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用心
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ようじん
ふりがな文庫
“
用心
(
ようじん
)” の例文
「だが、からすはりこうな
鳥
(
とり
)
だから、
日
(
ひ
)
ごろ、こんなときの
用心
(
ようじん
)
をしているかもしれない。」と、おじいさんはおっしゃいました。
高い木とからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こういい
残
(
のこ
)
した
鬼
(
おに
)
の
言葉
(
ことば
)
を
綱
(
つな
)
は
忘
(
わす
)
れずにいました。それで
万一
(
まんいち
)
取
(
と
)
り
返
(
かえ
)
されない
用心
(
ようじん
)
に、
綱
(
つな
)
は
腕
(
うで
)
を
丈夫
(
じょうぶ
)
な
箱
(
はこ
)
の中に
入
(
い
)
れて、
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
成
(
な
)
りたけ
遠
(
とほ
)
く
離
(
はな
)
れて、
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
をお
通
(
とほ
)
んなさい。
何
(
なん
)
なら
豫
(
あらかじ
)
め
其
(
そ
)
の
用心
(
ようじん
)
で、
丁
(
ちやう
)
ど
恁
(
か
)
うして
人通
(
ひとゞほ
)
りはなし——
構
(
かま
)
はず
駈出
(
かけだ
)
したら
可
(
い
)
いでせう……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
實際
(
じつさい
)
思
(
おも
)
つたよりも
早
(
はや
)
く、それを
半分
(
はんぶん
)
飮
(
の
)
まない
中
(
うち
)
に
愛
(
あい
)
ちやんは
頭
(
あたま
)
が
天井
(
てんじやう
)
につかへたのを
知
(
し
)
り、
首
(
くび
)
の
折
(
を
)
れない
用心
(
ようじん
)
に
屈
(
かゞ
)
んで、
急
(
いそ
)
いで
壜
(
びん
)
を
下
(
した
)
に
置
(
お
)
き
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そして
用心
(
ようじん
)
ぶかく、ゲルダをしっかりいわえつけて、その上、くらのかわりに、ちいさなふとんまで、しいてやりました。
雪の女王:七つのお話でできているおとぎ物語
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
この小屋に住んでいた人たちは、立ちさるときに、
用心
(
ようじん
)
ぶかく、かまどのふたをし、
窓
(
まど
)
をしめ、戸に
錠
(
じょう
)
をおろしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
そう思うと自分はまったく
絶望
(
ぜつぼう
)
してしまった。——それでも自分は、ガラスのかけらで手を
切
(
き
)
らないように
用心
(
ようじん
)
しながら、そろそろとあたりをかき
探
(
さが
)
してみた。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
うす
氣味
(
きみ
)
わるやにたにたの
笑
(
わら
)
ひ
顏
(
がほ
)
、
坂本
(
さかもと
)
へ
出
(
いで
)
ては
用心
(
ようじん
)
し
給
(
たま
)
へ
千住
(
せんじゆ
)
がへりの
青物車
(
あをものぐるま
)
にお
足元
(
あしもと
)
あぶなし、三
島樣
(
しまさま
)
の
角
(
かど
)
までは
氣違
(
きちが
)
ひ
街道
(
かいだう
)
、
御顏
(
おんかほ
)
のしまり
何
(
いづ
)
れも
緩
(
ゆ
)
るみて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
されば
竹藪
(
たけやぶ
)
に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
めとか、
戸板
(
といた
)
を
敷
(
し
)
いて
避難
(
ひなん
)
せよとかいふ
注意
(
ちゆうい
)
は
餘
(
あま
)
りに
用心
(
ようじん
)
すぎるように
思
(
おも
)
はれる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
蓋原文は
言語
(
ことば
)
に近く訳文は
言語
(
ことば
)
に遠ければなり、又本多作左が旅中家に送りし文に曰く「一
筆
(
ぴつ
)
申
(
もう
)
す火の
用心
(
ようじん
)
、
阿仙
(
おせん
)
泣
(
なか
)
すな、
馬
(
うま
)
肥
(
こや
)
せ」と火を
警
(
いまし
)
むるは家を
護
(
まも
)
る第一
緊要的
(
きんようてき
)
の事
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
其次
(
そのつぎ
)
には
經濟
(
けいざい
)
を
心得
(
こゝろえ
)
る
人
(
ひと
)
は、
衞生
(
ゑいせい
)
に
注意
(
ちゆうい
)
する
人
(
ひと
)
は、
火
(
ひ
)
の
用心
(
ようじん
)
を
好
(
この
)
むものは、と三
行
(
ぎやう
)
に
並
(
なら
)
べて
置
(
お
)
いて
其後
(
そのあと
)
に
瓦斯竈
(
ガスがま
)
を
使
(
つか
)
へと
書
(
か
)
いて、
瓦斯竈
(
ガスがま
)
から
火
(
ひ
)
の
出
(
で
)
てゐる
畫
(
ゑ
)
迄
(
まで
)
添
(
そ
)
へてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
雨水
(
あまみず
)
がはいらないようにしたり、
日
(
ひ
)
よけも
作
(
つく
)
り、
猫
(
ねこ
)
の
用心
(
ようじん
)
で、
金網
(
かなあみ
)
もあつた
方
(
ほう
)
がいいつてこと、
注意
(
ちゅうい
)
しておいてやつたんですが、どうしました、あの
金魚
(
きんぎょ
)
は、まだ
元気
(
げんき
)
ですか
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
書物
(
しよもつ
)
はたくさん
讀
(
よ
)
まなくても、
耳食
(
じしよく
)
の
人
(
ひと
)
にならない
用心
(
ようじん
)
が
必要
(
ひつよう
)
です。
歌
(
うた
)
を
解釋
(
かいしやく
)
して
見
(
み
)
ると
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「いまも京町さんと話をして居たことです。ソフトカラーをしているお互いは、ネクタイで締められないように
用心
(
ようじん
)
が
肝要
(
かんよう
)
だとナ。ハッハッハッ」先生は
洞
(
うつろ
)
のような声を出して笑った。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
なほ
伐木
(
ばつぼく
)
についで
用心
(
ようじん
)
しなければならないのは
恐
(
おそ
)
ろしい
山火事
(
やまかじ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
用心
(
ようじん
)
したほうがいいぜ。おれのおばさんもね、ヘイスティングズでやはり
宿屋
(
やどや
)
をやっているがね。見なれぬ客がえらく大きなりっぱなかばんをさげてきたのをみて、すっかり信用してしまったのさ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
持ちたる故
隨分
(
ずゐぶん
)
用心
(
ようじん
)
はすれども
白晝
(
ひるひなか
)
の事なれば何心なく
歩行
(
あゆみ
)
來
(
きた
)
りし所
手拭
(
てぬぐひ
)
にて顏を
包
(
つゝ
)
みたる大の男三人
現
(
あら
)
はれ
出
(
いで
)
突然
(
ゆきなり
)
又七に
組付
(
くみつく
)
故
(
ゆゑ
)
又七は驚きながら
振放
(
ふりはな
)
さんと
爲
(
す
)
る所を一人の男
手
(
て
)
を
指込
(
さしこ
)
み
懷中
(
くわいちう
)
の金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
隨分
(
ずゐぶん
)
亂暴
(
らんばう
)
だから
用心
(
ようじん
)
せんと
頭
(
あたま
)
を
打觸
(
ぶつけ
)
ますよ。』
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「二
階
(
かい
)
に
寝
(
ね
)
ればねずみがさわぐ。
臼
(
うす
)
の
中
(
なか
)
はくもの
巣
(
す
)
だらけ。
釜
(
かま
)
の中は
温
(
あたた
)
かで、
用心
(
ようじん
)
がいちばんいい。そうだ、やっぱり
釜
(
かま
)
の中に
寝
(
ね
)
よう。」
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
あつい
大
(
おお
)
きなふくろを
見
(
み
)
つけると、よろこんでとんできました。
二人
(
ふたり
)
は、
黒
(
くろ
)
ねこのそばへ
用心
(
ようじん
)
ぶかくやってきました。
もののいえないもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まつたく、お
互
(
たがひ
)
が、
所帶
(
しよたい
)
を
持
(
も
)
つて、
女中
(
ぢよちう
)
の
此
(
これ
)
には
惱
(
なや
)
まされた、
火
(
ひ
)
の
用心
(
ようじん
)
が
惡
(
わる
)
いから、それだけはよしなよ。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
用心
(
ようじん
)
なさいよ、オヤユビさん!」と、白いはねのノロ公がさけびました。「ハヤテのやつが、きみを
食
(
く
)
いたがっているキツネをつれて、外にきているんですよ!」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
換
(
か
)
へて
誰
(
た
)
れと
知
(
し
)
らさぬ
用心
(
ようじん
)
は
昔
(
むかし
)
氣質
(
かたぎ
)
の
一
(
いつ
)
こくを
立通
(
たてとほ
)
さする
遠慮
(
ゑんりよ
)
心痛
(
しんつう
)
おいたはしや
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
御苦勞
(
ごくらう
)
ばかり
世
(
よ
)
が
世
(
よ
)
ならばお
嫁
(
よめ
)
さまなり
舅御
(
しうとご
)
なり
御孝行
(
ごかうかう
)
に
御遠慮
(
ごゑんりよ
)
は
入
(
い
)
らぬ
筈
(
はず
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これ
著者
(
ちよしや
)
がこの
項
(
ごろ
)
の
本文
(
ほんもん
)
に
於
(
おい
)
て、『
但
(
たゞ
)
し
火
(
ひ
)
の
元
(
もと
)
用心
(
ようじん
)
を
忘
(
わす
)
れざること』と
附
(
つ
)
け
加
(
くは
)
へた
所以
(
ゆえん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
近所
(
きんじょ
)
でもよく
知
(
し
)
つていることですが、
老人
(
ろうじん
)
はかなりへんくつな
人物
(
じんぶつ
)
です。ひどく
用心
(
ようじん
)
ぶかくて、
昼日中
(
ひるひなか
)
でも、
門
(
もん
)
の
内側
(
うちがわ
)
に
締
(
しま
)
りがしてあり、
門柱
(
もんちゅう
)
の
呼鈴
(
よびりん
)
を
押
(
お
)
さないと、
門
(
もん
)
をあけてくれません。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
もちろん、まだどろぼうが貨車の中にぐずついていようとは思わなかったけれど、
用心
(
ようじん
)
のために、そばにあった
信号旗
(
しんごうき
)
のまいたのを、右手に持ち、左手にランプを高くさし上げて、用心
深
(
ぶか
)
く
進
(
すす
)
んだ。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
だから
山登
(
やまのぼ
)
りをする
人
(
ひと
)
は
特
(
とく
)
に
火
(
ひ
)
の
用心
(
ようじん
)
をすることが
大事
(
だいじ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
踏
(
ふ
)
まれるから。それに
何
(
なに
)
より
第一
(
だいいち
)
に
猫
(
ねこ
)
を
用心
(
ようじん
)
するんだよ。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかし、
透明人間
(
とうめいにんげん
)
はどこまでも
用心
(
ようじん
)
ぶかかった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
なし兎も角も一ツ長屋に居れば我々まで
引合
(
ひきあひ
)
になるも知れず
日來
(
ひごろ
)
一口
(
ひとくち
)
づつ
呑合
(
のみあひ
)
し者は今さら仕方なし皆々恐れ
用心
(
ようじん
)
してぞ居たりける偖文右衞門久兵衞の兩人は
増々
(
ます/\
)
云募
(
いひつの
)
り
假令
(
たとへ
)
今
浪人
(
らうにん
)
しても大橋文右衞門ぞや他人の金などに目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
同
(
おな
)
じかくれるにしても、二
階
(
かい
)
の
方
(
ほう
)
が
用心
(
ようじん
)
がいい。」と
思
(
おも
)
って、
馬吉
(
うまきち
)
は二
階
(
かい
)
に
上
(
あ
)
がって、そっとすすだらけな
畳
(
たたみ
)
の上にごろりと
横
(
よこ
)
になりました。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ぼくは、おとなりの
正
(
しょう
)
ちゃんと
二人
(
ふたり
)
で、カチ、カチと、ひょうし
木
(
ぎ
)
をたたいて、
近所
(
きんじょ
)
を、
火
(
ひ
)
の
用心
(
ようじん
)
にまわりました。
風七題
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
黒人
(
くろんぼ
)
の
給仕
(
きふじ
)
に
導
(
みちび
)
かれて、
燈籠
(
とうろう
)
の
影
(
かげ
)
へ
顯
(
あらは
)
れたつけね——
主人
(
しゆじん
)
の
用
(
よう
)
に
商賣
(
あきなひ
)
ものを
運
(
はこ
)
ぶ
節
(
せつ
)
は、
盜賊
(
どろばう
)
の
用心
(
ようじん
)
に
屹
(
きつ
)
と
持
(
も
)
つ……
穗長
(
ほなが
)
の
槍
(
やり
)
をねえ、こんな
場所
(
ばしよ
)
へは
出
(
で
)
つけないから
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此處
(
こヽ
)
は
隣
(
とな
)
りざかひの
藪際
(
やぶぎは
)
にて、
用心
(
ようじん
)
の
爲
(
ため
)
にと
茅葺
(
かやぶき
)
の
設
(
まう
)
けに
住
(
す
)
まはする
庭男
(
にはをとこ
)
、
扨
(
さて
)
も
扨
(
さて
)
も
此曲物
(
このくせもの
)
とは。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
二、
非常
(
ひじよう
)
の
地震
(
ぢしん
)
たるを
覺
(
さと
)
るものは
自
(
みづか
)
ら
屋外
(
おくがい
)
に
避難
(
ひなん
)
せんと
力
(
つと
)
めるであらう。
數秒間
(
すうびようかん
)
に
廣場
(
ひろば
)
へ
出
(
で
)
られる
見込
(
みこ
)
みがあらば
機敏
(
きびん
)
に
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
すがよい。
但
(
たゞ
)
し
火
(
ひ
)
の
元
(
もと
)
用心
(
ようじん
)
を
忘
(
わす
)
れざること。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
被害者
(
ひがいしゃ
)
刈谷音吉老人
(
かりやおときちろうじん
)
は、もと
高利貸
(
こうりか
)
しでへんくつで、
昼日中
(
ひるひなか
)
でも
門
(
もん
)
に
締
(
しま
)
りをしていて、
呼
(
よび
)
りんを
押
(
お
)
さないと、
人
(
ひと
)
を
門内
(
もんない
)
へ
通
(
とお
)
さなかつたというほどに
用心
(
ようじん
)
ぶかく、それに
妻子
(
さいし
)
はなく
女中
(
じょちゅう
)
もおかず
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
詠
(
なが
)
め居たりしが
遙
(
はるか
)
向
(
むかう
)
に山一ツ見えけるにぞ吉兵衞は
水差
(
みづさし
)
に向ひ
彼
(
あの
)
高き山は
何國
(
いづく
)
の山なりや
畫
(
ゑ
)
に
描
(
かき
)
し駿河の
富士山
(
ふじさん
)
に
能
(
よく
)
も似たりと問ふ
水差
(
みづさし
)
答
(
こた
)
へて
那山
(
あのやま
)
こそ名高き四國の
新富士
(
しんふじ
)
なりと答ふる
折
(
をり
)
から
此
(
こ
)
は
抑何
(
そもいか
)
に此山の
絶頂
(
ぜつちやう
)
より
刷毛
(
はけ
)
にて引し如き
黒雲
(
くろくも
)
の出しに水差は
仰天
(
ぎやうてん
)
しすはや程なく
雨下
(
あまおろ
)
しの來るぞや早く
用心
(
ようじん
)
して帆を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ふと、きつねの
出
(
で
)
るうわさが、
頭
(
あたま
)
へ
浮
(
う
)
かんだので、おじいさんは、いっそう
用心
(
ようじん
)
しながら、
戸
(
と
)
の
方
(
ほう
)
へ
近
(
ちか
)
づきました。
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今夜
(
こんや
)
……
汝
(
こなた
)
が
逢
(
あ
)
ひに
行
(
い
)
く……
其
(
そ
)
の
婦
(
をんな
)
の
影
(
かげ
)
を
捉
(
と
)
らうと、
豫
(
かね
)
てつけ
狙
(
ねら
)
うて
居
(
を
)
るによつて、
嚴
(
きびし
)
い
用心
(
ようじん
)
、
深
(
ふか
)
い
謹愼
(
つゝしみ
)
をしますやう、
汝
(
こなた
)
を
通
(
つう
)
じて、
其
(
そ
)
の
心
(
こゝろ
)
づけがしたかつたのぢや。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「なるほど、さっきおかあさんが
枝
(
えだ
)
を
折
(
お
)
って
捨
(
す
)
てて
歩
(
ある
)
いたのは、わたしが
一人
(
ひとり
)
で
帰
(
かえ
)
るとき、
道
(
みち
)
に
迷
(
まよ
)
わないための
用心
(
ようじん
)
であったか。」と
今更
(
いまさら
)
おかあさんの
情
(
なさ
)
けがしみじみうれしく
思
(
おも
)
われました。
姨捨山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
奧
(
おく
)
さま
火
(
ひ
)
のもとの
用心
(
ようじん
)
をと
言
(
い
)
ひ
渡
(
わた
)
し、
誰
(
た
)
れも
彼
(
か
)
れも
寐
(
ね
)
よと
仰
(
おつ
)
しやつて、
同
(
おな
)
じう
寐間
(
ねま
)
へは
入給
(
いりたま
)
へど、
何故
(
なにゆゑ
)
となう
安
(
やす
)
からぬ
思
(
おも
)
ひのありて、
言
(
い
)
はねども
面持
(
おもゝち
)
の
唯
(
たゞ
)
ならぬを、
且那
(
だんな
)
さま
半睡
(
はんすい
)
の
目
(
め
)
に
御覽
(
ごらん
)
じて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「とにかく、いって
見
(
み
)
とどけよう。」と、
若者
(
わかもの
)
は
用心
(
ようじん
)
しながら、
一足
(
ひとあし
)
、
一足
(
ひとあし
)
、それへ
近
(
ちか
)
づいたのです。
羽衣物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
吹
(
ふ
)
きますよ。ご
用心
(
ようじん
)
。」「
心得
(
こゝろえ
)
た。」で、
耳
(
みゝ
)
へがつしりとはめた、シテ、ワキ
兩人
(
りやうにん
)
。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「これはなかなかえらい
神
(
かみ
)
だ。
用心
(
ようじん
)
をしなければならない。」
赤い玉
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「あなたは、
正直
(
しょうじき
)
ですから、ひとにだまされやすい。よく、よく、
用心
(
ようじん
)
しなければなりません。」
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其處
(
そこ
)
で
各自
(
めい/\
)
が、かの
親不知
(
おやしらず
)
、
子不知
(
こしらず
)
の
浪
(
なみ
)
を、
巖穴
(
いはあな
)
へ
逃
(
に
)
げる
状
(
さま
)
で、
衝
(
つ
)
と
入
(
はひ
)
つては
颯
(
さつ
)
と
出
(
で
)
つゝ、
勝手許
(
かつてもと
)
、
居室
(
ゐま
)
などの
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
して、
用心
(
ようじん
)
して、それに
第一
(
だいいち
)
たしなんだのは、
足袋
(
たび
)
と
穿
(
はき
)
もので、
驚破
(
すは
)
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あの
犬
(
いぬ
)
がいると
用心
(
ようじん
)
はいいけれど、
外
(
そと
)
を
通
(
とお
)
る、なんでもない
人
(
ひと
)
までが
迷惑
(
めいわく
)
しますね。」と、お
母
(
かあ
)
さんは、
娘
(
むすめ
)
が
正月
(
しょうがつ
)
に
着
(
き
)
る
赤
(
あか
)
い
色合
(
いろあ
)
いの
勝
(
か
)
った
衣物
(
きもの
)
を
縫
(
ぬ
)
いながら、おっしゃいました。
風雨の晩の小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜
(
よる
)
も
晝
(
ひる
)
も
附𢌞
(
つけまは
)
すぞ、それ、
影
(
かげ
)
が
薄
(
うす
)
いわ、
用心
(
ようじん
)
せい、とお
前樣
(
まへさま
)
。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どこからくまが
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
してくるかわからないので、
猟師
(
りょうし
)
は
用心
(
ようじん
)
の
上
(
うえ
)
にも
用心
(
ようじん
)
をして、ゆきますと、どこか、あちらのがけのあたりで、ものすごいうなり
声
(
ごえ
)
のようなものがきこえました。
猟師と薬屋の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
嫌
(
きら
)
はれぬ
用心
(
ようじん
)
さつせえ、と
御坊
(
ごばう
)
に
言托
(
ことづけ
)
を
頼
(
たの
)
まうかい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“用心”の意味
《名詞》
用心(ようじん)
万一のことに備え注意乃至警戒すること。
(出典:Wiktionary)
用
常用漢字
小2
部首:⽤
5画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“用心”で始まる語句
用心深
用心口
用心水
用心家
用心棒
用心濠
用心金
用心堅固
用心梯子