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虫
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むし
ふりがな文庫
“
虫
(
むし
)” の例文
旧字:
蟲
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
は、ほのかに
足
(
あし
)
もとをあたためて、
草
(
くさ
)
のうちには、まだ
生
(
い
)
き
残
(
のこ
)
った
虫
(
むし
)
が、
細
(
ほそ
)
い
声
(
こえ
)
で、しかし、
朗
(
ほが
)
らかに
歌
(
うた
)
をうたっていました。
丘の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今
(
いま
)
まで
流
(
なが
)
し
元
(
もと
)
で
頻
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いていた
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
が、
絶
(
た
)
えがちに
細
(
ほそ
)
ったのは、
雨戸
(
あまど
)
から
差
(
さ
)
す
陽
(
ひ
)
の
光
(
ひか
)
りに、おのずと
怯
(
おび
)
えてしまったに
相違
(
そうい
)
ない。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
この
壁柱
(
かべはしら
)
は
星座
(
せいざ
)
に
聳
(
そび
)
え、
白雲
(
はくうん
)
に
跨
(
また
)
がり、
藍水
(
らんすゐ
)
に
浸
(
ひた
)
つて、
露
(
つゆ
)
と
雫
(
しづく
)
を
鏤
(
ちりば
)
め、
下草
(
したくさ
)
の
葎
(
むぐら
)
おのづから、
花
(
はな
)
、
禽
(
きん
)
、
鳥
(
とり
)
、
虫
(
むし
)
を
浮彫
(
うきぼり
)
したる
氈
(
せん
)
を
敷
(
し
)
く。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
(
み
)
ると石のまわりには、二三
町
(
ちょう
)
の
間
(
あいだ
)
ろくろく
草
(
くさ
)
も
生
(
は
)
えてはいませんでした。そして
小鳥
(
ことり
)
や
虫
(
むし
)
が
何
(
なん
)
千となく
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
って
死
(
し
)
んでいました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
『お
前
(
まへ
)
は
亞尼
(
アンニー
)
とか
云
(
い
)
つたねえ、
何
(
なん
)
の
用
(
よう
)
かね。』と
私
(
わたくし
)
は
靜
(
しづ
)
かに
問
(
と
)
ふた。
老女
(
らうぢよ
)
は
虫
(
むし
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
で『
賓人
(
まれびと
)
よ。』と
暫時
(
しばし
)
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
つたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
行ってみると、病人は
虫
(
むし
)
の
息
(
いき
)
で、死神は、あたますれすれに立っており、いまわりでは、ごけらいたちが声をあげて泣き悲しんでいます。
死神の名づけ親(第二話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
自分がいやしい
罪人
(
つみびと
)
だったからといって、まるで
虫
(
むし
)
けらみたいなものだったからといって、
自分
(
じぶん
)
の身がつくづくいやになった時のもある。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
また
恙
(
よう
)
の
虫
(
むし
)
の事語りていわく、博士なにがしは或るとき見に来しが何のしいだしたることもなかりき、かかることは
処
(
ところ
)
の医こそ
熟
(
よ
)
く知りたれ。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
乾酪
(
ちいず
)
の
中
(
なか
)
で、いくら
虫
(
むし
)
が
動
(
うご
)
いても、
乾酪
(
ちいず
)
が
元
(
もと
)
の位置にある
間
(
あひだ
)
は、気が付かないと同じ事で、代助も此
微震
(
びしん
)
には殆んど自覚を有してゐなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
生意気
(
なまいき
)
な
鉦叩
(
かねたた
)
き
虫
(
むし
)
め! ぞうさはねえ、その女も一しょにつまみだして、二本松の枝へさかづるしにつるしてぶんなぐれ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれども、
諭吉
(
ゆきち
)
は
勉強
(
べんきょう
)
の
虫
(
むし
)
になったわけではありません。おおいに
勉強
(
べんきょう
)
するとともに、かなりないたずらもやってのけ、おおいにあそんだのです。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
さて、ひとりっ子というものは、わがままっ子のきかんぼうが
育
(
そだ
)
つものですが、林太郎はどっちかといえば、いくじなしの
泣
(
な
)
き
虫
(
むし
)
子にそだちました。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
それだけじゃありません、いろんなかぶと
虫
(
むし
)
にもわたしは気をとられていました。わたしは
採集
(
さいしゅう
)
にかかりましたが、なかなかきれいなのがいました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
船長ノルマンは、
苦
(
に
)
が
虫
(
むし
)
をかみつぶしたようなかおをして、聞いていた。そして竹見の言葉がおわっても、そのまま無言で、竹見をにらみつけていた。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
百舌
(
もず
)
には
笑
(
わら
)
はれる、
鶸
(
ひは
)
にも
笑
(
わら
)
はれる、そのうちに
雄鷄
(
おんどり
)
は
餌
(
え
)
を
欲
(
ほ
)
しくなりましたが、
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
にある
木
(
き
)
の
實
(
み
)
や
虫
(
むし
)
はみんな
他
(
ほか
)
の
鳥
(
とり
)
に
早
(
はや
)
く
拾
(
ひろ
)
はれてしまひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
さやけき
月
(
つき
)
に
風
(
かぜ
)
のおと
添
(
そ
)
ひて、
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
たえ/″\に
物
(
もの
)
がなしき
上野
(
うへの
)
へ
入
(
い
)
りてよりまだ一
町
(
てう
)
もやう/\と
思
(
おも
)
ふに、いかにしたるか
車夫
(
しやふ
)
はぴつたりと
轅
(
かぢ
)
を
止
(
と
)
めて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かれはその
客
(
きゃく
)
がきらいだった。
廊下
(
ろうか
)
でばったり顔をあわせるようなことがあっても、わざとよこをむいて、
虫
(
むし
)
が
好
(
す
)
かないことをあからさまにしめしたりした。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
世話になろうなどという図々しい
虫
(
むし
)
のよい下心は、まったく持ち合わせてはいないけれども、この親は、その家庭において、常に子供たちのご
機嫌
(
きげん
)
ばかり伺っている。
桜桃
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ややともすれば
強請
(
ゆすり
)
がましい
凄味
(
すごみ
)
な態度を示すに引き比べて昔ながらの
脚半
(
きゃはん
)
草鞋
(
わらじ
)
に
菅笠
(
すげがさ
)
をかぶり
孫太郎虫
(
まごたろうむし
)
や
水蝋
(
いぼた
)
の
虫
(
むし
)
箱根山
(
はこねやま
)
山椒
(
さんしょ
)
の
魚
(
うお
)
、または
越中富山
(
えっちゅうとやま
)
の
千金丹
(
せんきんたん
)
と呼ぶ声。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
同時に、磯五のことが、あたまにきた。そして、若松屋惣七や、この、刀をひいている変わったおさむらいにくらべて、磯五は、
虫
(
むし
)
けらのなかの虫けらであると思った。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
元気の無さ
相
(
さう
)
な
顔色
(
かほいろ
)
をして草履を引きずり乍ら帰つて来た貢さんは、
裏口
(
うらぐち
)
を
入
(
はい
)
つて、
虫
(
むし
)
の
蝕
(
く
)
つた、踏むとみしみしと云ふ板の
間
(
ま
)
で、
雑巾
(
ざふきん
)
を
絞
(
しぼ
)
つて
土埃
(
つちぼこり
)
の着いた足を拭いた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
てんびん
棒
(
ぼう
)
かなんかで、
殴
(
なぐ
)
り
殺
(
ころ
)
しにでもしなきや、
腹
(
はら
)
の
虫
(
むし
)
がいえねえんですからね——。が、まア、
殺
(
ころ
)
されやがつて、
天罰
(
てんばつ
)
というところでしよう。ありがてえと
思
(
おも
)
います。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
卑しい
諂
(
へつら
)
い
虫
(
むし
)
の仲間が温い寝床と食うものを与えられて、彼のような奴が棄てられたということは人間の不名誉でさえある。しかも彼は落ちぶれても決して卑屈にならない。
黒猫
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
爺さんの曰く、うっちゃっておけやい、若ェ者だもの、
些
(
ちった
)
ァ
虫
(
むし
)
もつくべいや。此は此爺さんのズボラ哲学である。差別派からは感心は出来ぬが、中に大なる信仰と真理がある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
近く封建時代の例を引きますと、武士というものは大そうに威張っておりまして、町人・百姓を
虫
(
むし
)
けら同様に取扱っておりましたが、その武士はもと何かと申すと、所謂
侍
(
さむらい
)
である。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
我国の
俚言
(
りげん
)
に
蝶
(
てふ
)
をべつたうといふ、渋海川のほとりにてはさかべつたうといふ。蝶は
諸
(
もろ/\
)
の
虫
(
むし
)
の
羽化
(
うくわ
)
する所也、大なるを蝶といひ、小なるを
蛾
(
が
)
といふ。(本艸)
其種類
(
そのしゆるゐ
)
はなはだ
多
(
おほ
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
セーヌの
河波
(
かわなみ
)
の上かわが、
白
(
しら
)
ちゃけて来る。風が、うすら冷たくそのうえを上走り始める。中の島の岸杭がちょっと
虫
(
むし
)
ばんだように
腐
(
くさ
)
ったところへ渡り鳥のふんらしい
斑
(
まだら
)
がぽっつり光る。
巴里の秋
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見せられけるに長庵は一
目
(
め
)
見
(
みる
)
より死骸に取付扨は十兵衞にて
有
(
あり
)
けるか
斯
(
かゝ
)
る事の有るべきと
虫
(
むし
)
が知らせし物にや
頻
(
しき
)
りに
夜明
(
よあけ
)
て出立致させ
度
(
たく
)
我が止めしをも
聞入
(
きゝいれ
)
ず出立
成
(
なし
)
たる
夫故
(
それゆゑ
)
に斯る
憂目
(
うきめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
代
(
よ
)
にし
楽
(
たぬ
)
しくあらば
来
(
こ
)
む
世
(
よ
)
には
虫
(
むし
)
に
鳥
(
とり
)
にも
吾
(
われ
)
はなりなむ (同・三四八)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
学校
(
がつこう
)
の
卒業
(
そつげふ
)
証書
(
しようしよ
)
が二
枚
(
まい
)
や三
枚
(
まい
)
有
(
あ
)
つたとて
鼻
(
はな
)
を
拭
(
ふ
)
く
足
(
たし
)
にもならねば
高
(
たか
)
が
壁
(
かべ
)
の
腰張
(
こしばり
)
か
屏風
(
びやうぶ
)
の
下張
(
したばり
)
が
関
(
せき
)
の
山
(
やま
)
にて、
偶々
(
たま/\
)
荷厄介
(
にやつかい
)
にして
箪笥
(
たんす
)
に
蔵
(
しま
)
へば
縦令
(
たと
)
へば
虫
(
むし
)
に
喰
(
く
)
はるゝとも
喰
(
く
)
ふ
種
(
たね
)
には
少
(
すこ
)
しもならず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
随分
(
ずいぶん
)
古
(
ふる
)
い
昔
(
むかし
)
のこと、ヱヴェレストのはるか
麓
(
ふもと
)
に、ラランとよぶ一
羽
(
は
)
の
鴉
(
からす
)
が
棲
(
す
)
んでゐた。もの
凄
(
すご
)
いほど
暗
(
くら
)
い、こんもりと
繁
(
しげ
)
つた
密林
(
みつりん
)
の
奥
(
おく
)
で、
毎日
(
まいにち
)
歌
(
うた
)
つてる
小鳥
(
ことり
)
や
仲
(
なか
)
のいゝ
虫
(
むし
)
などを
殺
(
ころ
)
して
喰
(
た
)
べてゐた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
あれ、あんな
虫
(
むし
)
が
匐
(
は
)
ひまわつてゐます。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
はたと
虫
(
むし
)
息
(
いき
)
をひそめぬ。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
土
(
つち
)
喰
(
く
)
て
虫
(
むし
)
喰
(
く
)
て
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
一人
(
ひとり
)
が、くるみの
木
(
き
)
へのぼって、ハーモニカをふきました。
一人
(
ひとり
)
は、くりの
木
(
き
)
の
下
(
した
)
で、
竹
(
たけ
)
ざおをもって、かぶと
虫
(
むし
)
をとっていました。
風七題
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
之
(
これ
)
が
俗
(
ぞく
)
に
謂
(
い
)
ふ
虫
(
むし
)
の
知
(
し
)
らせとでもいふものであらうかと、
後
(
のち
)
に
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
つたが、
此時
(
このとき
)
はたゞ
離別
(
りべつ
)
の
情
(
じやう
)
さこそと
思
(
おも
)
ひ
遣
(
や
)
るばかりで、
私
(
わたくし
)
は
打點頭
(
うちうなづ
)
き
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
然
(
しか
)
も
今度
(
こんど
)
のは
半分
(
はんぶん
)
に
引切
(
ひきき
)
つてある
胴
(
どう
)
から
尾
(
を
)
ばかりの
虫
(
むし
)
ぢや、
切口
(
きりくち
)
が
蒼
(
あをみ
)
を
帯
(
お
)
びて
其
(
それ
)
で
恁
(
か
)
う
黄色
(
きいろ
)
な
汁
(
しる
)
が
流
(
なが
)
れてぴくぴくと
動
(
うご
)
いたわ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とお
申
(
もう
)
し
渡
(
わた
)
しになりました。それできつつきはいつも木の
枝
(
えだ
)
から
枝
(
えだ
)
を
渡
(
わた
)
り
歩
(
ある
)
いて、ひもじそうに
虫
(
むし
)
をさがしているのです。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
途端にその背後で例のエヘンという咳払いが聞えたので、署長は急に
苦
(
に
)
が
虫
(
むし
)
を噛みつぶしたような顔になった。
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
虫
(
むし
)
けらのように背を屈めた。その肩を打って、達者で暮し給えと云うと、郡兵衛はその顔を上げ得ないように
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夫
(
そ
)
れとも
其
(
その
)
やうな
奧樣
(
おくさま
)
あつかひ
虫
(
むし
)
が
好
(
す
)
かで
矢張
(
やは
)
り
傳法肌
(
でんぽうはだ
)
の三
尺
(
じやく
)
帶
(
おび
)
が
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
るかなと
問
(
と
)
へば、どうで
其處
(
そこ
)
らが
落
(
おち
)
でござりましよ、
此方
(
こちら
)
で
思
(
おも
)
ふやうなは
先樣
(
さきさま
)
が
嫌
(
いや
)
なり
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
饑
(
かつ
)
えた
雄鷄
(
おんどり
)
は
一生懸命
(
いつしやうけんめい
)
に
餌
(
え
)
を
探
(
さが
)
しはじめました。
他
(
ほか
)
の
鳥
(
とり
)
に
拾
(
ひろ
)
はれないうちに、
自分
(
じぶん
)
で
木
(
き
)
の
實
(
み
)
や
虫
(
むし
)
を
見
(
み
)
つけるためには、
否
(
いや
)
でも
應
(
おう
)
でも
飛
(
と
)
ばなければ
成
(
な
)
りませんでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
次第
(
しだい
)
に
冴
(
さ
)
える
三日月
(
みかづき
)
の
光
(
ひか
)
りに、あたりは
漸
(
ようや
)
く
朽葉色
(
くちばいろ
)
の
闇
(
やみ
)
を
誘
(
さそ
)
って、
草
(
くさ
)
に
鳴
(
な
)
く
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
のみが
繁
(
しげ
)
かった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ただ
虫
(
むし
)
がすかないからって、あんなに
金
(
かね
)
ばなれのいいお
客
(
きゃく
)
さんをことわる人があるものですか。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
けれども、
是
(
これ
)
に
似
(
に
)
た
不安
(
ふあん
)
は
是
(
これ
)
から
先
(
さき
)
何度
(
なんど
)
でも、
色々
(
いろ/\
)
な
程度
(
ていど
)
に
於
(
おい
)
て、
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
さなければ
濟
(
す
)
まない
樣
(
やう
)
な
虫
(
むし
)
の
知
(
し
)
らせが
何處
(
どこ
)
かにあつた。それを
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
させるのは
天
(
てん
)
の
事
(
こと
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
䖧
(
だつ
)
は
蠆
(
たい
)
の
類
(
るゐ
)
、人を
螫
(
さす
)
とあれば
蜂
(
はち
)
の
類
(
るゐ
)
也、雪中の
虫
(
むし
)
は
蛆
(
じよ
)
の
字
(
じ
)
に
从
(
したが
)
ふべし、しかれば
雪蛆
(
せつじよ
)
は雪中の
蛆蠅
(
うじばへ
)
也。
木火土金水
(
もくくわどごんすゐ
)
の五行中皆虫を
生
(
しやう
)
ず、木の虫土の虫水の虫は
常
(
つね
)
に見る所めづらしからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
命を
賭
(
と
)
しても此帷幕の
隙見
(
すきみ
)
をす可く努力せずに居られぬ人を
哂
(
わら
)
うは
吾儕
(
われら
)
が
鈍
(
どん
)
な
高慢
(
こうまん
)
であろうが、同じ
生類
(
しょうるい
)
の進むにも、鳥の道、魚の道、
虫
(
むし
)
の道、また
獣
(
けもの
)
の道もあることを忘れてはならぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
然
(
しかる
)
にお三
婆
(
ばゝ
)
母子
(
おやこ
)
は
若君
(
わかぎみ
)
誕生ありしに
始
(
はじ
)
めて
安堵
(
あんど
)
の思ひをなせしが
老少
(
らうせう
)
不定
(
ふぢやう
)
の世の
習
(
なら
)
ひ喜こぶ
甲斐
(
かひ
)
もあら
悲
(
かな
)
しや
誕生
(
たんじやう
)
の若君は
其夜
(
そのよ
)
の七ツ時頃
虫
(
むし
)
の氣にて
終
(
つひ
)
に
空
(
むなし
)
くなり給ひぬ
母
(
はゝ
)
澤の井斯と聞より力を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
異形
(
いぎやう
)
な
虫
(
むし
)
のわざはひか。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
寥
(
さび
)
しい
虫
(
むし
)
が
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“虫”の解説
虫(蟲、むし)の意味は次の通りである。
(本草学)人類・獣類・鳥類・魚類以外の小動物の総称。昆虫、秋に鳴く虫を限定して指すこともある。
蠕形動物のこと。なかでも回虫。
* 回虫などによって起こると考えられていた腹痛などのこと。
* 潜在する意識。昔は(体内の)虫が人の心の中に考えや感情を引き起こすと考えられていた。
(出典:Wikipedia)
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
“虫”を含む語句
昆虫
甲虫
虫蝕
蠕虫
爬虫類
轡虫
爬虫
毛虫
機織虫
螟虫
蛆虫
虫唾
弱虫
羽虫
黄金虫
南京虫
鈴虫
灯取虫
虫喰
除虫菊
...