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勢
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いきほ
ふりがな文庫
“
勢
(
いきほ
)” の例文
もう
空
(
そら
)
の
何處
(
どこ
)
にか
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひを
潜
(
ひそ
)
めて
躊躇
(
ちうちよ
)
して
居
(
ゐ
)
る
筈
(
はず
)
の
春
(
はる
)
に
先立
(
さきだ
)
つて一
度
(
ど
)
に
取返
(
とりかへ
)
さうとするものゝ
如
(
ごと
)
く
騷
(
さわ
)
いで/\
又
(
また
)
騷
(
さわ
)
ぐのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
有
(
あ
)
るには
有
(
あ
)
るが
預
(
あづ
)
けてある。
勢
(
いきほ
)
ひ
兵
(
へい
)
を
分
(
わか
)
たねば
成
(
な
)
らない。
暮
(
くれ
)
から
人質
(
ひとじち
)
に
入
(
はひ
)
つてゐる
外套
(
ぐわいたう
)
と
羽織
(
はおり
)
を
救
(
すく
)
ひだすのに、
手
(
て
)
もなく
八九枚
(
はつくまい
)
討取
(
うちと
)
られた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
赤鉢卷隊
(
あかはちまきたい
)
は
全力
(
ぜんりよく
)
を
山頂
(
さんてう
)
に
向
(
むか
)
つて
注
(
そゝ
)
ぎ、
山全體
(
やまぜんたい
)
を
取
(
とり
)
くづすといふ
勢
(
いきほ
)
ひで
遣
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
る
間
(
うち
)
に、
鍬
(
くは
)
の
先
(
さき
)
にガチリと
音
(
おと
)
して
何
(
なに
)
か
當
(
あた
)
つた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
さあ
何
(
なん
)
とで
御座
(
ござ
)
んす、と
袂
(
たもと
)
を
捉
(
と
)
らへて
捲
(
まく
)
しかくる
勢
(
いきほ
)
ひ、さこそは
當
(
あた
)
り
難
(
がた
)
うもあるべきを、
物
(
もの
)
いはず
格子
(
かうし
)
のかげに
小隱
(
こかく
)
れて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
梅雨後
(
つゆあがり
)
の
勢
(
いきほ
)
ひのよい青草が
熱蒸
(
いき
)
れて、眞正面に照りつける日射が、深張の女傘の投影を、鮮かに地に印した。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
かようにアメリカの
博物館
(
はくぶつかん
)
はなか/\
侮
(
あなど
)
り
難
(
がた
)
い
勢
(
いきほ
)
ひをもつてゐるばかりでなく、
近年
(
きんねん
)
は
支那
(
しな
)
などから
出
(
で
)
る
古美術品
(
こびじゆつひん
)
は
金錢
(
きんせん
)
を
厭
(
いと
)
はず
購入
(
こうにゆう
)
するといふ
状態
(
じようたい
)
ですから
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
大軍刀
(
おほだち
)
ブン/\と
振
(
ふ
)
り
廻
(
まわ
)
し
海賊船
(
かいぞくせん
)
若
(
も
)
し
近寄
(
ちかよ
)
らば
吾
(
われ
)
から
其
(
その
)
甲板
(
かんぱん
)
に
飛移
(
とびうつ
)
らんばかりの
勢
(
いきほ
)
ひ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
米國經濟界
(
べいこくけいざいかい
)
全般
(
ぜんぱん
)
には
何等
(
なんら
)
懸念
(
けねん
)
すべき
状態
(
じやうたい
)
を
認
(
みと
)
めざるも、
人氣
(
にんき
)
の
中心
(
ちうしん
)
たる
證劵市場
(
しようけんしぢやう
)
が
大變動
(
だいへんどう
)
を
來
(
きた
)
したことであるから
勢
(
いきほ
)
ひ
生糸相場
(
きいとさうば
)
にも
波及
(
はきふ
)
して十
月
(
ぐわつ
)
初旬
(
しよじゆん
)
より
低下
(
ていか
)
の
趨勢
(
すうせい
)
となり
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
雨戸
(
あまど
)
をさす
間
(
ま
)
もなく、
今
(
いま
)
まで
遠
(
とほ
)
くの
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
に
聞
(
きこ
)
えてゐた
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
は、
巨人
(
きよじん
)
の
手
(
て
)
の一
煽
(
あふ
)
りのやうに
吾
(
われ
)
にもない
疾
(
はや
)
さで
驅
(
かけ
)
て
來
(
き
)
て、その
勢
(
いきほ
)
ひの
中
(
なか
)
に
山
(
やま
)
の
雪
(
ゆき
)
を一
掃
(
は
)
き
捲
(
ま
)
き
込
(
こ
)
んでしまつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
賢弟とわかれて国にくだりしが、
国人
(
くにびと
)
大かた経久が
勢
(
いきほ
)
ひに
服
(
つ
)
きて、
塩冶
(
えんや
)
の
恩
(
めぐみ
)
を
顧
(
かへりみ
)
るものなし。
従弟
(
いとこ
)
なる
赤穴
(
あかな
)
丹治、富田の城にあるを
訪
(
とむら
)
ひしに、利害を説きて吾を経久に
見
(
まみ
)
えしむ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
之
(
これ
)
を
極端
(
きよくたん
)
に
誇張
(
こてう
)
する
結果
(
けつくわ
)
勢
(
いきほ
)
ひ
異形
(
いげう
)
の
相
(
さう
)
を
呈
(
てい
)
するので、
之
(
これ
)
が
私
(
わたし
)
のばけものゝ
定義
(
ていぎ
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
和尚なだれに
押落
(
おしおと
)
され池に入るべきを、なだれの
勢
(
いきほ
)
ひに
身
(
み
)
は
手鞠
(
てまり
)
のごとく池をもはねこえて
掘揚
(
ほりあげ
)
たる雪に
半身
(
はんしん
)
を
埋
(
うづ
)
められ、あとさけびたるこゑに
庫裏
(
くり
)
の雪をほりゐたるしもべら
馳
(
はせ
)
きたり
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
睨
(
にら
)
み付猶何とか申たならば又私しをも
手討
(
てうち
)
に致しさうな
勢
(
いきほ
)
ひなりしと云ば大岡殿夫は
何時頃
(
いつごろ
)
手討
(
てうち
)
に成し樣子なるやと有に吉兵衞ハイ
何時頃
(
いつごろ
)
で御座りますか日も申
聞
(
きけ
)
られず
大概
(
おほかた
)
海川へでも死骸を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夜露
(
よつゆ
)
に
濡
(
ぬ
)
れた
草
(
くさ
)
が、
地上
(
ちじやう
)
に
盛
(
も
)
り
溢
(
あふ
)
れさうな
勢
(
いきほ
)
ひで、
野
(
の
)
を
埋
(
うづ
)
めてゐた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
ここにして十時伝右衛門の
裔
(
すゑ
)
の子と
一夜
(
ひとよ
)
勢
(
いきほ
)
ひ飲みて寝にける
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
勢
(
いきほ
)
ひ
猛
(
まう
)
に、こは如何に
哀音
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
畑
(
はたけ
)
の
作主
(
さくぬし
)
が
其
(
その
)
損失
(
そんしつ
)
以外
(
いぐわい
)
にそれを
惜
(
をし
)
む
心
(
こゝろ
)
から
蔭
(
かげ
)
で
勢
(
いきほ
)
ひ
激
(
はげ
)
しく
怒
(
おこ
)
らうともそれは
顧
(
かへり
)
みる
暇
(
いとま
)
を
有
(
も
)
たない。
勘次
(
かんじ
)
の
痩
(
や
)
せた
茄子畑
(
なすばたけ
)
もさうして
襲
(
おそ
)
はれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此纎弱
(
このかよわ
)
き
娘
(
むすめ
)
一人
(
ひとり
)
とり
止
(
と
)
むる
事
(
こと
)
かなはで、
勢
(
いきほ
)
ひに
乘
(
の
)
りて
驅
(
か
)
け
出
(
いだ
)
す
時
(
とき
)
には
大
(
だい
)
の
男
(
をとこ
)
二人
(
ふたり
)
がゝりにてもむつかしき
時
(
とき
)
のありける。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
なに
)
も
出
(
で
)
ない。——
出
(
で
)
ないけれど
面白
(
おもしろ
)
い。
疲勞
(
ひらう
)
しては
天幕
(
てんと
)
に
入
(
い
)
り、
菓物
(
くわぶつ
)
を
食
(
く
)
ひ、サイダを
飮
(
の
)
む。
勢
(
いきほ
)
ひを
得
(
え
)
ては
又
(
また
)
掘
(
ほ
)
りに
掛
(
かゝ
)
るが、
甚
(
はなは
)
だしく
何
(
なに
)
も
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
ない。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
見参
(
けんざん
)
、
見参
(
けんざん
)
などゝ
元気
(
げんき
)
づいて、
説明
(
せつめい
)
を
待
(
ま
)
つまでもない、
此
(
こ
)
の
山深
(
やまふか
)
く
岩魚
(
いはな
)
のほかは、
予
(
かね
)
て
聞
(
き
)
いた
姫鱒
(
ひめます
)
にておはすらむ、カバチエツポでがんせうの、と
横歩行
(
よこある
)
きして
見
(
み
)
に
立
(
た
)
つ
勢
(
いきほ
)
ひ。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さしつたりと
電光石火
(
でんくわうせきくわ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひ、げにもや
電光
(
でんくわう
)
影裡
(
えいり
)
春風
(
しゆんぷう
)
を
斬
(
き
)
るごとく、
形
(
かたち
)
は
見
(
み
)
えねど
三尖衝角
(
さんせんしやうかく
)
の
回旋
(
めぐ
)
る
處
(
ところ
)
、
敵船
(
てきせん
)
微塵
(
みじん
)
に
碎
(
くだ
)
け、
新式魚形水雷
(
しんしきぎよけいすいらい
)
の
駛
(
はし
)
るところ
白龍
(
はくりよう
)
天
(
てん
)
に
跳
(
をど
)
る、
殘
(
のこ
)
る
賊船
(
ぞくせん
)
早
(
は
)
や三
隻
(
せき
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
先き駆くとただに
勢
(
いきほ
)
ふ軍の犬ひとたび吼えてかへらざりけり
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
下
(
くだし
)
置
(
おか
)
れたり率御着用有りて然るべしと
述
(
のべ
)
ければ伊賀亮
呵々
(
から/\
)
と
笑
(
わら
)
ひ
貴僧
(
きそう
)
の
御芳志
(
ごはうし
)
は
忝
(
かたじ
)
けなけれど未だ御對面もなき中に
時服
(
じふく
)
頂戴
(
ちやうだい
)
する
謂
(
いは
)
れなし又拙者が
粗服
(
そふく
)
で御對面
成
(
なさ
)
れ難くば夫迄の事なり
押
(
おし
)
て拙者より奉公は願ひ申さずと
斷然
(
きつぱり
)
言放
(
いひはな
)
し立上る
勢
(
いきほ
)
ひに常樂院は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
森
(
もり
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
上
(
うへ
)
に
遙
(
はるか
)
に
立
(
た
)
ち
騰
(
のぼ
)
らうとして
次第
(
しだい
)
に
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひを
加
(
くは
)
へる
焔
(
ほのほ
)
を、
疾風
(
しつぷう
)
はぐるりと
包
(
つゝ
)
んだ
喬木
(
けうぼく
)
の
梢
(
こずゑ
)
からごうつと
壓
(
お
)
しつけ
壓
(
お
)
しつけ
吹
(
ふ
)
き
落
(
お
)
ちた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此年
(
このとし
)
三の
酉
(
とり
)
まで
有
(
あ
)
りて
中
(
なか
)
一
日
(
にち
)
はつぶれしかど
前後
(
ぜんご
)
の
上天氣
(
じやうてんき
)
に
大鳥神社
(
おほとりじんじや
)
の
賑
(
にぎわ
)
ひすさまじく、
此處
(
こゝ
)
かこつけに
檢査塲
(
けんさば
)
の
門
(
もん
)
より
亂
(
みだ
)
れ
入
(
い
)
る
若人達
(
わかうどたち
)
の
勢
(
いきほ
)
ひとては
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
英雄
(
えいゆう
)
は、
面倒
(
めんだう
)
くさい
座席
(
ざせき
)
になど
片
(
かた
)
づくのでない。
自動車
(
じどうしや
)
も
免許取
(
めんきよとり
)
だから、
運転手台
(
うんてんしゆだい
)
へ、ポイと
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
ると、「
急
(
いそ
)
げ。」——
背中
(
せなか
)
を一つ
引撲
(
ひつぱた
)
く
勢
(
いきほ
)
ひだから、いや、
運転手
(
うんてんしゆ
)
の
飛
(
と
)
ばした
事
(
こと
)
。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
花落ちてただち萌ゆるか
玉蘭
(
はくれん
)
の
立枝
(
たちえ
)
の芽ぶき雷に
勢
(
いきほ
)
ふ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
出るや否や下に/\の
制止
(
せいし
)
の
聲々
(
こゑ/″\
)
滯
(
とゞこ
)
ほりなく渡邊橋の
旅館
(
りよくわん
)
にこそ歸りける今は
誰
(
たれ
)
憚
(
はゞか
)
る者はなく幕は
玄關
(
げんくわん
)
へ
閃
(
ひらめ
)
き表札は雲にも
屆
(
とゞ
)
くべく恰も
旭
(
あさひ
)
の
昇
(
のぼ
)
るが如き
勢
(
いきほ
)
ひなれば
町役人
(
まちやくにん
)
どもは晝夜
相詰
(
あひつめ
)
いと
嚴重
(
げんぢう
)
の
欵待
(
あしらひ
)
なり
扨
(
さて
)
御城代には
御墨附
(
おすみつき
)
の
寫
(
うつ
)
し并びに
御短刀
(
おたんたう
)
の
寸法
(
すんぱふ
)
拵
(
こしら
)
へ迄
委敷
(
くはしく
)
認
(
したゝ
)
め
委細
(
ゐさい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今川橋
(
いまがはばし
)
の
際
(
きは
)
に
夜明
(
よあか
)
しの
蕎麥掻
(
そばが
)
きを
賣
(
う
)
り
初
(
そめ
)
し
頃
(
ころ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひは千
鈞
(
きん
)
の
重
(
おも
)
きを
提
(
ひつさ
)
げて
大海
(
たいかい
)
をも
跳
(
おど
)
り
越
(
こ
)
えつべく、
知
(
し
)
る
限
(
かぎ
)
りの
人
(
ひと
)
舌
(
した
)
を
卷
(
ま
)
いて
驚
(
おどろ
)
くもあれば、
猪武者
(
いのしゝむしや
)
の
向
(
むか
)
ふ
見
(
み
)
ず
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
八
人
(
にん
)
では
第
(
だい
)
一
乗溢
(
のりこぼ
)
れる。
飛
(
と
)
ぶ
輻
(
や
)
の、あの
勢
(
いきほ
)
ひで
溢
(
こぼ
)
れた
日
(
ひ
)
には、
魔夫人
(
まふじん
)
の
扇
(
あふぎ
)
を
以
(
もつ
)
て
煽
(
あふ
)
がれた
如
(
ごと
)
く、
漂々蕩々
(
へう/\とう/\
)
として、
虚空
(
こくう
)
に
漂
(
たゞよ
)
はねばなるまい。それに
各
(
おの/\
)
荷
(
に
)
が
随分
(
ずゐぶん
)
ある。
恁
(
か
)
くいふ
私
(
わたし
)
にもある。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八
月
(
ぐわつ
)
廿日
(
はつか
)
は
千束神社
(
せんぞくじんじや
)
のまつりとて、
山車屋臺
(
だしやたい
)
に
町々
(
まち/\
)
の
見得
(
みえ
)
をはりて
土手
(
どて
)
をのぼりて
廓内
(
なか
)
までも
入込
(
いりこ
)
まんづ
勢
(
いきほ
)
ひ、
若者
(
わかもの
)
が
氣組
(
きぐ
)
み
思
(
おも
)
ひやるべし、
聞
(
きゝ
)
かぢりに
子供
(
こども
)
とて
由斷
(
ゆだん
)
のなりがたき
此
(
この
)
あたりのなれば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勢
(
いきほ
)
ひよく
引入
(
ひきい
)
れしが
客
(
きやく
)
を
下
(
お
)
ろして
扨
(
さて
)
おもへば
恥
(
はづ
)
かしゝ、
記憶
(
きおく
)
に
存
(
のこ
)
る
店
(
みせ
)
がまへ
今
(
いま
)
の
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
には
往昔
(
むかし
)
ながら
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
は
未
(
ま
)
だ
昨日
(
きのふ
)
といふ
去年
(
きよねん
)
一昨年
(
をとゝし
)
、
同商中
(
どうしやうちゆう
)
の
組合曾議
(
くみあひくわいぎ
)
或
(
あるひ
)
は
何某
(
なにがし
)
の
懇親曾
(
こんしんくわい
)
に
登
(
のぼ
)
りなれし
梯子
(
はしご
)
なり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
づかしや
女子
(
をんな
)
の
身
(
み
)
不似合
(
ふにあひ
)
の
菓
(
くだ
)
もの
賣
(
う
)
りも
一重
(
ひとへ
)
に
活計
(
みすぎ
)
の
爲
(
ため
)
のみならず
便
(
たよ
)
りもがな
尋
(
たづ
)
ねたやの一
心
(
しん
)
なりしが
縁
(
ゑに
)
しあやしく
引
(
ひ
)
く
方
(
かた
)
ありて
不圖
(
ふと
)
呼
(
よ
)
び
入
(
い
)
れられし
黒塗塀
(
くろぬりべい
)
お
勝手
(
かつて
)
もとに
商
(
あきな
)
ひせし
時
(
とき
)
後
(
あと
)
にて
聞
(
き
)
けば
御稽古
(
おけいこ
)
がへりとや
孃
(
じやう
)
さまの
乘
(
め
)
したる
車
(
くるま
)
勢
(
いきほ
)
ひよく
御門内
(
ごもんうち
)
へ
引入
(
ひきい
)
るゝとて
出
(
い
)
でんとする
我
(
われ
)
と
行違
(
ゆきちが
)
ひしが
何
(
なに
)
に
觸
(
ふ
)
れけん
我
(
わ
)
がさしたる
櫛車
(
くしくるま
)
の
前
(
まへ
)
には
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“勢”を含む語句
気勢
威勢
大勢
多勢
勢力
姿勢
形勢
水勢
時勢粧
御勢
氣勢
無勢
勢揃
豪勢
上泉伊勢守
助勢
巨勢金岡
伊勢詣
小巨勢
人勢
...