トップ
>
荷
>
に
ふりがな文庫
“
荷
(
に
)” の例文
自体
(
じたい
)
、
蛾次郎
(
がじろう
)
の腕なり頭なりでは
荷
(
に
)
の勝ちすぎたこの
大鷲
(
おおわし
)
が、はたしてかれの自由になるかどうか、ここ、おもしろい見ものである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
品
(
しな
)
は
林
(
はやし
)
を
幾
(
いく
)
つも
過
(
す
)
ぎて
自分
(
じぶん
)
の
村
(
むら
)
へ
急
(
いそ
)
いだが、
疲
(
つか
)
れもしたけれど
懶
(
ものう
)
いやうな
心持
(
こゝろもち
)
がして
幾度
(
いくたび
)
か
路傍
(
みちばた
)
へ
荷
(
に
)
を
卸
(
おろ
)
しては
休
(
やす
)
みつゝ
來
(
き
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そのとき、ふと、
彼
(
かれ
)
は、いましも
重
(
おも
)
い
荷
(
に
)
を
車
(
くるま
)
に
付
(
つ
)
けて、
店
(
みせ
)
の
前
(
まえ
)
を
通
(
とお
)
って
停車場
(
ていしゃじょう
)
へゆきつつある、
弟
(
おとうと
)
の
姿
(
すがた
)
を
認
(
みと
)
めたのでありました。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
けて
旅
(
たび
)
をして
歩
(
ある
)
く
斯
(
こ
)
の
飴屋
(
あめや
)
さんは、
何處
(
どこ
)
か
遠
(
とほ
)
いところからかついで
來
(
き
)
た
荷
(
に
)
を
復
(
ま
)
た
肩
(
かた
)
に
掛
(
か
)
けて、
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
き/\
出掛
(
でか
)
けました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
止
(
とゞ
)
めの一刀を
刺貫
(
さしとほ
)
し
脆
(
もろ
)
い奴だと重四郎は彼の
荷物
(
にもつ
)
を
斷落
(
きりおと
)
して
荷
(
に
)
の
中
(
うち
)
より四五百兩の金子を奪ひ取つゝ
其儘
(
そのまゝ
)
此所を
悠然
(
いう/\
)
と立去り
頓
(
やが
)
て
旅支度
(
たびじたく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
「
織屋
(
おりや
)
、
御前
(
おまへ
)
さうして
荷
(
に
)
を
脊負
(
しよ
)
つて、
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
て、
時分
(
じぶん
)
どきになつたら、
矢張
(
やつぱ
)
り
御膳
(
ごぜん
)
を
食
(
た
)
べるんだらうね」と
細君
(
さいくん
)
が
聞
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
藏庫
(
くら
)
は
河岸
(
かし
)
に
揃
(
そろ
)
つて、
荷
(
に
)
の
揚下
(
あげおろ
)
しは
船
(
ふね
)
で
直
(
す
)
ぐに
取引
(
とりひ
)
きが
濟
(
す
)
むから、
店口
(
みせぐち
)
はしもた
屋
(
や
)
も
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
、
煙草盆
(
たばこぼん
)
にほこりも
置
(
お
)
かぬ。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼らは幾世紀の批評を経て、無傷のままわれわれの時代に至り、今もなお光栄を
荷
(
に
)
のうているというだけで、われわれは彼らに敬意を表している。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
高
荷
(
に
)
を背負って、江戸中の良家を
商
(
あきな
)
って廻るので、名残りなく
陽
(
ひ
)
にも焼け、
弁口
(
べん
)
も爽かで、お琴と因縁をつけるにしては、その年齢からして違います。
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
轎夫
(
きょうふ
)
が分からぬことをいって
賃銭
(
ちんせん
)
を
強請
(
ねだ
)
ったり、この
旦那
(
だんな
)
は重いとか、
荷
(
に
)
が多いとか、
轎
(
かご
)
の中で動いて困るとか、雨が降るとか、橋がないから
御免
(
ごめん
)
とか
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その光栄を
荷
(
に
)
なった人々の中には、政治家や軍人ばかりでなく、文学者や科学者などもたくさんにあります。
ニュートン
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
そこへ
小鳥
(
ことり
)
がかえってきて、おもたい
荷
(
に
)
をおろすのです。そこで、みんなはおぜんについて、やがてごはんがすみますと、あしたの朝までぐっすりねむります。
ハツカネズミと小鳥と腸づめの話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
奴らの信頼を
荷
(
に
)
のうて、数百の頭に立っているのだ……あンな恩知らずの、義理知らずの、奴らに恐れて、
家
(
うち
)
をたたんで逃げ出すなンて、そんな侮辱された話があるものか。
眼
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
『
何程
(
なんぼ
)
でも可えだ。明日ア
歸
(
けえ
)
り
荷
(
に
)
だで、行ぐ
時
(
どき
)
ア空馬車
曳
(
ふ
)
つぱつて行ぐのだもの。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
世
(
よ
)
の
秋
(
あき
)
つらし九
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
、
俄
(
には
)
かに
風
(
かぜ
)
が
身
(
み
)
にしむといふ
朝
(
あさ
)
、
神田
(
かんだ
)
に
買出
(
かひだ
)
しの
荷
(
に
)
を
我
(
わ
)
が
家
(
や
)
までかつぎ
入
(
い
)
れると
其
(
その
)
まゝ、
發熱
(
ほつねつ
)
につゞいて
骨病
(
ほねや
)
みの
出
(
いで
)
しやら、三
月
(
つき
)
ごしの
今日
(
けふ
)
まで
商
(
あきな
)
ひは
更
(
さら
)
なる
事
(
こと
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あんたの
阿母
(
おかん
)
の來やはつた時は、えらいこツちやツた。七
荷
(
か
)
の
荷
(
に
)
でなア。……今でも
納戸
(
なんど
)
におまツしやろ、あの箪笥や長持は皆
阿母
(
おかん
)
が持つて來やはつたんや。あの
長押
(
なげし
)
に掛けたある
薙刀
(
なぎなた
)
も。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
もう
尼
(
あま
)
の心に成つて居ますと云つて泣き伏したが、もう朗然和上と夫婦との間に縁談が
決
(
きま
)
つて居つた
後
(
あと
)
だから、親の心に従つて
終
(
つひ
)
に其年の十一月、娘は十五荷の
荷
(
に
)
で岡崎御坊へ
嫁入
(
よめい
)
つて来た。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
それなら一
層
(
そ
)
の
事
(
こと
)
、
皆
(
み
)
んなで
歸
(
かへ
)
らうとて、
發掘
(
はつくつ
)
を
中止
(
ちうし
)
し、
天幕
(
てんと
)
を
疊
(
たゝ
)
み、
飮餘
(
のみあま
)
したる
麥酒
(
ビール
)
の
壜
(
びん
)
を
携
(
たづさ
)
へて、
裏
(
うら
)
の
池邊
(
ちへん
)
に
行
(
ゆ
)
き、
其所
(
そこ
)
にて
又
(
また
)
小宴
(
せうえん
)
を
張
(
は
)
り、
食物
(
しよくもつ
)
の
殘
(
のこ
)
りを
池
(
いけ
)
の
魚
(
うを
)
に
投與
(
とうよ
)
して、
荷
(
に
)
を
輕
(
かる
)
くし
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
蟠「なに
荷
(
に
)
を書入れる、馬鹿な、そんなことをしなくっても
宜
(
よ
)
いのう蟠作」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
呍
(
うん
)
と足を踏みしめると、天秤棒が遠慮会釈もなく肩を圧しつけ、五尺何寸其まゝ大地に釘づけの姿だ。思い切って
蹌踉
(
ひょろひょろ
)
とよろけ出す。十五六歩よろけると、息が詰まる様で、たまりかねて
荷
(
に
)
を
下
(
お
)
ろす。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
甘酒屋
(
あまざけや
)
の
爺
(
ぢゝ
)
がいつか
此
(
こ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に赤く
塗
(
ぬ
)
つた
荷
(
に
)
を
下
(
おろ
)
してゐた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
されども、此の世の重き
荷
(
に
)
はいよいよ増さん
生けるものと死せるものと
(旧字旧仮名)
/
アンナ・ド・ノアイユ
(著)
婢女
(
はしため
)
、
荷
(
に
)
をとゝのふれば
おもひで
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
「おい! もう大がいにしておけ。あまりかせぎすぎると、こんどは道中の
荷
(
に
)
やッかいになって、
釜
(
かま
)
をかぶって歩くようなことになるぞ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
運転手
(
うんてんしゅ
)
も
車
(
くるま
)
から
下
(
お
)
りて、
荷物
(
にもつ
)
を
下
(
お
)
ろすてつだいをしました。このとき、
白
(
しろ
)
と
赤
(
あか
)
のまじった
羽根
(
はね
)
が、
荷
(
に
)
の
間
(
あいだ
)
から
出
(
で
)
てきました。
東京の羽根
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
前庭
(
まへには
)
の
植込
(
うゑこみ
)
には、きり
島
(
しま
)
がほんのりと
咲
(
さ
)
き
殘
(
のこ
)
つて、
折
(
をり
)
から
人通
(
ひとどほ
)
りもなしに、
眞日中
(
まつぴなか
)
の
忍返
(
しのびがへ
)
しの
下
(
した
)
に、
金魚賣
(
きんぎようり
)
が
荷
(
に
)
を
下
(
おろ
)
して、
煙草
(
たばこ
)
を
吹
(
ふ
)
かして
休
(
やす
)
んでゐた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
泰西の文明の
圧迫
(
あつぱく
)
を
受
(
う
)
けて、其重
荷
(
に
)
の
下
(
した
)
に
唸
(
うな
)
る、劇烈な生存競争場裏に立つ
人
(
ひと
)
で、
真
(
しん
)
によく
人
(
ひと
)
の
為
(
ため
)
に泣き得るものに、代助は
未
(
いま
)
だ
曾
(
かつ
)
て
出逢
(
であ
)
はなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
父
(
とう
)
さんの
村
(
むら
)
へも、たまには
飴屋
(
あめや
)
さんが
通
(
とほ
)
りました。
旅
(
たび
)
の
飴屋
(
あめや
)
さんは、
天平棒
(
てんびんぼう
)
でかついて
來
(
き
)
た
荷
(
に
)
を
村
(
むら
)
の
石垣
(
いしがき
)
の
側
(
わき
)
におろして、
面白
(
おもしろ
)
をかしく
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
きました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
城彈三郎は惡い商人と
結託
(
けつたく
)
し、手廣く
拔
(
ぬ
)
け
荷
(
に
)
(密貿易)の取引を始め、暴利を
貪
(
むさぼ
)
つて居ることが判りました。
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
商
(
あきな
)
ひ未だ東西も知らぬ土地なれども
櫛笄簪
(
くしかうがひ
)
の
荷
(
に
)
を
脊負
(
せおひ
)
歩行
(
あるく
)
に名に
負
(
おふ
)
大都會なれば日本一の
貧
(
まづし
)
き人もあれば
又
(
また
)
双
(
なら
)
びなき
金滿家
(
かねもち
)
もありて大名も
棒手振
(
ぼうてぶり
)
も
押並
(
おしなら
)
んで
歩行
(
あるく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ここへあがってきてくれよ、おかみさん、その
荷
(
に
)
がからになるぜ。」
いさましい ちびの仕立屋さん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
片手
(
かたて
)
に
足
(
た
)
らぬ
荷
(
に
)
をからげて、
同
(
おな
)
じ
町
(
まち
)
の
隅
(
すみ
)
へと
潜
(
ひそ
)
みぬ。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
薬売
(
くすりう
)
りの
少年
(
しょうねん
)
は、
荷
(
に
)
を
下
(
お
)
ろして、
薬
(
くすり
)
を
出
(
だ
)
す
間
(
ま
)
にも、
自分
(
じぶん
)
にもこんなやさしいおじいさんがあったらば、と
思
(
おも
)
われるのでした。
薬売りの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
万
(
まん
)
ちやんの
方
(
はう
)
は
振分
(
ふりわけ
)
の
荷
(
に
)
を
肩
(
かた
)
に、わらぢ
穿
(
ばき
)
で、
雨
(
あめ
)
のやうな
火
(
ひ
)
の
粉
(
こ
)
の
中
(
なか
)
を
上野
(
うへの
)
をさして
落
(
お
)
ちて
行
(
ゆ
)
くと、
揉返
(
もみかへ
)
す
群集
(
ぐんしふ
)
が
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「それなら大安心、これでわたくしの
荷
(
に
)
も
降
(
お
)
りたというわけ。ではみなさんごめんなさいまし、さようなら」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此
(
この
)
過去
(
くわこ
)
を
負
(
お
)
はされた
二人
(
ふたり
)
は、
廣島
(
ひろしま
)
へ
行
(
い
)
つても
苦
(
くる
)
しんだ。
福岡
(
ふくをか
)
へ
行
(
い
)
つても
苦
(
くる
)
しんだ。
東京
(
とうきやう
)
へ
出
(
で
)
て
來
(
き
)
ても、
依然
(
いぜん
)
として
重
(
おも
)
い
荷
(
に
)
に
抑
(
おさ
)
えつけられてゐた。
佐伯
(
さへき
)
の
家
(
いへ
)
とは
親
(
した
)
しい
關係
(
くわんけい
)
が
結
(
むす
)
べなくなつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
拔
(
ぬ
)
け
荷
(
に
)
(密輸入)を
扱
(
あつか
)
つた釜屋は、主人の
葬
(
とむら
)
ひが濟む間もなく、跡取の初太郎は番頭伊八と共にお奉行所に呼び出され、通三丁目の店と北新堀の住家は言ふ迄もなく、
夥
(
おびたゞ
)
しい家財を沒收の上
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
おじいさんが、ひとまとめにして、
荷
(
に
)
の
上
(
うえ
)
に
乗
(
の
)
せておいたのが、そのまま
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
して、ついに
振
(
ふ
)
り
落
(
お
)
とされたのであります。
なつかしまれた人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其
(
それ
)
とも
弔
(
とむ
)
らはれず
浮
(
う
)
かばぬ
霊
(
れい
)
が、
無言
(
むごん
)
の
中
(
うち
)
に
供養
(
くやう
)
を
望
(
のぞ
)
むのであらうも
知
(
し
)
れぬ。
独
(
ひと
)
りでは
何
(
なに
)
しろ
荷
(
に
)
が
重
(
おも
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「釜屋が
拔
(
ぬ
)
け
荷
(
に
)
(密輸入)を扱ふといふ噂が滿更嘘ぢやなかつたんだね」
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
織屋
(
おりや
)
は
何處
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つても
斯
(
か
)
ういふ
鄙
(
ひな
)
びた
言葉
(
ことば
)
を
使
(
つか
)
つて
通
(
とほ
)
してゐるらしかつた。
毎日
(
まいにち
)
馴染
(
なじ
)
みの
家
(
いへ
)
をぐる/\
回
(
まは
)
つて
歩
(
ある
)
いてゐるうちには、
脊中
(
せなか
)
の
荷
(
に
)
が
段々
(
だん/\
)
輕
(
かろ
)
くなつて、
仕舞
(
しまひ
)
に
紺
(
こん
)
の
風呂敷
(
ふろしき
)
と
眞田紐
(
さなだひも
)
丈
(
だけ
)
が
殘
(
のこ
)
る。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「きょうの
荷
(
に
)
は、ちと
牛
(
うし
)
に
無理
(
むり
)
かもしれないが、まあ
引
(
ひ
)
けるか、
引
(
ひ
)
かせてみよう。」と、
男
(
おとこ
)
は、
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
で
思
(
おも
)
ったのでした。
ある男と牛の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二三尺
(
にさんじやく
)
、
今度
(
こんど
)
は——
荒庭
(
あらには
)
の
飛石
(
とびいし
)
のやうに、
包
(
つゝ
)
んだまゝの
荷
(
に
)
がごろ/\して
居
(
ゐ
)
る。
奧座敷
(
おくざしき
)
へ
侵入
(
しんにふ
)
した。——
此
(
これ
)
を
思
(
おも
)
ふと、いつもの
天井
(
てんじやう
)
を
荒𢌞
(
あれまは
)
るのなどは、ものの
數
(
かず
)
ではない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
若者
(
わかもの
)
たちは、たくさんな
船
(
ふね
)
の
間
(
あいだ
)
をこぎまわっていますと、この
港
(
みなと
)
へ
上
(
あ
)
げるために
小舟
(
こぶね
)
へ
荷
(
に
)
をおろしている
船
(
ふね
)
もありました。
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
尾籠
(
びろう
)
ながら、
私
(
わたし
)
はハタと
小用
(
こよう
)
に
困
(
こま
)
つた。
辻便所
(
つじべんじよ
)
も
何
(
なん
)
にもない。
家内
(
かない
)
が
才覺
(
さいかく
)
して、
此
(
こ
)
の
避難場
(
ひなんば
)
に
近
(
ちか
)
い、
四谷
(
よつや
)
の
髮結
(
かみゆひ
)
さんの
許
(
もと
)
をたよつて、
人
(
ひと
)
を
分
(
わ
)
け、
荷
(
に
)
を
避
(
さ
)
けつゝ
辿
(
たど
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
毎日
(
まいにち
)
、
荷
(
に
)
を
負
(
お
)
って、
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
たり
入
(
はい
)
ったりするものが、そんなものに
乗
(
の
)
れっこない。それに、
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
れば、
車
(
くるま
)
など、
通
(
とお
)
りたくても、
通
(
とお
)
れっこない。
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
眞夏
(
まなつ
)
、
日盛
(
ひざか
)
りの
炎天
(
えんてん
)
を、
門天心太
(
もんてんこゝろぷと
)
と
賣
(
う
)
る
聲
(
こゑ
)
きはめてよし。
靜
(
しづか
)
にして、あはれに、
可懷
(
なつか
)
し。
荷
(
に
)
も
涼
(
すゞ
)
しく、
松
(
まつ
)
の
青葉
(
あをば
)
を
天秤
(
てんびん
)
にかけて
荷
(
にな
)
ふ。いゝ
聲
(
こゑ
)
にて、
長
(
なが
)
く
引
(
ひ
)
いて
靜
(
しづか
)
に
呼
(
よ
)
び
來
(
きた
)
る。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
兄
(
あに
)
はいつもならわけのないことだと
思
(
おも
)
いました。しかし、
今日
(
きょう
)
は
特別
(
とくべつ
)
に
重
(
おも
)
い
荷
(
に
)
をつけてきたので、このうえ
人間
(
にんげん
)
を
乗
(
の
)
せるということは
難儀
(
なんぎ
)
でした。
村の兄弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
横町
(
よこちやう
)
の
道
(
みち
)
の
兩側
(
りやうがは
)
は、
荷
(
に
)
と
人
(
ひと
)
と、
兩側
(
りやうがは
)
二列
(
ふたならび
)
の
人
(
ひと
)
のたゝずまひである。
私
(
わたし
)
たちより、もつと
火
(
ひ
)
に
近
(
ちか
)
いのが
先
(
さき
)
んじて
此
(
こ
)
の
町内
(
ちやうない
)
へ
避難
(
ひなん
)
したので、……
皆
(
みな
)
茫然
(
ばうぜん
)
として
火
(
ひ
)
の
手
(
て
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おじいさんは、よく
働
(
はたら
)
きました。みんなの
間
(
あいだ
)
にまじって、いっしょになって
重
(
おも
)
い
荷
(
に
)
も
運
(
はこ
)
べば、またかついだりしました。
なつかしまれた人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“荷”の意味
《名詞》
(に)運搬の対象となるもの。
(に)負担、責任。
(出典:Wiktionary)
荷
常用漢字
小3
部首:⾋
10画
“荷”を含む語句
荷物
薄荷
荷担
荷葉
荷厄介
茗荷谷
荷馬車
茗荷
一荷
茗荷屋
荷嵩
上荷
荷担夫
稲荷
荷車
荷足
荷拵
永井荷風
抱茗荷
荷梱
...