トップ
>
贈
>
おく
ふりがな文庫
“
贈
(
おく
)” の例文
友染
(
いうぜん
)
の
切
(
きれ
)
に、
白羽二重
(
しろはぶたへ
)
の
裏
(
うら
)
をかさねて、
紫
(
むらさき
)
の
紐
(
ひも
)
で
口
(
くち
)
を
縷
(
かゞ
)
つた、
衣絵
(
きぬゑ
)
さんが
手縫
(
てぬい
)
の
服紗袋
(
ふくさぶくろ
)
に
包
(
つゝ
)
んで、
園
(
その
)
に
贈
(
おく
)
つた、
白
(
しろ
)
く
輝
(
かゞや
)
く
小鍋
(
こなべ
)
である。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お婆さんがこの部屋までくるのには、なんどもなんども、ちょっとした
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
をしたり、言葉をつくして
頼
(
たの
)
みこんだりしたのでした。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
印刷
(
いんさつ
)
出板
(
しゅっぱん
)
の手続きより
一切
(
いっさい
)
費用
(
ひよう
)
の事まで
引受
(
ひきうけ
)
られ、日ならずして予が
望
(
のぞみ
)
のごとく
美
(
び
)
なる
冊子
(
さっし
)
数百部を
調製
(
ちょうせい
)
せしめて予に
贈
(
おく
)
られたり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
これらの
真景
(
しんけい
)
をも
其座
(
そのざ
)
にうつしとりたるを
添
(
そへ
)
て
贈
(
おく
)
りしに、玉山翁が
返書
(
へんしよ
)
に、
北越
(
ほくゑつ
)
の雪
我
(
わ
)
が
机上
(
きしやう
)
にふりかゝるがごとく目をおどろかし候
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
退けば
即
(
すなわ
)
ち
緇衣
(
しい
)
、
香烟茶味
(
こうえんちゃみ
)
、淡然として生を終り、
栄国公
(
えいこくこう
)
を
贈
(
おく
)
られ、
葬
(
そう
)
を賜わり、天子をして
親
(
み
)
ずから
神道碑
(
しんどうひ
)
を製するに至らしむ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
しかし、やがて
贈
(
おく
)
り
主
(
ぬし
)
の
悲
(
かな
)
しき
形
(
かた
)
見になつたその
寫眞器
(
しやしんき
)
は、
支那
(
しな
)
の旅から
歸
(
かへ
)
ると
間
(
ま
)
もなく、或る
文
(
ぶん
)
學青年の
詐欺
(
さぎ
)
にかゝつてうしなはれた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
船室に置いておいたら、いつの間にか
誰
(
だれ
)
か食ってしまい、ぼくには、そんな
空
(
むな
)
しい
贈
(
おく
)
り物をする、だぼはぜ嬢さんが
哀
(
あわ
)
れだった。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
そのうちに、
皇子
(
おうじ
)
のほうからは、たびたび
催促
(
さいそく
)
があって、そのうえに、たくさんの
金銀
(
きんぎん
)
・
宝石
(
ほうせき
)
の
類
(
るい
)
を
車
(
くるま
)
に
積
(
つ
)
んで、お
姫
(
ひめ
)
さまに
贈
(
おく
)
られました。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
添
(
そへ
)
種々
(
いろ/\
)
禮物
(
れいもの
)
を
贈
(
おく
)
りけるゆゑ五八は
俄
(
にはか
)
分限
(
ぶげん
)
となり何れも
其家々
(
そのいへ/\
)
繁昌
(
はんじやう
)
なせし事實に
心實
(
しんじつ
)
程
(
ほど
)
大切
(
たいせつ
)
なるものはなしと皆々感じけるとなん
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
苦心の結果、誠にいかにも古代
支那
(
しな
)
式な苦肉の策が採られた。すなわち、斉から魯へ
贈
(
おく
)
るに、
歌舞
(
かぶ
)
に長じた美女の一団をもってしたのである。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
『
實
(
じつ
)
は
先日
(
せんじつ
)
、
倫敦
(
ろんどん
)
の
友人
(
いうじん
)
から『
世界
(
せかい
)
の
名畫
(
めいぐわ
)
』と
題
(
だい
)
して、
隨分
(
ずゐぶん
)
巧妙
(
かうめう
)
に
刷
(
すつ
)
てあるのを二十
枚
(
まい
)
ばかり
贈
(
おく
)
つて
呉
(
く
)
れたがね、それは
如何
(
どう
)
だらうかと
思
(
おも
)
ふのだ。』
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「されば、それがしの主君勝家より密命があって、ご不運なる
武田家
(
たけだけ
)
の
御曹司
(
おんぞうし
)
へ、ひとつの
贈
(
おく
)
り物をいたそうがため」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうちに一つ合作を
武見国手
(
たけみこくしゅ
)
に
贈
(
おく
)
ろうじゃないかという話が持ち上った。それで
先
(
ま
)
ずあいかわらずの雪を描いた。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
どうぞ、あなたに
贈
(
おく
)
る
手紙
(
てがみ
)
にことよせて、私がくづれ
易
(
やす
)
い自分の
努力
(
どりよく
)
を
誡
(
いまし
)
めているものと、
失禮
(
しつれい
)
をお
許
(
ゆる
)
し下さい。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
〔評〕
榎本武揚
(
えのもとぶやう
)
等五
稜郭
(
りようかく
)
の兵已に敗る。
海律全書
(
かいりつぜんしよ
)
二卷を以て我が海軍に
贈
(
おく
)
つて云ふ、是れ嘗て
荷蘭
(
おらんだ
)
に學んで
獲
(
え
)
たる所なり、身と倶に
滅
(
ほろ
)
ぶることを惜しむと。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
あっちこっちから
贈
(
おく
)
ったビラがいっぱいに下げてあって、
貞
(
てい
)
さんへという大きな字がそこにもここにも見えた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
したがって、
人気役者
(
にんきやくしゃ
)
に
付
(
つ
)
きまとう
様々
(
さまざま
)
な
噂
(
うわさ
)
は、それからそれえと、
日毎
(
ひごと
)
におせんの
耳
(
みみ
)
へ
伝
(
つた
)
えられた。——どこそこのお
大名
(
だいみょう
)
のお
妾
(
めかけ
)
が、
小袖
(
こそで
)
を
贈
(
おく
)
ったとか。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その
二品
(
ふたしな
)
だけでも三
人
(
にん
)
のお
嫁
(
よめ
)
さんの
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
にくらべて、けっしてひけをとるようなことはありませんでした。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
わたしは
今
(
いま
)
、
此
(
こ
)
の
本
(
ほん
)
を、
小
(
ちひ
)
さい
兄弟姉妹
(
けうだいしまい
)
達
(
たち
)
である
日本
(
にほん
)
の
子
(
こ
)
ども
達
(
たち
)
に
贈
(
おく
)
ります。また。その
子
(
こ
)
ども
達
(
たち
)
の
親
(
おや
)
であり、
先生
(
せんせい
)
である
方々
(
かた/″\
)
にも
是非
(
ぜひ
)
、
讀
(
よ
)
んで
戴
(
いたゞ
)
きたいのです。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
或
(
あ
)
るよく晴れた日、須利耶さまは
都
(
みやこ
)
に出られ、童子の
師匠
(
ししょう
)
を
訪
(
たず
)
ねて色々
礼
(
れい
)
を
述
(
の
)
べ、また
三巻
(
みまき
)
の
粗布
(
あらぬの
)
を
贈
(
おく
)
り、それから半日、童子を
連
(
つ
)
れて歩きたいと
申
(
もう
)
されました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
石鹸
(
しやぼん
)
の
氣取
(
きど
)
りたるも
買
(
か
)
ふめり、おぬひは
桂次
(
けいじ
)
が
未來
(
みらい
)
の
妻
(
つま
)
にと
贈
(
おく
)
りもの
〻中
(
なか
)
へ
薄藤色
(
うすふぢいろ
)
の
繻袢
(
じゆばん
)
の
襟
(
ゑり
)
に
白
(
しろ
)
ぬきの
牡丹花
(
ぼたんくわ
)
の
形
(
かた
)
あるをやりけるに、これを
眺
(
なが
)
めし
時
(
とき
)
の
桂次
(
けいじ
)
が
顏
(
かほ
)
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そんな柳吉のところへ蝶子から
男履
(
おとこば
)
きの草履を
贈
(
おく
)
って来た。
添
(
そ
)
えた手紙には、大分永いこと来て下さらぬゆえ、しん配しています。一同舌をしたいゆえ……とあった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
濱島
(
はまじま
)
の
贈
(
おく
)
つて
呉
(
く
)
れた
數
(
かず
)
ある
贈物
(
おくりもの
)
の
中
(
うち
)
、四
角
(
かく
)
な
新聞
(
しんぶん
)
包
(
つゝみ
)
は、
若
(
も
)
しや
煙草
(
たばこ
)
の
箱
(
はこ
)
ではあるまいかと
考
(
かんが
)
へたので、
急
(
いそ
)
ぎ
開
(
ひら
)
いて
見
(
み
)
ると
果然
(
くわぜん
)
最上
(
さいじやう
)
の
葉卷
(
はまき
)
! 『しめたり。』と
火
(
ひ
)
を
點
(
てん
)
じて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ベルリオーズの貧窮を見かねて、ヴァイオリンの鬼才パガニーニが、いきなり二万フランの大金を、予告もなんにもなしに、無条件で
贈
(
おく
)
って来たのはその
頃
(
ころ
)
のことである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
雪
(
ゆき
)
の
上
(
うへ
)
に
照
(
て
)
れる
月夜
(
つくよ
)
に
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
折
(
を
)
りて
贈
(
おく
)
らむ
愛
(
は
)
しき
児
(
こ
)
もがも 〔巻十八・四一三四〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
コレハ/\よく作られたと
賞揚
(
しやうやう
)
一
番
(
ばん
)
、その
後
(
あと
)
で
新詩
(
しんし
)
を
一律
(
いちりつ
)
また
贈
(
おく
)
られては、
再
(
ふたゝ
)
び胸に山を
築
(
きづ
)
く、こゝは
大
(
おほき
)
に
考
(
かんが
)
へもの、
面
(
まのあた
)
り
捧
(
さゝ
)
げずに遠く
紙上
(
しじやう
)
で
吹聴
(
ふいちやう
)
せば、先生
髯
(
ひげ
)
を
握
(
にぎ
)
りながら
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
彼等は彼等がまだほんの子供の時分に云つたり
爲
(
し
)
たりした事を彼女が話し彼等が家の部屋に持つてゐる本だの飾りだの——あちこちの親類の者が彼女等に
贈
(
おく
)
つた記念品だのゝ事を
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
人が我に
贈
(
おく
)
るに、つまらぬ物をもってするなら、我は彼に与うるに貴重なる
品
(
しな
)
をもってすべしとの意で、かえって出来
難
(
がた
)
きことながら、この句は世を渡るに常に
心得
(
こころう
)
べきことである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
君
(
きみ
)
はあれから
奥州
(
あうしう
)
の
塩竈
(
しほがま
)
まで
行
(
い
)
つたか、
相変
(
あひかは
)
らず心に
懸
(
か
)
けられて
書面
(
しよめん
)
を
贈
(
おく
)
られて誠に
辱
(
かたじ
)
けない、
丁度
(
ちやうど
)
宴会
(
えんくわい
)
の
折
(
をり
)
君
(
きみ
)
の
書状
(
しよじやう
)
が
届
(
とゞ
)
いたから、
披
(
ひら
)
く
間
(
ま
)
遅
(
おそ
)
しと
開封
(
かいふう
)
して
読上
(
よみあ
)
げた所が、
皆
(
みんな
)
感服
(
かんぷく
)
をしたよ
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
上官二十六人に白銀二百枚、中官以下に
鳥目
(
ちょうもく
)
五百貫を
引物
(
ひきもの
)
として
贈
(
おく
)
った。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
先方
(
せんぱう
)
では
大
(
おほい
)
に
恐縮
(
きようしゆく
)
して、いろ/\
相談
(
さうだん
)
の
末
(
すゑ
)
、
或
(
あ
)
る
名高
(
なだか
)
い
針醫
(
はりい
)
が
亡
(
なくな
)
つて、
其
(
そ
)
の
藥箱
(
くすりばこ
)
の
不用
(
ふよう
)
になつてゐたのを
買
(
か
)
ひ
取
(
と
)
り、それを
療法
(
れうはふ
)
の
禮
(
れい
)
として
贈
(
おく
)
つて
來
(
き
)
たのが、この
藥箱
(
くすりばこ
)
で、
見事
(
みごと
)
な
彫刻
(
てうこく
)
がしてあつて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
口碑
(
こうひ
)
に從へばコロボツクルは
漁業
(
ぎよげふ
)
に
巧
(
たくみ
)
にして屡ばアイヌに魚類を
贈
(
おく
)
れりと云へり。今諸地方貝塚よりの
發見物
(
はつけんぶつ
)
を
檢
(
けん
)
するに、實に魚骨魚鱗等有り。
然
(
しか
)
れども彼等の
食物
(
しよくもつ
)
は
决
(
けつ
)
して魚類に
限
(
かぎ
)
りしには非ず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
其
指
(
ゆび
)
には代助の
贈
(
おく
)
つた
指環
(
ゆびわ
)
も、
他
(
ほか
)
の
指環
(
ゆびわ
)
も
穿
(
は
)
めてゐなかつた。自分の記念を
何時
(
いつ
)
でも胸に
描
(
ゑが
)
いてゐた代助には、
三千代
(
みちよ
)
の意味がよく
分
(
わか
)
つた。三千代は手を引き
込
(
こ
)
めると同時に、ぽつと赤い顔をした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
でも、やっと思いとどまって、
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
を
喜
(
よろこ
)
んでもらいました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
五四
冬
(
ふゆ
)
の
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
贈
(
おく
)
られ今日の第一番客なり
扨
(
さて
)
夕
(
ゆふ
)
申刻
(
なゝつ
)
頃よりして
立代
(
たちかは
)
り入代り語り
初
(
そめ
)
をなす
淨瑠璃
(
じやうるり
)
の
數々
(
かず/\
)
門弟は今日を
晴
(
はれ
)
と見臺に向ひて
大汗
(
おほあせ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幸福
(
こうふく
)
を
下界
(
げかい
)
に
贈
(
おく
)
ろうと
思
(
おも
)
って、いっしょうけんめいに
黄金色
(
こがねいろ
)
に
輝
(
かがや
)
く
砂
(
すな
)
を
河
(
かわ
)
の
中
(
なか
)
に
投
(
な
)
げていました
妹
(
いもうと
)
は、もうこれほどまでに
幸福
(
こうふく
)
を
送
(
おく
)
ったことだから
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これを
粥
(
かゆ
)
としまた
鰹節
(
かつぶし
)
を
煮出
(
にだ
)
して
用
(
もちう
)
れば大に
裨益
(
ひえき
)
あればとて、
即時
(
そくじ
)
、
价
(
しもべ
)
を
馳
(
は
)
せて
贈
(
おく
)
られたるなど、余は
感泣
(
かんきゅう
)
措
(
お
)
くこと
能
(
あた
)
わず、
涕涙
(
ているい
)
しばしば
被
(
ひ
)
を
沾
(
うるお
)
したり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
同町内
(
どうちやうない
)
の
瀧君
(
たきくん
)
に、ひと
俵
(
たはら
)
贈
(
おく
)
らうかな、……
水上
(
みなかみ
)
さんは
大
(
おほき
)
な
目
(
め
)
をして、
二七
(
にしち
)
の
縁日
(
えんにち
)
に
金魚藻
(
きんぎよも
)
を
探
(
さが
)
して
行
(
ゆ
)
く。……
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
別に臨みて、フラア・マルチノは手を我頭上に加へ、晩餐式施行法(モオドオ、ヂ、セルヰレ、ラ、サンクタ、メツサア)と題したる、繪入の小册子を
贈
(
おく
)
りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そしてもう
追
(
お
)
いつけなくなったときひばりはあのみじかい
別
(
わか
)
れの歌を
贈
(
おく
)
ったのだろうと思います。
おきなぐさ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
○一条院の御時正暦四年五月廿一日 菅神に正一位左□臣を
贈
(
おく
)
らる。(菅神百年御忌にあたる。)
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こうなると、ひそかに
虎視眈々
(
こしたんたん
)
としていた
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
も、いきおいかれのまえに
意地
(
いじ
)
を
突
(
つ
)
ッぱってはいられないので、
石川数正
(
いしかわかずまさ
)
を
戦捷
(
せんしょう
)
の使者に立てて
贈
(
おく
)
りものをしてくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
良兼は筑波山に
拠
(
よ
)
つたから羽鳥を焼払ひ、戦書を
贈
(
おく
)
つて是非の一戦を
遂
(
と
)
げようとしたが、良兼は陣を堅くして戦は無かつたので、将門は復讐的に
散〻
(
さん/″\
)
敵地を荒して帰つた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
やがて長藤君が秋山君名義で
蓄
(
たくわ
)
えた貯金通帳を
贈
(
おく
)
れば、秋山君は救ったものが救われるとはこのことだと感激の涙にむせびながら、その通帳を更生記念として発奮を誓ったが
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
金
(
きん
)
の
杯
(
さかずき
)
に
金
(
きん
)
のたちばな、
錦
(
にしき
)
十
反
(
たん
)
に
絹
(
きぬ
)
五十
疋
(
ぴき
)
、これはおとうさんへの
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
でした。それから
銀
(
ぎん
)
の
長柄
(
ながえ
)
に
銀
(
ぎん
)
のなし、
綾織物
(
あやおりもの
)
の
小
(
こ
)
そでが三十
重
(
かさ
)
ね、これはおかあさんへの
贈
(
おく
)
り
物
(
もの
)
でした。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
中學時分に
買
(
か
)
つた
寫眞器
(
しやしんき
)
も、その
少
(
すこ
)
し以前或る
寫眞好
(
しやしんず
)
きの友
達
(
たち
)
に
贈
(
おく
)
つてしまつたので、それ以來
暫
(
しばら
)
く
私
(
わたし
)
の手
元
(
もと
)
には
寫眞器
(
しやしんき
)
の
影
(
かげ
)
がなくなつてしまつたがその
翌
(
よく
)
年のこと、
私
(
わたし
)
は
偶然
(
ぐうぜん
)
ある人から
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そして二人は交る/″\鉛筆の下書きをするのに坐つた。やがてヂョウジアァナは自分のアルバムを持ち出した。私は水彩畫を一枚
贈
(
おく
)
らうと彼女に約束した。それが忽ち彼女を上機嫌にした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
この間に、メンデルスゾーンと交遊を
新
(
あらた
)
にし、ショパンのためには、生涯の大知己とも言うべきシューマンに逢い、「諸君、帽子をとり給え、天才ですぞ」という有名な言葉を
贈
(
おく
)
られたりした。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
達
(
たつ
)
しける萬事
利發
(
りはつ
)
の
取廻
(
とりまは
)
しゆゑ
重役衆
(
ぢうやくしう
)
には其樣に
計
(
はから
)
ひ下役人へは
賄賂
(
わいろ
)
を
贈
(
おく
)
り
萬事
(
ばんじ
)
拔目
(
ぬけめ
)
なきゆゑ上下
擧
(
こぞ
)
つて吉兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
贈
常用漢字
中学
部首:⾙
18画
“贈”を含む語句
贈物
寄贈
贈答
贈賄
贈呈
贈品
贈遺
贈主
贈称
飲醼贈遺
古嶹所贈
音問贈遺
降誕祭贈物
贈隣女
贈言
贈官
贈子規
贈号
贈二品
贈与
...