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縮
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ちゞ
ふりがな文庫
“
縮
(
ちゞ
)” の例文
愛
(
あい
)
ちやんは
直
(
たゞ
)
ちに
此
(
こ
)
れが
扇子
(
せんす
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所爲
(
せい
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
急
(
いそ
)
いで
其扇子
(
そのせんす
)
を
捨
(
す
)
てました、
恰
(
あだか
)
も
縮
(
ちゞ
)
むのを
全
(
まつた
)
く
恐
(
おそ
)
れるものゝ
如
(
ごと
)
く。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其れが
焼鏝
(
やきごて
)
を当てる様になり、
乃至
(
ないし
)
「ヌマ」と云ふ曲つたピンに巻いて
縮
(
ちゞ
)
らす様になると、癖を附けぬ毛の三倍程も毛は
膨
(
ふく
)
れるが
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
私は暮らしを
縮
(
ちゞ
)
める氣にはなれない——けれど私達はどうなつて行くのだらう。私の收入の三分の二は、抵當の利子に拂ひ込んでゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
いとゞ寒さのきびしきに、雪の都の
高塀
(
たかべい
)
の、
日影
(
ひかげ
)
もらさぬ
石牢
(
いしらう
)
に、しとねもあらぬ板の間に、こゞえ
縮
(
ちゞ
)
みつ苦しまん、友をおもへばたゞ涙
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
トもんどりを
打
(
う
)
つて
手足
(
てあし
)
を
一
(
ひと
)
つに
縮
(
ちゞ
)
めた
處
(
ところ
)
は、
瀧
(
たき
)
を
分
(
わ
)
けて、すとんと
別
(
べつ
)
の
國
(
くに
)
へ
出
(
で
)
た
趣
(
おもむき
)
がある、……そして、
透通
(
すきとほ
)
る
胸
(
むね
)
の、
暖
(
あたゝ
)
かな、
鮮血
(
からくれなゐ
)
の
美
(
うつく
)
しさ。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
死人が左手に掴んでゐた三本の
縮
(
ちゞ
)
れ毛だの、節穴からのぞいた鋭い瞳だの不思議な老人の出現だのと、好奇心は刺戟され、空想は活溌にはね廻り
探偵小説の魅力
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
八五郎はその視線を
避
(
さ
)
けるやうに首を
縮
(
ちゞ
)
めます。この小娘が何を言ひ出すか、危なくて危なくてたまらない樣子でした。
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
されどこはカザールまたはアクアスパルタよりならじ、かしこより來りてかの
文書
(
かきもの
)
に
係
(
たづさ
)
はる者或ひはこれを避け或ひはこれを
縮
(
ちゞ
)
む 一二四—一二六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
おつぎは
冷
(
つめ
)
たい
雨
(
あめ
)
に
沾
(
ぬ
)
れてさうして
少
(
すこ
)
し
縮
(
ちゞ
)
れた
髮
(
かみ
)
が
亂
(
みだ
)
れてくつたりと
頬
(
ほゝ
)
に
附
(
つ
)
いて
足
(
あし
)
には
朽
(
く
)
ちた
竹
(
たけ
)
の
葉
(
は
)
がくつゝいて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
すると
続
(
つゞ
)
いてお
姫様
(
ひめさま
)
が
玄関
(
げんくわん
)
まで
追掛
(
おつかけ
)
て
参
(
まゐ
)
られて、
円朝
(
わたくし
)
を
喚留
(
よびとめ
)
たが
何
(
ど
)
うも
凜
(
りゝ
)
々しくツて、
何
(
なん
)
となく
身体
(
からだ
)
が
縮
(
ちゞ
)
み
上
(
あが
)
り、
私
(
わたくし
)
は
縛
(
しばら
)
れでもするかと思ひました。姫
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
イワン、デミトリチは
昨日
(
きのふ
)
と
同
(
おな
)
じ
位置
(
ゐち
)
に、
兩手
(
りやうて
)
で
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かゝ
)
へて、
兩足
(
りやうあし
)
を
縮
(
ちゞ
)
めた
儘
(
まゝ
)
、
横
(
よこ
)
に
爲
(
な
)
つてゐて、
顏
(
かほ
)
は
見
(
み
)
えぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
身體を
縮
(
ちゞ
)
めて床の中で待つて居たが、寒國の人は總じて朝寢をする、
漸々
(
やう/\
)
女中の入つて來たのは、ものの一時間半も
經
(
た
)
つてからで、起きて顏を洗ひに行かうと
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
明
(
あく
)
る
日
(
ひ
)
も
亦
(
また
)
同
(
おな
)
じ
樣
(
やう
)
に
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
つた。
夫婦
(
ふうふ
)
も
亦
(
また
)
同
(
おな
)
じ
樣
(
やう
)
に
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
を
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
した。その
明
(
あく
)
る
日
(
ひ
)
もまだ
晴
(
は
)
れなかつた。
三日目
(
みつかめ
)
の
朝
(
あさ
)
になつて、
宗助
(
そうすけ
)
は
眉
(
まゆ
)
を
縮
(
ちゞ
)
めて
舌打
(
したうち
)
をした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
髯のなくなつた彼の顔は、ずつと前のそれに逆戻りはしないで、病後の面変りも手つだつて、その円つこい
縮
(
ちゞ
)
かんだ輪郭が何かしら小さく、愛くるしげに見えた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
置
(
おく
)
程
(
ほど
)
の者が己れより月數を
縮
(
ちゞ
)
めて約定なすとはハテ
不審
(
ふしん
)
なり夫れは
暫
(
しばら
)
く
置
(
おき
)
其方儀文右衞門は百兩の金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この頃の寒さに早稲田の応接間で、口を歪めて
縮
(
ちゞ
)
かまつてゐる大隈侯の夫人綾子
刀自
(
とじ
)
である。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
艶麗嫻雅の和語を摸さず、務めて平易の文字と通常の
言語
(
げんぎょ
)
を用い始めしより、世の後進輩靡然として其の風に習い、大いに
言語
(
げんぎょ
)
と文章の
径庭
(
へだたり
)
を
縮
(
ちゞ
)
めたるは余の尤も感賞する所なり
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
時これ十二月
寒
(
かん
)
の土用に際して、
萬物
(
ばんぶつ
)
の
結目
(
むすびめ
)
は
縮
(
ちゞ
)
まり
竦
(
すく
)
み、
夜天
(
やてん
)
に
星斗
(
せいと
)
闌干
(
らんかん
)
たれど
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
夫に逆毛で無い後の二本を
熟
(
よ
)
く検めて見ると其根の所が
仮面
(
めん
)
や鬘から
抜
(
ぬけ
)
た者で無く全く
生
(
はえ
)
た頭から抜た者です夫は根の附て居る所で分ります殊に又合点の行かぬのは
此
(
この
)
縮
(
ちゞ
)
れ具合です
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
且
(
かつ
)
又
(
また
)
これまでの
暦
(
こよみ
)
にはつまらぬ
吉凶
(
きつきやう
)
を
記
(
しる
)
し
黒日
(
くろび
)
の
白日
(
しろび
)
のとて
譯
(
わけ
)
もわからぬ
日柄
(
ひがら
)
を
定
(
さだめ
)
たれば、
世間
(
せけん
)
に
暦
(
こよみ
)
の
廣
(
ひろ
)
く
弘
(
ひろま
)
るほど、
迷
(
まよひ
)
の
種
(
たね
)
を
多
(
おほ
)
く
増
(
ま
)
し、
或
(
あるひ
)
は
婚禮
(
こんれい
)
の
日限
(
にちげん
)
を
延
(
のば
)
し、
或
(
あるひ
)
は
轉宅
(
てんたく
)
の
時
(
とき
)
を
縮
(
ちゞ
)
め
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
おゝ
氣味
(
きみ
)
が
惡
(
わ
)
るいと
首
(
くび
)
を
縮
(
ちゞ
)
めながら、四五
軒
(
けん
)
先
(
さき
)
の
瓦斯燈
(
がすとう
)
の
下
(
した
)
を
大黒傘
(
だいこくがさ
)
肩
(
かた
)
にして
少
(
すこ
)
しうつむいて
居
(
ゐ
)
るらしくとぼ/\と
歩
(
あゆ
)
む
信如
(
しんによ
)
の
後
(
うしろ
)
かげ、
何時
(
いつ
)
までも、
何時
(
いつ
)
までも、
何時
(
いつ
)
までも、
見送
(
みおく
)
るに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お光は女の足音の廊下に遠くなつた頃、低い聲で
斯
(
か
)
う言つて、首を
縮
(
ちゞ
)
めた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
頭
(
あたま
)
をつゝこんで
縮
(
ちゞ
)
かんでゐる
虱
(
しらみ
)
ばかりを
笑
(
わら
)
ふことは
出來
(
でき
)
ないといふのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
自分の前に横たはつてゐる小路の右を眺め左を見返つてゐたみのるは、二三軒先きの下宿屋の軒燈が蒼白い世界にたつた一とつ光りを
縮
(
ちゞ
)
めてゐるやうな淋しい灯影ばかりを心に殘して内へ入つた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
波羅葦僧
(
はらいそ
)
の
空
(
そら
)
をも
覗
(
のぞ
)
く
伸
(
の
)
び
縮
(
ちゞ
)
む
奇
(
き
)
なる
眼鏡
(
めがね
)
を。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「ふう、あゝ、
舌
(
した
)
縮
(
ちゞ
)
まつてしまつたたよ。」
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
縮
(
ちゞ
)
らせたりしない以上は髪が損はれる気遣ひも無いのであるから、出来る
丈
(
だけ
)
工夫して
欲
(
ほ
)
しいと日本婦人の為に自分は痛切に思ふのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「でも、ね親分、あの隱居は疊の上で往生の
遂
(
と
)
げられる人間ぢやありませんぜ。稼業とは言ひ乍ら何百人、何千人の壽命を
縮
(
ちゞ
)
めたか、解らない——」
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
頭
(
あたま
)
を
刎
(
は
)
ねるぞ!』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
聲
(
こゑ
)
のあらん
限
(
かぎ
)
り
叫
(
さけ
)
ばれました。
誰
(
だ
)
れ
一人
(
ひとり
)
として
縮
(
ちゞ
)
み
上
(
あが
)
らぬものはありませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
曰
(
いは
)
く==
陰陽界
(
いんやうかい
)
==とあつたので、
一竦
(
ひとすく
)
みに
縮
(
ちゞ
)
んで、
娑婆
(
しやば
)
へ
逃出
(
にげだ
)
すばかりに
夢中
(
むちう
)
で
此處
(
こゝ
)
まで
駈
(
か
)
けたのであつた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私に分け與へられた
娯樂
(
ごらく
)
は、たゞイライザとヂョウヂアァナの毎日の
裝
(
よそほ
)
ひを見てゐることゝ、彼女等が薄いモスリンを着、赤い帶をしめ、髮を美しく
縮
(
ちゞ
)
らせて
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
其
(
それ
)
に
續
(
つゞ
)
いては
小體
(
こがら
)
な、
元氣
(
げんき
)
な、
※鬚
(
あごひげ
)
の
尖
(
とが
)
つた、
髮
(
かみ
)
の
黒
(
くろ
)
いネグル
人
(
じん
)
のやうに
縮
(
ちゞ
)
れた、
些
(
すこ
)
しも
落着
(
おちつ
)
かぬ
老人
(
らうじん
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
綱
(
つな
)
の
周圍
(
しうゐ
)
から
悉皆
(
みんな
)
の
形
(
かたち
)
づくつて
居
(
ゐ
)
る
輪
(
わ
)
が
縮
(
ちゞ
)
まるやうにして、
一
(
ひと
)
つ
掴
(
つか
)
んでは
又
(
また
)
其
(
そ
)
の
輪
(
わ
)
が
擴
(
ひろ
)
がるやうにしつゝ
引
(
ひ
)
く
容子
(
ようす
)
は
大勢
(
おほぜい
)
が
一
(
ひと
)
つの
紐
(
ひも
)
を
打
(
う
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうな
形
(
かたち
)
にも
見
(
み
)
えた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
熱
(
ねつ
)
があると
惡
(
わる
)
いから、一
日
(
にち
)
休
(
やす
)
んだらと
云
(
い
)
ふ
御米
(
およね
)
の
心配
(
しんぱい
)
を
聞
(
き
)
き
捨
(
ず
)
てにして、
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
り
電車
(
でんしや
)
へ
乘
(
の
)
つた
宗助
(
そうすけ
)
は、
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
と
車
(
くるま
)
の
音
(
おと
)
の
中
(
なか
)
に
首
(
くび
)
を
縮
(
ちゞ
)
めて、たゞ
一
(
ひと
)
つ
所
(
ところ
)
を
見詰
(
みつ
)
めてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
御利益
(
ごりやく
)
を
偏
(
ひと
)
へに願ひますと無理な
願掛
(
ぐわんが
)
けをして、
寿命
(
じゆみやう
)
を三
年
(
ねん
)
縮
(
ちゞ
)
めたので、お
前
(
まへ
)
の
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いたのは二十一
日目
(
にちめ
)
の
満願
(
まんぐわん
)
ぢやアないか、
私
(
わたし
)
は
今朝
(
けさ
)
眼
(
め
)
が
覚
(
さ
)
めてふと
見
(
み
)
ると、
四辺
(
あたり
)
が見えないんだよ
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いろいろの
人
(
ひと
)
が
鳥渡
(
ちよつと
)
好
(
い
)
い
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
せて
直樣
(
すぐさま
)
つまらない
事
(
こと
)
に
成
(
な
)
つて
仕舞
(
しま
)
ふのだ、
傘屋
(
かさや
)
の
先
(
せん
)
のお
老婆
(
ばあ
)
さんも
善
(
い
)
い
人
(
ひと
)
であつたし、
紺屋
(
こうや
)
のお
絹
(
きぬ
)
さんといふ
縮
(
ちゞ
)
れつ
毛
(
け
)
の
人
(
ひと
)
も
可愛
(
かあい
)
がつて
呉
(
く
)
れたのだけれど
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
事
(
こと
)
新
(
あた
)
らしく今更に道十郎が後家に
告口
(
つげぐち
)
なし此長庵が
命
(
いのち
)
を
縮
(
ちゞ
)
めさせたるは忝け
無
(
ない
)
共
(
とも
)
嬉
(
うれ
)
しいとも
禮
(
れい
)
が
言盡
(
いひつく
)
されぬ故今は
括
(
くゝ
)
られた身の
自由
(
じいう
)
成
(
なら
)
ねば
孰
(
いづ
)
れ
黄泉
(
あのよ
)
から
汝
(
おのれ
)
も直に取殺し共に
冥土
(
めいど
)
へ
連
(
つれ
)
て
行
(
ゆき
)
禮を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これは、
歌
(
うた
)
ひ
延
(
のば
)
したり、
縮
(
ちゞ
)
めたりしたからでせう。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
百年
(
もゝとせ
)
を
刹那
(
せつな
)
に
縮
(
ちゞ
)
め、血の
磔
(
はりき
)
脊
(
せ
)
にし死すとも
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
八五郎は首を
縮
(
ちゞ
)
めて
薦
(
すゝ
)
めるのです。無遠慮に突つ込み過ぎて、お勢お
茂世
(
もよ
)
の父親——大瀧清左衞門に小つぴどくやられたことを思ひ出したのでせう。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かもじの
価
(
あたい
)
も日本の十倍位するのである。首筋の
辺
(
あた
)
りで髪を切つて、そして
唯
(
たゞ
)
縮
(
ちゞ
)
らせて垂らした人もあるが、さう云ふ人も床屋へ来て網を掛けさせて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
其故
(
それゆゑ
)
愛
(
あい
)
ちやんは
其菓子
(
そのくわし
)
を
一個
(
ひとつ
)
嚥
(
の
)
み
込
(
こ
)
みました、ところが
直
(
す
)
ぐに
縮
(
ちゞ
)
み
出
(
だ
)
したのを
見
(
み
)
て
喜
(
よろこ
)
ぶまいことか、
戸口
(
とぐち
)
から
出
(
で
)
られる
位
(
くらゐ
)
小
(
ちひ
)
さくなるや
否
(
いな
)
や
家
(
うち
)
から
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
して
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
が、いぢけたのでも
縮
(
ちゞ
)
んだのでもない。
吹込
(
ふきこ
)
む
煙
(
けむり
)
に
惱亂
(
なうらん
)
した
風情
(
ふぜい
)
ながら、
何處
(
どこ
)
か
水々
(
みづ/\
)
として
伸
(
の
)
びやかに
見
(
み
)
える。
襟許
(
えりもと
)
、
肩附
(
かたつき
)
、
褄
(
つま
)
はづれも
尋常
(
じんじやう
)
で、
見好
(
みよ
)
げに
釣合
(
つりあ
)
ふ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
院長
(
ゐんちやう
)
は
肩
(
かた
)
を
縮
(
ちゞ
)
めて
溜息
(
ためいき
)
をしながら
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く、
而
(
さう
)
して
玄關
(
げんくわん
)
の
間
(
ま
)
を
通
(
とほ
)
りながら、ニキタに
向
(
むか
)
つて
云
(
い
)
ふた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
二人
(
ふたり
)
は斯う
凝
(
じつ
)
としてゐる
中
(
うち
)
に、五十年を
眼
(
ま
)
のあたりに
縮
(
ちゞ
)
めた程の精神の
緊
(
きん
)
張を感じた。さうして
其
(
その
)
緊
(
きん
)
張と共に、
二人
(
ふたり
)
が相並んで存在して
居
(
お
)
ると云ふ自覚を失はなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ジュリアの髮は生れつき
縮
(
ちゞ
)
れて居ります。」とテムプル先生は、一層靜かな聲で云つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
おつぎが
慌
(
あわ
)
てゝ
後
(
うしろ
)
を
向
(
む
)
かうとする
時
(
とき
)
、
復
(
ふたゝ
)
び
劇
(
はげ
)
しく
打
(
う
)
つた
手
(
て
)
がおつぎの
鼻
(
はな
)
に
當
(
あた
)
つた。おつぎは
兩手
(
りやうて
)
で
鼻
(
はな
)
を
抑
(
おさ
)
へて
縮
(
ちゞ
)
まつた。
女同士
(
をんなどうし
)
は
樅
(
もみ
)
の
木陰
(
こかげ
)
に
身
(
み
)
を
峙
(
そば
)
めて
手
(
て
)
の
出
(
だ
)
し
樣
(
やう
)
もなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
金の葵
唐草
(
からくさ
)
の
高蒔繪
(
たかまきゑ
)
にて紫縮緬の服紗にて熨斗目麻上下の侍ひ持行同じ出立の
手代
(
てがはり
)
一人
引添
(
ひきそひ
)
たり又麻上下にて
股立
(
もゝだち
)
取
(
とつ
)
たる侍ひ十人宛二行に並ぶ次に
縮
(
ちゞ
)
ら熨斗目に
紅裏
(
こううら
)
の小袖麻上下にて股立取たるは
何阿彌
(
なにあみ
)
とかいふ
同朋
(
どうぼう
)
なりさて天一坊は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
人
來
(
く
)
れば
肢
(
あし
)
を
縮
(
ちゞ
)
め
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
茂七の顏は伸びたり
縮
(
ちゞ
)
んだりします。矢が飛んでから、悲鳴が聞えるまで、そんなに
隙
(
ひま
)
のあるのは何とした事でせう。
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“縮”の解説
縮(ちぢみ)とは中世日本において枡の大小差から発生する計量上の減少分のこと。
(出典:Wikipedia)
縮
常用漢字
小6
部首:⽷
17画
“縮”を含む語句
萎縮
縮尻
畏縮
唐縮緬
一縮
恐縮
伸縮
縮毛
緋縮緬
黒縮緬
居縮
絹縮
縮緬
大縮尻
紫縮緬
縞縮緬
友禅縮緬
縮図
緊縮
收縮
...