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多分
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たぶん
ふりがな文庫
“
多分
(
たぶん
)” の例文
ところが、その
後
(
ご
)
多分
(
たぶん
)
朝鮮
(
ちようせん
)
支那
(
しな
)
の
風
(
ふう
)
が
傳
(
つた
)
はつたのでありませうが、
横
(
よこ
)
からはひる
長
(
なが
)
い
石
(
いし
)
の
部屋
(
へや
)
が
塚
(
つか
)
の
中
(
なか
)
に
造
(
つく
)
られることになりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
多分
(
たぶん
)
被害者
(
ひがいしゃ
)
は、
苦
(
くる
)
しみもがき、
金魚鉢
(
きんぎょばち
)
のところまで
這
(
は
)
いよつてきて、
口
(
くち
)
をゆすぐか、または、
鉢
(
はち
)
の
中
(
なか
)
の
水
(
みず
)
を
飲
(
の
)
もうとしたのだろう。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
多分
(
たぶん
)
廣告
(
くわうこく
)
に、
修養
(
しうやう
)
のために
讀
(
よ
)
むべき
書
(
しよ
)
だと
云
(
い
)
ふやうな
事
(
こと
)
が
書
(
か
)
いてあつたので、
子供
(
こども
)
が
熱心
(
ねつしん
)
に
内容
(
ないよう
)
を
知
(
し
)
りたく
思
(
おも
)
つたのであらう。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
呼出し
吟味
(
ぎんみ
)
有けれども事
柄
(
がら
)
確
(
しか
)
と分らず小松屋よりは安五郎
多分
(
たぶん
)
脇
(
わき
)
へ賣たで有んとの訴へなり又儀左衞門の女房も訴へ出しに付
無量庵柴屋寺
(
むりやうあんしばやでら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「なるほど、そんなことかもしれぬ。
多分
(
たぶん
)
そうだろうよ。いまどき、きつねにばかされるなんて、まったくばかげた、おかしな
話
(
はなし
)
だものな。」
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
考
(
かんが
)
へた
結果
(
あげく
)
、まあ
年長
(
としうへ
)
だけに
女房
(
かみさん
)
が
分別
(
ふんべつ
)
して、「
多分
(
たぶん
)
釜敷
(
かましき
)
の
事
(
こと
)
だらう、
丁度
(
ちやうど
)
新
(
あた
)
らしいのがあるから
持
(
も
)
つておいでよ。」と
言
(
い
)
つたんださうです。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
年季職人
(
ねんきしよくにん
)
の
隊
(
たい
)
を組みて
夜
(
よ
)
を
喧鬨
(
けうがう
)
の
為
(
た
)
めに
蟻集
(
ぎしう
)
するに過ぎずとか申せば、
多分
(
たぶん
)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
壮快
(
さうくわい
)
なる
滑稽
(
こつけい
)
は
復
(
また
)
と見る
能
(
あた
)
はざるべしと
小生
(
せうせい
)
は
存候
(
ぞんじそろ
)
(一七日)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
といってちょっとポケットから
椰子
(
やし
)
の実を
覗
(
のぞ
)
かして
向
(
むこ
)
うへ行った。
多分
(
たぶん
)
モンマルトルの
祭
(
まつり
)
の
射的
(
しゃてき
)
ででも当てたのだろう。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
多分
(
たぶん
)
、
口
(
くち
)
まねが
拙手
(
へた
)
なので、だらうとおもひまして、それからと
言
(
い
)
ふものは
滅茶苦茶
(
めちやくちや
)
にしやべり
續
(
つゞ
)
けました。
叱
(
しか
)
られれば
叱
(
しか
)
られるほどしやべりました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
『
多分
(
たぶん
)
最
(
も
)
う』と
愛
(
あい
)
ちやんは
恐
(
おそ
)
る/\
答
(
こた
)
へました、『だけど、
私
(
わたし
)
が
音樂
(
おんがく
)
を
習
(
なら
)
ふ
時
(
とき
)
には、
時
(
とき
)
を
打
(
う
)
たなくてはならないわ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
はじめ
朝日島
(
あさひじま
)
を
出
(
い
)
づる
時
(
とき
)
、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
天文
(
てんもん
)
を
觀測
(
くわんそく
)
して、
多分
(
たぶん
)
此
(
この
)
三四
日
(
か
)
の
間
(
あひだ
)
は、
風位
(
ふうゐ
)
に
激變
(
げきへん
)
は
無
(
な
)
からうと
言
(
い
)
はれたが、
天
(
てん
)
の
仕業
(
しわざ
)
程
(
ほど
)
豫知
(
よち
)
し
難
(
がた
)
いものはない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
地震
(
ぢしん
)
の
豫知問題
(
よちもんだい
)
が
假
(
かり
)
に
都合
(
つごう
)
よく
解決
(
かいけつ
)
されたとしても、
震災防止
(
しんさいぼうし
)
については
猶
(
なほ
)
重大
(
じゆうだい
)
な
問題
(
もんだい
)
が
多分
(
たぶん
)
に
殘
(
のこ
)
るであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「
智恵
(
ちえ
)
を
貸
(
か
)
せとな。はッはッは。これは
面白
(
おもしろ
)
い。
智恵
(
ちえ
)
はわたしよりお
前
(
まえ
)
の
方
(
ほう
)
が
多分
(
たぶん
)
に
持合
(
もちあわ
)
せているはずだがの」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その老婆は、右の手に火をともした
松
(
まつ
)
の木片を持つて、その
屍骸
(
しがい
)
の一つの顏を覗きこむやうに
眺
(
なが
)
めてゐた。髮の毛の長い所を見ると、
多分
(
たぶん
)
女
(
をんな
)
の屍骸であらう。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
多分
(
たぶん
)
牛乳
(
ぎうにゆう
)
を
配達
(
はいたつ
)
するためか
抔
(
など
)
で、あゝ
急
(
いそ
)
ぐに
違
(
ちがひ
)
ないと
極
(
き
)
めてゐたから、
此音
(
このおと
)
を
聞
(
き
)
くと
等
(
ひと
)
しく、もう
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けて、
隣人
(
りんじん
)
の
活動
(
くわつどう
)
が
始
(
はじま
)
つた
如
(
ごと
)
くに、
心丈夫
(
こゝろぢやうぶ
)
になつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
調子
(
てうし
)
づいた
独唱
(
どくせう
)
が二つばかりつづいた。そして
前
(
まえ
)
に
叙事詩
(
じよじし
)
のやうなものを
朗読
(
らうどく
)
した
多分
(
たぶん
)
代理大使
(
だいりたいし
)
の
夫人
(
ふじん
)
だとおもはるゝ
婦人
(
ふじん
)
が
其後
(
そのあと
)
で又
舞台
(
ぶたい
)
のうへで
朗読
(
らうどく
)
をはじめた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
何
(
なに
)
かの
多分
(
たぶん
)
間違
(
まちがひ
)
です。』とアンドレイ、エヒミチは
肩
(
かた
)
を
縮
(
ちゞ
)
めて
云
(
い
)
ふ。『
間違
(
まちがひ
)
に
相違
(
さうゐ
)
ないです。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
自分
(
じぶん
)
は
狼
(
おほかみ
)
につまゝ
ら
(
ママ
)
れたやう
に
(
ママ
)
顏
(
かほ
)
をして(
多分
(
たぶん
)
他
(
ほか
)
から
見
(
み
)
ると
其樣
(
そんな
)
顏
(
かほ
)
であつたらうと
思
(
おも
)
ふ)『やれ/\』とも『
先
(
ま
)
づ/\』とも
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
はず
女中
(
ぢよちゆう
)
のすゝめる
椅子
(
いす
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
した。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
多分
(
たぶん
)
そちの
気
(
き
)
に
入
(
い
)
るであろうと
思
(
おも
)
うが、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も一
応
(
おう
)
現場
(
げんじょう
)
へ
行
(
い
)
って
見
(
み
)
るとしようか……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
これは
多分
(
たぶん
)
あのペンペの
噂
(
うはさ
)
に
違
(
ちが
)
ひない。すると
元気
(
げんき
)
で
正直
(
しやうじき
)
なペンペも
死
(
し
)
んでしまつたのか。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
何故
(
なぜ
)
ならば、僕が同伴して来た三人の将校達は、
多分
(
たぶん
)
仏蘭西語
(
フランスご
)
と思われる外国語で話をしつづけました。
幸
(
こう
)
か
不幸
(
ふこう
)
か、仏蘭西語は僕には何のことやら
薩張
(
さっぱ
)
り意味が判りません。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼の前生は
多分
(
たぶん
)
犬
(
いぬ
)
であった。人間の皮をかぶった今生にも、彼は犬程
可愛
(
かあい
)
いものを知らぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「ええ、
多分
(
たぶん
)
それです。それです。そのしっぺい
太郎
(
たろう
)
です。その
犬
(
いぬ
)
を
見
(
み
)
せて
下
(
くだ
)
さい。」
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
この書は、過去の
伝奇
(
でんき
)
と歴史とを、わたくしの夢のまま書いたものだが、過去にも、今と比較して、考えていいところは
多分
(
たぶん
)
にある。悪いところは反省し、よいところは知るべきだと思う。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
些
(
ちつ
)
とばかり
西洋医
(
せいやうい
)
の
真似事
(
まねごと
)
もいたしますが、
矢張
(
やはり
)
大殿
(
おほとの
)
や
御隠居様杯
(
ごいんきよさまなど
)
は、
水薬
(
みづぐすり
)
が
厭
(
いや
)
だと
仰
(
おつ
)
しやるから、
已前
(
まへ
)
の
煎薬
(
せんやく
)
を
上
(
あ
)
げるので、
相変
(
あひかは
)
らずお
出入
(
でいり
)
を
致
(
いた
)
して
居
(
ゐ
)
る、
処
(
ところ
)
が
這囘
(
このたび
)
多分
(
たぶん
)
のお
手当
(
てあて
)
に
預
(
あづか
)
り
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(
私
(
わたし
)
が、
獨身
(
どくしん
)
であつたなら!)
中
(
なか
)
でも、
時雨
(
しぐれ
)
さんは、
美人
(
びじん
)
である(
多分
(
たぶん
)
、
女性
(
ぢよせい
)
は
美人
(
びじん
)
であるといはれることを
喜
(
よろこ
)
ぶにちがひない、と
私
(
わたし
)
は
信
(
しん
)
じてゐるのだが——)それからまた、
生粹
(
きつすゐ
)
の
江戸
(
えど
)
つ
子
(
こ
)
は
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
同
(
おな
)
じ
望
(
のぞみ
)
のために
死
(
し
)
ぬるに
似
(
に
)
た
一事
(
あること
)
をば
多分
(
たぶん
)
敢行
(
しての
)
くることが
出來
(
でけ
)
う。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
バケツの
中
(
なか
)
には、
多分
(
たぶん
)
水
(
みず
)
がはいっているだろう……
彼
(
かれ
)
は、
注意
(
ちゅうい
)
をして、バケツの
縁
(
ふち
)
に
上
(
あ
)
がって、
中
(
なか
)
をのぞいてみました。
ねずみとバケツの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それを
讀
(
よ
)
むと、
日本人
(
につぽんじん
)
が
朝鮮
(
ちようせん
)
へ
攻
(
せ
)
めて
行
(
い
)
つたことが
記
(
しる
)
されてありますが、
多分
(
たぶん
)
神功皇后
(
じんぐうこう/″\
)
の
三韓征伐
(
さんかんせいばつ
)
のときのことなどが
書
(
か
)
いてあるように
思
(
おも
)
はれます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
多分
(
たぶん
)
、一
億
(
おく
)
や二
億
(
おく
)
の
金
(
かね
)
はためていたと
思
(
おも
)
うですが、これをまた、
銀行
(
ぎんこう
)
にも
預
(
あず
)
けず、
株券
(
かぶけん
)
にもせず、どこかにかくして
持
(
も
)
つていやがつたにちがいないです。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
拭
(
ぬぐ
)
ひ私し弟十兵衞事は三州藤川在岩井村の百姓にて
豫々
(
かね/″\
)
正直者
(
しやうぢきもの
)
に候へ共不事の物
入
(
いり
)
打續き年貢の
未進
(
みしん
)
多分
(
たぶん
)
に出來上納方に
差支
(
さしつか
)
へ如何
共
(
とも
)
詮術
(
せんすべ
)
なき儘文と申
姉
(
あね
)
娘を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
何
(
ど
)
う?
多分
(
たぶん
)
其
(
そ
)
の
我
(
わが
)
まゝな
駈落
(
かけおち
)
ものの、……
私
(
わたし
)
は
子孫
(
しそん
)
だ、と
思
(
おも
)
ふんだがね。……
御覽
(
ごらん
)
の
通
(
とほ
)
りだからね、」
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
フランス
及
(
およ
)
びフランス人をよく知る
僕
(
ぼく
)
には——もちろんフランス人にも日本人として僕が同感し
兼
(
か
)
ねる性情も
多分
(
たぶん
)
にありますが——それが実に明白に理解されます。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
此
(
この
)
「
寒山
(
かんざん
)
拾得
(
じつとく
)
」と
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
は、まだ
書肆
(
しよし
)
の
手
(
て
)
にわたしはせぬが、
多分
(
たぶん
)
新小説
(
しんせうせつ
)
に
出
(
で
)
ることになるだらう。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「もう
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
でせう。
頓服
(
とんぷく
)
を一
回
(
くわい
)
上
(
あ
)
げますから
今夜
(
こんや
)
飮
(
の
)
んで
御覽
(
ごらん
)
なさい。
多分
(
たぶん
)
寐
(
ね
)
られるだらうと
思
(
おも
)
ひます」と
云
(
い
)
つて
醫者
(
いしや
)
は
歸
(
かへ
)
つた。
小六
(
ころく
)
はすぐ
其後
(
そのあと
)
を
追
(
お
)
つて
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
何
(
なに
)
かの
多分
(
たぶん
)
間違
(
まちがい
)
です。』とアンドレイ、エヒミチは
肩
(
かた
)
を
縮
(
ちぢ
)
めて
云
(
い
)
う。『
間違
(
まちがい
)
に
相違
(
そうい
)
ないです。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『
空
(
す
)
かないだらう、
多分
(
たぶん
)
』と
帽子屋
(
ばうしや
)
が
云
(
い
)
つて、『お
前
(
まへ
)
の
思
(
おも
)
ふ
通
(
とほ
)
り一
時半
(
じはん
)
まで
續
(
つゞ
)
けられるさ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
多分
(
たぶん
)
彼等
(
かれら
)
に
取
(
と
)
つては
楽
(
たの
)
しい一
夜
(
や
)
であるべき
筈
(
はず
)
だつたのであらうが
唖
(
おし
)
のやうに
黙
(
だま
)
りこくつた
我々
(
われ/\
)
の
苦
(
にが
)
い
表情
(
へうぜう
)
と
無愛相
(
ぶあいそう
)
な
態度
(
たいど
)
とが、
如何
(
いか
)
に
彼等
(
かれら
)
を
失望
(
しつぼう
)
させたかは、
想像
(
そうぞう
)
に
余
(
あま
)
りあるものであつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
神様
(
かみさま
)
でも
矢張
(
やは
)
りそうなのでございますかね……。そうして
見
(
み
)
るとこの
母
(
はは
)
などはまだ
現世
(
げんせ
)
の
執着
(
しゅうじゃく
)
が
多分
(
たぶん
)
に
残
(
のこ
)
っている
訳
(
わけ
)
で、これからはあなたにあやかり、
余
(
あま
)
り
愚痴
(
ぐち
)
は
申
(
もう
)
さぬことに
気
(
き
)
をつけましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そして
友
(
とも
)
だちの
話
(
はなし
)
には、
町
(
まち
)
で
見
(
み
)
た
美
(
うつく
)
しかったもの、
不思議
(
ふしぎ
)
なもの、また
怖
(
おそ
)
ろしかったものが
幻
(
まぼろし
)
に
見
(
み
)
えてしかたがないといっていましたから、
多分
(
たぶん
)
ふるさとの林の歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは
形
(
かたち
)
が
小
(
ちひ
)
さく、また
腰
(
こし
)
に
下
(
さ
)
げた
飾
(
かざ
)
り
物
(
もの
)
も
小
(
ちひ
)
さく
可愛
(
かわい
)
らしいので、
多分
(
たぶん
)
王樣
(
おうさま
)
の
子供
(
こども
)
のお
墓
(
はか
)
だらうと
想像
(
そう/″\
)
されます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
すなわち
老人
(
ろうじん
)
は、
多分
(
たぶん
)
縁
(
えん
)
ばなに、
庭下駄
(
にわげた
)
をはいて
腰
(
こし
)
をかけ
誰
(
だれ
)
かとウィスキイを
飲
(
の
)
んでいたものであろう。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
請取て長庵諸共麹町へこそ歸りけれ
偖
(
さて
)
十兵衞兄長庵に打向ひ
段々
(
だん/\
)
の御
世話
(
せわ
)
にてお文こと思ひの
外
(
ほか
)
能
(
よき
)
所へ住込有難く存じます
就
(
つい
)
ては
多分
(
たぶん
)
の御禮も致す
筈
(
はず
)
なれども何を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ですから、
同列車
(
どうれつしや
)
の
乘客
(
じようかく
)
の
中
(
うち
)
で、
停車場
(
ステエシヨン
)
を
離
(
はな
)
れましたのは、
多分
(
たぶん
)
私
(
わたし
)
が
一番
(
いちばん
)
あとだつたらうと
思
(
おも
)
ひます。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
何
(
なん
)
にも
變
(
かは
)
つた
事
(
こと
)
はありやしない。
多分
(
たぶん
)
御前
(
おまへ
)
の
夢
(
ゆめ
)
だらう」と
云
(
い
)
つて、
宗助
(
そうすけ
)
は
横
(
よこ
)
になつた。
御米
(
およね
)
は
決
(
けつ
)
して
夢
(
ゆめ
)
でないと
主張
(
しゆちやう
)
した。
慥
(
たしか
)
に
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
で
大
(
おほ
)
きな
音
(
おと
)
がしたのだと
固執
(
こしつ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
わざと
紛
(
まぎら
)
はして『——
多分
(
たぶん
)
お
勝
(
か
)
ちになるでせう、
競技
(
ゲーム
)
の
濟
(
す
)
むまでは
瞭然
(
はつきり
)
云
(
い
)
へないけど』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
多分
(
たぶん
)
S、H
氏
(
し
)
の
夫人
(
ふじん
)
が、ホテルでS、H
氏
(
し
)
とT
氏
(
し
)
の
連中
(
れんちう
)
を
待合
(
まちあわ
)
せることになつてゐたのでもあらうがM、H
氏
(
し
)
夫妻
(
ふさい
)
が
其処
(
そこ
)
に
宿泊
(
しゆくはく
)
してゐたために、一
同
(
どう
)
は
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずホテルへ
寄
(
よ
)
ることになつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
四百
年
(
ねん
)
といえば
現世
(
げんせ
)
では
相当
(
そうとう
)
長
(
なが
)
い
星霜
(
つきひ
)
でございますが、
不思議
(
ふしぎ
)
なものでこちらではさほどにも
感
(
かん
)
じませぬ。
多分
(
たぶん
)
それは
凝乎
(
じっ
)
と
精神
(
こころ
)
を
鎮
(
しず
)
めて、
無我
(
むが
)
の
状態
(
じょうたい
)
をつづけて
居
(
お
)
る
期間
(
あいだ
)
が
多
(
おお
)
い
故
(
せい
)
でございましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
子供
(
こども
)
は、さっそく、その
長
(
なが
)
ぐつを
拾
(
ひろ
)
ってはいたのであります。それは、
多分
(
たぶん
)
、
工夫
(
こうふ
)
かだれかがはいて、もう
古
(
ふる
)
くなって
破
(
やぶ
)
れたので
捨
(
す
)
てたものと
思
(
おも
)
われます。
長ぐつの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
多分
(
たぶん
)
は聞えまい、聞えなければ、そのまま通り過ぎる
分
(
ぶん
)
。余計な世話だけれども、
黙
(
だまり
)
きりも
些
(
ちっ
)
と気になった
処
(
ところ
)
。
響
(
ひびき
)
の応ずるが如きその、(はあ、
私
(
わし
)
けえ)には、
聊
(
いささ
)
か不意を打たれた
仕誼
(
しぎ
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
多
常用漢字
小2
部首:⼣
6画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“多分”で始まる語句
多分子的