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しうゐ
ふりがな文庫
“
周圍
(
しうゐ
)” の例文
新字:
周囲
勘次
(
かんじ
)
は
極
(
きは
)
めて
狹
(
せま
)
い
周圍
(
しうゐ
)
を
有
(
いう
)
して
居
(
ゐ
)
る。
然
(
しか
)
し
彼
(
かれ
)
の
痩
(
や
)
せた
小
(
ちひ
)
さな
體躯
(
からだ
)
は、
其
(
そ
)
の
狹
(
せま
)
い
周圍
(
しうゐ
)
と
反撥
(
はんぱつ
)
して
居
(
ゐ
)
るやうな
關係
(
くわんけい
)
が
自然
(
しぜん
)
に
成立
(
なりた
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
論據
(
ろんきよ
)
は
斯
(
か
)
うでした、
若
(
も
)
し
何事
(
なにごと
)
にせよ、
全
(
まつた
)
く
時間
(
じかん
)
を
要
(
えう
)
せずして
成
(
な
)
し
了
(
を
)
うせられなかつたなら、
所有
(
あらゆる
)
周圍
(
しうゐ
)
の
誰
(
たれ
)
でもを
死刑
(
しけい
)
に
處
(
しよ
)
する。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
猛狒
(
ゴリラ
)
の
類
(
るい
)
は
此
(
この
)
穴
(
あな
)
の
周圍
(
しうゐ
)
に
牙
(
きば
)
を
鳴
(
なら
)
し、
爪
(
つめ
)
を
磨
(
みが
)
いて
居
(
を
)
るのだから、
一寸
(
ちよつと
)
でも
鐵檻車
(
てつおりくるま
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
たら
最後
(
さいご
)
、
直
(
たゞ
)
ちに
無殘
(
むざん
)
の
死
(
し
)
を
遂
(
と
)
げてしまうのだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
然
(
しか
)
しその
時
(
とき
)
の
周圍
(
しうゐ
)
の
事情
(
じじやう
)
は、
病人
(
びやうにん
)
をK
氏
(
し
)
の
家
(
うち
)
に
臥
(
ね
)
かして
置
(
お
)
く
事
(
こと
)
を
許
(
ゆる
)
さないので、
直
(
す
)
ぐに
何處
(
どこ
)
へか
入院
(
にふゐん
)
させなければならなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
跡
(
あと
)
を
見送
(
みおく
)
つてゐる
閭
(
りよ
)
が
周圍
(
しうゐ
)
には、
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
盛
(
も
)
つてゐた
僧
(
そう
)
等
(
ら
)
が、ぞろ/\と
來
(
き
)
てたかつた。
道翹
(
だうげう
)
は
眞蒼
(
まつさを
)
な
顏
(
かほ
)
をして
立
(
た
)
ち
竦
(
すく
)
んでゐた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
扨
(
さ
)
て
其他
(
そのた
)
には、
彼
(
か
)
の
第
(
だい
)
一の
穴
(
あな
)
にもある
如
(
ごと
)
く、
周圍
(
しうゐ
)
と
中央
(
ちうわう
)
とに、
幅
(
はゞ
)
四五
寸
(
すん
)
の
溝
(
みぞ
)
が
穿
(
うが
)
つてあるが、
彼
(
か
)
の
如
(
ごど
)
く
床壇
(
ゆかだん
)
は
設
(
もう
)
けて
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
正月
(
しやうぐわつ
)
を
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ
控
(
ひか
)
えた
彼
(
かれ
)
は、
實際
(
じつさい
)
是
(
これ
)
といふ
新
(
あた
)
らしい
希望
(
きばう
)
もないのに、
徒
(
いたづ
)
らに
周圍
(
しうゐ
)
から
誘
(
さそ
)
はれて、
何
(
なん
)
だかざわ/\した
心持
(
こゝろもち
)
を
抱
(
いだ
)
いてゐたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
東京
(
とうきやう
)
——
番町
(
ばんちやう
)
——では、
周圍
(
しうゐ
)
の
廣
(
ひろ
)
さに、みゝづくの
聲
(
こゑ
)
は
南北
(
なんぼく
)
にかはつても、その
場所
(
ばしよ
)
の
東西
(
とうざい
)
をさへわきまへにくい。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
尤
(
もつと
)
も、
私
(
わたし
)
の
父
(
ちゝ
)
は
初
(
はじ
)
め
小
(
ちひ
)
さな
士族
(
しぞく
)
として、
家屋
(
かをく
)
と、
宅地
(
たくち
)
と、
其
(
そ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
の
少
(
すこ
)
しの
山
(
やま
)
と、
金祿公債證書
(
きんろくこうさいしようしよ
)
の
何
(
なん
)
百
圓
(
ゑん
)
かを
所有
(
しよいう
)
してゐたが、
私
(
わたし
)
が
家督
(
かとく
)
を
相續
(
さうぞく
)
した
頃
(
ころ
)
には
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
然
(
しか
)
し、みんなやつてるな‥‥と、
續
(
つづ
)
いて
周圍
(
しうゐ
)
を
見廻
(
みまは
)
した
時
(
とき
)
、
私
(
わたし
)
は
夜行軍
(
やかうぐん
)
の
可笑
(
をか
)
しさとみじめさを
感
(
かん
)
じて
呟
(
つぶや
)
いた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
何れも面部の
周圍
(
しうゐ
)
に
沿
(
そふ
)
て横長き
橢圓形
(
だえんけい
)
の隆まり有り。且つ額の部には輪廓の上縁より
多少
(
たせう
)
下
(
した
)
の方に向ひて
延
(
のび
)
たる隆まり有り。一
見
(
けん
)
鼻
(
はな
)
の如くなれど
其位置
(
そのゐち
)
上部
(
じやうぶ
)
に寄り過ぎたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
太陽
(
たいやう
)
が、
朝日
(
あさひ
)
が、
彼
(
かれ
)
自
(
みづか
)
らが、
山
(
やま
)
と
空
(
そら
)
とを
劃
(
かぎ
)
つた
雪
(
ゆき
)
の
線
(
せん
)
に、その
輝
(
かゞや
)
く
面
(
おもて
)
を
表
(
あら
)
はしかけてゐた。
光
(
ひかり
)
は
直線
(
ちよくせん
)
をなしてその
半圓
(
はんゑん
)
の
周圍
(
しうゐ
)
に
散
(
ち
)
つた。
彼
(
かれ
)
を
見
(
み
)
ようと
思
(
おも
)
へば
私
(
わたし
)
は
眼
(
め
)
をつぶらなければならなかつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
日
(
ひ
)
は
漸
(
やうや
)
く
朝
(
あさ
)
を
離
(
はな
)
れて
空
(
そら
)
に
居据
(
ゐすわ
)
つた。
凡
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
が
明
(
あか
)
るい
光
(
ひかり
)
を
添
(
そ
)
へた。
然
(
しか
)
しながら
周圍
(
しうゐ
)
の
何處
(
いづこ
)
にも
活々
(
いき/\
)
した
緑
(
みどり
)
は
絶
(
た
)
えて
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
らなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
洋卓
(
テーブル
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
殘
(
のこ
)
らず
見廻
(
みまは
)
しましたが、
其上
(
そのうへ
)
には
茶
(
ちや
)
の
他
(
ほか
)
に
何
(
なに
)
もありませんでした。『
酒
(
さけ
)
な
ン
て
無
(
な
)
くッてよ』と
愛
(
あい
)
ちやんが
注意
(
ちうい
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
周圍
(
しうゐ
)
のざわつく
中
(
なか
)
に
默然
(
もくねん
)
として、
他
(
ひと
)
の
倍
(
ばい
)
も三
倍
(
ばい
)
も
時
(
とき
)
を
過
(
す
)
ごした
如
(
ごと
)
くに
感
(
かん
)
じた
末
(
すゑ
)
、
遂
(
つひ
)
に
坐
(
すわ
)
り
切
(
き
)
れずに
席
(
せき
)
を
立
(
た
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
與吉
(
よきち
)
は
薄暗
(
うすぐら
)
い
中
(
なか
)
に
居
(
ゐ
)
る、
材木
(
ざいもく
)
と、
材木
(
ざいもく
)
を
積上
(
つみあ
)
げた
周圍
(
しうゐ
)
は、
杉
(
すぎ
)
の
香
(
か
)
、
松
(
まつ
)
の
匂
(
にほひ
)
に
包
(
つゝ
)
まれた
穴
(
あな
)
の
底
(
そこ
)
で、
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つて、
跪
(
ひざまづ
)
いて、
鋸
(
のこぎり
)
を
握
(
にぎ
)
つて、
空
(
そら
)
ざまに
仰
(
あふ
)
いで
見
(
み
)
た。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
翌日
(
よくじつ
)
、
同志達
(
どうしたち
)
は
皆
(
みんな
)
から
醵金
(
きよきん
)
した
入院料
(
にふゐんれう
)
を
持
(
も
)
つて、
彼女
(
かのぢよ
)
の
屍體
(
したい
)
を
受
(
う
)
け
取
(
と
)
りに
來
(
き
)
た。すると、
黒衣
(
こくい
)
の
坊
(
ばう
)
さん
達
(
たち
)
が、
彼女
(
かのぢよ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
取
(
と
)
り
捲
(
ま
)
いたが、K
氏
(
し
)
は
斷然
(
だんぜん
)
それを
拒絶
(
きよぜつ
)
した。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
先づ底面を作り其上に紐形にしたる土を乘せ、
周圍
(
しうゐ
)
に
添
(
そ
)
ふて之を段々に螺旋状に
積
(
つ
)
み上げ、内外兩面を
滑
(
なめら
)
かに
擦
(
す
)
りて全形を仕上げ、後種々の裝飾を
施
(
ほどこ
)
して
火
(
ひ
)
に
掛
(
か
)
けたるならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
穴
(
あな
)
は
間口
(
まぐち
)
七
尺
(
しやく
)
五
寸
(
すん
)
に、
奧行
(
おくゆき
)
八
尺
(
しやく
)
の、
高
(
たか
)
さ四
尺
(
しやく
)
、
長方形
(
ちやうはうけい
)
の
岩室
(
がんしつ
)
で、それに
柄
(
え
)
を
附
(
つ
)
けた
樣
(
やう
)
に
入口
(
いりぐち
)
の
道
(
みち
)
がある。
突當
(
つきあた
)
りに一
段
(
だん
)
高
(
たか
)
い
處
(
ところ
)
があつて、それから
周圍
(
しうゐ
)
と
中央
(
ちうわう
)
とに
淺
(
あさ
)
い
溝
(
みぞ
)
が
掘
(
ほ
)
つてある。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
その
隙間
(
すきま
)
は氏が
熱情的
(
ねつじやうてき
)
な
理想家
(
りさうか
)
のやうに見え乍ら、その底に於ては理智が
働
(
はたら
)
き過ぎるといふ
結果
(
けつくわ
)
から、
周圍
(
しうゐ
)
に對してどうしても
左顧右眄
(
さこうべん
)
せずには居られないといふところがあるかも知れません。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
踊
(
をどり
)
を
見
(
み
)
ながら
輪
(
わ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
村落
(
むら
)
の
女等
(
をんなら
)
は
手
(
て
)
と
手
(
て
)
を
突
(
つゝ
)
き
合
(
あ
)
うて
勘次
(
かんじ
)
の
容子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
てはくすくすと
竊
(
ひそか
)
に
冷笑
(
れいせう
)
を
浴
(
あび
)
せ
掛
(
か
)
けるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
蠅
(
はへ
)
も
蛆
(
うじ
)
も、とは、まさか
言
(
い
)
ひはしなかつたけれども、
此
(
こ
)
の
場合
(
ばあひ
)
……きれい
汚
(
きたな
)
いなんぞ
勿體
(
もつたい
)
ないと、
立
(
たち
)
のき
場所
(
ばしよ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
から
説
(
せつ
)
が
出
(
で
)
て、
使
(
つかひ
)
が
代
(
かは
)
つて、もう
一度
(
いちど
)
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれども
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
は、
周圍
(
しうゐ
)
の
幽靜
(
いうせい
)
な
趣
(
おもむき
)
と
反照
(
はんせう
)
するためか、
却
(
かへ
)
つて
町
(
まち
)
にゐるときよりも
動搖
(
どうえう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
※
(
ねえ
)
さんの
周圍
(
しうゐ
)
には
殘
(
のこ
)
らず
其
(
そ
)
の
妹
(
いもと
)
の
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
たやうな
奇妙
(
きめう
)
な
動物
(
どうぶつ
)
が
生
(
い
)
きて
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
その
日
(
ひ
)
も、
朝
(
あさ
)
早
(
はや
)
く
彼女
(
かのぢよ
)
は
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
らうとしたが、
自分
(
じぶん
)
にどう
鞭
(
むち
)
うつて
見
(
み
)
ても、
全身
(
ぜんしん
)
のひだるさには
勝
(
か
)
てなかつた。
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
ると
激
(
はげ
)
しい
眩暈
(
めまひ
)
がした。
周圍
(
しうゐ
)
がシーンとして
物音
(
ものおと
)
がきこえなくなつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
一先
(
ひとま
)
づ一
同
(
どう
)
は、
地主
(
ぢぬし
)
の一
人
(
にん
)
たる
秋山廣吉氏
(
あきやまひろきちし
)
の
宅
(
たく
)
に
着
(
つ
)
き、
其所
(
そこ
)
から
徒歩
(
とほ
)
で、
瓢簟山
(
ひようたんやま
)
へ
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると、
山
(
やま
)
の
周圍
(
しうゐ
)
に
鐵條網
(
てつでうもう
)
を
張
(
は
)
り、
警官
(
けいくわん
)
十
餘名
(
よめい
)
、
嚴重
(
げんぢゆう
)
に
警戒
(
けいかい
)
して、
徽章
(
きしやう
)
なき
者
(
もの
)
は
出入
(
しゆつにふ
)
を
禁
(
きん
)
じてある。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
思ふに竪穴の中央に數本の柱を建て是に棟梁を結び付け、
周圍
(
しうゐ
)
より多くの
木材
(
もくざい
)
を寄せ掛け、其上を種々のもの、殊に
蕗
(
ふき
)
の
葉
(
は
)
にて覆ひ、
蔦蔓
(
つたづる
)
の類にて
綴
(
つづ
)
り合はせて住居を作り上けたるならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
此處
(
こゝ
)
の
森
(
もり
)
敢
(
あへ
)
て
深
(
ふか
)
しといふにはあらねど、おしまはし、
周圍
(
しうゐ
)
を
樹林
(
きばやし
)
にて
取卷
(
とりま
)
きたれば、
不動坂
(
ふどうざか
)
、
團子坂
(
だんござか
)
、
巣鴨
(
すがも
)
などに
縱横
(
たてよこ
)
に
通
(
つう
)
ずる
蜘蛛手
(
くもで
)
の
路
(
みち
)
は、
恰
(
あたか
)
も
黄昏
(
たそがれ
)
に
樹深
(
こぶか
)
き
山路
(
やまぢ
)
を
辿
(
たど
)
るが
如
(
ごと
)
し。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二日
(
ふつか
)
も
三日
(
みつか
)
も
同
(
おな
)
じやうな
御惱氣
(
ごなうけ
)
の
續
(
つゞ
)
いた
處
(
ところ
)
、
三月
(
さんぐわつ
)
十日
(
とをか
)
、
午後
(
ごご
)
からしよぼ/\と
雨
(
あめ
)
になつて、
薄暗
(
うすぐら
)
い
炬燵
(
こたつ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
へ、
別
(
べつ
)
して
邪氣
(
じやき
)
の
漾
(
たゞよ
)
ふ
中
(
なか
)
で、
女房
(
にようばう
)
は
箪笥
(
たんす
)
の
抽斗
(
ひきだし
)
をがた/\と
開
(
あ
)
けたり
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
良
(
やゝ
)
時
(
とき
)
を
經
(
へ
)
て
乘客
(
じようかく
)
は、
活佛
(
くわつぶつ
)
——
今
(
いま
)
新
(
あら
)
たに
然
(
し
)
か
思
(
おも
)
へる——の
周圍
(
しうゐ
)
に
集
(
あつま
)
りて、
一條
(
いちでう
)
の
法話
(
ほふわ
)
を
聞
(
き
)
かむことを
希
(
こひねが
)
へり。
漸
(
やうや
)
く
健康
(
けんかう
)
を
囘復
(
くわいふく
)
したる
法華僧
(
ほつけそう
)
は、
喜
(
よろこ
)
んで
之
(
これ
)
を
諾
(
だく
)
し、
打咳
(
うちしはぶ
)
きつゝ
語出
(
かたりいだ
)
しぬ。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
斷崖
(
だんがい
)
の
上
(
うへ
)
の
欄干
(
らんかん
)
に
凭
(
もた
)
れて
憩
(
いこ
)
つた
折
(
をり
)
から、
夕颪
(
ゆふおろし
)
颯
(
さつ
)
として、
千仭
(
せんじん
)
の
谷底
(
たにそこ
)
から、
瀧
(
たき
)
を
空状
(
そらざま
)
に、もみぢ
葉
(
ば
)
を
吹上
(
ふきあ
)
げたのが
周圍
(
しうゐ
)
の
林
(
はやし
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
誘
(
さそ
)
つて、
滿山
(
まんざん
)
の
紅
(
くれなゐ
)
の、
且
(
か
)
つ
大紅玉
(
だいこうぎよく
)
の
夕陽
(
ゆふひ
)
に
映
(
えい
)
じて
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
周
常用漢字
小4
部首:⼝
8画
圍
部首:⼞
12画
“周”で始まる語句
周囲
周章
周
周防
周旋
周匝
周章狼狽
周瑜
周到
周泰