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案
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あん
ふりがな文庫
“
案
(
あん
)” の例文
妹
(
いもうと
)
は、
兄
(
にい
)
さんといっしょになって、
船出
(
ふなで
)
の
許
(
ゆる
)
しをおじいさんに
頼
(
たの
)
んだものの、
兄
(
あに
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
が
案
(
あん
)
じられてしかたがありませんでした。
一本の銀の針
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
、兄は押絵になって、カンテラの光りの中で、吉三の代りに、嬉し相な顔をして、お七を抱きしめていたではありませんか。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
皈
(
かへ
)
りの
遲
(
おそ
)
きを
母
(
はゝ
)
の
親
(
おや
)
案
(
あん
)
して
尋
(
たづ
)
ねに
來
(
き
)
てくれたをば
時機
(
しほ
)
に
家
(
うち
)
へは
戻
(
もど
)
つたれど、
母
(
はゝ
)
も
物
(
もの
)
いはず
父親
(
てゝおや
)
も
無言
(
むごん
)
に、
誰
(
た
)
れ
一人
(
ひとり
)
私
(
わたし
)
をば
叱
(
しか
)
る
物
(
もの
)
もなく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
得て
早速
(
さつそく
)
阿漕
(
あこぎ
)
が
浦
(
うら
)
へ到り見れば
案
(
あん
)
に
違
(
たが
)
はず
網
(
あみ
)
を
卸
(
おろ
)
す者あり與力
聲
(
こゑ
)
をかけ何者なれば
禁斷
(
きんだん
)
の場所に於て
殺生
(
せつしやう
)
いたすや
召捕
(
めしとる
)
べしと聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
実家
(
さと
)
の
両親
(
りょうしん
)
は
大
(
たい
)
へんに
私
(
わたくし
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
を
案
(
あん
)
じてくれまして、しのびやかに
私
(
わたくし
)
の
仮宅
(
かりずまい
)
を
訪
(
おとず
)
れ、
鎌倉
(
かまくら
)
へ
帰
(
かえ
)
れとすすめてくださるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
「あの、ただいまの
虚無僧
(
ぼろんじ
)
を?」と、女中は一方へ気兼ねをして、すぐには応じかねていると、
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
、向うでは聞き
咎
(
とが
)
めた九鬼弥助が
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
権七
(
ごんしち
)
や、
主
(
ぬし
)
は
先
(
ま
)
づ、
婆様
(
ばあさま
)
が
店
(
みせ
)
へ
走
(
はし
)
れ、
旦那様
(
だんなさま
)
、
早速
(
さつそく
)
人
(
ひと
)
を
出
(
だ
)
しますで、お
案
(
あん
)
じなさりませんやうに。
主
(
ぬし
)
も
働
(
はたら
)
いてくれ、さあ、
来
(
こ
)
い
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
安之助
(
やすのすけ
)
は
忙
(
いそ
)
がしいとかで、一
時間
(
じかん
)
足
(
た
)
らず
話
(
はな
)
して
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つたが、
小六
(
ころく
)
の
所置
(
しよち
)
に
就
(
つい
)
ては、
兩人
(
りやうにん
)
の
間
(
あひだ
)
に
具體的
(
ぐたいてき
)
の
案
(
あん
)
は
別
(
べつ
)
に
出
(
で
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
二人の刑事は、
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
大手柄を立てたことになった。その
悦
(
よろこ
)
びのあまり、一旦
不審
(
ふしん
)
を
掛
(
か
)
けた私だったが、何事もなく離してくれたのだった。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お
品
(
しな
)
の
病氣
(
びやうき
)
を
案
(
あん
)
ずる
外
(
ほか
)
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
には
何
(
なに
)
もなかつた。
其
(
その
)
當時
(
たうじ
)
には
卯平
(
うへい
)
に
不平
(
ふへい
)
をいはれやうといふやうな
懸念
(
けねん
)
は
寸毫
(
すこし
)
も
頭
(
あたま
)
に
起
(
おこ
)
らなかつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
といいながらうりを
割
(
わ
)
りますと、中には
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
小蛇
(
こへび
)
が一
匹
(
ぴき
)
入
(
はい
)
っていました。
見
(
み
)
ると
忠明
(
ただあきら
)
のうった
針
(
はり
)
が、ちゃんと
両方
(
りょうほう
)
の目にささっていました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
さすがに
隱
(
かく
)
しきれもせずに、
夫
(
をつと
)
がてれ
臭
(
くさ
)
い
顏附
(
かほつき
)
でその
壁掛
(
かべかけ
)
の
包
(
つつ
)
みを
解
(
ほど
)
くと、
案
(
あん
)
の
條
(
でう
)
妻
(
つま
)
は
非難
(
ひなん
)
の
眼
(
め
)
を
向
(
む
)
けながらさう
言
(
い
)
つた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
却
(
かえ
)
って心配の
種子
(
たね
)
にて我をも
其等
(
それら
)
の
浮
(
うき
)
たる人々と同じ
様
(
よう
)
に
思
(
おぼ
)
し
出
(
いず
)
らんかと
案
(
あん
)
じ
候
(
そうろう
)
ては
実
(
げ
)
に/\頼み薄く
口惜
(
くちおし
)
ゅう覚えて、あわれ
歳月
(
としつき
)
の早く
立
(
たて
)
かし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
案
(
あん
)
ずるに
此類
(
このるい
)
の
石噐
(
せきき
)
は或は
釣糸
(
つりいと
)
を埀るる時に錘りとして用ゐられし事も有るべく、或は鳥を
捕
(
とら
)
ふるに
際
(
さい
)
し
束
(
つか
)
ね糸の端に
括
(
くく
)
り付けられし事も有るべく
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
さてそこへ
上
(
あが
)
って見ると、
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
家も手広ければ、
主
(
あるじ
)
の
翁
(
おきな
)
も卑しくない。その上酒は
竹葉青
(
ちくようせい
)
、
肴
(
さかな
)
は
鱸
(
すずき
)
に
蟹
(
かに
)
と云うのだから、僕の満足は察してくれ給え。
奇遇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然
(
しか
)
らば
第
(
だい
)
一
案
(
あん
)
の
外國
(
ぐわいこく
)
で
日本
(
にほん
)
は
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
りることが
出來
(
でき
)
るかと
云
(
い
)
ふと、
遺憾
(
ゐかん
)
ながら
外國
(
ぐわいこく
)
では
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
りることが
出來
(
でき
)
ない。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「夜中に、馬さ出すと、
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
、大っ原で鬼が出やんした——わっしゃ命からがら逃げて来やしたが、お客人のこたあ、どうなったかわからねえなっし」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「へ、
案
(
あん
)
の
定
(
ぢやう
)
おいでなすつたな。色男。用事は馬にあるんぢやない。此の牝馬に乗つてゐる貴様にあるんさ。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
私は眼が悪う御座いますが、これこそと思って近寄って見ますと、
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
若旦那様で、高岩の蔭に腰をかけて、何か巻物のようなものを見ておいでになります。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
同じ閑中の趣にしても、蜂の巣を伝う屋根の漏の
佗
(
わび
)
しさ、面白さは、
自
(
おのずか
)
ら
案
(
あん
)
を
拍
(
う
)
たしむるものがある。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
「ぼくはゆうべ見たところでそれがなんだかわかった。きみはぼくの身の上を
案
(
あん
)
じているのだ」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
當時
(
とうじ
)
二人
(
ふたり
)
とも
木造家屋
(
もくぞうかおく
)
の
二階
(
にかい
)
にをられたので、
下敷
(
したじき
)
になりながら
小屋組
(
こやぐみ
)
の
空所
(
くうしよ
)
に
挾
(
はさ
)
まり、
無難
(
ぶなん
)
に
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
されたが、
階下
(
かいか
)
にゐた
家扶
(
かふ
)
は
主人夫婦
(
しゆじんふうふ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
案
(
あん
)
じながら
辛
(
から
)
うじて
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
イヤあの
坊
(
ばう
)
さんに困つて
居
(
ゐ
)
るのだよ、
店請
(
たなうけ
)
があつたんだけれど
其店請
(
そのたなうけ
)
が
何所
(
どつか
)
へ
逃亡
(
かけおち
)
をして
了
(
しま
)
つたので、今にもアノ
坊
(
ばう
)
さんに
目
(
め
)
を
瞑
(
ねむ
)
られると
係合
(
かゝりあひ
)
だと思つて誠に
案
(
あん
)
じて
居
(
ゐ
)
るのサ。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そんなら
別
(
べつ
)
に、一
時
(
とき
)
やそこいら
遅
(
おそ
)
くなったとて、
案
(
あん
)
ずることもなかろうじゃないか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
わたしは反復朗読するごとに
案
(
あん
)
を
拍
(
う
)
ってこの文こそ日本の文明滅びざるかぎり日本の言語に漢字の用あるかぎり千年の後といえども必ず日本文の模範となるべきものとなすのである。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今に
皈
(
かへ
)
り給はぬはもしやなだれにといひて
眉
(
まゆ
)
を
皺
(
しは
)
めければ、親子は心あたりときゝてたのみし事も
案
(
あん
)
にたがひて、顔見あはせ
泪
(
なみだ
)
さしぐむばかり也。
老夫
(
らうふ
)
はこれを見てそこ/\に立かへりぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
然
(
さ
)
なくば
此處
(
こゝ
)
で
自害
(
じがい
)
すると
半狂亂
(
はんきゃうらん
)
の
面持
(
おもゝち
)
、
是非
(
ぜひ
)
なく、
自得
(
じとく
)
の
法
(
はふ
)
により、
眠劑
(
ねむりぐすり
)
を
授
(
さづ
)
けましたところ、
案
(
あん
)
の
如
(
ごと
)
くに
效力
(
きゝめ
)
ありて、
死
(
し
)
せるにひとしき
其
(
その
)
容態
(
ようだい
)
、
手前
(
てまへ
)
其間
(
そのあひだ
)
に
書状
(
しょじゃう
)
して、
藥力
(
やくりき
)
の
盡
(
つく
)
るは
今宵
(
こよひ
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
すると美少年は
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
、わたしの懸念していた例の暴言癖を出した。
美少年
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
案
(
あん
)
じ
煩
(
わずら
)
う必要があるのだろう——天意が、力を貸してくれたというか、神仏が見そなわしたというか、いのちがけで抱いて来た復讐の大望は、彼が、こうしたいと思う以上に、
先方
(
むこう
)
から動いて来て
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
危岩
突兀
(
とつこつ
)
勢
将
(
まさ
)
に頭上に
落
(
お
)
ちんとす、進退
維
(
こ
)
れ
谷
(
たに
)
まり
敢
(
あへ
)
て良策を
案
(
あん
)
するものなく、一行叢中に
踞坐
(
こざ
)
して又一語なし、余等口を
開
(
ひら
)
きて曰く、
進
(
すす
)
むも
難
(
かた
)
く
退
(
しりぞ
)
くも亦
難
(
かた
)
し、難は一なり
寧
(
むし
)
ろ
進
(
すす
)
んで
苦
(
くるし
)
まんのみと
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
乾燥が出来ないために、折角
実
(
みの
)
ったものまで腐る始末だった。小作はわやわやと事務所に集って小作料割引の歎願をしたが無益だった。彼らは
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
燕麦
売揚
(
うりあげ
)
代金の中から厳密に小作料を控除された。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
後檣縱帆架
(
ガーフ
)
に
飜
(
ひるがへ
)
る
旗
(
はた
)
は、まだ
朦乎
(
ぼんやり
)
として、
何國
(
いづこ
)
の
軍艦
(
ぐんかん
)
とも
分
(
わか
)
らぬが、
今
(
いま
)
や、
團々
(
だん/\
)
たる
黒煙
(
こくゑん
)
を
吐
(
は
)
きつゝ、
波
(
なみ
)
を
蹴立
(
けた
)
てゝ
吾
(
わ
)
が
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
の
飛揚
(
ひやう
)
せる
方角
(
ほうがく
)
へ
進航
(
しんかう
)
して
來
(
く
)
るのであつた。
此時
(
このとき
)
私
(
わたくし
)
は
急
(
きふ
)
に
一策
(
いつさく
)
を
案
(
あん
)
じた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
食事がすむと、安江は男たちの去るのをまっていった。
雑居家族
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
果たして
案
(
あん
)
の通りであると、又次郎は思った。
鷲
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
富士男はころびながら友を
案
(
あん
)
じていった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
案
(
あん
)
のとおり、ドアは
苦
(
く
)
もなくひらいた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
案
(
あん
)
ずるよりは
産
(
う
)
むが
易
(
やす
)
いとはよく云ったものです。
寝惚
(
ねぼ
)
けた遠藤は、恐ろしい毒薬を飲み込んだことを少しも気附かないのでした。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
吉雄
(
よしお
)
は、うなずいて、
出
(
で
)
ていきました。やはり、二、三
日
(
にち
)
は、お
母
(
かあ
)
さんは、
子供
(
こども
)
のことを
案
(
あん
)
じて、
仕事
(
しごと
)
が
手
(
て
)
につきませんでした。
子供はばかでなかった
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私は私本太平記の中で、私の想像によるその人を書いてきたが、
案
(
あん
)
に
相違
(
そうい
)
したとは、ちっとも感じられなかった。初対面でもない気がした。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はあどうか
仕
(
し
)
あんしたんべか、お
内儀
(
かみ
)
さん」
勘次
(
かんじ
)
は
怪訝
(
けげん
)
な
容子
(
ようす
)
をして
且
(
かつ
)
辛
(
つら
)
い
厭
(
いや
)
なことでもいひ
出
(
だ
)
されるかと
案
(
あん
)
ずるやうに
怖
(
お
)
づ/\いつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
主人は
案
(
あん
)
の
上
(
じょう
)
、「御出かけで」と
挨拶
(
あいさつ
)
した。そうして
例
(
いつも
)
の通り下女を呼んで
下駄箱
(
げたばこ
)
にしまってある
履物
(
はきもの
)
を出させようとした。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
さ
)
まで
案
(
あん
)
ずる
事
(
こと
)
はあるまい。
交際
(
つきあひ
)
のありがちな
稼業
(
かげふ
)
の
事
(
こと
)
、
途中
(
とちう
)
で
友
(
とも
)
だちに
誘
(
さそ
)
はれて、
新宿
(
しんじゆく
)
あたりへぐれたのだ、と
然
(
さ
)
う
思
(
おも
)
へば
濟
(
す
)
むのであるから。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
投
(
なげ
)
空敷
(
むなしく
)
なりたりけり
案
(
あん
)
ずるに鬼女の如き
面體
(
めんてい
)
になりしを
恥
(
はぢ
)
て死にけるか
但
(
たゞし
)
亂心にや一人は
末
(
すゑ
)
に名を上一人は
末
(
すゑ
)
に名を
穢
(
けが
)
せりと世に
風聞
(
さた
)
せしとなん
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
は
急
(
いそ
)
いで
巌
(
いわ
)
から
降
(
お
)
りてそこへ
行
(
い
)
って
見
(
み
)
ると、
案
(
あん
)
に
違
(
たが
)
わず
巌山
(
いわやま
)
の
底
(
そこ
)
に八
畳
(
じょう
)
敷
(
じき
)
ほどの
洞窟
(
どうくつ
)
が
天然
(
てんねん
)
自然
(
しぜん
)
に
出来
(
でき
)
て
居
(
お
)
り、そして
其所
(
そこ
)
には
御神体
(
ごしんたい
)
をはじめ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
もうけし
心
(
こゝろ
)
お
前
(
まへ
)
さま
大切
(
たいせつ
)
なほどお
案
(
あん
)
じ申さずには
居
(
を
)
りませぬを
忌
(
いま
)
はしや
何
(
なに
)
ごとぞ
一生
(
いつしやう
)
一人
(
ひとり
)
で
世
(
よ
)
を
送
(
おく
)
るの
死
(
し
)
んで
思
(
おも
)
ひを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すると
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
、その
晩
(
ばん
)
夜中
(
よなか
)
近
(
ちか
)
くなって、
敵
(
てき
)
は
義朝
(
よしとも
)
と
清盛
(
きよもり
)
を
大将
(
たいしょう
)
にして、どんどん
夜討
(
よう
)
ちをしかけて
来
(
き
)
ました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お滝の言葉が改まる時は、そのあとに来るのはいつも金のことですからお松はヒヤリとすると、
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
えゝ
一席
(
いつせき
)
申上
(
まうしあ
)
げます、
明治
(
めいぢ
)
の
地獄
(
ぢごく
)
も新作と
申
(
まう
)
す
程
(
ほど
)
の事でもなく、
円朝
(
ゑんてう
)
が
先達
(
せんだつ
)
て
箱根
(
はこね
)
に
逗留中
(
とうりうちう
)
、
宗蓮寺
(
そうれんじ
)
で
地獄極楽
(
ぢごく/\らく
)
の
絵
(
ゑ
)
を見まして、それから
案
(
あん
)
じ
附
(
つ
)
きましたお
短
(
みじ
)
かい
落語
(
おとしばなし
)
でございますが
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すると
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
下からニッケル色の
弾丸
(
たま
)
がコロリと出て来た。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
万一なだれに
逢
(
あひ
)
はし給はざりしかと
案
(
あん
)
じつゝ
宿
(
やど
)
へかへりぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“案”の意味
《名詞》
考え。
原案。
予想。
(出典:Wiktionary)
案
常用漢字
小4
部首:⽊
10画
“案”を含む語句
案山子
案内
案内者
水先案内
思案
考案
山案内
案外
道案内
引込思案
飜案
几案
妙案
案内人
路案内
思案外史
案主
物案
案出
妥協案
...