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眞直
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まつすぐ
ふりがな文庫
“
眞直
(
まつすぐ
)” の例文
新字:
真直
然
(
しか
)
も
猶
(
なほ
)
これは
眞直
(
まつすぐ
)
に
眞四角
(
ましかく
)
に
切
(
きつ
)
たもので、およそ
恁
(
かゝ
)
る
角
(
かく
)
の
材木
(
ざいもく
)
を
得
(
え
)
ようといふには、
杣
(
そま
)
が八
人
(
にん
)
五日
(
いつか
)
あまりも
懸
(
かゝ
)
らねばならぬと
聞
(
き
)
く。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此時
(
このとき
)
家
(
いへ
)
の
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
いて、
大
(
おほ
)
きな
皿
(
さら
)
が
歩兵
(
ほへい
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
を
眞直
(
まつすぐ
)
に、それから
鼻
(
はな
)
の
尖
(
さき
)
を
掠
(
かす
)
つて、
背後
(
うしろ
)
にあつた一
本
(
ぽん
)
の
木
(
き
)
に
當
(
あた
)
つて
粉々
(
こな/″\
)
に
破
(
こわ
)
れました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
揃
(
そろ
)
へ與市に
違
(
ちが
)
ひなき由申ければ淡路守殿如何に勘兵衞其方儀
豫
(
かね
)
て
怪敷
(
あやしき
)
廉
(
かど
)
も
之
(
これ
)
有
(
ある
)
により
取調
(
とりしらべ
)
に及びし處海賊の與市に違ひなし
眞直
(
まつすぐ
)
に舊惡を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
再び
空虚
(
くうきよ
)
な沈默。時計が八時を打つた。その音に、我に歸つて、彼は、組合はせてゐた足を揃へ、
眞直
(
まつすぐ
)
に坐りなほすと、私の方を向いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
曲
(
まが
)
ると
先程
(
さきほど
)
の
糸屋
(
いとや
)
の
前
(
まへ
)
眞直
(
まつすぐ
)
に
行
(
ゆ
)
けば
大通
(
おほどほ
)
りへ
出
(
で
)
て
仕舞
(
しま
)
ひますたしか
裏通
(
うらどほ
)
りと
仰
(
おほ
)
せで
御座
(
ござ
)
いましたが
町名
(
ちやうめい
)
は
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
しますか
夫次第
(
それしだい
)
大抵
(
たいてい
)
は
分
(
わか
)
りませうと
問掛
(
とひか
)
けたり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
其内
(
そのうち
)
凝
(
じつ
)
としてゐる
身體
(
からだ
)
も、
膝頭
(
ひざがしら
)
から
痛
(
いた
)
み
始
(
はじ
)
めた。
眞直
(
まつすぐ
)
に
延
(
の
)
ばしてゐた
脊髓
(
せきずゐ
)
が
次第々々
(
しだい/\
)
に
前
(
まへ
)
の
方
(
はう
)
に
曲
(
まが
)
つて
來
(
き
)
た。
宗助
(
そうすけ
)
は
兩手
(
りやうて
)
で
左
(
ひだり
)
の
足
(
あし
)
の
甲
(
かふ
)
を
抱
(
かゝ
)
える
樣
(
やう
)
にして
下
(
した
)
へ
卸
(
おろ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其の
鈍色
(
にぶいろ
)
を破ツて、處々に
煤煙
(
はいえん
)
が
上騰
(
のぼ
)
ツてゐる。
眞直
(
まつすぐ
)
に
衝騰
(
つきのぼ
)
る勢が、何か壓力に支へられて、横にも
靡
(
なび
)
かず、ムツクラ/\、恰で
沸騰
(
ふつとう
)
でもするやうに、
濃黒
(
まつくろ
)
になツてゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
名越君と私はあちこち歩き𢌞つて其の全景をスクーリンに入れるべく苦心したが、どうも立木がはだかつてゐるし、さうでなくても瀑布が
眞直
(
まつすぐ
)
に連つてゐないので思ふ樣に撮れなかつた。
黒岩山を探る
(旧字旧仮名)
/
沼井鉄太郎
(著)
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だとも、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
が
大
(
え
)
かく
成
(
な
)
る
樣
(
やう
)
ぢや
其
(
その
)
肥料
(
こやし
)
は
桑
(
くは
)
も
吸
(
す
)
ふから、いや
桑
(
くは
)
の
根
(
ね
)
つ
子
(
こ
)
の
遠
(
とほ
)
くへ
踏
(
ふ
)
ん
出
(
だ
)
すんぢや
魂消
(
たまげ
)
たもんだから、
目
(
め
)
も
有
(
あ
)
りもしねえのに
肥料
(
こやし
)
の
方
(
はう
)
へ
眞直
(
まつすぐ
)
にずうつと
來
(
く
)
つかんな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
世界の中心に
眞直
(
まつすぐ
)
に
線
(
すぢ
)
をひいて外づれる事のないものを
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
道を問えば
眞直
(
まつすぐ
)
にとはいわないで
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
樹木のやうに
眞直
(
まつすぐ
)
立て
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
申立てしも今聞
通
(
とほ
)
りなり
眞直
(
まつすぐ
)
に申立よ此上
包
(
つゝ
)
み
祕
(
かく
)
すに於ては
急度
(
きつと
)
申付るぞと聞て善右衞門ヘイ
明白
(
めいはく
)
に申上ます私しは
然樣
(
さやう
)
なる者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
云
(
い
)
ひ
終
(
をは
)
るや
愛
(
あい
)
ちやんは、一
本
(
ぽん
)
の
木
(
き
)
に
戸
(
と
)
があつて、
其中
(
そのなか
)
へ
眞直
(
まつすぐ
)
に
這入
(
はい
)
れるのに
氣
(
き
)
がつきました。
愛
(
あい
)
ちやんは『これは
奇妙
(
きめう
)
だ!』と
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
彼の眼から火が
閃
(
ひらめ
)
いた。
眞直
(
まつすぐ
)
に突立つて、彼は腕を差しのべた。けれども私は彼の抱擁を避けて、直ぐに部屋を出てしまつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
と
呟
(
つぶや
)
いて
一
(
ひと
)
ツ
溜息
(
ためいき
)
する。……
橋詰
(
はしづめ
)
から
打向
(
うちむか
)
ふ
眞直
(
まつすぐ
)
な
前途
(
ゆくて
)
は、
土塀
(
どべい
)
の
續
(
つゞ
)
いた
場末
(
ばすゑ
)
の
屋敷町
(
やしきまち
)
で、
門
(
かど
)
の
軒
(
のき
)
もまばらだけれども、
其
(
それ
)
でも
兩側
(
りやうがは
)
は
家續
(
いへつゞ
)
き……
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なれど
此處
(
こゝ
)
を
折
(
を
)
れて
眞直
(
まつすぐ
)
に
行
(
ゆき
)
て
欲
(
ほ
)
しゝと
小路
(
こみち
)
に
入
(
い
)
りぬ、
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
ぞ
此路
(
このみち
)
は
突當
(
つきあた
)
り、
外
(
ほか
)
に
曲
(
まが
)
らん
路
(
みち
)
も
見
(
み
)
えねば、モシお
宅
(
たく
)
はどの
邊
(
へん
)
でと
覺束
(
おぼつか
)
なげに
問
(
とは
)
んとする
時
(
とき
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
格子
(
かうし
)
の
内
(
うち
)
は
三和土
(
たゝき
)
で、それが
眞直
(
まつすぐ
)
に
裏
(
うら
)
迄
(
まで
)
突
(
つ
)
き
拔
(
ぬ
)
けてゐるのだから、
這入
(
はい
)
つてすぐ
右手
(
みぎて
)
の
玄關
(
げんくわん
)
めいた
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
を
上
(
あが
)
らない
以上
(
いじやう
)
は、
暗
(
くら
)
いながら
一筋
(
ひとすぢ
)
に
奧
(
おく
)
の
方
(
はう
)
迄
(
まで
)
見
(
み
)
える
譯
(
わけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
尾張の國に
眞直
(
まつすぐ
)
に向かつている
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「
眞直
(
まつすぐ
)
にさ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
その背の高い子だ、その子に向うをむけと云つて下さい。最上級生全部に起立して
眞直
(
まつすぐ
)
に壁の方を向けと云つて下さい。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
越前守殿聞れてお菊に向はれ如何に菊其方は何故に
姑
(
しうとめ
)
を締殺したるや
眞直
(
まつすぐ
)
に申立よとありけるにお菊はしとやかに申樣
恐
(
おそれ
)
ながら申上奉つり候私事
姑女
(
しうとめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
最近
(
さいきん
)
は……
尤
(
もつと
)
も
震災前
(
しんさいぜん
)
だが……
土橋
(
どばし
)
のガード
下
(
した
)
を
護謨輪
(
ごむわ
)
で
颯
(
さつ
)
と
言
(
い
)
ふうちに、アツと
思
(
おも
)
ふと
私
(
わたし
)
はポンと
俥
(
くるま
)
の
外
(
そと
)
へ
眞直
(
まつすぐ
)
に
立
(
た
)
つて、
車夫
(
わかいしゆ
)
は
諸膝
(
もろひざ
)
で、のめつて
居
(
ゐ
)
た。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兎
(
うさぎ
)
の
穴
(
あな
)
は
暫
(
しばら
)
くの
間
(
あひだ
)
隧道
(
トンネル
)
のやうに
眞直
(
まつすぐ
)
に
通
(
つう
)
じて
居
(
ゐ
)
ました。
止
(
と
)
まらうと
思
(
おも
)
ふ
隙
(
ひま
)
もない
程
(
ほど
)
急
(
きふ
)
に、
愛
(
あい
)
ちやんは
非常
(
ひじよう
)
に
深
(
ふか
)
い
井戸
(
ゐど
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちて、びッしよりになりました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
彼
(
かれ
)
はまづ
眞直
(
まつすぐ
)
に
歩
(
あ
)
るき
出
(
だ
)
した。
左右
(
さいう
)
にも
行手
(
いくて
)
にも、
堂
(
だう
)
の
樣
(
やう
)
なものや、
院
(
ゐん
)
の
樣
(
やう
)
なものがちよい/\
見
(
み
)
えた。けれども
人
(
ひと
)
の
出入
(
でいり
)
は
一切
(
いつさい
)
なかつた。
悉
(
こと/″\
)
く
寂寞
(
せきばく
)
として
錆
(
さ
)
び
果
(
は
)
てゝゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
眞直
(
まつすぐ
)
にと
答
(
こた
)
へて
此處
(
こゝ
)
にも
車
(
くるま
)
を
止
(
と
)
めんとはせず
日本橋迄
(
にほんばしまで
)
行
(
ゆ
)
きたしといふに
何
(
なに
)
かは
知
(
し
)
らねど
詞
(
ことば
)
の
通
(
とほ
)
り、
河岸
(
かし
)
につきて
曲
(
まが
)
りてくれよ、とは
何方
(
いづかた
)
右
(
みぎ
)
か
左
(
ひだり
)
か、
左
(
ひだり
)
へいや
右
(
みぎ
)
の
方
(
かた
)
へと
又
(
また
)
一横町
(
ひとよこちやう
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
向
(
むか
)
つて
左
(
ひだり
)
の
端
(
はし
)
に
居
(
ゐ
)
た、
中
(
なか
)
でも
小柄
(
こがら
)
なのが
下
(
おろ
)
して
居
(
ゐ
)
る、
棹
(
さを
)
が
滿月
(
まんげつ
)
の
如
(
ごと
)
くに
撓
(
しな
)
つた、と
思
(
おも
)
ふと、
上
(
うへ
)
へ
絞
(
しぼ
)
つた
絲
(
いと
)
が
眞直
(
まつすぐ
)
に
伸
(
の
)
びて、するりと
水
(
みづ
)
の
空
(
そら
)
へ
掛
(
かゝ
)
つた
鯉
(
こひ
)
が——
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
始終
(
とほし
)
ごたごたして
埓
(
らち
)
は
御座
(
ござ
)
りませぬといふ、
妙
(
めう
)
な
事
(
こと
)
のと
思
(
おも
)
ひしが
掃除
(
さうぢ
)
のすみて
日暮
(
ひぐれ
)
れがたに
引移
(
ひきうつ
)
り
來
(
きた
)
りしは、
合乘
(
あひの
)
りの
幌
(
ほろ
)
かけ
車
(
ぐるま
)
に
姿
(
すがた
)
をつゝみて、
開
(
ひら
)
きたる
門
(
もん
)
を
眞直
(
まつすぐ
)
に
入
(
い
)
りて
玄關
(
げんくわん
)
におろしければ
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
そ
)
の
間近
(
まぢか
)
な
火
(
ひ
)
は
樹
(
き
)
に
隱
(
かく
)
れ、
棟
(
むね
)
に
伏
(
ふせ
)
つて、
却
(
かへ
)
つて、
斜
(
なゝめ
)
の
空
(
そら
)
はるかに、
一柱
(
いつちう
)
の
炎
(
ほのほ
)
が
火
(
ひ
)
を
捲
(
ま
)
いて
眞直
(
まつすぐ
)
に
立
(
た
)
つた。
續
(
つゞ
)
いて、
地軸
(
ちぢく
)
も
碎
(
くだ
)
くるかと
思
(
おも
)
ふ
凄
(
すさま
)
じい
爆音
(
ばくおん
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、
人通
(
ひとどほ
)
りは
少
(
すくな
)
し、
日向
(
ひなた
)
の
眞中
(
まんなか
)
を
憚
(
はゞか
)
る
處
(
ところ
)
もなく、
何
(
なに
)
しろ、
御院殿
(
ごゐんでん
)
の
方
(
はう
)
へ
眞直
(
まつすぐ
)
だ、とのん
氣
(
き
)
に
歩行
(
ある
)
き
出
(
だ
)
す。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「——そこを
眞直
(
まつすぐ
)
が
福島橋
(
ふくしまばし
)
で、そのさきが、お
不動樣
(
ふどうさま
)
ですよ、と
圓
(
ゑん
)
タクのがいひましたね。」
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
早
(
はや
)
いもので、
先
(
せん
)
に
彼處
(
あすこ
)
に
家
(
いへ
)
の
建續
(
たてつゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
事
(
こと
)
は
私
(
わたし
)
たちでも
最
(
も
)
う
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
る、
中六番町
(
なかろくばんちやう
)
の
通
(
とほ
)
り
市
(
いち
)
ヶ
谷
(
や
)
見附
(
みつけ
)
まで
眞直
(
まつすぐ
)
に
貫
(
つらぬ
)
いた
廣
(
ひろ
)
い
坂
(
さか
)
は、
昔
(
むかし
)
ながらの
帶坂
(
おびざか
)
と、
三年坂
(
さんねんざか
)
の
間
(
あひだ
)
にあつて
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
爾時
(
そのとき
)
は
船
(
ふね
)
から
陸
(
りく
)
へ
渡
(
わた
)
した
板
(
いた
)
が
眞直
(
まつすぐ
)
になる。これを
渡
(
わた
)
つて、
今朝
(
けさ
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
滿潮
(
まんてう
)
だつたから、
與吉
(
よきち
)
は
柳
(
やなぎ
)
の
中
(
なか
)
で
※
(
ぱつ
)
と
旭
(
あさひ
)
がさす、
黄金
(
こがね
)
のやうな
光線
(
くわうせん
)
に、
其
(
その
)
罪
(
つみ
)
のない
顏
(
かほ
)
を
照
(
て
)
らされて
仕事
(
しごと
)
に
出
(
で
)
た。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
旦
(
だん
)
は
洒亞々々
(
しやあ/\
)
としたもので、やつとこな、と
湯船
(
ゆぶね
)
を
跨
(
また
)
いで、ぐづ/\/\と
溶
(
と
)
けさうに
腰
(
こし
)
の
方
(
はう
)
から
崩
(
くづ
)
れ
込
(
こ
)
みつゝ
眞直
(
まつすぐ
)
に
小兒
(
こども
)
を
抱直
(
だきなほ
)
して、
片手
(
かたて
)
を
湯船
(
ゆぶね
)
の
縁越
(
へりご
)
しに、ソレ
豫
(
かね
)
て
恁
(
か
)
くあらんと
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
料理屋
(
れうりや
)
萬金
(
まんきん
)
の
前
(
まへ
)
を
左
(
ひだり
)
へ
折
(
を
)
れて
眞直
(
まつすぐ
)
に、
追分
(
おひわけ
)
を
右
(
みぎ
)
に
見
(
み
)
て、むかうへ
千駄木
(
せんだぎ
)
に
至
(
いた
)
る。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此路
(
このみち
)
を
眞直
(
まつすぐ
)
に
參
(
まゐ
)
りますと、
左樣
(
さやう
)
三河島
(
みかはしま
)
と、
路
(
みち
)
を
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
に
教
(
をし
)
へられて、おや/\と、
引返
(
ひきかへ
)
し、
白壁
(
しらかべ
)
の
見
(
み
)
ゆる
土藏
(
どざう
)
をあてに
他
(
た
)
の
畦
(
あぜ
)
を
突切
(
つツき
)
るに、ちよろ/\
水
(
みづ
)
のある
中
(
なか
)
に
紫
(
むらさき
)
の
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
いたる
草
(
くさ
)
あり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さて、どつち
道
(
みち
)
、
靜岡
(
しづをか
)
を
通
(
とほ
)
るには
間違
(
まちがひ
)
のない
汽車
(
きしや
)
だから、
人
(
ひと
)
に
教
(
をしへ
)
を
受
(
う
)
けないで
濟
(
す
)
ましたが、
米原
(
まいばら
)
で
𢌞
(
まは
)
るのか、
岡山
(
をかやま
)
へ
眞直
(
まつすぐ
)
か、
自分
(
じぶん
)
たちの
乘
(
の
)
つた
汽車
(
きしや
)
の
行方
(
ゆくへ
)
を
知
(
し
)
らない、
心細
(
こゝろぼそ
)
さと
言
(
い
)
つてはない。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
滅
(
ほろ
)
びるといつて、
敢
(
あへ
)
て
此
(
こ
)
の
部落
(
ぶらく
)
が
無
(
な
)
くなるといふ
意味
(
いみ
)
ではない、
衰
(
おとろ
)
へるといふ
意味
(
いみ
)
ではない、
人
(
ひと
)
と
家
(
いへ
)
とは
榮
(
さか
)
えるので、
進歩
(
しんぽ
)
するので、
繁昌
(
はんじやう
)
するので、やがて
其
(
その
)
電柱
(
でんちう
)
は
眞直
(
まつすぐ
)
になり、
鋼線
(
はりがね
)
は
張
(
はり
)
を
持
(
も
)
ち
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぐら/\と、しかし、
親仁
(
おやぢ
)
は
眞直
(
まつすぐ
)
に
乘込
(
のりこ
)
んだ。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眞
部首:⽬
10画
直
常用漢字
小2
部首:⽬
8画
“眞”で始まる語句
眞
眞實
眞中
眞面目
眞白
眞赤
眞黒
眞似
眞個
眞物