毎晩まいばん)” の例文
こんどは京都きょうと羅生門らしょうもん毎晩まいばんおにが出るといううわさがちました。なんでもとおりかかるものをつかまえてはべるという評判ひょうばんでした。
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
夕飯ゆうはんのあとは、お祖父じいさん、お祖母ばあさん、少年しょうねんの三にんが、いろりのはたでえだ松葉まつばをたき、毎晩まいばんのようにたのしくおはなしをしました。
おかまの唄 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もし自分じぶん文字もんじつうじてゐたなら、ひとつ羊皮紙やうひしれて、それにしたゝめもしよう。さうして毎晩まいばんうんとうまものべてやる。
毎日まいにちる、ひと毎日まいにちはたらけ。さうすれば毎晩まいばんやすらかにねむられる、さうすれば、其翌日そのよくじつまたあたらしいをがむことが出來できる。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
本當ほんたうにおめえてえなもなねえよ、けえときから毎晩まいばん酩酊よつぱらつちや後夜ごやとりでもかまあねえうまひいけえつちやれるほどたゝいて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
要吉は、毎晩まいばん、売れ残ってくさったくだものを、大きなかごにいれて、鉄道線路てつどうせんろのむこうにあるやぶの中へすてにいかなければなりませんでした。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
しかるにかれ毎晩まいばんねむらずして、我儘わがまゝつてはほか患者等くわんじやら邪魔じやまをするので、院長ゐんちやうのアンドレイ、エヒミチはかれを六號室がうしつ別室べつしつうつしたのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
毎晩まいばん毎晩まいばん、毎年毎年、攻めるものと守るものとのあいだには、くりかえしくりかえし、たたかいがつづけられました。
もう一人仲間なかまにやはりはつかねずみの見世物を出す子どもがある。このほうは四十スーと決められているのだが、毎晩まいばんきっとそれだけの金を持って帰る。
もりはやしのあるところならよいが、つかれてもはねをやすめることもできず、おなかいてもなに一つべるものもない、ひろいひろい、それはおほきな、毎日まいにち毎晩まいばん
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
それから彼女かのぢよ毎晩まいばん惡夢あくむた。片山かたやま後手うしろでしばげられてうへからるされてゐる、拷問がうもんゆめである。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
「おせんのとこへ、菊之丞はまむらや毎晩まいばんかようッてうわさんだんだが、そいつをおめえはってるだろうの」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
毎晩まいばんお神明さんの、すぎのうしろにかくれていて、来るやつを見ていたそうです、そしていよいよあみを入れて鯉が十ぴきもとれたとき、誰だっこらって出るんでしょう
バキチの仕事 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかしかういふこゝろになるまでには、わたしをしへるために毎日まいにち毎晩まいばんものくものについて、母様おつかさんがどんなに苦労くらうをなすつて、丁寧ていねい親切しんせつかないで、熱心ねつしん
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そのうちぐわつすゑになつて、毎晩まいばんあまがはへるあるよひことそらからつたやう安之助やすのすけつてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
仕事がしまいになると、新吉はいそいで仕事場をかたづけ、大いそぎでやめしをかっこみはじめました。と、毎晩まいばんつきのわるいあかぼうが、いつものとおりぎゃんぎゃんき出しました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
お前………其れも毎晩まいばん飮むといふんじやなしさ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
茲に又駿府すんぷ加番衆かばんしゆ松平玄蕃頭殿の家來けらいに石川安五郎と云ふ若侍士わかざむらひありしが駿府二丁目の小松屋のかゝへ遊女白妙しろたへもとへ通ひ互ひに深くなるに付さとの金にはつまるの習ひ後には揚代金あげだいきんとゞこほり娼妓しやうぎ櫛笄くしかうがひ衣類いるゐまでもなくしての立引に毎晩まいばん通ひ居たりしが早晩いつしか二階を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ゆうちゃんは、それから毎晩まいばんのように物干ものほだいがって、あおよるそらをながめながら、たかやまや、少年しょうねんのことをおもしていました。
銀のペンセル (新字新仮名) / 小川未明(著)
この活玉依姫いくたまよりひめところへ、ふとしたことから、毎晩まいばんのように、たいそう気高けだかいりっぱな若者わかものが、いつどこからるともなくたずねてました。
三輪の麻糸 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
しかるにかれ毎晩まいばんねむらずして、我儘わがままってはほか患者等かんじゃら邪魔じゃまをするので、院長いんちょうのアンドレイ、エヒミチはかれを六号室ごうしつ別室べっしつうつしたのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ガロフォリはぼくに二ひき小さな白いはつかねずみをくれて、それを往来おうらいで見世物に出させて、毎晩まいばん三十スー持って帰って来なければならないと言いわたした。
彼女かのぢよ毎晩まいばんぐつしよりと、寢汗ねあせをかいてをさました。寢卷ねまきがみのやうにはだにへばりついてゐた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
んでもなよ、おつかゞ地絲ぢいとつたんだぞ、いまぢやいとなんぞくものなあねえが、おつか毎晩まいばんのやうにいたもんだ、こんもなあうくまつてつから丈夫ぢやうぶだぞ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
二人ふたり毎晩まいばんやう三條さんでうとか四條しでうとかいふにぎやかなまちあるいた。ときによると京極きやうごくとほけた。はし眞中まんなかつて鴨川かもがはみづながめた。東山ひがしやまうへしづかなつきた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
自分じぶんからおせんのもとへ、それも毎晩まいばんかよってようなぞとは、どこからうわさであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「なあ、ばあさん、椋鳥むくどりのあのさわかたは。」——と毎晩まいばんのやうに怒鳴どなつたものである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして、毎晩まいばんのように、そのおみやにあがったろうそくの火影ほかげが、ちらちらとらめいているのが、とおうみうえからのぞまれたのであります。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
するうち、牛若うしわか毎晩まいばんおそく僧正そうじょうたにへ行って、あやしいものから剣術けんじゅつをおそわっているということを和尚おしょうさんにぐちしたものがありました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
だがぼくは……さてとうとうガロフォリは、ぶってもたたいてもぼくにはがないのをみて、ほかのしかたを考えた。それは毎晩まいばんぼくの晩飯ばんめしのいもをらすのだ。
くてのちなほ二人ふたりはなしは一時間じかんつゞいたが、れより院長ゐんちやうふか感動かんどうして、毎日まいにち毎晩まいばんのやうに六號室がうしつくのであつた。二人ふたり話込はなしこんでゐるうちれてしまこと往々まゝくらゐ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
勘次かんじさんわるおもはねえでくろうよ、おらわるくするつもりはねえが、やうねえからよ」とおしなうつたへるやうにいふのであつた。おしな毎晩まいばんのやうに板藏いたぐらのさるをうちからおろしてとまつてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此頃このごろにはれてゐるので、大勢おほぜい小供こどもがけうへさわことがなくなつたが、ピヤノのおと毎晩まいばんやうにする。折々をり/\下女げぢよなんぞの、臺所だいどころはう高笑たかわらひをするこゑさへ、宗助そうすけちやまでひゞいてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ぼくは、いまその飛行機ひこうきってきたのだ。これからぼく毎晩まいばん、ここへたずねてくるよ。だからきみはもうさびしがらなくていいよ。
星の世界から (新字新仮名) / 小川未明(著)
するうちそれは、なんでも毎晩まいばんおそくなると、ひがしほうからひとむらのくろくもしてて、だんだん紫宸殿ししいでんのお屋根やねの上におおいかかります。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
かくてのち、なお二人ふたりはなしは一時間じかんつづいたが、それより院長いんちょうふか感動かんどうして、毎日まいにち毎晩まいばんのように六号室ごうしつくのであった。二人ふたり話込はなしこんでいるうちれてしまうことがままあるくらい
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
男の子と上の妹はかれらにできそうなあらゆるいたずらをした。父親と母親はわたしを無視むしして、いてもいない者のようにあつかった。そのくせ毎晩まいばんわたしから金を取り立てることはわすれなかった。
おじさんは、お約束やくそくをしたように、東京とうきょうへやってきたのです。そして、毎晩まいばんのように、露店ろてんへかにと、うみほおずきと、まつしていました。
海へ帰るおじさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうかんがえて、弁慶べんけい黒糸くろいとおどしのよろいの上にすみぞめのころもて、しろ頭巾ずきんをかぶり、なぎなたをつえについて、毎晩まいばん五条ごじょうはしのたもとにっていました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
が、這麼事こんなこと女主人をんなあるじにでも嗅付かぎつけられたら、なに良心りやうしんとがめられることがあるとおもはれやう、那樣疑そんなうたがひでもおこされたら大變たいへんと、かれはさうおもつて無理むり毎晩まいばんふりをして、大鼾おほいびきをさへいてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
れると、このごろは毎晩まいばんのように、いいつきました。つきまち家々いえいえらして、のすきまからのぞきこみました。
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
牛若うしわか一人ひとり剣術けんじゅつをやってみようとおもって、毎晩まいばん人がしずまってから、おてらをぬけして僧正そうじょうたにへ行きました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
もしこんなことを女主人おんなあるじにでも嗅付かぎつけられたら、なに良心りょうしんとがめられることがあるとおもわれよう、そんなうたがいでもおこされたら大変たいへんと、かれはそうおもって無理むり毎晩まいばんふりをして、大鼾おおいびきをさえいている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「あのほしは、いったいなにものだ。そうして、毎晩まいばんなんのために、あんなたかいところでひかっているのだ。」とかれました。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのころこの元興寺がんこうじ鐘撞堂かねつきどう毎晩まいばんおにが出て、かねつきの小僧こぞうをつかまえてべるというので、よるになると、だれもこわがってかねをつきに行くものがありません。
雷のさずけもの (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして、はは生前せいぜん毎晩まいばんのように、さけをさかずきについであげたのをていて、ははのちも、やはり仏壇ぶつだんさけをさかずきについであげました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるとき天子てんしさまの御所ごしょ毎晩まいばん不思議ふしぎ魔物まものあらわれて、そのあらわれる時刻じこくになると、天子てんしさまはきゅうにおねつが出て、おこりというはげしいやまいをおみになりました。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
このごろ、まちほうから毎晩まいばんゆきのふるときも、かぜのふくときも、かかさずにむらへはいってくるつじうらりがあります。
つじうら売りのおばあさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこで毎晩まいばん御所ごしょまも武士ぶしおおぜい、天子てんしさまのおやすみになる御殿ごてん床下ゆかしたずのばんをして、どうかしてこのあやしいごえ正体しょうたい見届みとどけようといたしました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
野原のはらも、むらも、やまも、もうゆきしろでありました。おじいさんは、毎晩まいばん根気こんきよく仕事しごとをつづけていたのであります。
こまどりと酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)