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清水
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しみづ
ふりがな文庫
“
清水
(
しみづ
)” の例文
静かな山のかげの、
苔
(
こけ
)
のついた石を伝つて流れる
清水
(
しみづ
)
のやうに、わたしは澄んで音も立てずに暮してゐます、といふ意味である。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
そこで
峠
(
たうげ
)
の
方
(
はう
)
から
清水
(
しみづ
)
を
引
(
ひ
)
いて、それを
溜
(
た
)
める
塲所
(
ばしよ
)
が
造
(
つく
)
つてあつたのです。
何
(
なん
)
といふ
好
(
よ
)
い
清水
(
しみづ
)
が
長
(
なが
)
い
樋
(
とひ
)
を
通
(
とほ
)
つて、どん/\
流
(
なが
)
れて
來
(
き
)
ましたらう。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
清水
(
しみづ
)
を
清水
(
しやうづ
)
。——
桂
(
かつら
)
清水
(
しやうづ
)
で
手拭
(
てぬぐひ
)
ひろた、と
唄
(
うた
)
ふ。
山中
(
やまなか
)
の
湯女
(
ゆな
)
の
後朝
(
きぬ/″\
)
なまめかし。
其
(
そ
)
の
清水
(
しやうづ
)
まで
客
(
きやく
)
を
送
(
おく
)
りたるもののよし。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
魚沼郡
(
うをぬまこほり
)
清水
(
しみづ
)
村の
奥
(
おく
)
に山あり、高さ一里あまり、
周囲
(
めぐり
)
も一里あまり也。山中すべて大小の
破隙
(
われめ
)
あるを以て山の名とす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
四人
(
よつたり
)
は此関係で
約二年
(
やくにねん
)
足らず
過
(
す
)
ごした。すると
菅沼
(
すがぬま
)
の卒業する
年
(
とし
)
の
春
(
はる
)
、
菅沼
(
すがぬま
)
の
母
(
はゝ
)
と云ふのが、
田舎
(
いなか
)
から
遊
(
あそ
)
びに
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、しばらく
清水
(
しみづ
)
町に
泊
(
とま
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「特にことわつて置くが、自分は
清水
(
しみづ
)
お鳥とは手が切れたつもりだ。その點は、もう、心配するに及ばない。」
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
一
反
(
たん
)
以上
(
いじやう
)
貝
(
かひ
)
を
掘
(
ほ
)
り
取
(
と
)
つて
運
(
はこ
)
び
出
(
だ
)
してある。
其跡
(
そのあと
)
からは
清水
(
しみづ
)
が
湧出
(
ゆうしゆつ
)
して、
直
(
たゞ
)
ちに
田
(
た
)
に
入
(
い
)
る
程
(
ほど
)
低
(
ひく
)
くなつて
居
(
ゐ
)
る。
此所
(
こゝ
)
に
貝塚
(
かひづか
)
があらうとは、
今日
(
けふ
)
まで
知
(
し
)
らなかつた。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
弓弭
(
ゆはづ
)
の
清水
(
しみづ
)
を
掬
(
むす
)
んで、弓かけ松の下に立つて眺める。西は
重疊
(
ちようでふ
)
たる
磐城
(
いはき
)
の山に雲霧白く渦まいて流れて居る。東は太平洋、雲間漏る夕日の鈍い光を浮べて唯とろりとして居る。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
着
(
き
)
縫止
(
ぬひとめ
)
のはせ返りし
菅笠
(
すげがさ
)
と錢は
僅
(
わづか
)
百廿四文ばかりの身上にて
不※
(
ふと
)
立出
(
たちいで
)
江戸へ行んとせしが又甲斐國へ赴かんと
籠坂峠
(
かごさかたうげ
)
まで到りしが頃は六月の大暑
故
(
ゆゑ
)
榎
(
えのき
)
の
蔭
(
かげ
)
に
立寄
(
たちより
)
清水
(
しみづ
)
を
掬
(
むす
)
びて顏の
汗
(
あせ
)
を流し足を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
少年
(
せうねん
)
にまで
寢太郎
(
ねたらう
)
と
見
(
み
)
られたかと、
私
(
わたくし
)
は
急
(
いそ
)
ぎ
清水
(
しみづ
)
に
顏
(
かほ
)
を
淨
(
きよ
)
め、
兵曹
(
へいそう
)
の
案内
(
あんない
)
に
從
(
したが
)
つて
用意
(
ようゐ
)
の
一室
(
ひとま
)
へ
來
(
き
)
て
見
(
み
)
ると、
食卓
(
しよくたく
)
の
一端
(
いつたん
)
には、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は二三の
重立
(
おもだ
)
つた
水兵
(
すいへい
)
を
相手
(
あひて
)
に、
談話
(
はなし
)
に
耽
(
ふけ
)
つて
居
(
を
)
つたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
おほよそ此の国の
古語
(
ふること
)
に、
一一二
玉
蘰
(
かづら
)
一一三
玉
簾
(
だれ
)
一一四
珠衣
(
たまぎぬ
)
の
類
(
たぐひ
)
は、
形
(
かたち
)
をほめ清きを
賞
(
ほ
)
むる
語
(
ことば
)
なるから、
清水
(
しみづ
)
をも玉水玉の井玉河ともほむるなり。毒ある流れをなど
一一五
玉てふ
語
(
ことば
)
は
冠
(
かうむ
)
らしめん。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
露伴は浅間山麓、小諸市外の
清水
(
しみづ
)
といふところに山荘を持つてゐて、清水の里の泉を天下第一の名水と云ひこれを味ふために毎夏この山荘に来ることを楽しみにしてゐると云つてゐたと聞いてゐる。
飲料のはなし
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
樋
(
ひ
)
より池に落つる
清水
(
しみづ
)
の音にしてひとところただにうち凹めつつ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
行くと
来
(
く
)
とせきとめがたき涙をや絶えぬ
清水
(
しみづ
)
と人は見るらん
源氏物語:16 関屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
深く人類に根ざしてゐるこの地下層の
清水
(
しみづ
)
を
飮
(
の
)
め
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
*
『
香
(
かぐ
)
の
清水
(
しみづ
)
』は
水錆
(
みさ
)
びてし
古
(
ふる
)
き
御寺
(
みてら
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
山蔭の
清水
(
しみづ
)
のやうに忍耐ぶかく
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
そこを流るゝ
清水
(
しみづ
)
さへ
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
立
(
た
)
ちし
物
(
もの
)
の
此文
(
このふみ
)
には
何
(
なん
)
の
文言
(
もんごん
)
どういふ
風
(
ふう
)
に
書
(
か
)
きて
有
(
あ
)
るにや
表書
(
おもてが
)
きの
常盤木
(
ときわぎ
)
のきみまゐるとは
無情
(
つれなき
)
ひとへといふ
事
(
こと
)
か
岩間
(
いはま
)
の
清水
(
しみづ
)
と
心細
(
こゝろぼそ
)
げには
書
(
か
)
き
給
(
たま
)
へど
扨
(
さて
)
も/\
御手
(
おて
)
のうるはしさお
姿
(
すがた
)
は申すも
更
(
さら
)
なり
御心
(
おこゝろ
)
だてと
云
(
い
)
ひお
學問
(
がくもん
)
と
云
(
い
)
ひ
欠
(
か
)
け
處
(
どころ
)
なき
御方
(
おかた
)
さまに
思
(
おも
)
はれて
嫌
(
い
)
やとはよもや
仰
(
おほ
)
せられまじ
我
(
わ
)
れ
深山育
(
みやまそだ
)
ちの
身
(
み
)
として
比
(
くら
)
べ
物
(
もの
)
になる
心
(
こゝろ
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
兄
(
にい
)
さんと
貴方
(
あなた
)
と
清水
(
しみづ
)
町にゐた時分の事を思ひ
出
(
だ
)
さうと思つて、成るべく沢山買つて
来
(
き
)
ました」と代助が云つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ともすると、ちよろ/\、ちよろ/\と
草
(
くさ
)
の
清水
(
しみづ
)
が
湧
(
わ
)
くやうだから、
豆府
(
とうふ
)
を
下
(
した
)
へ、あたまから
昆布
(
こんぶ
)
を
被
(
かぶ
)
せる。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天秤棒
(
てんびんぼう
)
で
兩方
(
りやうはう
)
の
肩
(
かた
)
に
手桶
(
てをけ
)
をかついだ
近所
(
きんじよ
)
の
女達
(
をんなたち
)
がそこへ
水汲
(
みづくみ
)
に
集
(
あつ
)
まつて
來
(
き
)
ます。
水
(
みづ
)
の
不自由
(
ふじいう
)
なところに
生
(
うま
)
れた
父
(
とう
)
さんは
特別
(
とくべつ
)
にその
清水
(
しみづ
)
のあるところを
樂
(
たのし
)
く
思
(
おも
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
此ひゞきにやありけん(里言につらゝをかなこほりといふ、たるひとは古言にもいふ)本堂に
積
(
つもり
)
たる雪の片屋根
磊々
(
ぐら/\
)
となだれおち、
土蔵
(
どざう
)
のほとりに
清水
(
しみづ
)
がゝりの池ありしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
我
(
わ
)
が
品川
(
しながは
)
の
住居
(
じうきよ
)
から
遠
(
とほ
)
くもあらぬ
桐
(
きり
)
ヶ
谷
(
や
)
の
村
(
むら
)
、
其所
(
そこ
)
に
在
(
あ
)
る
氷川神社
(
ひがはじんじや
)
の
境内
(
けいだい
)
に、
瀧
(
たき
)
と
名
(
な
)
に
呼
(
よ
)
ぶも
如何
(
いかゞ
)
であるが、一
日
(
にち
)
の
暑
(
しよ
)
を
避
(
さ
)
けるに
適
(
てき
)
して
居
(
ゐ
)
る
靜地
(
せいち
)
に、
清水
(
しみづ
)
の
人造瀧
(
じんざうたき
)
が
懸
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
るので
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
住み
馴
(
な
)
れし人はかへりてたどれども
清水
(
しみづ
)
ぞ宿の
主人
(
あるじ
)
がほなる
源氏物語:18 松風
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
咽頭
(
のど
)
が乾くと、岩の下の
清水
(
しみづ
)
を
掬
(
すく
)
つて飲んだ。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
それだけ愛の
清水
(
しみづ
)
が涌かねばならない
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
清水
(
しみづ
)
さす
石油
(
せきゆ
)
の
噎
(
むせび
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
此瀧
(
このたき
)
を
過
(
す
)
ぎて
小一町
(
こいつちやう
)
、
道
(
みち
)
のほとり、
山
(
やま
)
の
根
(
ね
)
の
巖
(
いは
)
に
清水
(
しみづ
)
滴
(
したゝ
)
り、三
體
(
たい
)
の
地藏尊
(
ぢざうそん
)
を
安置
(
あんち
)
して、
幽徑
(
いうけい
)
磽确
(
げうかく
)
たり。
逗子だより
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
樂
(
たの
)
しい
御休處
(
おんやすみどころ
)
。
父
(
とう
)
さんが
祖母
(
おばあ
)
さんから
貰
(
もら
)
つて
來
(
き
)
た
金米糖
(
こんぺいたう
)
なぞを
小
(
ちひ
)
さな
鞄
(
かばん
)
から
取出
(
とりだ
)
すのも、その
御休處
(
おんやすみどころ
)
でした。
塲處
(
ばしよ
)
によりましては、
冷
(
つめた
)
い
清水
(
しみづ
)
が
樋
(
とひ
)
をつたつて
休茶屋
(
やすみぢやや
)
のすぐ
側
(
わき
)
へ
流
(
なが
)
れて
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
涙のみせきとめがたき
清水
(
しみづ
)
にて行き逢ふ道は早く絶えにき
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
所々
(
しよしよ
)
にきらきらと
清水
(
しみづ
)
が涌く
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
緑
(
みどり
)
いよ/\
濃
(
こまや
)
かにして、
夏木立
(
なつこだち
)
深
(
ふか
)
き
處
(
ところ
)
、
山
(
やま
)
幽
(
いう
)
に
里
(
さと
)
靜
(
しづか
)
に、
然
(
しか
)
も
今
(
いま
)
を
盛
(
さかり
)
の
女
(
をんな
)
、
白百合
(
しらゆり
)
の
花
(
はな
)
、
其
(
そ
)
の
膚
(
はだへ
)
の
蜜
(
みつ
)
を
洗
(
あら
)
へば、
清水
(
しみづ
)
に
髮
(
かみ
)
の
丈
(
たけ
)
長
(
なが
)
く、
眞珠
(
しんじゆ
)
の
流
(
ながれ
)
雫
(
しづく
)
して、
小鮎
(
こあゆ
)
の
簪
(
かんざし
)
、
宵月
(
よひづき
)
の
影
(
かげ
)
を
走
(
はし
)
る。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
逢坂
(
あふさか
)
は関の
清水
(
しみづ
)
も恋人のあつき涙もな
源氏物語:16 関屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
優
(
やさ
)
しさよ、
松蔭
(
まつかげ
)
の
清水
(
しみづ
)
、
柳
(
やなぎ
)
の
井
(
ゐ
)
、
音
(
おと
)
に
雫
(
しづく
)
に
聲
(
こゑ
)
ありて、
旅人
(
たびびと
)
に
露
(
つゆ
)
を
分
(
わか
)
てば、
細瀧
(
ほそだき
)
の
心太
(
ところてん
)
、
忽
(
たちま
)
ち
酢
(
す
)
に
浮
(
う
)
かれて、
饂飩
(
うどん
)
、
蒟蒻
(
こんにやく
)
を
嘲
(
あざ
)
ける
時
(
とき
)
、
冷奴豆腐
(
ひややつこ
)
の
蓼
(
たで
)
はじめて
涼
(
すゞ
)
しく、
爪紅
(
つまくれなゐ
)
なる
蟹
(
かに
)
の
群
(
むれ
)
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
就中
(
なかんづく
)
、
河間
(
かかん
)
王深
(
わうしん
)
の
居邸
(
きよてい
)
、
結構
(
けつこう
)
華麗
(
くわれい
)
、
其
(
そ
)
の
首
(
しゆ
)
たるものにして、
然
(
しか
)
も
高陽王
(
かうやうわう
)
と
華
(
くわ
)
を
競
(
きそ
)
ひ、
文柏堂
(
ぶんはくだう
)
を
造營
(
ざうえい
)
す、
莊
(
さかん
)
なること
帝居
(
ていきよ
)
徽音殿
(
きおんでん
)
と
相齊
(
あひひと
)
し、
清水
(
しみづ
)
の
井
(
ゐ
)
に
玉轆轤
(
ぎよくろくろ
)
を
置
(
お
)
き、
黄金
(
わうごん
)
の
瓶
(
つるべ
)
を
釣
(
つ
)
るに
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
斷崖
(
がけ
)
の
清水
(
しみづ
)
に
龍女
(
りうぢよ
)
の
廟
(
べう
)
あり。われは
浦島
(
うらしま
)
の
子
(
こ
)
か、
姫
(
ひめ
)
の
靈
(
れい
)
ぞと
見
(
み
)
しが、やがて
知
(
し
)
んぬ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
茶屋
(
ちやや
)
あとの
空地
(
あきち
)
を
見
(
み
)
ると、
人
(
ひと
)
の
丈
(
たけ
)
よりも
高
(
たか
)
く
八重葎
(
やへむぐら
)
して、
末
(
すゑ
)
の
白露
(
しらつゆ
)
、
清水
(
しみづ
)
の
流
(
なが
)
れに、
螢
(
ほたる
)
は、
網
(
あみ
)
の
目
(
め
)
に
眞蒼
(
まつさを
)
な
浪
(
なみ
)
を
浴
(
あ
)
びせて、はら/\と
崖
(
がけ
)
の
樹
(
き
)
の
下
(
した
)
の、
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
き
蔭
(
かげ
)
を
飛
(
と
)
ぶのであつた。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
弓杖
(
ゆんづゑ
)
で
炎天
(
えんてん
)
の
火
(
ひ
)
を
吐
(
は
)
く
巌
(
いはほ
)
を
裂
(
さ
)
いて、
玉
(
たま
)
なす
清水
(
しみづ
)
をほとばしらせて、
渇
(
かわき
)
に
喘
(
あへ
)
ぐ一
軍
(
ぐん
)
を
救
(
すく
)
つたと
言
(
い
)
ふのは、
蓋
(
けだ
)
し
名将
(
めいしやう
)
の
事
(
こと
)
だから、
今
(
いま
)
の
所謂
(
いはゆる
)
軍事衛生
(
ぐんじゑいせい
)
を
心得
(
こゝろえ
)
て、
悪水
(
あくすゐ
)
を
禁
(
きん
)
じた
反対
(
はんたい
)
の
意味
(
いみ
)
に
相違
(
さうゐ
)
ない。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
最
(
も
)
う、
角
(
かど
)
の
其
(
そ
)
の
酒屋
(
さかや
)
に
隔
(
へだ
)
てられて、
此處
(
こゝ
)
からは
見
(
み
)
えないが、
山
(
やま
)
へ
昇
(
のぼ
)
る
坂下
(
さかした
)
に、
崖
(
がけ
)
を
絞
(
しぼ
)
る
清水
(
しみづ
)
があつて、
手桶
(
てをけ
)
に
受
(
う
)
けて、
眞桑
(
まくは
)
、
西瓜
(
すゐくわ
)
などを
冷
(
ひや
)
す
水茶屋
(
みづぢやや
)
が二
軒
(
けん
)
ばかりあつた……
其
(
それ
)
も十
年
(
ねん
)
一昔
(
ひとむかし
)
に
成
(
な
)
る。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
追善
(
つゐぜん
)
のあつた
今夜
(
こんや
)
だし、
墓參
(
はかまゐ
)
りする
路
(
みち
)
だらう。まあ
此
(
こ
)
の
清水
(
しみづ
)
で、」
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“清水”の意味
《名詞》
澄んで清らかな水。清澄な湧水。
(出典:Wiktionary)
清
常用漢字
小4
部首:⽔
11画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
“清水”で始まる語句
清水寺
清水谷
清水港
清水堂
清水越
清水昌一
清水川原
清水粂之介
清水町
清水焼