トップ
>
荒
>
あら
ふりがな文庫
“
荒
(
あら
)” の例文
それでどんな
荒
(
あら
)
えびすでも、
虎狼
(
とらおおかみ
)
のような
猛獣
(
もうじゅう
)
でも、
田村麻呂
(
たむらまろ
)
に
一目
(
ひとめ
)
にらまれると、たちまち
一縮
(
ひとちぢ
)
みに
縮
(
ちぢ
)
みあがるというほどでした。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
モミの木は、ちょっと
荒
(
あら
)
っぽく
床
(
ゆか
)
に投げだされましたが、すぐに下男が、お日さまの照っている、階段の方へ引きずっていきました。
モミの木
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そも/\
熊
(
くま
)
は
和獣
(
わじう
)
の王、
猛
(
たけ
)
くして
義
(
ぎ
)
を
知
(
し
)
る。
菓木
(
このみ
)
の
皮虫
(
かはむし
)
のるゐを
食
(
しよく
)
として
同類
(
どうるゐ
)
の
獣
(
けもの
)
を
喰
(
くらは
)
ず、
田圃
(
たはた
)
を
荒
(
あらさ
)
ず、
稀
(
まれ
)
に
荒
(
あら
)
すは
食
(
しよく
)
の
尽
(
つき
)
たる時也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
(今度は
悠然
(
ゆうぜん
)
として
階
(
きざはし
)
を
下
(
くだ
)
る。人々は左右に開く)
荒
(
あら
)
び、すさみ、濁り汚れ、ねじけ、曲れる、
妬婦
(
ねたみおんな
)
め、われは、先ず
何処
(
いずこ
)
のものじゃ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
両者の距離はたちまちつまった。宮のお伴鬼佐渡、
荒
(
あら
)
土佐、刑部俊秀必死に防ぎ戦ううち次々と討死、一本の矢が宮の脇腹を射抜いた。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
女を待ちうけている仁右衛門にとっては、この邪魔者の長居しているのがいまいましいので、言葉も仕打ちも段々
荒
(
あら
)
らかになった。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
身動きもせぬ人々のその影は、いまにも沸き起こる悪魔の
荒
(
あら
)
びの一瞬前の
静寂
(
しずけさ
)
のように、神秘とも凄惨とも云おうようなく見えました。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私
(
わたし
)
はお
稻荷
(
いなり
)
さまの
使
(
つか
)
ひですよ。この
社
(
やしろ
)
の
番人
(
ばんにん
)
ですよ。
私
(
わたし
)
もこれで
若
(
わか
)
い
時分
(
じぶん
)
には
隨分
(
ずゐぶん
)
いたずらな
狐
(
きつね
)
でして、
諸方
(
はう/″\
)
の
畠
(
はたけ
)
を
荒
(
あら
)
しました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
この宇陀には、
兄宇迦斯
(
えうかし
)
、
弟宇迦斯
(
おとうかし
)
というきょうだいの
荒
(
あら
)
くれ者がおりました。命はその二人のところへ
八咫烏
(
やたがらす
)
を使いにお出しになって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
かれその
横刀
(
たち
)
を受け取りたまふ時に、その熊野の山の
荒
(
あら
)
ぶる神おのづからみな切り
仆
(
たふ
)
さえき。ここにそのをえ伏せる御軍悉に寤め起ちき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
魚
(
さかな
)
や、また
底深
(
そこぶか
)
い
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
に
棲
(
す
)
んでいる、
気
(
き
)
の
荒
(
あら
)
い、いろいろな
獣物
(
けもの
)
などとくらべたら、どれほど
人間
(
にんげん
)
のほうに、
心
(
こころ
)
も
姿
(
すがた
)
も
似
(
に
)
ているかしれない。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、
草
(
くさ
)
や
竹
(
たけ
)
の
落葉
(
おちば
)
は、一
面
(
めん
)
に
踏
(
ふ
)
み
荒
(
あら
)
されて
居
(
を
)
りましたから、きつとあの
男
(
をとこ
)
は
殺
(
ころ
)
される
前
(
まへ
)
に、
餘程
(
よほど
)
手痛
(
ていた
)
い
働
(
はたら
)
きでも
致
(
いた
)
したのに
違
(
ちが
)
ひございません。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
象
(
ぞう
)
がまた、
平素
(
へいそ
)
はごく
荒
(
あら
)
っぽいのに、その時ばかりは、王子を
背
(
せ
)
にのせたまま、おとなしくのそりのそりと歩いているのではありませんか。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「ここら、岩も
柔
(
やわらか
)
いようだな。」と云いながらすなおに私たちに貸し、自分はまた
上流
(
じょうりゅう
)
の
波
(
なみ
)
の
荒
(
あら
)
いところに
集
(
あつま
)
っている
子供
(
こども
)
らの方へ行きました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
吾子
(
わこ
)
よ。吾子の
為了
(
しをふ
)
なんだ
荒
(
あら
)
び心で、吾子よりももつと深い猛び心を持つた者の、大和に来向ふのを、待ち押へ、塞へ防いで居ろと仰せられた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
といって、あれほどご執心では、生仲なことではおひきにはなるまいし、
荒
(
あら
)
けた話をして喧嘩にしてしまうのも困る。
姦(かしまし)
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それに、一方が、御承知の
荒
(
あら
)
くれでございます。わたくしどもの前でさへ、ずゐぶん眼にあまることもございました。
顔
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
待てしばし、
然
(
さ
)
るにても
立波
(
たつなみ
)
荒
(
あら
)
き
大海
(
わたつみ
)
の下にも、人知らぬ
眞珠
(
またま
)
の光あり、
外
(
よそ
)
には見えぬ
木影
(
こかげ
)
にも、
情
(
なさけ
)
の露の宿する
例
(
ためし
)
。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
己
(
われ
)
と籠を作って籠の中の鳥になって居るのが
可笑
(
おか
)
しくもある。但花や果物を無暗に
荒
(
あら
)
されたり、無遠慮なお客様に
擾
(
わずら
)
わさるゝよりまだ可と思うて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
静
(
しず
)
かに
肩
(
かた
)
へ
手
(
て
)
をかけたが、いつもと
様子
(
ようす
)
の
違
(
ちが
)
ったおせんは、
母
(
はは
)
の
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
払
(
はら
)
うようにして、そのまま
畳
(
たたみ
)
ざわりも
荒
(
あら
)
く、おのが
居間
(
いま
)
へ
駆
(
か
)
け
込
(
こ
)
んで
行
(
い
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今
(
いま
)
は
支那海
(
シナかい
)
の
波濤
(
はたう
)
を
蹴
(
け
)
つて
進航
(
しんかう
)
して
居
(
を
)
るから、よし
此後
(
このゝち
)
浪
(
なみ
)
高
(
たか
)
くとも、
風
(
かぜ
)
荒
(
あら
)
くとも、二
船
(
せん
)
が
諸君
(
しよくん
)
の
面前
(
めんぜん
)
に
現
(
あら
)
はれるのは
最早
(
もは
)
や
遠
(
とほ
)
い
事
(
こと
)
ではあるまいと
思
(
おも
)
ふ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その最も
甚
(
はなはだ
)
しい時に、自分は悪い
癖
(
くせ
)
で、女だてらに、少しガサツなところの有る
性分
(
しょうぶん
)
か知らぬが、ツイ
荒
(
あら
)
い物言いもするが、夫はいよいよ
怒
(
おこ
)
るとなると
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
庭
(
には
)
の
栗
(
くり
)
の
梢
(
こずゑ
)
も、それへ
繁殖
(
はんしよく
)
して
残酷
(
ざんこく
)
に
葉
(
は
)
を
喰
(
く
)
ひ
荒
(
あら
)
す
栗毛蟲
(
くりけむし
)
のやうな
毒々
(
どく/\
)
しい
花
(
はな
)
が
漸
(
やうや
)
く
白
(
しろ
)
く
成
(
な
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
障子の内で聞く鹽原角右衞門も堪え兼る親子の
情合
(
じょうあい
)
、思わず膝へはら/\と涙を落しましたが、
流石
(
さすが
)
に武家魂は違ったもの、
屹
(
きっ
)
と思い返して声を
荒
(
あら
)
らげ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鉱石庫
(
かなぐら
)
の外や
内
(
うち
)
ではたらいていた
荒
(
あら
)
くれ男は、その山笛をきくと持っている
槌
(
つち
)
も
天秤
(
てんびん
)
もほうりなげて、ワラワラと熊蔵のいる
土手
(
どて
)
の下へあつまってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こんな
風
(
ふう
)
に
薪炭用
(
しんたんよう
)
、
建築土木用
(
けんちくどぼくよう
)
、
木纎維用等
(
もくせんいようなど
)
のために
森林
(
しんりん
)
はどん/\
伐
(
き
)
り
倒
(
たふ
)
され、
深
(
ふか
)
い
山
(
やま
)
、ふかい
谷底
(
たにぞこ
)
の
森林
(
しんりん
)
までがだん/\に
荒
(
あら
)
されるようになりました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
次第次第に霞が浦の水の上に響いて行く時は、わかさぎを漁して戻る島の
荒
(
あら
)
し
男
(
お
)
も身震いして
橈
(
かじ
)
をとどめた。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
その室のかべというのは新しい
荒
(
あら
)
けずりの松板でヴァニスをかけただけですから、節がよく見えていました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
飽
(
あ
)
きることもそうだが、土が見られないのと、土のうつくしさが
荒
(
あら
)
されることもおもな原因だった。そこで彼の命令によって民さんは篠竹の株を起しはじめた。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
夜
(
よ
)
は
漸々
(
やう/\
)
に
深
(
ふか
)
くならんとす
人影
(
ひとかげ
)
ちらほらと
稀
(
まれ
)
になるを
雪
(
ゆき
)
はこゝ
一段
(
いちだん
)
と
勢
(
いきほひ
)
をまして
降
(
ふ
)
りに
降
(
ふ
)
れど
隱
(
かく
)
れぬものは
鍋燒饂飩
(
なべやきうどん
)
の
細
(
ほそ
)
く
哀
(
あは
)
れなる
聲
(
こゑ
)
戸
(
と
)
を
下
(
おろ
)
す
商家
(
しやうか
)
の
荒
(
あら
)
く
高
(
たか
)
き
音
(
おと
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
昔
(
むかし
)
と
違
(
ちが
)
つて気が
荒
(
あら
)
くなつて
困
(
こま
)
るわ」と云つて、
三千代
(
みちよ
)
は暗に同情を求める様子であつた。代助は
黙
(
だま
)
つてゐた。下女が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て、勝手
口
(
ぐち
)
でがた/\
音
(
おと
)
をさせた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
五
畝
(
せ
)
や八畝は
荒
(
あら
)
すともままよと覚悟して、しばらく捨ておき、草少なく手軽なるところより片付くべし。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
翌日になると、村人が
驚
(
おどろ
)
いたが、その石を動かすには百人ばかりの人足が必要である。その上、そんな多人数を入れたのでは、田が
滅茶滅茶
(
めちゃめちゃ
)
に
踏
(
ふ
)
み
荒
(
あら
)
されてしまう。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
かうして
鎔岩
(
ようがん
)
に
荒
(
あら
)
された
損害
(
そんがい
)
も
大
(
おほ
)
きいが、それよりも
火山灰
(
かざんばひ
)
のために
荒廢
(
こうはい
)
した
土地
(
とち
)
の
損害
(
そんがい
)
、
地盤沈下
(
じばんちんか
)
によつて
失
(
うしな
)
はれた
附近
(
ふきん
)
の
水田
(
すいでん
)
或
(
あるひ
)
は
鹽田
(
えんでん
)
の
損害
(
そんがい
)
はそれ
以上
(
いじよう
)
であつて
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
初
(
はじめ
)
から
気質
(
きしつ
)
の
合
(
あ
)
はない
家族
(
かぞく
)
との
折合
(
をりあひ
)
は
日
(
ひ
)
を
追
(
お
)
ふに
従
(
したが
)
つて
円滑
(
ゑんくわつ
)
には
行
(
ゆ
)
かなくなり、
何
(
なに
)
かにつけてお
互
(
たがひ
)
に
顔
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
らめ
言葉
(
ことば
)
を
荒
(
あら
)
くするやうな
事
(
こと
)
が
毎日
(
まいにち
)
のやうになつて
来
(
き
)
たので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
父の声はいつになく
荒
(
あら
)
かった、芳輔は
上目
(
うわめ
)
使いに両親の顔をぬすみ見しながら、からだをもじりもじり
座敷
(
ざしき
)
のすみへすわった。すわったかとするともうよそ見をしてる。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「それだけ
荒
(
あら
)
っぽいです。えんりょってことがありません。いったいあれはだれの家来ですか?」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ゴト/\と
床
(
ゆか
)
を
蹶
(
け
)
る
音
(
おと
)
、そして
折
(
を
)
り/\
冬
(
ふゆ
)
の
街
(
ちまた
)
を
吹
(
ふ
)
き
荒
(
あら
)
す
北風
(
きたかぜ
)
の
窓
(
まど
)
ガラスを
掠
(
かす
)
める
響
(
ひゞき
)
である。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
元々
人気
(
じんき
)
の
荒
(
あら
)
い土地で、かつて子路自身も孔子に従ってこの地で暴民に襲われたことがある。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「興奮し過ぎた頭のせゐです——きつとさうだ。私はあなたを、私の寶を守らなくてはならぬ。あなたみたいな神經の人は
荒
(
あら
)
つぽい扱ひ方をするやうには出來てゐないのだ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
はなはだしきに至りては彼の病中余の援助を乞うに
当
(
あたっ
)
て——たとい数月間の看護のために余の身も精神も疲れたるにもせよ——
荒
(
あら
)
らかなる
言語
(
ことば
)
を以てこれに応ぜざりし事ありたり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
周三は
絶
(
た
)
えず此の事に就いて考えてゐた。雖然周三とても
遉
(
さすが
)
に世の中の
波
(
なみ
)
の
荒
(
あら
)
いことを知つてゐた。で熱する頭を押へて、
愼重
(
しんちよう
)
に
詮議
(
せんぎ
)
する積で、
今日
(
けふ
)
まで
躊躇
(
ぐづ/″\
)
してゐたのであつた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
それを
荒
(
あら
)
まし分類してみたうえでないと、是に
由
(
よ
)
って種族の親近を説くことは危ない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一度昼時分意地悪の職人が娘を片蔭へ呼んで何か声を
荒
(
あら
)
らげて言つてゐた事がある。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
それからまた
石斧
(
せきふ
)
の
中
(
うち
)
に、
磨
(
みが
)
いて
造
(
つく
)
らずして、たゞ
石
(
いし
)
を
打
(
う
)
ちわつて
造
(
つく
)
つたごく
荒
(
あら
)
い
粗末
(
そまつ
)
な
斧
(
をの
)
があります。それには
細長
(
ほそなが
)
い
短册型
(
たんざくがた
)
のものもありますが、
時
(
とき
)
には
分銅型
(
ふんどうがた
)
のものもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
これだけ
荒
(
あら
)
した
權現臺
(
ごんげんだい
)
は、
其後
(
そののち
)
幾變遷
(
いくへんせん
)
して、
以前
(
もと
)
の
樣
(
さま
)
は
既
(
も
)
う
見
(
み
)
られぬ。四十一
年
(
ねん
)
の
夏
(
なつ
)
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると、
彼
(
か
)
の
鷄屋
(
とりや
)
さへ
失
(
な
)
くなつて
了
(
しま
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
幻花子
(
げんくわし
)
は
鷄屋
(
とりや
)
の
出來
(
でき
)
ぬ
前
(
まへ
)
から
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
るのだ。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
潮騒
(
しほさゐ
)
に
伊良虞
(
いらご
)
の
島辺
(
しまべ
)
榜
(
こ
)
ぐ
船
(
ふね
)
に
妹
(
いも
)
乗
(
の
)
るらむか
荒
(
あら
)
き
島回
(
しまみ
)
を 〔巻一・四二〕 柿本人麿
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この
苛酷
(
かこく
)
なる判決を
避
(
さ
)
けるために、
言
(
げん
)
を
巧
(
たくみ
)
にし
色
(
いろ
)
を
令
(
よ
)
くせんとする者も、つとめて
荒
(
あら
)
あらしくする
風
(
ふう
)
がある。心の内と外の
風采
(
ふうさい
)
と一致せぬことは、西洋よりも日本において最も
烈
(
はげ
)
しい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
梅
(
うめ
)
が
咲
(
さ
)
いて、
紫色
(
むらさきいろ
)
の
雑木林
(
ざふきばやし
)
の
梢
(
こずゑ
)
が、
湿味
(
うるみ
)
を
持
(
も
)
つた
蒼
(
あを
)
い
空
(
そら
)
にスク/\
透
(
す
)
けて
見
(
み
)
え、
柳
(
やなぎ
)
がまだ
荒
(
あら
)
い
初東風
(
はつこち
)
に
悩
(
なや
)
まされて
居
(
ゐ
)
る
時分
(
じぶん
)
は、
濫
(
むやみ
)
と三
脚
(
きやく
)
を
持出
(
もちだ
)
して、
郊外
(
かうぐわい
)
の
景色
(
けしき
)
を
猟
(
あさ
)
つて
歩
(
ある
)
くのであるが
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
生
(
い
)
きるように、楽しく生きるように
頑固
(
がんこ
)
に出来上ってる、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
騒々
(
そうぞう
)
しい
荒
(
あら
)
っぽいクラフト
家
(
け
)
の人たちの間にあって、いわば人生の
外側
(
そとがわ
)
か
端
(
はし
)
っこにうち捨てられてるこの弱い
善良
(
ぜんりょう
)
な
二人
(
ふたり
)
は
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
“荒”を含む語句
荒廃
荒野
荒海
荒男
荒神
荒磯
荒涼
荒寥
荒地
荒魂
吹荒
荒蕪地
荒増
荒凉
荒立
荒熊
荒天
荒庭
荒甲
荒唐無稽
...