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ちひさ
ふりがな文庫
“
小
(
ちひさ
)” の例文
寺の扉には
小
(
ちひさ
)
き眞鍮の十字架を打ち付けたりき。その處はおほよそ扉の中程にてわれは僅に手をさし伸べてこれに達することを得き。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
六月に氷をみる事江戸の目には
最珍
(
いとめづら
)
しければ立よりて
熟視
(
よくみれ
)
ば、深さ五寸
計
(
ばかり
)
の箱に水をいれその中に
小
(
ちひさ
)
き
踏石
(
ふみいし
)
ほどの雪の氷をおきけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
円髷
(
まるわげ
)
に結ひたる四十ばかりの
小
(
ちひさ
)
く
痩
(
や
)
せて色白き女の、
茶微塵
(
ちやみじん
)
の糸織の
小袖
(
こそで
)
に黒の
奉書紬
(
ほうしよつむぎ
)
の紋付の羽織着たるは、この家の
内儀
(
ないぎ
)
なるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
こせ/\と
小
(
ちひさ
)
い部屋の多い、薄ぎたない家で、べた/\お白いをつけた不別嬪が四人も五人もゐる。そのうちの一人が出て來て
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
二階へ
上
(
あが
)
つた時今度空いた向ひの
小
(
ちひさ
)
い家へ移ることを修さんに
諷
(
ふう
)
された。古尾谷さんに教へて貰つたが
今日
(
けふ
)
はよく覚えられた。
六日間:(日記)
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
汝の信ずる所正し、そは大いなるも
小
(
ちひさ
)
きもすべてこの生を
享
(
う
)
くる者は汝の思ひが未だ成らざるさきに現はるゝかの鏡を見ればなり 六一—六三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
が、
寒
(
さむ
)
さは
寒
(
さむ
)
し、こたつの
穴
(
あな
)
の
水
(
みづ
)
たまりを
見
(
み
)
て、
胴震
(
どうぶる
)
ひをして、
小
(
ちひさ
)
くなつて
畏
(
かしこ
)
まつた。
夜具
(
やぐ
)
を
背負
(
しよ
)
はして
町内
(
ちやうない
)
をまはらせられないばかりであつた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
円
(
まる
)
い月は形が
大分
(
だいぶ
)
小
(
ちひさ
)
くなつて光が
蒼
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んで、
静
(
しづか
)
に
聳
(
そび
)
える
裏通
(
うらどほ
)
りの
倉
(
くら
)
の
屋根
(
やね
)
の上、星の多い空の
真中
(
まんなか
)
に高く昇つて
居
(
ゐ
)
た。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
けれども
僕
(
ぼく
)
の
故郷
(
くに
)
は
二萬石
(
にまんごく
)
の
大名
(
だいみやう
)
の
城下
(
じやうか
)
で、
縣下
(
けんか
)
では
殆
(
ほと
)
んど
言
(
い
)
ふに
足
(
た
)
らぬ
小
(
ちひさ
)
な
町
(
まち
)
、
殊
(
こと
)
に
海陸
(
かいりく
)
共
(
とも
)
に
交通
(
かうつう
)
の
便
(
べん
)
を
最
(
もつと
)
も
缺
(
かい
)
て
居
(
ゐ
)
ますから、
純然
(
じゆんぜん
)
たる
片田舍
(
かたゐなか
)
で
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
木曾馬
(
きそうま
)
は
小
(
ちひさ
)
いが、
足腰
(
あしこし
)
が
丈夫
(
ぢやうぶ
)
で、よく
働
(
はたら
)
くと
言
(
い
)
つて、それを
買
(
か
)
ひに
來
(
く
)
る
博勞
(
ばくらう
)
が
毎年
(
まいねん
)
諸國
(
しよこく
)
から
集
(
あつ
)
まります。
博勞
(
ばくらう
)
とは
馬
(
うま
)
の
賣買
(
うりかひ
)
を
商賣
(
しやうばい
)
にする
人
(
ひと
)
のことです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
聞て幸ひ
銀
(
ぎん
)
の松葉の
小
(
ちひさ
)
き
耳掻
(
みゝかき
)
が
欲
(
ほし
)
しと有る故
直段
(
ねだん
)
も安く
賣
(
うり
)
彼是
(
かれこれ
)
する中に雨も
止
(
やみ
)
しかば
暇乞
(
いとまごひ
)
して
歸
(
かへ
)
りけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今多く結つて居る
髷
(
まげ
)
は毛を
小
(
ちひさ
)
く分けて指の先でふうわりと一寸程の高さの輪に巻いてピンを横に差して押さへた、
機
(
はた
)
を織る
杼
(
ひ
)
の中の
管糸巻
(
くだいとまき
)
の様なのを、多いのは二十程
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
小
(
ちひさ
)
い時分から覇気の
壮
(
さか
)
んな、才気に溢れた、一時は東京に出て、まだ
二十
(
はたち
)
にも足らぬ齢で著書の一つも出した渠——その頃数少き年少詩人の一人に、
千早林鳥
(
ちはやりんてう
)
の名のあつた事は
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
女子
(
をなご
)
どもは
何時
(
いつ
)
しか
枕元
(
まくらもと
)
をはづして
四邊
(
あたり
)
には
父
(
ちゝ
)
と
母
(
はゝ
)
と
正雄
(
まさを
)
のあるばかり、
今
(
いま
)
いふ
事
(
こと
)
は
解
(
わか
)
るとも
解
(
わか
)
らぬとも
覺
(
おぼ
)
えねども
兄樣
(
にいさん
)
兄樣
(
にいさん
)
と
小
(
ちひさ
)
き
聲
(
こゑ
)
に
呼
(
よ
)
べば、
何
(
なに
)
か
用
(
よう
)
かと
氷嚢
(
こほりぶくろ
)
を
片寄
(
かたよ
)
せて
傍近
(
そばちか
)
く
寄
(
よ
)
るに
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
漸次
(
ぜんじ
)
に
人勢
(
にんず
)
が
殖
(
ふ
)
えて
大
(
おほ
)
きな
輪
(
わ
)
の
内側
(
うちがは
)
に
更
(
さら
)
に
小
(
ちひさ
)
な
輪
(
わ
)
が
描
(
ゑが
)
かれた。
太鼓
(
たいこ
)
が
倦怠
(
だれ
)
れば
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
鶯の鳴くや
小
(
ちひさ
)
き口あけて
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
小
(
ちひさ
)
い声で
のきばすずめ
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
六月に氷をみる事江戸の目には
最珍
(
いとめづら
)
しければ立よりて
熟視
(
よくみれ
)
ば、深さ五寸
計
(
ばかり
)
の箱に水をいれその中に
小
(
ちひさ
)
き
踏石
(
ふみいし
)
ほどの雪の氷をおきけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
或
(
あるひ
)
は飲過ぎし年賀の
帰来
(
かへり
)
なるべく、
疎
(
まばら
)
に寄する
獅子太鼓
(
ししだいこ
)
の
遠響
(
とほひびき
)
は、はや今日に尽きぬる
三箇日
(
さんがにち
)
を惜むが如く、その
哀切
(
あはれさ
)
に
小
(
ちひさ
)
き
膓
(
はらわた
)
は
断
(
たた
)
れぬべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「学歴は小学校卒業程度の者だつて、十五歳以上の男子つて、まあそんなに
小
(
ちひさ
)
くてもいゝのかしら、日給は三十五銭。」
月夜
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
凄
(
すさま
)
じく
嘶
(
いなゝ
)
いて
前足
(
まへあし
)
を
両方
(
りやうはう
)
中空
(
なかぞら
)
へ
飜
(
ひるがへ
)
したから、
小
(
ちひさ
)
な
親仁
(
おやぢ
)
は
仰向
(
あふむ
)
けに
引
(
ひツ
)
くりかへつた、づどんどう、
月夜
(
つきよ
)
に
砂煙
(
すなけぶり
)
が
𤏋
(
ぱツ
)
と
立
(
た
)
つ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
極
(
きは
)
めて一直線な
石垣
(
いしがき
)
を見せた台の下に
汚
(
よご
)
れた水色の
布
(
ぬの
)
が敷いてあつて、
後
(
うしろ
)
を
限
(
かぎ
)
る
書割
(
かきわり
)
には
小
(
ちひさ
)
く
大名屋敷
(
だいみやうやしき
)
の
練塀
(
ねりべい
)
を
描
(
ゑが
)
き
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
母上のいかにフラア・マルチノと
謀
(
はか
)
り給ひて、その日とはなりけむ。そはわれ知らでありしに、或る朝母上は、我に
小
(
ちひさ
)
き衣を着せ、其上に白衣を打掛け給ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
暗い部屋の隅の方に影のやうに動く
小
(
ちひさ
)
な動物の
敏捷
(
はしこ
)
さ、人を人とも思はず、長い尻尾を振り乍ら、出たり入つたりする其有様は、憎らしくもあり、をかしくもあり
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
淡い焔がメラ/\と立つかと見ると、直ぐ消えて了ふ。と、渠は不揃な火箸を取つて、白くなつて
小
(
ちひさ
)
く残つてゐる其灰を
突
(
つつ
)
く。突いて、突いて、そして上げた顔は
平然
(
けろり
)
としてゐる。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
舟の進むにつれて此
小
(
ちひさ
)
な港の聲が次第に聞えだした。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
貰
(
もらひ
)
持參せし由其酒にて
醉伏
(
ゑひふし
)
相果
(
あひはて
)
候事と存じられ候と聞より
彌々
(
いよ/\
)
不審
(
いぶかしく
)
思ひ次右衞門申樣右寶澤の
顏立
(
かほだち
)
下唇
(
したくちびる
)
に
小
(
ちひさ
)
き
黒痣
(
ほくろ
)
一ツ又左の耳の下に大なる
黒痣
(
ほくろ
)
有しやと聞に如何にも有候と
答
(
こたへ
)
るにぞ然ば天一坊は其寶澤に
相違
(
さうゐ
)
なしと兩士は郡奉行遠藤喜助に
對
(
むか
)
ひ其寶澤の
衣類等
(
いるゐとう
)
御座候はゞ
證據
(
しようこ
)
にも相成るべく存じ候へば申受度と云に
喜助
(
きすけ
)
申樣夫は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
遂
(
つひ
)
に彼はこの
苦
(
くるしみ
)
を両親に訴へしにやあらん、
一日
(
あるひ
)
母と娘とは
遽
(
にはか
)
に身支度して、
忙々
(
いそがはし
)
く車に乗りて出でぬ。彼等は
小
(
ちひさ
)
からぬ
一個
(
ひとつ
)
の
旅鞄
(
たびかばん
)
を携へたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
裳
(
もすそ
)
を
曳
(
ひ
)
く
濡縁
(
ぬれえん
)
に、
瑠璃
(
るり
)
の
空
(
そら
)
か、
二三輪
(
にさんりん
)
、
朝顏
(
あさがほ
)
の
小
(
ちひさ
)
く
淡
(
あは
)
く、
其
(
そ
)
の
色
(
いろ
)
白
(
しろ
)
き
人
(
ひと
)
の
脇
(
わき
)
明
(
あけ
)
を
覗
(
のぞ
)
きて、
帶
(
おび
)
に
新涼
(
しんりやう
)
の
藍
(
あゐ
)
を
描
(
ゑが
)
く。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
洋服などは
直
(
す
)
ぐ
小
(
ちひさ
)
くなるのですから下へ譲つて
行
(
ゆ
)
かなければならないではありませんか、さうした物質的のことで親の愛の尺度は解るものではありません。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
糞
(
こやし
)
をのする
輴哥
(
そり
)
あり、これをのするほどに
小
(
ちひさ
)
く作りたる物なり。二三月のころも地として雪ならざるはなく、
渺々
(
びやう/\
)
として
田圃
(
たはた
)
も
是下
(
このした
)
に
在
(
あ
)
りて
持分
(
もちぶん
)
の
境
(
さかひ
)
もさらにわかちがたし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
片側
(
かたかは
)
に
朝日
(
あさひ
)
がさし込んで
居
(
ゐ
)
るので
路地
(
ろぢ
)
の
内
(
うち
)
は
突当
(
つきあた
)
りまで
見透
(
みとほ
)
された。
格子戸
(
かうしど
)
づくりの
小
(
ちひさ
)
い
家
(
うち
)
ばかりでない。
昼間
(
ひるま
)
見ると意外に
屋根
(
やね
)
の高い
倉
(
くら
)
もある。
忍返
(
しのびがへ
)
しをつけた
板塀
(
いたべい
)
もある。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
山影
(
やまかげ
)
ながら
颯
(
さつ
)
と
野分
(
のわき
)
して、
芙蓉
(
ふよう
)
に
咽
(
むせ
)
ぶ
浪
(
なみ
)
の
繁吹
(
しぶき
)
に、
小
(
ちひさ
)
き
輪
(
りん
)
の
虹
(
にじ
)
が
立
(
た
)
つ——あら、
綺麗
(
きれい
)
だこと——それどころかい、
馬鹿
(
ばか
)
を
言
(
い
)
へ——
男
(
をとこ
)
の
胸
(
むね
)
は
盥
(
たらひ
)
に
引添
(
ひきそ
)
ひて
泳
(
およ
)
ぐにこそ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
糞
(
こやし
)
をのする
輴哥
(
そり
)
あり、これをのするほどに
小
(
ちひさ
)
く作りたる物なり。二三月のころも地として雪ならざるはなく、
渺々
(
びやう/\
)
として
田圃
(
たはた
)
も
是下
(
このした
)
に
在
(
あ
)
りて
持分
(
もちぶん
)
の
境
(
さかひ
)
もさらにわかちがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
初秋
(
はつあき
)
の
小
(
ちひさ
)
き
篳篥
(
ひちりき
)
を吹くすいつちよよ。
そぞろごと
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
蟋蟀
(
こほろぎ
)
でさへ、
其
(
そ
)
の
蟲
(
むし
)
は、
宛然
(
まるで
)
夕顏
(
ゆふがほ
)
の
種
(
たね
)
が
一
(
ひと
)
つこぼれたくらゐ
小
(
ちひさ
)
くつて、なか/\
見着
(
みつ
)
かりませんし、……
何
(
ど
)
うして
掴
(
つか
)
まりつこはないさうです……
貴女
(
あなた
)
がなさいますやうに
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
件
(
くだん
)
の亀の化石、本草家の
鑒定
(
かんてい
)
を
得
(
え
)
て
秦亀
(
しんき
)
ならば一
層
(
そう
)
の
珎
(
ちん
)
を
増
(
ます
)
べし。山にて
掘
(
ほり
)
得
(
え
)
たりとあれば
秦亀
(
しんき
)
にちかきやうなり。化石といふものあまた見しに、多は
小
(
ちひさ
)
きものにてあるひはまた
体
(
かたち
)
全
(
まつたき
)
も
稀
(
まれ
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
小
(
ちひさ
)
く憎き吸血魔
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
戀々
(
れん/\
)
として、
彽徊
(
ていくわい
)
し、
漸
(
やうや
)
くにして
里
(
さと
)
に
下
(
くだ
)
れば、
屋根
(
やね
)
、
廂
(
ひさし
)
、
時雨
(
しぐれ
)
の
晴間
(
はれま
)
を、ちら/\と
晝
(
ひる
)
灯
(
ひとも
)
す
小
(
ちひさ
)
き
蟲
(
むし
)
あり、
小橋
(
こばし
)
の
稚子等
(
うなゐら
)
の
唄
(
うた
)
ふを
聞
(
き
)
け。(おほわた)
來
(
こ
)
い、
來
(
こ
)
い、まゝ
食
(
く
)
はしよ。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
件
(
くだん
)
の亀の化石、本草家の
鑒定
(
かんてい
)
を
得
(
え
)
て
秦亀
(
しんき
)
ならば一
層
(
そう
)
の
珎
(
ちん
)
を
増
(
ます
)
べし。山にて
掘
(
ほり
)
得
(
え
)
たりとあれば
秦亀
(
しんき
)
にちかきやうなり。化石といふものあまた見しに、多は
小
(
ちひさ
)
きものにてあるひはまた
体
(
かたち
)
全
(
まつたき
)
も
稀
(
まれ
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
驚
(
おどろ
)
いて、じつと
見
(
み
)
れば、お
柳
(
りう
)
が
投
(
な
)
げた
卷煙草
(
まきたばこ
)
の
其
(
それ
)
ではなく、
靄
(
もや
)
か、
霧
(
きり
)
か、
朦朧
(
もうろう
)
とした、
灰色
(
はひいろ
)
の
溜池
(
ためいけ
)
に、
色
(
いろ
)
も
稍
(
やゝ
)
濃
(
こ
)
く、
筏
(
いかだ
)
が
見
(
み
)
えて、
天窓
(
あたま
)
の
圓
(
まる
)
い
小
(
ちひさ
)
な
形
(
かたち
)
が
一個
(
ひとつ
)
乘
(
の
)
つて
蹲
(
しやが
)
むで
居
(
ゐ
)
たが
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
糠雨
(
ぬかあめ
)
の
朧夜
(
おぼろよ
)
に、
小
(
ちひさ
)
き
山廓
(
さんかく
)
の
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
。
破
(
やぶ
)
れ
簑
(
みの
)
のしよぼ/\した
渠等
(
かれら
)
の
風躰
(
ふうてい
)
、……
其
(
そ
)
の
言
(
い
)
ふ
処
(
ところ
)
が、お
年貢
(
ねんぐ
)
、お
年貢
(
ねんぐ
)
、と
聞
(
きこ
)
えて、
未進
(
みしん
)
の
科条
(
くわでう
)
で
水牢
(
みづらう
)
で
死
(
し
)
んだ
亡者
(
もうじや
)
か、
百姓一揆
(
ひやくしやういつき
)
の
怨霊
(
おんりやう
)
か、と
思
(
おも
)
ひ
附
(
つ
)
く。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あたりは
眞暗
(
まつくら
)
な
處
(
ところ
)
に、
蟲
(
むし
)
よりも
小
(
ちひさ
)
な
身體
(
からだ
)
で、この
大木
(
たいぼく
)
の
恰
(
あたか
)
も
其
(
そ
)
の
注連繩
(
しめなは
)
の
下
(
した
)
あたりに
鋸
(
のこぎり
)
を
突
(
つき
)
さして
居
(
ゐ
)
るのに
心着
(
こゝろづ
)
いて、
恍惚
(
うつとり
)
として
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つたが、
氣
(
き
)
が
遠
(
とほ
)
くなるやうだから、
鋸
(
のこぎり
)
を
拔
(
ぬ
)
かうとすると
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
邊
(
あたり
)
の
公園
(
こうゑん
)
に
廣
(
ひろ
)
き
池
(
いけ
)
あり。
時
(
とき
)
よし、
風
(
かぜ
)
よしとて、
町々
(
まち/\
)
より
納涼
(
すゞみ
)
の
人
(
ひと
)
出
(
い
)
で
集
(
つど
)
ふ。
童
(
わらべ
)
たち
酸漿提灯
(
ほゝづきぢやうちん
)
かざしもしつ。
水
(
みづ
)
の
灯
(
ともしび
)
美
(
うつく
)
しき
夜
(
よる
)
ありき。
汀
(
みぎは
)
に
小
(
ちひさ
)
き
船
(
ふね
)
を
浮
(
うか
)
べて、
水茶屋
(
みづぢやや
)
の
小奴
(
こやつこ
)
莞爾
(
にこ
)
やかに
竹棹
(
たけざを
)
を
構
(
かま
)
へたり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“小”の意味
《名詞》
(ショウ)ちいさいこと。
(出典:Wiktionary)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
“小”を含む語句
小便
小女
小刀
小屋
小僧
小路
小児
小舟
小童
小人
小竹
矮小
小兒
小娘
小角
小波
小野
小説
小婢
小字
...