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うきよ
ふりがな文庫
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浮世
(
うきよ
)” の例文
未だ
浮世
(
うきよ
)
慣
(
な
)
れぬ御身なれば、思ひ煩らひ給ふも
理
(
ことわり
)
なれども、
六十路
(
むそぢ
)
に近き此の老婆、いかで
爲
(
ため
)
惡
(
あ
)
しき事を申すべき、聞分け給ひしかや
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
高野
(
こうや
)
の道場にこもるおつもりなのか? ……そして
浮世
(
うきよ
)
に
未練
(
みれん
)
をもたぬため、いさぎよく、わざとじぶんにも会わず、父とも名のらず
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
暮
(
くら
)
し
兼
(
かね
)
るも二君に仕へぬ
我魂魄
(
わがたましひ
)
武士の本意と思へども
實
(
げ
)
にあぢきなき
浮世
(
うきよ
)
かなと一人涙を流したる
問
(
とは
)
ず
語
(
がた
)
りの心の中思ひ
遣
(
やら
)
れて
憐
(
あは
)
れなり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
げにも
浮世
(
うきよ
)
か
音曲
(
おんぎよく
)
の
師匠
(
ししやう
)
の
許
(
もと
)
に
然
(
しか
)
るべき
曾
(
くわい
)
の
催
(
もよほ
)
し
斷
(
ことわ
)
りいはれぬ
筋
(
すぢ
)
ならねどつらきものは
義理
(
ぎり
)
の
柵
(
しがらみ
)
是非
(
ぜひ
)
と
待
(
ま
)
たれて
此日
(
このひ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
より
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
で、
親族
(
しんぞく
)
の
男
(
をとこ
)
どもが、
挑
(
いど
)
む、
嬲
(
なぶ
)
る、
威丈高
(
ゐたけだか
)
に
成
(
な
)
つて
袖褄
(
そでつま
)
を
引
(
ひ
)
く、
其
(
そ
)
の
遣瀬
(
やるせ
)
なさに、くよ/\
浮世
(
うきよ
)
を
柳隱
(
やなぎがく
)
れに、
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
れを
見
(
み
)
るのだ、と
云
(
い
)
ふ。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
殊
(
こと
)
に
浮世
(
うきよ
)
の
罪穢
(
つみ
)
に
汚
(
けが
)
されていない
小供
(
こども
)
は
例外
(
れいがい
)
なしに
皆
(
みな
)
そうで、その
為
(
た
)
めこの
娘
(
こ
)
なども、
帰幽後
(
きゆうご
)
すぐに
俺
(
わし
)
の
手
(
て
)
で
世話
(
せわ
)
することになったのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
明日
(
あす
)
訪ねてくれい? さうは
可
(
い
)
かん、僕もこれでなかなか用が有るのぢやから。ああ、貴方も
浮世
(
うきよ
)
が
可厭
(
いや
)
か、僕も御同様じや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
墓標の裏には、レニエエか何かの「
浮世
(
うきよ
)
には思い出もあらず」と記してあったが、この言葉は今の僕の心をひどく温めてくれるものがあった。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
恐らくあなた方実際家にはお分りにならないでしょうが、我々は
浮世
(
うきよ
)
のことに飽き果てて、ただ美しい夢にあこがれ、夢に生きる人種なのです。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
夫れ
浮世
(
うきよ
)
の
名聞
(
きこえ
)
は今
此方
(
こなた
)
に吹き今
彼方
(
かなた
)
に吹き、その處を變ふるによりて名を變ふる風の
一息
(
ひといき
)
に外ならず 一〇〇—一〇二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
いやもう、
浮世
(
うきよ
)
のことは、
何
(
なに
)
をおいても
女
(
おんな
)
が
大事
(
だいじ
)
。おいらも
今度
(
こんど
)
の
世
(
よ
)
にゃァ、
犬
(
いぬ
)
になっても
女
(
おんな
)
に
生
(
うま
)
れて
来
(
く
)
ることだ。——はッくしょい。これァいけねえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
日本橋
(
にほんばし
)
を通る人の数は、一
分
(
ぷん
)
に何百か知らぬ。もし
橋畔
(
きょうはん
)
に立って、行く人の心に
蟠
(
わだか
)
まる
葛藤
(
かっとう
)
を一々に聞き得たならば、
浮世
(
うきよ
)
は
目眩
(
めまぐる
)
しくて生きづらかろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
始終
履歴
(
りれき
)
の
汚
(
よご
)
れ
臭
(
くさ
)
い女に
酷
(
ひど
)
い目に合わされているのを見て
同情
(
おもいやり
)
に
堪
(
た
)
えずにいた上、ちょうど
無暗滅法
(
むやみめっぽう
)
に
浮世
(
うきよ
)
の
渦
(
うず
)
の中へ飛込もうという源三に出会ったので
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
けれども
校長
(
かうちやう
)
の
之
(
かれ
)
に
對
(
たい
)
する
樣子
(
やうす
)
は
郡長樣
(
ぐんちやうさん
)
に
對
(
たい
)
する
程
(
ほど
)
の
丁寧
(
ていねい
)
なことなので、
既
(
すで
)
に
浮世
(
うきよ
)
の
虚榮心
(
きよえいしん
)
に
心
(
こゝろ
)
の
幾分
(
いくぶん
)
を
染
(
そ
)
められて
居
(
ゐ
)
た
僕
(
ぼく
)
の
目
(
め
)
には
全
(
まつた
)
く
怪
(
あや
)
しく
映
(
うつ
)
つたのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして自分はどうしても
長吉
(
ちやうきち
)
の味方にならねばならぬ。
長吉
(
ちやうきち
)
を役者にしてお
糸
(
いと
)
と添はしてやらねば、
親
(
おや
)
代々の
家
(
うち
)
を
潰
(
つぶ
)
してこれまでに
浮世
(
うきよ
)
の苦労をしたかひがない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そこには
浮世
(
うきよ
)
の時間もなく空間もなく、たゞたゞ
永劫無窮
(
えいごうむきゅう
)
の
愉悦
(
ゆえつ
)
と光明とが溢れて居る
許
(
ばか
)
りであった。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さても日本対
米英
(
べいえい
)
開戦以来、わが
金博士
(
きんはかせ
)
は
従来
(
じゅうらい
)
にもまして、
浮世
(
うきよ
)
をうるさがっている様子であった。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
げに
東
(
ひんがし
)
に
還
(
かえ
)
る今の我は、西に航せし昔の我ならず、学問こそなお心に飽き足らぬところも多かれ、
浮世
(
うきよ
)
のうきふしをも知りたり、人の心の頼みがたきは言うも
更
(
さら
)
なり
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
尤もここぐらい、いろいろな世間のうわさが早く伝わってくるところもすくない。ここにごろごろしていると、肩が凝らずいながらにして
浮世
(
うきよ
)
百般の消息がきかれる。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
とかく世間を茶にして
浮世
(
うきよ
)
三
分
(
ぶん
)
五厘と
脂下
(
やにさが
)
るテンと面白
笑止
(
おか
)
しき道楽
三昧
(
ざんまい
)
に堕したからである。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
それで、
亞尼
(
アンニー
)
は、いよ/\
弦月丸
(
げんげつまる
)
が
沈沒
(
ちんぼつ
)
したと
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
、
身
(
み
)
も
世
(
よ
)
にあられず、
私共
(
わたくしども
)
に
濟
(
す
)
まぬといふ
一念
(
いちねん
)
と、
其
(
その
)
息子
(
むすこ
)
の
悔悟
(
くわいご
)
とを
祈
(
いの
)
るが
爲
(
ため
)
に、
浮世
(
うきよ
)
の
外
(
そと
)
の
尼寺
(
あまでら
)
に
身
(
み
)
を
隱
(
かく
)
したのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
くるは
相身互
(
あひみたが
)
ひ、
浮世
(
うきよ
)
を
煩
(
うるさ
)
う
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
には、
身一
(
みひと
)
つでさへも
多
(
おほ
)
いくらゐ、
強
(
あなが
)
ち
同志
(
つれ
)
を
追
(
お
)
はずともと、
只
(
たゞ
)
もう
己
(
おの
)
が
心
(
こゝろ
)
の
後
(
あと
)
をのみ
追
(
お
)
うて、
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
くる
其人
(
そのひと
)
をば
此方
(
こちら
)
からも
避
(
さ
)
けました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「あとの悪いものは雪ばかりではない——
浮世
(
うきよ
)
のことはみんなそれじゃ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
我事
(
わがこと
)
すでに
了
(
おわ
)
れりとし主家の結末と共に
進退
(
しんたい
)
を決し、たとい身に
墨染
(
すみぞめ
)
の
衣
(
ころも
)
を
纒
(
まと
)
わざるも心は全く
浮世
(
うきよ
)
の
栄辱
(
えいじょく
)
を
外
(
ほか
)
にして
片山里
(
かたやまざと
)
に
引籠
(
ひきこも
)
り静に
余生
(
よせい
)
を送るの
決断
(
けつだん
)
に出でたらば、世間においても真実
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
私はそれを
讃岐
(
さぬき
)
の国学者、猪熊方主翁の書翰によって知ったのであるが、この人は当時の大阪の市中に、もっぱらその風説を伝えたと
謂
(
い
)
っているから、或いは『
浮世
(
うきよ
)
の
有様
(
ありさま
)
』のような書物にも
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
丁度お前が
浮世
(
うきよ
)
の
榮華
(
えいぐわ
)
に
憬
(
あこがれ
)
てゐるやうに、俺は智識慾に
渇
(
かつ
)
してゐる………だから社交も
嫌
(
いや
)
なら、芝居見物も嫌さ。家を
賑
(
にぎやか
)
にしろといふのは、
何
(
なに
)
も人を寄せてキヤツ/\と
謂
(
い
)
ツてゐろといふのぢやない。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
乃
(
そこ
)
で
※
(
ねえ
)
さんは
目
(
め
)
を
瞑
(
つぶ
)
つて
坐
(
すわ
)
りました、
而
(
そ
)
して
些
(
や
)
や
不思議
(
ふしぎ
)
な
世界
(
せかい
)
のあることを
信
(
しん
)
じました、ところで、
再
(
ふたゝ
)
び
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
けば、
總
(
すべ
)
てが
塵
(
ちり
)
の
浮世
(
うきよ
)
に
變
(
かは
)
るに
相違
(
さうゐ
)
ないとは
知
(
し
)
りつゝも——
草
(
くさ
)
は
只
(
たゞ
)
風
(
かぜ
)
にサラ/\と
鳴
(
な
)
り
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
わずかな短かい
浮世
(
うきよ
)
である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
浮世
(
うきよ
)
に
通
(
かよ
)
ふ
事
(
こと
)
もあるらむ
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
うたへ
浮世
(
うきよ
)
の一ふしは
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
紙張
(
かみばり
)
の
立看板
(
たてかんばん
)
に、(
浮世
(
うきよ
)
の
波
(
なみ
)
。)
新派劇
(
しんぱげき
)
とあるのを
見
(
み
)
た。
其
(
そ
)
の
浮世
(
うきよ
)
の
波
(
なみ
)
に、
流
(
なが
)
れ
寄
(
よ
)
つた
枯枝
(
かれえ
)
であらう。
非
(
あら
)
ず、
湖
(
みづうみ
)
の
冬
(
ふゆ
)
を
彩
(
いろど
)
る、
紅
(
くれなゐ
)
の
二葉
(
ふたは
)
三葉
(
みは
)
。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
(
み
)
ながら
孃
(
ぢやう
)
さまは
何處
(
いづこ
)
へぞお
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えぬやうなりと
人騷
(
ひとさわ
)
がせするもあり
乳母
(
うば
)
は
夜
(
よ
)
の
目
(
め
)
ろく/\
合
(
あは
)
さずお
高
(
たか
)
が
傍
(
かたへ
)
に
寢床
(
ねどこ
)
を
並
(
なら
)
べ
浮世
(
うきよ
)
雜談
(
ざふだん
)
に
諷諫
(
ふうかん
)
の
意
(
い
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
けれども
肝心
(
かんじん
)
の
小兒
(
こども
)
は、たゞ
子宮
(
しきゆう
)
を
逃
(
のが
)
れて
廣
(
ひろ
)
い
所
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
たといふ
迄
(
まで
)
で、
浮世
(
うきよ
)
の
空氣
(
くうき
)
を
一口
(
ひとくち
)
も
呼吸
(
こきふ
)
しなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
夫は今でこそ
若崎
(
わかざき
)
先生、とか何とか云われているものの、
本
(
もと
)
は云わば職人で、その職人だった頃には一ㇳ通りでは無い
貧苦
(
ひんく
)
と戦ってきた
幾年
(
いくねん
)
の
間
(
あいだ
)
を
浮世
(
うきよ
)
とやり合って
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
然
(
しか
)
し
先夜
(
せんや
)
の
反古
(
はご
)
新聞
(
しんぶん
)
の
記事
(
きじ
)
から
推及
(
すいきふ
)
して、
大佐
(
たいさ
)
が
今
(
いま
)
現
(
げん
)
に
浮世
(
うきよ
)
の
外
(
そと
)
なる
此
(
この
)
孤島
(
はなれじま
)
に
在
(
あ
)
る
事
(
こと
)
、また
今
(
いま
)
も
聽
(
きこ
)
ゆる
鐵
(
てつ
)
の
響
(
ひゞき
)
などから
考
(
かんが
)
へ
合
(
あ
)
はせると
朧
(
おぼろ
)
ながらもそれと
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
る
節
(
ふし
)
の
無
(
な
)
いでもない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
分てお
貰
(
もら
)
ひ申さにやならぬと
血眼
(
ちまなこ
)
になりて申にぞ安五郎は
當惑
(
たうわく
)
なし我等とても段々の
不仕合
(
ふしあはせ
)
折角
(
せつかく
)
連退
(
つれのい
)
たる白妙には
死別
(
しにわか
)
れ今は
浮世
(
うきよ
)
に
望
(
のぞ
)
みもなければ
信州
(
しんしう
)
の
由縁
(
ゆかり
)
の者を頼み
出家
(
しゆつけ
)
遁世
(
とんせい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
実は
浮世
(
うきよ
)
人形とやらいうものなそうで、
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
三尺余り、十歳ばかりの小児の大きさで、手足も完全に出来、頭には昔風の
島田
(
しまだ
)
を
結
(
ゆ
)
い、昔染の大柄
友染
(
ゆうぜん
)
が着せてあるのでございます。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この一年
有半
(
ゆうはん
)
の
歳月
(
さいげつ
)
に、そなたはいまの
世相
(
せそう
)
をよくながめ
得
(
え
)
たであろう。どうであった戦国の
浮世
(
うきよ
)
は。わけても
百姓
(
ひゃくしょう
)
町人
(
ちょうにん
)
——いやそれよりもっと貧しい
民
(
たみ
)
たちの
苦
(
くる
)
しみはどうであろう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ロミオ
其樣
(
そのやう
)
に
貧
(
まづ
)
しうあさましう
暮
(
くら
)
してゐても、
汝
(
おぬし
)
は
死
(
し
)
ぬるのが
怖
(
おそろ
)
しいか?
飢
(
うゑ
)
は
頬
(
ほゝ
)
に、
逼迫
(
ひっぱく
)
は
眼
(
め
)
に、
侮辱
(
ぶじょく
)
貧窮
(
ひんきう
)
は
背
(
せ
)
に
懸
(
かゝ
)
ってある。
無情
(
つれな
)
い
此
(
この
)
浮世
(
うきよ
)
に
法度
(
はっと
)
はあっても、つゆ
汝
(
おぬし
)
の
爲
(
ため
)
にはならぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
……いったいどうしたっていうの?……あんた、ここで、そっとママにでもなるというわけ? それとも、なにか、もっと深いわけがあるの?……いずれにしても、
浮世
(
うきよ
)
を忍ぶには屈強の場所ね。
キャラコさん:03 蘆と木笛
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
これで
間
(
ま
)
もなく
懐胎
(
みごも
)
って、
男
(
おとこ
)
の
児
(
こ
)
でも
生
(
うま
)
れれば、
何
(
なん
)
のことはないのでございますが、そこがままならぬ
浮世
(
うきよ
)
の
習
(
なら
)
いで、一
年
(
ねん
)
経
(
た
)
っても、二
年
(
ねん
)
過
(
す
)
ぎても、三
年
(
ねん
)
が
暮
(
く
)
れても、ドウしても
小供
(
こども
)
が
生
(
うま
)
れないので
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「とかく
浮世
(
うきよ
)
は狭いもの——ソレじゃ」
遊星植民説
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鈴鹿山、
浮世
(
うきよ
)
をよそに振りすてて
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
うたへ
浮世
(
うきよ
)
の一ふしは
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何
(
なん
)
となく
浮世
(
うきよ
)
から
離
(
はな
)
れた
樣子
(
やうす
)
で、
滅多
(
めつた
)
に
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
せない
其
(
そ
)
の
女主人
(
をんなあるじ
)
が、でも、
端近
(
はしぢか
)
へは
出
(
で
)
ないで、
座敷
(
ざしき
)
の
中
(
なか
)
ほどに
一人
(
ひとり
)
で
居
(
ゐ
)
た。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あゝ
浮世
(
うきよ
)
はつらいものだね、
何事
(
なにごと
)
も
明
(
あけ
)
すけに
言
(
い
)
ふて
退
(
の
)
ける
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ぬからとて、お
倉
(
くら
)
はつく/″\まゝならぬを
痛
(
いた
)
みぬ。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
忽然として
会堂
(
チヤーチ
)
の戸が
開
(
あ
)
いた。
中
(
なか
)
から
人
(
ひと
)
が
出
(
で
)
る。人は
天国
(
てんごく
)
から
浮世
(
うきよ
)
へ帰る。美禰子は終りから四番目であつた。
縞
(
しま
)
の吾妻コートを
着
(
き
)
て、
俯向
(
うつむ
)
いて、
上
(
あが
)
り
口
(
くち
)
の階段を
降
(
お
)
りて
来
(
き
)
た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一体
苦
(
にが
)
み
走
(
ばし
)
りて
眼尻
(
めじり
)
にたるみ無く、一の字口の少し
大
(
おおき
)
なるもきっと
締
(
しま
)
りたるにかえって男らしく、娘にはいかがなれど
浮世
(
うきよ
)
の
鹹味
(
からみ
)
を
嘗
(
な
)
めて来た女には
好
(
す
)
かるべきところある
肌合
(
はだあい
)
なリ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
本當
(
ほんたう
)
に
奇妙
(
きめう
)
な
事
(
こと
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
ると、
或
(
ある
)
日
(
ひ
)
の
事
(
こと
)
、ウルピノ
山中
(
さんちう
)
とて、子ープルスの
街
(
まち
)
からは
餘程
(
よほど
)
離
(
はな
)
れた
寒村
(
かんそん
)
の、
浮世
(
うきよ
)
の
外
(
そと
)
の
尼寺
(
あまでら
)
から、
一通
(
いつつう
)
の
書状
(
てがみ
)
が
屆
(
とゞ
)
きました、
疑
(
うたがひ
)
もなき
亞尼
(
アンニー
)
の
手跡
(
しゆせき
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
という訳は、私はあなたの芸術には心から敬服しているのです。いくら
東小路
(
ひがしこうじ
)
伯爵夫人のお頼みだからといって、この偉大な天才を、むざむざ
浮世
(
うきよ
)
の法律なんかに裁かせたくないからです
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
浮
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
“浮世”で始まる語句
浮世繪
浮世風呂
浮世絵
浮世床
浮世絵師
浮世草紙
浮世小路
浮世話
浮世絵類考
浮世人