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先
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さき
ふりがな文庫
“
先
(
さき
)” の例文
鐘
(
かね
)
が
鳴
(
な
)
ると、
生徒
(
せいと
)
らは、
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
って
廊下
(
ろうか
)
から
外
(
そと
)
へとかけ
出
(
だ
)
しました。そのとき、
良
(
りょう
)
一は、
先生
(
せんせい
)
が
教員室
(
きょういんしつ
)
へいかれる
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ったのです。
僕が大きくなるまで
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此
(
こ
)
の
按摩
(
あんま
)
杖
(
つゑ
)
を
力
(
ちから
)
に、
川
(
かは
)
べりの
水除
(
みづよ
)
け
堤
(
づゝみ
)
へ
来
(
く
)
ると、
杖
(
つゑ
)
の
先
(
さき
)
へ
両手
(
りやうて
)
をかけて、ズイと
腰
(
こし
)
を
伸
(
の
)
ばし、
耳
(
みゝ
)
欹
(
そばだ
)
てゝ
考
(
かんが
)
えて
居
(
ゐ
)
る
様子
(
やうす
)
、——と
言
(
い
)
ふ。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
疲
(
つか
)
れてきた
羽
(
はね
)
にバサバサと
力
(
ちから
)
を
罩
(
こ
)
めて、
追
(
お
)
ひつかうとするけれど、ラランのやつはさつさと
先
(
さき
)
へ
飛
(
と
)
びながら、
着
(
お
)
ち
つ
(
つ
)
いたもので
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
川口
(
かはぐち
)
の、
葦
(
あし
)
のたくさん
生
(
は
)
えてゐる、その
葦
(
あし
)
の
先
(
さき
)
の
葉
(
は
)
が、みんなとれてゐる。これは、
誰
(
たれ
)
が
折
(
を
)
つたのかと
申
(
まを
)
しますと、それは、
私
(
わたし
)
です。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
しかしそれも
今日
(
こんにち
)
はもう歴史である。
是
(
これ
)
から
先
(
さき
)
はどう変って行くか、私たちはまた一つの新しい経験を積まなければならぬのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
原口さんは無論ゐる。一番
先
(
さき
)
へ
来
(
き
)
て、世話を
焼
(
や
)
いたり、愛嬌を振り
蒔
(
ま
)
いたり、仏蘭西式の
髯
(
ひげ
)
を
撮
(
つま
)
んで見たり、万事
忙
(
いそ
)
がしさうである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
品
(
しな
)
は
復
(
ま
)
た
天秤
(
てんびん
)
を
卸
(
おろ
)
した。お
品
(
しな
)
は
竹
(
たけ
)
の
短
(
みじか
)
い
天秤
(
てんびん
)
の
先
(
さき
)
へ
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
で
拵
(
こしら
)
へた
小
(
ちひ
)
さな
鍵
(
かぎ
)
の
手
(
て
)
をぶらさげてそれで
手桶
(
てをけ
)
の
柄
(
え
)
を
引
(
ひ
)
つ
懸
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
これより
先
(
さき
)
生田葵山
書肆
(
しょし
)
大学館と相知る。主人岩崎氏を説いて文学雑誌『
活文壇
(
かつぶんだん
)
』を発行せしめ、井上唖々と共に
編輯
(
へんしゅう
)
のことを
掌
(
つかさど
)
りぬ。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
しかたがないので、またたぬきはずんずん
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
って
歩
(
ある
)
いていきました。やがてもう一つ
向
(
む
)
こうの山まで行くと、たぬきはふり
返
(
かえ
)
って
かちかち山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
先
(
さき
)
つ年、久秀が室町の
御館
(
おやかた
)
を
襲
(
おそ
)
うて、将軍義輝公を
弑逆
(
しいぎゃく
)
し奉った折なども、坂上主膳の働きは、
傍若
(
ぼうじゃく
)
無人な
戦
(
いくさ
)
ぶりと云われております。
剣の四君子:03 林崎甚助
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時に、昔に変る墨染姿の成親を見出した時は、いつか目の
先
(
さき
)
がぼうっとかすんで、成親の姿もはっきり目に映らぬほどであった。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
なんと、
飴屋
(
あめや
)
さんの
上手
(
じやうず
)
に
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
くこと。
飴屋
(
あめや
)
さんは
棒
(
ぼう
)
の
先
(
さき
)
に
卷
(
ま
)
きつけた
飴
(
あめ
)
を
父
(
とう
)
さんにも
賣
(
う
)
つて
呉
(
く
)
れまして、それから
斯
(
か
)
う
言
(
い
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
のミハイル、アウエリヤヌヰチは、
彼
(
かれ
)
の
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
て、
彼
(
かれ
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いてはゐるが、
先
(
さき
)
のやうに
其
(
そ
)
れは
眞實
(
まつたく
)
ですとはもう
云
(
い
)
はぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
細君は怒つて先に部屋へ
入
(
はひ
)
つて
仕舞
(
しま
)
ふ。隣の部屋から
先
(
さき
)
の夫人のマドレエヌが
手燭
(
てしよく
)
を執つて
現
(
あら
)
はれ一人残つたモリエエルを慰める。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そして木部の全身全霊を
爪
(
つめ
)
の
先
(
さき
)
想
(
おも
)
いの果てまで自分のものにしなければ、死んでも死ねない様子が見えたので、母もとうとう
我
(
が
)
を折った。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
何
(
なん
)
だ
人面白
(
ひとおもしろ
)
くもねえ、
先
(
さき
)
へ出よう/\。「
金兵衛
(
きんべゑ
)
どんお
前
(
まい
)
是
(
これ
)
から
焼場
(
やきば
)
へ
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
くのに
独
(
ひとり
)
ぢやア困るだらうから
己
(
おれ
)
が
片棒
(
かたぼう
)
担
(
かつ
)
いでやらうか。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
たずねて
村役人
(
むらやくにん
)
の
家
(
いえ
)
へいくと、あらわれたのは、
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
に
落
(
お
)
ちかかるように
眼鏡
(
めがね
)
をかけた
老人
(
ろうじん
)
でしたので、
盗人
(
ぬすびと
)
たちはまず
安心
(
あんしん
)
しました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
痩
(
やせ
)
た
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
眼
(
め
)
が
再
(
ふたた
)
び
春重
(
はるしげ
)
の
顔
(
かお
)
に
戻
(
もど
)
った
時
(
とき
)
、
春重
(
はるしげ
)
はおもむろに、ふところから
何物
(
なにもの
)
かを
取出
(
とりだ
)
して
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
にひけらかした。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
余
(
よ
)
前年
(
さきのとし
)
江戸に
在
(
あり
)
し時右の事を
先
(
さき
)
の
山東翁
(
さんとうをう
)
にかたりしに、
翁
(
をう
)
曰
(
いはく
)
世路
(
せいろ
)
の
灘
(
なだ
)
は
総滝
(
そたき
)
よりも危からん、世は
足
(
あし
)
もとを見て
渡
(
わた
)
るべきにやとて
笑
(
わら
)
へり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此の
先
(
さき
)
生活のあてもなくなりさうになつてゐることを思ふと、死んでしまはうかと思ふより、ほかに仕方もないことであつた。
亡弟
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
或夜、莊公は
渾良夫
(
こんりやうふ
)
に向つて、
先
(
さき
)
の衞侯
輒
(
てふ
)
が出奔に際し累代の國の寶器をすつかり持去つたことを語り、如何にして取戻すべきかを計つた。
盈虚
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
ところが人形には、
薄
(
うす
)
い
着物
(
きもの
)
の下に
釘
(
くぎ
)
がいっぱい、
尖
(
とが
)
った
先
(
さき
)
を外に
向
(
む
)
けてつまっているのです。いくら
大蛇
(
おろち
)
でもたまりません。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
うちふるひつゝわが口にくちづけしぬ、ガレオットなりけり
書
(
ふみ
)
も作者も、かの日我等またその
先
(
さき
)
を讀まざりき 一三六—一三八
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それで
銅
(
どう
)
と
鐵
(
てつ
)
の
二
(
ふた
)
つの
中
(
うち
)
、いづれかゞ
使用
(
しよう
)
されることになりましたが、
果
(
はた
)
してどちらが
先
(
さき
)
に
使用
(
しよう
)
されたかについては
今
(
いま
)
なほ
議論
(
ぎろん
)
があります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
殊にこの返事にもあるように、
先
(
さき
)
は一途に人形を見に来たと思って、直ぐその手柄話になるであろう。そうしたらいよいよ出鼻を
挫
(
くじ
)
かれる。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これより
先
(
さき
)
保は高等師範学校に
入
(
い
)
ることを願って置いたが、その採用試験が二十二日から始まるので、独り先に東京に帰った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
兵士が笑って、
銃剣
(
じゅうけん
)
の
先
(
さき
)
で蛇をつっかけて、
堤外
(
ていがい
)
に
抛
(
ほう
)
り出した。無事に
此
(
この
)
関所
(
せきしょ
)
も越して、彼は母と姉と
嘻々
(
きき
)
として堤を歩んだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その
畜生
(
ちくしやう
)
に
落
(
おと
)
されるとは、
何
(
なに
)
かの
因縁
(
いんえん
)
に
違
(
ちが
)
ひございません。それは
石橋
(
いしばし
)
の
少
(
すこ
)
し
先
(
さき
)
に、
長
(
なが
)
い
端綱
(
はづな
)
を
引
(
ひ
)
いた
儘
(
まま
)
、
路
(
みち
)
ばたの
青芒
(
あをすすき
)
を
食
(
く
)
つて
居
(
を
)
りました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
爾
(
そう
)
先
(
さき
)
ッ潜りをするから困る
静
(
しずか
)
に
聞
(
きゝ
)
たまえな、持物の無いのは誰が見ても曲者が手掛りを無くする為に隠した事だから追剥の証拠には成らぬが
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
赤鉢卷隊
(
あかはちまきたい
)
は
全力
(
ぜんりよく
)
を
山頂
(
さんてう
)
に
向
(
むか
)
つて
注
(
そゝ
)
ぎ、
山全體
(
やまぜんたい
)
を
取
(
とり
)
くづすといふ
勢
(
いきほ
)
ひで
遣
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
る
間
(
うち
)
に、
鍬
(
くは
)
の
先
(
さき
)
にガチリと
音
(
おと
)
して
何
(
なに
)
か
當
(
あた
)
つた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
今
(
いま
)
の
身分
(
みぶん
)
で
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
處
(
ところ
)
が
何
(
なん
)
となりまする、
先
(
さき
)
は
賣物買物
(
うりものかひもの
)
お
金
(
かね
)
さへ
出來
(
でき
)
たら
昔
(
むか
)
しのやうに
可愛
(
かわひ
)
がつても
呉
(
く
)
れませう、
表
(
おもて
)
を
通
(
とほ
)
つて
見
(
み
)
ても
知
(
し
)
れる
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
而
(
しこう
)
してその策する所を観れば、曰く、「今の戦法は、これを
先
(
さき
)
んずるに海戦を以てし、これを終るに陸戦を以てすべし」と。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
しかも、その大河は、これまで読書会ではほとんど沈黙を守りつづけて来ており、
真
(
ま
)
っ
先
(
さき
)
に口をきったことなど、全くなかった人なのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そう思ってゆくてをみると、白い道が夕もやの中へきえて、その
先
(
さき
)
の
空
(
そら
)
には二つ三つ、
黄
(
きい
)
ろい星が光りだしているばかり。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
『さう、
眞箇
(
ほんとう
)
に!』
怖
(
おそ
)
れて
尻尾
(
しツぽ
)
の
先
(
さき
)
までも
顫
(
ふる
)
へてゐた
鼠
(
ねずみ
)
が
叫
(
さけ
)
びました。』
若
(
も
)
し
私
(
わたし
)
が
斯麽
(
こんな
)
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
したが
最期
(
さいご
)
!
私
(
わたし
)
の一
家族
(
かぞく
)
は
殘
(
のこ
)
らず
猫
(
ねこ
)
を
仇敵
(
かたき
)
に
念
(
おも
)
ふ。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そんな時は、お島は店の若いもののような
仮声
(
こわいろ
)
をつかって、
先
(
さき
)
の処と名を突留めようと骨を折ったが、その
効
(
かい
)
がなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
夢かとばかり驚きながら、
扶
(
たす
)
け參らせて
一間
(
ひとま
)
に
招
(
せう
)
じ、身は
遙
(
はるか
)
に席を隔てて
拜伏
(
はいふく
)
しぬ。思ひ懸けぬ對面に
左右
(
とかう
)
の言葉もなく、
先
(
さき
)
だつものは涙なり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
……
乳母
(
おんば
)
、
先
(
さき
)
へ
往
(
ゆ
)
きゃれ。
姫
(
ひめ
)
によう
傳
(
つた
)
へたもれ、
家内中
(
かないぢゅう
)
を
早
(
はや
)
う
就褥
(
ねか
)
しめさと
被言
(
おしゃ
)
れ、
歎
(
なげ
)
きに
疲
(
つか
)
れたれば
眠
(
ね
)
むるは
定
(
ぢゃう
)
ぢゃ。ロミオは
今直
(
いますぐ
)
參
(
まゐ
)
らるゝ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ここに教へ覺したまふ状、つぶさに
先
(
さき
)
の日の如くありて、「およそこの國は、
汝命
(
いましみこと
)
の御腹にます御子の知らさむ國なり」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
先
(
さき
)
にゆく菊枝どのいのう。菊枝どのいのう……はれ、聞えぬげな。(
躓
(
つまづ
)
くが如く、二足三足下手の方に歩みよりて。)
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
(ホ)
灌木帶
(
かんぼくたい
)
(
偃松帶
(
はひまつたい
)
)。 えぞまつやとゞまつの
針葉樹林
(
しんようじゆりん
)
を
出
(
で
)
てその
先
(
さき
)
へ
移
(
うつ
)
ると、
急
(
きゆう
)
に
光
(
ひかり
)
が
強
(
つよ
)
く、あたりはぱっと
明
(
あか
)
るくなつたような
氣
(
き
)
がします。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
指揮刀
(
しきたう
)
の
鞘
(
さや
)
の
銀色
(
ぎんいろ
)
を
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
に
閃
(
ひらめ
)
かしてゐる
小隊長
(
せうたいちやう
)
の
大島少尉
(
おほしませうゐ
)
さへよろけながら
歩
(
ある
)
いてゐるのが、五六
歩
(
ほ
)
先
(
さき
)
に
見
(
み
)
えた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
民友子
先
(
さき
)
つ頃「俗間の歌謡」と題する一文を作りて、平民社界に行はるゝ音楽の調子の低くして
険
(
けん
)
なるを説きぬ。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
二三軒雑誌を
素見
(
ひや
)
かして、中央會堂の少し
先
(
さき
)
から本郷座の方に曲ツた。何んといふことはなかツたがウソ/\と本郷座の廣ツ場に入ツて見た。閉場中だ。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「もし母さんが、僕を
可愛
(
かわい
)
くって食べちまうっていうんだったら、きっと
真
(
ま
)
っ
先
(
さき
)
に、
鼻
(
はな
)
っ
柱
(
ぱしら
)
へ
齧
(
かじ
)
りつくだろう」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
ヨーロツパでもハンガリーなどでは
即
(
すなは
)
ちマギアール
族
(
ぞく
)
で
東洋民族
(
とうやうみんぞく
)
であるから、
苗字
(
めうじ
)
を
先
(
さき
)
にし、
名
(
な
)
を
後
(
あと
)
にする。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
これより
先
(
さき
)
前原伊助、
神崎与五郎
(
かんざきよごろう
)
の両人は、内蔵助の命を帯びて、すでにその年の四月中江戸に下っていた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
そして、うれしそうにニールスにとびついて、くちばしで頭のてっぺんからつま
先
(
さき
)
まで、なでまわしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
陸
(
りく
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
ると、いつしか
我
(
わ
)
が
船
(
ふね
)
は
港
(
みなと
)
目近
(
まぢか
)
に
進
(
すゝ
)
んで、
桑港
(
さうかう
)
の
町々
(
まち/\
)
はつい
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
に
見
(
み
)
える。
我等
(
われら
)
の
泊
(
とま
)
るべきフェアモント・ホテルは
高
(
たか
)
い
丘
(
をか
)
の
上
(
うへ
)
に
突
(
つ
)
ツ
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
小田原
(
をだはら
)
から
先
(
さき
)
は
例
(
れい
)
の
人車鐵道
(
じんしやてつだう
)
。
僕
(
ぼく
)
は一
時
(
とき
)
も
早
(
はや
)
く
湯原
(
ゆがはら
)
へ
着
(
つ
)
きたいので
好
(
す
)
きな
小田原
(
をだはら
)
に
半日
(
はんにち
)
を
送
(
おく
)
るほどの
樂
(
たのしみ
)
も
捨
(
すて
)
て、
電車
(
でんしや
)
から
下
(
お
)
りて
晝飯
(
ちうじき
)
を
終
(
をは
)
るや
直
(
す
)
ぐ
人車
(
じんしや
)
に
乘
(
の
)
つた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“先”を含む語句
先生
先方
先刻
先達
先日
最先
先頭
先駆
水先案内
真先
先祖
先立
先々
一先
爪先
先登
行先
先月
先驅
切先
...