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世話
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せわ
ふりがな文庫
“
世話
(
せわ
)” の例文
「おかあさんを
捨
(
す
)
てたのはやはりわたくしが
悪
(
わる
)
うございました。こんどはどんなにしてもおそばについてお
世話
(
せわ
)
をいたしますから。」
姨捨山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
られる
都合
(
つがふ
)
ならば
又
(
また
)
今
(
いま
)
までのやうにお
世話
(
せわ
)
に
成
(
な
)
りに
來
(
き
)
まする、
成
(
な
)
るべくは
鳥渡
(
ちよつと
)
たち
歸
(
かへ
)
りに
直
(
す
)
ぐも
出京
(
しゆつけう
)
したきものと
輕
(
かる
)
くいへば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
呼寄
(
よびよせ
)
相談に及びしは其方は
幼年
(
えうねん
)
なれども感應院の
手許
(
てもと
)
にて
教導
(
けうだう
)
を受し事なれば可なりに
修驗
(
しゆけん
)
の
眞似
(
まね
)
は出來べし我々始め村中より
世話
(
せわ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
同伴者
(
つれ
)
は
親類
(
しんるゐ
)
の
義母
(
おつかさん
)
であつた。
此人
(
このひと
)
は
途中
(
とちゆう
)
萬事
(
ばんじ
)
自分
(
じぶん
)
の
世話
(
せわ
)
を
燒
(
や
)
いて、
病人
(
びやうにん
)
なる
自分
(
じぶん
)
を
湯
(
ゆ
)
ヶ
原
(
はら
)
まで
送
(
おく
)
り
屆
(
とゞ
)
ける
役
(
やく
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
たのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
おばあさんには、べつに
身内
(
みうち
)
のものというほどのものもなかった。
病気
(
びょうき
)
になると
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
たちが、しんせつに
世話
(
せわ
)
をしてやりました。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
自分は十
代
(
だい
)
から花前と
懇意
(
こんい
)
であって、花前にはひとかたならず
世話
(
せわ
)
にもなったが、自分も花前のためにはそうとう
以上
(
いじょう
)
につくした。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
『
汝
(
おまえ
)
にもいろいろ
世話
(
せわ
)
になりました……。』
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
でそう
思
(
おも
)
った
丈
(
だけ
)
でしたが、それは
必
(
かな
)
らず
馬
(
うま
)
にも
通
(
つう
)
じたことであろうと
考
(
かんが
)
えられます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
顔を洗っているとき、彼は下女に
俥
(
くるま
)
を二台云いつけるお延の声を、あたかも自分が
急
(
せ
)
き
立
(
た
)
てられでもするように
世話
(
せわ
)
しなく聞いた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
そ
)
の
祖父殿
(
おんぢいどん
)
はの、
山伏
(
やまぶし
)
の
姿
(
すがた
)
した
旅
(
たび
)
の
修業者
(
しゆげふじや
)
が、
道陸神
(
だうろくじん
)
の
傍
(
そば
)
に
病倒
(
やみたふ
)
れたのを
世話
(
せわ
)
して、
死水
(
しにみづ
)
を
取
(
と
)
らしつけ……
其
(
そ
)
の
修業者
(
しゆげふじや
)
に
習
(
なら
)
つた
言
(
い
)
ひます。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宜
(
い
)
い
気
(
き
)
になつて
其様
(
そん
)
なことがさせられるかさせられねえか考へて見ねえ、とてもそれなりに
世話
(
せわ
)
に
成
(
な
)
つてもゐられねえから
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たのよ。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
而
(
さう
)
して
程
(
ほど
)
なく
或人
(
あるひと
)
の
世話
(
せわ
)
で
郡立學校
(
ぐんりつがくかう
)
の
教師
(
けうし
)
となつたが、
其
(
そ
)
れも
暫時
(
ざんじ
)
、
同僚
(
どうれう
)
とは
折合
(
をりあ
)
はず、
生徒
(
せいと
)
とは
親眤
(
なじ
)
まず、
此
(
こゝ
)
をも
亦
(
また
)
辭
(
じ
)
して
了
(
しま
)
ふ。
其中
(
そのうち
)
に
母親
(
はゝおや
)
は
死
(
し
)
ぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と来たでしょう。バキチのほうでももう
大抵
(
たいてい
)
巡査
(
じゅんさ
)
があきていたんです。へえ、そうですか、やめましょう。
永々
(
ながなが
)
お
世話
(
せわ
)
になりましたって
斯
(
こ
)
う
云
(
い
)
うんです。
バキチの仕事
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「あたしは
天使
(
てんし
)
です。あなたと、あなたのお子さまのお
世話
(
せわ
)
をするように、
神
(
かみ
)
さまからつかわされたのです。」
手なしむすめ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「なあにたえしたこつちやねえが、
盲目
(
めくら
)
の
野郎
(
やらう
)
げ
嫁
(
よめ
)
世話
(
せわ
)
されるもんだからどうしたもんだんべかと
思
(
おも
)
つてよ」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
余は肺の臓の破るゝと思うほど
呼吸
(
いき
)
の
世話
(
せわ
)
しきにも構わず其
学
(
まね
)
をして続いて上れば三階なる取附の右の室は入口の戸も開放せし
儘
(
まゝ
)
なるゆえ、之を潜りて客室、食堂
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
こゝも
生活
(
くらし
)
には
困
(
こま
)
つてゐたので、
母
(
はゝ
)
の
食料
(
しよくれう
)
をかせぐため、
丁度
(
ちやうど
)
十八になつてゐたのを
幸
(
さいは
)
ひ、
周旋屋
(
しうせんや
)
の
世話
(
せわ
)
で、その
頃
(
ころ
)
新
(
あらた
)
にできた
小岩
(
こいは
)
の
売笑窟
(
ばいせうくつ
)
へ
身売
(
みう
)
りをしたのである。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
二
代目
(
だいめ
)
の
時代
(
じだい
)
の
鷄屋
(
とりや
)
の
番人
(
ばんにん
)
に
好
(
い
)
い
老人
(
らうじん
)
が
居
(
ゐ
)
て、いろ/\
世話
(
せわ
)
をして
茶
(
ちや
)
など
入
(
い
)
れて
呉
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
たが、
其老人
(
そのろうじん
)
間
(
ま
)
もなく
死
(
し
)
んだので、
何
(
な
)
んとなく
余
(
よ
)
は
寂寞
(
せきばく
)
を
感
(
かん
)
じたのであつた。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
幸
(
さいは
)
ひ
妻
(
つま
)
の
兄
(
あに
)
は
本國
(
ほんこく
)
で
相當
(
さうたう
)
の
軍人
(
ぐんじん
)
であれば、
其人
(
そのひと
)
の
手許
(
てもと
)
に
送
(
おく
)
つて、
教育
(
けういく
)
萬端
(
ばんたん
)
の
世話
(
せわ
)
を
頼
(
たの
)
まうと、
餘程
(
よほど
)
以前
(
いぜん
)
から
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
つたのですが、どうも
然
(
しか
)
る
可
(
べ
)
き
機會
(
きくわい
)
を
得
(
え
)
なかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「きみのからだをもらいたいのだ。わしは仲間のひとりに、きみのからだを
世話
(
せわ
)
したいと思うのだ」
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いろいろお
世話
(
せわ
)
になりました、だがぼくはもうだめです。どうか少年たちにお礼をいってください。ぼくは死んでも少年たちをまもって、ぶじ本国に帰るようにします」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
おかあさんは、よけいな
世話
(
せわ
)
をやきすぎる、と少年は心の中で思っていました。なぜって、少年としては、一ページか二ページぐらいしか読むつもりはなかったのですから。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
そして猿爺さんの病気は、猿の
介抱
(
かいほう
)
と村人達との
世話
(
せわ
)
とで、間もなくなおってしまいました。
キンショキショキ
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
やう/\のこと、
國
(
くに
)
の
役人
(
やくにん
)
の
世話
(
せわ
)
で
手輿
(
てごし
)
に
乘
(
の
)
せられて
家
(
いへ
)
に
着
(
つ
)
きました。そこへ
家來
(
けらい
)
どもが
駈
(
か
)
けつけて、お
見舞
(
みま
)
ひを
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げると、
大納言
(
だいなごん
)
は
杏
(
すもゝ
)
のように
赤
(
あか
)
くなつた
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
いて
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「いやらしいこと、おつしやらないで
下
(
くだ
)
さい。
刈谷
(
かりや
)
さんは
知
(
し
)
つています。
昔
(
むかし
)
からの
知合
(
しりあい
)
です。でも、あんなケチンボでへんくつな
男
(
おとこ
)
に、どうして
世話
(
せわ
)
になんかなるものですか」
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
「宿をお求めではござらぬかな、もし宿をお求めなら、よい宿をお
世話
(
せわ
)
いたしましょう」
弓道中祖伝
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
緑青
(
ろくしょう
)
がいっぱいついている
上
(
うえ
)
に、
頂
(
いただき
)
の
方
(
ほう
)
には
埃
(
ほこり
)
がつもっているので、かなりきたなかった。
庵主
(
あんじゅ
)
さんと、よく
尼寺
(
あまでら
)
の
世話
(
せわ
)
をするお
竹
(
たけ
)
婆
(
ばあ
)
さんとが、
縄
(
なわ
)
をまるめてごしごしと
洗
(
あら
)
った。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
お時は宮内の身のまわりのこまかい
世話
(
せわ
)
を見、宮内はつねにお時の心ぼそい旅をはげまして、どうかしてこの
女房
(
にょうぼう
)
のたずねている、まことの子供をさがしあててやりたいと
祈
(
いの
)
っている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『さうすれば
世話
(
せわ
)
がなくて
可
(
い
)
いけれど、ねえ!』
憐
(
あは
)
れな
小
(
ちひ
)
さな
物
(
もの
)
が
再
(
ふたゝ
)
び
歔欷
(
すゝりなき
)
しました(
否
(
いや
)
、
唸
(
うな
)
りましたが、
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つたのだか
解
(
わか
)
りませんでした)、
乃
(
そこ
)
で
兩方
(
りやうはう
)
とも
暫
(
しばら
)
くの
間
(
あひだ
)
默
(
だま
)
つてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
謹
(
つゝし
)
んで
慮
(
おもんぱ
)
かるに
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
洽
(
あまね
)
かりし
太古
(
たいこ
)
創造
(
さう/″\
)
の
時代
(
じだい
)
には
人間
(
にんげん
)
無為
(
むゐ
)
にして
家業
(
かげふ
)
といふ七むづかしきものもなければ
稼
(
かせ
)
ぐといふ
世話
(
せわ
)
もなく
面白
(
おもしろ
)
おかしく
喰
(
くつ
)
て
寝
(
ね
)
て
日向
(
ひなた
)
ぼこりしてゐられたものゝ如し。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
父の
世話
(
せわ
)
をしてあげたいとおもいますからといってことわりました。
ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)
(新字新仮名)
/
ガブリエル=シュザンヌ・バルボ・ド・ヴィルヌーヴ
(著)
「その
冬
(
ふゆ
)
の
來
(
こ
)
ないうちに
蟻
(
あり
)
どののお
世話
(
せわ
)
にならなきやなりますまい」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それを
聞
(
き
)
くと、
父
(
とう
)
さんは
半信半疑
(
はんしんはんぎ
)
のままで、
娘
(
むすめ
)
の
側
(
そば
)
を
離
(
はな
)
れた。
日頃
(
ひごろ
)
母
(
かあ
)
さんの
役
(
やく
)
まで
兼
(
か
)
ねて
着物
(
きもの
)
の
世話
(
せわ
)
から
何
(
なに
)
から
一切
(
いっさい
)
を
引
(
ひ
)
き
受
(
う
)
けている
父
(
とう
)
さんでも、その
日
(
ひ
)
ばかりは
全
(
まった
)
く
父
(
とう
)
さんの
畠
(
はたけ
)
にないことであった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三
度
(
ど
)
めにいったのは、
鳥屋
(
とりや
)
でありました。そこへいっても、
彼女
(
かのじょ
)
はよく
働
(
はたら
)
きました。
鳥
(
とり
)
に
餌
(
え
)
をやったり、いろいろ
鳥
(
とり
)
の
世話
(
せわ
)
をしました。
ちょうと三つの石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
若
(
も
)
しもあなたのような
優
(
や
)
さしい
御方
(
おかた
)
が
最初
(
さいしょ
)
からお
世話
(
せわ
)
をして
下
(
くだ
)
さったら、どんなにか
心強
(
こころづよ
)
いことであったでございましたろう……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
御米
(
およね
)
の
産氣
(
さんけ
)
づいたのは、
宗助
(
そうすけ
)
の
外
(
そと
)
に
用
(
よう
)
のない
夜中
(
よなか
)
だつたので、
傍
(
そば
)
にゐて
世話
(
せわ
)
の
出來
(
でき
)
ると
云
(
い
)
ふ
點
(
てん
)
から
見
(
み
)
れば
甚
(
はなは
)
だ
都合
(
つがふ
)
が
好
(
よ
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨日
(
きのふ
)
も
君
(
きみ
)
に
世話
(
せわ
)
に
成
(
な
)
つたと
言
(
い
)
ふから、
知
(
し
)
つてるだらうが、
薄暮合
(
うすくれあひ
)
、あの
時間
(
じかん
)
に
旅館
(
りよくわん
)
へ
着
(
つ
)
いたのだから、あとは
最
(
も
)
う
湯
(
ゆ
)
に
入
(
はひ
)
つて
寝
(
ね
)
るばかりさ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見當り
次第
(
しだい
)
討取
(
うちと
)
つて夫に
手向
(
たむけ
)
んと思ひ
悴
(
せがれ
)
太七を
呼
(
よび
)
勘兵衞殿は其方の
爲
(
ため
)
に
實
(
じつ
)
の親には有ねども六ヶ年の
間
(
あひだ
)
世話
(
せわ
)
になりたれば親に違ひなし彌七を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そこで
保名
(
やすな
)
は
心
(
こころ
)
のうちには
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
に
思
(
おも
)
いながら、
毎日
(
まいにち
)
あおむけになって
寝
(
ね
)
たまま、
親切
(
しんせつ
)
な
娘
(
むすめ
)
の
世話
(
せわ
)
に
体
(
からだ
)
をまかしておくほかはありませんでした。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
門
(
もん
)
は
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
り
開
(
あけ
)
つ
放
(
ぱな
)
しだから
敲
(
たゝ
)
く
世話
(
せわ
)
も
入
(
いら
)
ず、
二人
(
ふたり
)
はずん/\と
内
(
うち
)
へ
入
(
はひ
)
つて
見
(
み
)
たが
草木
(
くさき
)
が
縱横
(
じゆうわう
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのでラクダルの
居所
(
ゐどころ
)
も
一寸
(
ちよつと
)
知
(
し
)
れなかつた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
透
(
す
)
きとほるやうに
蒼白
(
あをじろ
)
きがいたましく
見
(
み
)
えて、
折柄
(
をりから
)
世話
(
せわ
)
やきに
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
たりし
差配
(
さはい
)
が
心
(
こゝろ
)
に、
此人
(
これ
)
を
先刻
(
さき
)
のそゝくさ
男
(
をとこ
)
が
妻
(
つま
)
とも
妹
(
いもと
)
とも
受
(
うけ
)
とられぬと
思
(
おも
)
ひぬ。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そうして
程
(
ほど
)
なく
或人
(
あるひと
)
の
世話
(
せわ
)
で
郡立学校
(
ぐんりつがっこう
)
の
教師
(
きょうし
)
となったが、それも
暫時
(
ざんじ
)
、
同僚
(
どうりょう
)
とは
折合
(
おりあ
)
わず、
生徒
(
せいと
)
とは
親眤
(
なじ
)
まず、ここをもまた
辞
(
じ
)
してしまう。その
中
(
うち
)
に
母親
(
ははおや
)
は
死
(
し
)
ぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
念佛衆
(
ねんぶつしう
)
の
内
(
うち
)
には
選
(
えら
)
ばれて
法願
(
ほふぐわん
)
と
喚
(
よ
)
ばれて
居
(
ゐ
)
る
二人
(
ふたり
)
ばかりの
爺
(
ぢい
)
さんが、
難
(
むづ
)
かしくもない
萬事
(
ばんじ
)
の
世話
(
せわ
)
をした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
自分のようなものは、いよいよ働けなくなれば、
個人
(
こじん
)
が
世話
(
せわ
)
するよりは
国家
(
こっか
)
が世話すべきだと思ってるらしい。それならば考えのすじはたっていると主人は思った。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「とうとう見付かったかな。……猿めがあんたの村でいかいお
世話
(
せわ
)
になったそうで……」
キンショキショキ
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
それをきいて、
宿屋
(
やどや
)
の主人はふしぎに思いました。そして、ロバの
世話
(
せわ
)
をじぶんでしなければならないような男は、どうせ
飲
(
の
)
み
食
(
く
)
いする金もそんなにもっちゃいまい、と考えました。
「テーブルよ、ごはんの用意」と、金貨をうむロバと、「こん棒、ふくろから」
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
後
(
あと
)
へ
例
(
れい
)
の
快活
(
くわいくわつ
)
なる
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
がやつて
來
(
き
)
て、
武骨
(
ぶこつ
)
なる
姿
(
すがた
)
に
似
(
に
)
ず
親切
(
しんせつ
)
に、
吾等
(
われら
)
の
海水
(
かいすい
)
に
染
(
し
)
み、
天日
(
てんぴ
)
に
焦
(
こが
)
されて、ぼろ/\になつた
衣服
(
ゐふく
)
の
取更
(
とりか
)
へやら、
洗湯
(
せんたう
)
の
世話
(
せわ
)
やら、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
の
爲
(
ため
)
には
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
『
蛇
(
へび
)
ぢやないわ!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
腹立
(
はらだゝ
)
しげに
云
(
い
)
つて、『
大
(
おほ
)
きなお
世話
(
せわ
)
よ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
大九郎は
大酒家
(
たいしゅか
)
で、道中もときどき源次郎に
世話
(
せわ
)
をやかせてテコずらした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
停車場
(
ステイシヨン
)
へ
往
(
い
)
つたツて切符を買ふ
手当
(
てあて
)
もありませんから、いまに
帰
(
かへ
)
りませうと待つたが、
帰
(
かへ
)
つて
来
(
こ
)
ねえ、
処
(
ところ
)
で悪い顔もしず、
御飯
(
ごはん
)
の
世話
(
せわ
)
から
床
(
とこ
)
の
揚下
(
あげおろ
)
しまで
岩田屋
(
いはたや
)
さん
御夫婦
(
ごふうふ
)
が
為
(
し
)
て
下
(
くだ
)
さるんだが
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いつも
子
(
こ
)
ども
等
(
ら
)
がきてはお
世話
(
せわ
)
になります」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
話
常用漢字
小2
部首:⾔
13画
“世話”で始まる語句
世話好
世話人
世話場
世話浄瑠璃
世話効
世話下
世話様
世話役
世話掛
世話料