おもひでおもいで
父ぎみはしはぶき二つ、 母ぎみはそよ一雫、 瀬戸の海、東をさしし 三日まへに我を見ましぬ。 世馴れざる野がくれわらべ、 手文筥を封じもあへず、 ゐざり出て閾の端の 柱抱き面かくしぬ。 いとほしや小き学生 いくとせを東の京の 旅に寝ね旅にねざ …