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朝夕
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あさゆふ
ふりがな文庫
“
朝夕
(
あさゆふ
)” の例文
二十
年
(
ねん
)
生存
(
ながらへ
)
るか
知
(
し
)
れぬが、
朝夕
(
あさゆふ
)
、
世界無比
(
せかいむひ
)
の
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
を
目前
(
もくぜん
)
に
眺
(
なが
)
めつゝも、
終
(
つひ
)
には、
此
(
この
)
絶島
(
ぜつたう
)
の
鬼
(
おに
)
とならねばならぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
冬時
(
とうじ
)
此
(
この
)
河
(
かは
)
に
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふには、
豫
(
あらかじ
)
め
身體
(
しんたい
)
を
入
(
い
)
るゝに
足
(
た
)
る
孔穴
(
こうけつ
)
を
氷
(
こほり
)
を
破
(
やぶ
)
りて
設
(
まう
)
け
置
(
お
)
き、
朝夕
(
あさゆふ
)
此
(
この
)
孔穴
(
こうけつ
)
に
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
して
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふ。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
重
(
かさ
)
ねしも女房お光が
忠實敷
(
まめ/\しく
)
賃裁縫
(
ちんしごと
)
やら
洗濯等
(
せんたくなど
)
なし
細
(
ほそ
)
くも
朝夕
(
あさゆふ
)
の
烟
(
けむり
)
を
立
(
たて
)
啻
(
たゞ
)
夫
(
をつと
)
の病氣
全快
(
ぜんくわい
)
成
(
な
)
さしめ給へと神佛へ
祈念
(
きねん
)
を
掛
(
かけ
)
貧
(
まづ
)
しき中にも
幼少
(
えうせう
)
なる道之助の
養育
(
やういく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何處
(
どこ
)
が
美
(
よ
)
いとも
申
(
まをし
)
がたけれど
華魁衆
(
おいらんしゆ
)
とて
此處
(
こゝ
)
にての
敬
(
うやま
)
ひ、
立
(
たち
)
はなれては
知
(
し
)
るによしなし、かゝる
中
(
なか
)
にて
朝夕
(
あさゆふ
)
を
過
(
す
)
ごせば、
衣
(
きぬ
)
の
白地
(
しらぢ
)
の
紅
(
べに
)
に
染
(
し
)
む
事
(
こと
)
無理
(
むり
)
ならず
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
子供の時から
朝夕
(
あさゆふ
)
に母が
渡世
(
とせい
)
の
三味線
(
しやみせん
)
を
聴
(
き
)
くのが大好きで、習はずして自然に
絃
(
いと
)
の
調子
(
てうし
)
を覚え、町を
通
(
とほ
)
る
流行唄
(
はやりうた
)
なぞは一度
聴
(
き
)
けば
直
(
す
)
ぐに
記憶
(
きおく
)
する
位
(
くらゐ
)
であつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
斯くて
風月
(
ふうげつ
)
ならで訪ふ人もなき嵯峨野の奧に、世を隔てて安らけき
朝夕
(
あさゆふ
)
を樂しみ
居
(
ゐ
)
しに、世に在りし時は弓矢の
譽
(
ほまれ
)
も
打捨
(
うちすて
)
て、狂ひ
死
(
じに
)
に死なんまで
焦
(
こが
)
れし横笛。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
良因
朝夕
(
あさゆふ
)
は北山颪しがそろ/\と身にしみて來ましたが、日のなかはまだ少し暑いくらゐでございます。
能因法師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
扨
(
さて
)
とや、先頃に久々とも何とも、
御生別
(
おんいきわかれ
)
とのみ
朝夕
(
あさゆふ
)
に
諦
(
あきら
)
め
居
(
を
)
り候
御顔
(
おんかほ
)
を拝し、飛立つばかりの
御懐
(
おんなつか
)
しさやら、言ふに謂れぬ悲しさやらに、先立つものは涙にて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
朝夕
(
あさゆふ
)
の
冷
(
つめ
)
たさすら
其
(
そ
)
の
過敏
(
くわびん
)
な
神經
(
しんけい
)
を
刺戟
(
しげき
)
した。
卯平
(
うへい
)
は
何時
(
いつ
)
でも
右
(
みぎ
)
の
横頬
(
よこほゝ
)
を
上
(
うへ
)
にして
居
(
ゐ
)
る
外
(
ほか
)
はなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
恁
(
か
)
くは
森
(
もり
)
のおどろ/\しき
姿
(
すがた
)
のみ、
大方
(
おほかた
)
の
風情
(
ふぜい
)
はこれに
越
(
こ
)
えて、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
趣
(
おもむき
)
言
(
い
)
ひ
知
(
し
)
らずめでたき
由
(
よし
)
。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もとより貧しき身なれども、母の好みにまかせ、
朝夕
(
あさゆふ
)
の食事をととのへすすむといへ共この
筍
(
たけのこ
)
はこまりはてけるが、(中略)
蓑笠
(
みのかさ
)
ひきかづき、二三丁ほど
有
(
ある
)
所
(
ところ
)
の、藪を
心当
(
こころあて
)
に
行
(
ゆき
)
ける。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ついで
現
(
あらは
)
れて
來
(
き
)
た
水力電氣
(
すいりよくでんき
)
そのものはすべてこの
都市
(
とし
)
村落
(
そんらく
)
の
燈火
(
あかり
)
や、いろ/\の
動力
(
どうりよく
)
にも
利用
(
りよう
)
せられ、
電車
(
でんしや
)
、
電信
(
でんしん
)
、
電話
(
でんわ
)
、
電燈
(
でんとう
)
、
工業用機械動力
(
こうぎようようきかいどうりよく
)
をはじめ、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
煑炊
(
にた
)
き、すとうぶや
按摩
(
あんま
)
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
雁
(
かり
)
よそよわがさびしきは南なりのこりの恋のよしなき
朝夕
(
あさゆふ
)
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
わがものがほに
朝夕
(
あさゆふ
)
を
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
朝夕
(
あさゆふ
)
の目ざめに
佐藤春夫詩集
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
斗滿川
(
とまむがは
)
は
余
(
よ
)
が
家
(
いへ
)
を
去
(
さ
)
る
半町餘
(
はんちやうよ
)
の
處
(
ところ
)
に
在
(
あ
)
り。
朝夕
(
あさゆふ
)
灌水
(
くわんすゐ
)
に
赴
(
おもむ
)
くに、
如何
(
いか
)
なる
嚴寒
(
げんかん
)
大雪
(
おほゆき
)
の
候
(
こう
)
と
雖
(
いへど
)
も、
浴衣
(
ゆかた
)
を
纒
(
まと
)
ひ、
草履
(
ざうり
)
を
穿
(
うが
)
つのみにて、
他
(
た
)
に
何等
(
なんら
)
の
防寒具
(
ばうかんぐ
)
を
用
(
もち
)
ゐず。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
赤蜻蛉
(
あかとんぼう
)
田圃
(
たんぼ
)
に乱るれば横堀に
鶉
(
うづら
)
なく頃も近づきぬ、
朝夕
(
あさゆふ
)
の秋風身にしみ渡りて
上清
(
じやうせい
)
が店の
蚊遣香
(
かやりこう
)
懐炉灰
(
くわいろばい
)
に座をゆづり、石橋の田村やが
粉挽
(
こなひ
)
く
臼
(
うす
)
の音さびしく
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あつ
氣
(
け
)
に
取
(
と
)
られたが、しかし
悟
(
さと
)
つた。……
嘗
(
かつ
)
て
相州
(
さうしう
)
の
某温泉
(
ぼうをんせん
)
で、
朝夕
(
あさゆふ
)
ちつともすゞめが
居
(
ゐ
)
ないのを、
夜分
(
やぶん
)
按摩
(
あんま
)
に
聞
(
き
)
いて、
歎息
(
たんそく
)
した
事
(
こと
)
がある。みんな
食
(
く
)
つてしまつたさうだ。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つれなしと見つる浮世に
長生
(
ながら
)
へて、朝顏の
夕
(
ゆふべ
)
を竣たぬ身に
百年
(
もゝとせ
)
の
末懸
(
すゑか
)
けて、
覺束
(
おぼつか
)
なき
朝夕
(
あさゆふ
)
を過すも胸に包める情の露のあればなり。戀かあらぬか、女子の
命
(
いのち
)
はそも何に喩ふべき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
挊
(
かせ
)
げばかせぐほど貧しく成り、次第/\に家をとろへ、今は
朝夕
(
あさゆふ
)
のけぶりさへたえ/″\に成りければ、
三八
(
さんぱち
)
女房に云ふやう、(中略)ふたりが中にまうけし娘ことし十五まで育てぬれ共
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
朝夕
(
あさゆふ
)
がいくらか
凉
(
すゞ
)
しく楽になつたかと思ふと共に大変
日
(
ひ
)
が短くなつて来た。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
朝夕
(
あさゆふ
)
に
打擲
(
うちたゝ
)
き夫は/\
苦々
(
にが/\
)
敷事に御座候
斯
(
かく
)
申上るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
赤蜻蛉
(
あかとんぼう
)
田圃
(
たんぼ
)
に
亂
(
みだ
)
るれば
横堀
(
よこぼり
)
に
鶉
(
うづら
)
なく
頃
(
ころ
)
も
近
(
ちか
)
づきぬ、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
秋風
(
あきかぜ
)
身
(
み
)
にしみ
渡
(
わた
)
りて
上清
(
じやうせい
)
が
店
(
みせ
)
の
蚊遣香
(
かやりかう
)
懷爐灰
(
くわいろばい
)
に
座
(
ざ
)
をゆづり、
石橋
(
いしばし
)
の
田村
(
たむら
)
やが
粉挽
(
こなひ
)
く
臼
(
うす
)
の
音
(
おと
)
さびしく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
去年
(
きよねん
)
の
事
(
こと
)
である。
一雨
(
ひとあめ
)
に、
打水
(
うちみづ
)
に、
朝夕
(
あさゆふ
)
濡色
(
ぬれいろ
)
の
戀
(
こひ
)
しく
成
(
な
)
る、
乾
(
かわ
)
いた
七月
(
しちぐわつ
)
のはじめであつた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
受る事皆御父上の
御高恩
(
ごかうおん
)
なれば
切
(
せめ
)
て此上の御恩報じには
朝夕
(
あさゆふ
)
御側
(
おそば
)
に在て
御介抱
(
ごかいはう
)
申上
度
(
たし
)
聊かも御不自由はさせ申
間敷
(
まじく
)
何卒御止まり下さるゝ樣にと
只管
(
ひたすら
)
に
諫
(
いさ
)
めけれども父秀盛は更に聞入ず成程其方が申す
志
(
こゝろ
)
ざしは
忝
(
かたじ
)
けなけれども未だ/\我等とても全く
老朽
(
おいくち
)
たるといふ身にもあらず諸國を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
見
(
み
)
るが
切
(
せ
)
めての
樂
(
たの
)
しみなり
我
(
わ
)
れは
望
(
のぞ
)
みとて
無
(
な
)
き
身
(
み
)
なれば
生涯
(
しやうがい
)
この
家
(
や
)
に
御奉公
(
ごほうこう
)
して
御
(
お
)
二
タ
方
(
かた
)
さま
朝夕
(
あさゆふ
)
の
御世話
(
おせわ
)
さては
嬰子
(
やゝ
)
さま
生
(
う
)
まれ
給
(
たま
)
ひての
御抱
(
おだ
)
き
守
(
も
)
り
何
(
なに
)
にもあれ
心
(
こゝろ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
その
)
手
(
て
)
と
手
(
て
)
を
取交
(
とりか
)
はすには
及
(
およ
)
ばずとも、
傍
(
そば
)
につき
添
(
そ
)
つて、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
話対手
(
はなしあひて
)
、
蕈
(
きのこ
)
の
汁
(
しる
)
で
御膳
(
ごぜん
)
を
食
(
た
)
べたり、
私
(
わし
)
が
榾
(
ほだ
)
を
焚
(
た
)
いて、
婦人
(
をんな
)
が
鍋
(
なべ
)
をかけて、
私
(
わし
)
が
木
(
こ
)
の
実
(
み
)
を
拾
(
ひろ
)
つて、
婦人
(
をんな
)
が
皮
(
かは
)
を
剥
(
む
)
いて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
路
(
みち
)
は
夫
(
そ
)
れほどで
無
(
な
)
けれど
行
(
ゆ
)
き
限
(
き
)
りにては
我
(
わ
)
れも
心配
(
しんぱい
)
なり
子供
(
こども
)
たちも
淋
(
さび
)
しかるべく、
甚之助
(
じんのすけ
)
は
其
(
その
)
うちにも
慕
(
した
)
ひて、
中姉樣
(
ちうねえさま
)
ならでは
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
けぬに、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
駄々
(
だヾ
)
いかに
増
(
ま
)
さりて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
野人
(
やじん
)
に
蟷螂
(
たうらう
)
あり、
斧
(
をの
)
を
上
(
あ
)
げて
茄子
(
なす
)
の
堅
(
かた
)
きを
打
(
う
)
つ、
響
(
ひゞき
)
は
里
(
さと
)
の
砧
(
きぬた
)
にこそ。
朝夕
(
あさゆふ
)
の
空
(
そら
)
澄
(
す
)
み、
水
(
みづ
)
清
(
きよ
)
く、
霧
(
きり
)
は
薄
(
うす
)
く
胡粉
(
ごふん
)
を
染
(
そ
)
め、
露
(
つゆ
)
は
濃
(
こ
)
く
藍
(
あゐ
)
を
溶
(
と
)
く、
白群青
(
びやくぐんじやう
)
の
絹
(
きぬ
)
の
花野原
(
はなのばら
)
に、
小
(
ちひ
)
さき
天女
(
てんによ
)
遊
(
あそ
)
べり。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
(
ひと
)
とせ
下谷
(
したや
)
のほとりに
仮初
(
かりそめ
)
の
家居
(
いへゐ
)
して、
商人
(
あきびと
)
といふ名も恥かしき、
唯
(
ただ
)
いさゝかの物とり
並
(
なら
)
べて
朝夕
(
あさゆふ
)
のたつきとせし頃、
軒端
(
のきば
)
の
庇
(
ひさし
)
あれたれども、月さすたよりとなるにはあらで
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さきに
秋冷
(
しうれい
)
相催
(
あひもよほ
)
し、
次第
(
しだい
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
の
寒
(
さむ
)
さと
成
(
な
)
り、やがて
暮
(
くれ
)
が
近
(
ちか
)
づくと、
横寺町
(
よこでらまち
)
の
二階
(
にかい
)
に
日
(
ひ
)
が
當
(
あた
)
つて、
座敷
(
ざしき
)
の
明
(
あかる
)
い、
大火鉢
(
おほひばち
)
の
暖
(
あたゝか
)
い、
鐵瓶
(
てつびん
)
の
湯
(
ゆ
)
の
沸
(
たぎ
)
つた
時
(
とき
)
を
見計
(
みはか
)
らつて、お
弟子
(
でし
)
たちが
順々
(
じゆん/\
)
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かかる中にて
朝夕
(
あさゆふ
)
を過ごせば、
衣
(
きぬ
)
の
白地
(
しらぢ
)
の
紅
(
べに
)
に
染
(
し
)
む事無理ならず、美登利の眼の中に男といふ者さつても
怕
(
こわ
)
からず恐ろしからず、女郎といふ者さのみ
賤
(
いや
)
しき勤めとも思はねば
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
春
(
はる
)
の
粧
(
よそほひ
)
の
濃
(
こ
)
き
淡
(
うす
)
き、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
霞
(
かすみ
)
の
色
(
いろ
)
は、
消
(
き
)
ゆるにあらず、
晴
(
は
)
るゝにあらず、
桃
(
もゝ
)
の
露
(
つゆ
)
、
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
に、
且
(
か
)
つ
解
(
と
)
け
且
(
か
)
つ
結
(
むす
)
びて、
水
(
みづ
)
にも
地
(
つち
)
にも
靡
(
なび
)
くにこそ、
或
(
あるひ
)
は
海棠
(
かいだう
)
の
雨
(
あめ
)
となり、
或
(
あるひ
)
は
松
(
まつ
)
の
朧
(
おぼろ
)
となる。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
草
(
くさ
)
むしりに
庭掃除
(
にはさうぢ
)
ぐらゐはとて、六十
男
(
をとこ
)
のする
仕事
(
しごと
)
ぞかし、
勿躰
(
もつたい
)
なや
古事記
(
こじき
)
舊事記
(
くじき
)
を
朝夕
(
あさゆふ
)
に
開
(
ひ
)
らきて、
万葉集
(
まんえふしふ
)
に
不審紙
(
ふしんがみ
)
をしたる
手
(
て
)
を、
泥鉢
(
どろばち
)
のあつかひに
汚
(
け
)
がす
事
(
こと
)
と
人
(
ひと
)
は
知
(
し
)
らねど
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
淺
(
あさ
)
き
心
(
こゝろ
)
の
底
(
そこ
)
はかと
無
(
な
)
く
知
(
し
)
られまする
内
(
うち
)
、
御厭
(
おいと
)
はしさの
種
(
たね
)
も
交
(
まじ
)
るべし、
限
(
かぎ
)
りも
知
(
し
)
れず
廣
(
ひろ
)
き
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
ちては
耳
(
みゝ
)
さへ
目
(
こ
)
さへ
肥
(
こ
)
え
給
(
たま
)
ふ
道理
(
だうり
)
、
有限
(
あるかぎり
)
だけの
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
物
(
もの
)
おもひの
苦
(
く
)
も
知
(
し
)
らで
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
桂次
(
けいじ
)
が
思
(
おも
)
ひやりに
比
(
く
)
べては
遙
(
はる
)
かに
落
(
おち
)
つきて
冷
(
ひや
)
やかなる
物
(
もの
)
なり、おぬひさむ
我
(
わ
)
れがいよ/\
歸國
(
きこく
)
したと
成
(
な
)
つたならば、あなたは
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
ふて
下
(
くだ
)
さろう、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
手
(
て
)
がはぶけて、
厄介
(
やくかい
)
が
减
(
へ
)
つて
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたくし
)
をば
母親
(
はゝおや
)
似
(
に
)
の
面
(
おも
)
ざし
見
(
み
)
るに
肝
(
かん
)
の
種
(
たね
)
とて
寄
(
よ
)
せつけも
致
(
いた
)
されず、
朝夕
(
あさゆふ
)
さびしうて
暮
(
くら
)
しましたるを、
嬉
(
うれ
)
しき
縁
(
こと
)
にて
今
(
いま
)
斯
(
か
)
く
私
(
わたくし
)
が
我
(
わが
)
まゝをも
免
(
ゆる
)
し
給
(
たま
)
ひ、
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
なき
今日此頃
(
けふこのごろ
)
、それは
勿體
(
もつたい
)
ないほどの
有難
(
ありがた
)
さも
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“朝夕”の意味
《名詞》
朝と夕方。
朝食と夕食。
一日中、終日。副詞的にも用いる。
《動詞》
朝食・夕食をとる。
常にともにいる。
(出典:Wiktionary)
朝
常用漢字
小2
部首:⽉
12画
夕
常用漢字
小1
部首:⼣
3画
“朝夕”で始まる語句
朝夕旦暮
朝夕昼夜