“虫蝕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むしく55.6%
むしくい22.2%
むしくひ11.1%
むしばみ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いやですよウだ。おっさんだって、若い頃には覚えがあるでしょ。なンともかンとも、あたしゃあ、あの虫蝕むしくなつめみたいな押司おうしさんの顔を
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
虫蝕むしくいと、雨染あまじみと、摺剥すりむけたので分らぬが、上に、業平なりひらと小町のようなのが対向さしむかいで、前に土器かわらけを控えると、万歳烏帽子まんざいえぼしが五人ばかり、ずらりと拝伏した処が描いてある。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はつとおもへば、からすほどの真黒まつくろとり一羽いちは虫蝕むしくひだらけの格天井がうでんじやうさつかすめて狐格子きつねがうしをばさりと飛出とびだす……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこは表の客座敷の次のへやで、定七の腰をかけている縁側の敷板は、木の質も判らないまでに古びて虫蝕むしばみがあり、これも木目も判らないまでに古びた柱によって
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)