(
こども
)
たちの
胸
(
むね
)
ほども
積
(
つ
)
もっていましたので、そこまでも行くことも出来ません。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
道子
(
みちこ
)
は
客
(
きやく
)
よりも
早
(
はや
)
く
着
(
き
)
てゐる
物
(
もの
)
をぬぎながら、
枕元
(
まくらもと
)
の
窓
(
まど
)
の
硝子障子
(
がらすしやうじ
)
をあけ、「こゝの
家
(
うち
)
、
凉
(
すゞ
)
しいでせう。」
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
わたしは、人をかきわけて、
鉄格子
(
てつごうし
)
のはまった
窓
(
まど
)
に向かった自分の
場所
(
ばしょ
)
へたどりつくと、
両手
(
りょうて
)
を
頭
(
あたま
)
の下へあてがってあおむけにごろりと
寝
(
ね
)
て、目をつぶりました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
煤や赤土で塗りこめた開かずの化粧
窓
(
まど
)
のならんでいる宏大な灰色の木造建物や、それを取囲んでいる恐ろしく長い半崩れの塀のことは、いまだに記憶に残っている。
かもじの美術家:――墓のうえの物語――
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
無邪氣な
惡戲
(
いたづら
)
の末、片意地に芝居見を
強請
(
せが
)
んだ末、弟を泣かした末、私は終日土藏の中に押し
込
(
こ
)
められて泣き叫んだ。その
窓
(
まど
)
の下には
露草
(
つゆくさ
)
の仄かな花が咲いてゐた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
靈
(
れい
)
なる
哉
(
かな
)
この石、
天
(
てん
)
の
雨
(
あめ
)
降
(
ふら
)
んとするや、
白雲
(
はくうん
)
油然
(
ゆぜん
)
として
孔々
(
こう/\
)
より
湧出
(
わきい
)
で
溪
(
たに
)
を
越
(
こ
)
え
峯
(
みね
)
を
摩
(
ま
)
する其
趣
(
おもむき
)
は、
恰度
(
ちやうど
)
窓
(
まど
)
に
倚
(
よ
)
つて
遙
(
はる
)
かに
自然
(
しぜん
)
の
大景
(
たいけい
)
を
眺
(
なが
)
むると
少
(
すこし
)
も
異
(
ことな
)
らないのである。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
窓
(
まど
)
ごしに
月
(
つき
)
おし
照
(
て
)
りてあしひきの
嵐
(
あらし
)
吹
(
ふ
)
く
夜
(
よ
)
は
君
(
きみ
)
をしぞ
念
(
おも
)
ふ 〔巻十一・二六七九〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
新しい
洋服
(
ようふく
)
にからだをつつんで、全校の
視線
(
しせん
)
をあびながら、はれの
壇上
(
だんじょう
)
に立った
光吉
(
こうきち
)
は、
窓
(
まど
)
のそとの冬がれの
丘
(
おか
)
から、母の
慈愛
(
じあい
)
のまなこが自分を見まもっていてくれることを
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
壁にあるのは円形の窓で、天井にあるのはこれも円形の、
玻璃
(
はり
)
で造られた
明
(
あか
)
り
窓
(
まど
)
で、そこに
灯火
(
ともしび
)
が置いてあると見え、そこから鈍い琥珀色の光が、部屋を下様に照らしていた。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
花月
(
かげつ
)
の
夜
(
よ
)
、
雨雪風流
(
うせつふうりゅう
)
の
窓
(
まど
)
にこれをひらいて、たちまち座を賑わそうというのだが、これは膳の上のはなしで、その膳の下には、いつどこで開いてもたちまち座を賑わすに足る
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
二十
間
(
けん
)
にも
餘
(
あま
)
る
巨大
(
きよだい
)
な
建物
(
たてもの
)
は、
見
(
み
)
るから
毒々
(
どく/\
)
しい
栗色
(
くりいろ
)
のペンキで
塗
(
ぬ
)
られ、
窓
(
まど
)
は岩
疊
(
たたみ
)
な
鐵格子
(
てつがうし
)
、
其
(
それ
)
でも
尚
(
ま
)
だ
氣
(
き
)
が
濟
(
す
)
まぬと
見
(
み
)
えて、
其
(
そ
)
の
内側
(
うちがは
)
には
細
(
ほそ
)
い、
此
(
これ
)
も
鐵製
(
てつせい
)
の
網
(
あみ
)
が
張詰
(
はりつ
)
めてある。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
西八條の花見の宴に時頼も
連
(
つらな
)
りけり。其夜
更闌
(
かうた
)
けて家に歸り、其の翌朝は常に似ず朝日影
窓
(
まど
)
に差込む頃やうやく
臥床
(
ふしど
)
を出でしが、顏の色少しく
蒼味
(
あをみ
)
を帶びたり、
終夜
(
よもすがら
)
眠らでありしにや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
ひかりをおほひかくして
窓
(
まど
)
のなかに息をはくねずみいろのあめ
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
この
窓
(
まど
)
からのぞいてみやう シーッしづかにしづかに
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
初
(
はじ
)
めて
氣
(
き
)
がついたやうに
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
を
見
(
み
)
て
呟
(
つぶや
)
く。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
窓
常用漢字
小6
部首:⽳
11画
“窓”で始まる語句
窓硝子
窓際
窓掛
窓外
窓枠
窓框
窓帷
窓側
窓下
窓辺