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峯
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みね
ふりがな文庫
“
峯
(
みね
)” の例文
これも言葉通り山のならび、つづいている
峯
(
みね
)
を言うので、山脈に当る言葉ではなかった。これは成程勘違いをしそうな言葉である。
詩語としての日本語
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
雲の
峯
(
みね
)
は、いろいろにすがたをかえた。妙義山となり、金剛山となった。それがたちまち、だるまさんとなり、大仏さんとなった。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
○
按
(
あんず
)
るに、蛾眉山は唐土の北に
在
(
あ
)
る
峻岳
(
じゆんがく
)
にて、富士にもくらぶべき高山なり。
絶頂
(
ぜつてう
)
の
峯
(
みね
)
双立
(
ならびたち
)
て八字をなすゆゑ、
蛾眉山
(
がびさん
)
といふなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
山
(
やま
)
を
崩
(
くづ
)
して、
其
(
そ
)
の
峯
(
みね
)
を
余
(
あま
)
した
状
(
さま
)
に、
昔
(
むかし
)
の
城趾
(
しろあと
)
の
天守
(
てんしゆ
)
だけ
残
(
のこ
)
つたのが、
翼
(
つばさ
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
鷲
(
わし
)
が
中空
(
なかぞら
)
に
翔
(
かけ
)
るか、と
雲
(
くも
)
を
破
(
やぶ
)
つて
胸毛
(
むなげ
)
が
白
(
しろ
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今日
(
けふ
)
の
如
(
ごと
)
く
浪路
(
なみぢ
)
穩
(
おだや
)
かに、
頓
(
やが
)
て
相
(
あひ
)
共
(
とも
)
に
※去
(
くわこ
)
の
平安
(
へいあん
)
を
祝
(
いは
)
ひつゝ
芙蓉
(
ふよう
)
の
峯
(
みね
)
を
仰
(
あふ
)
ぐ
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るやうにと
只管
(
ひたすら
)
天
(
てん
)
に
祈
(
いの
)
るの
他
(
ほか
)
はないのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
四五
峯
(
みね
)
の
温泉
(
ゆ
)
にや出で立ち給ふらん。かう
四六
すざましき
荒礒
(
ありそ
)
を何の見所ありて
四七
狩
(
か
)
りくらし給ふ。ここなんいにしへの人の
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「これが出来たので
鷹
(
たか
)
ヶ
峯
(
みね
)
と
鷲
(
わし
)
ヶ
峯
(
みね
)
とが続いてゐる所が見えなくなりました。茶席など造るより、あの辺の
雑木
(
ざふき
)
でも払へばよろしいにな。」
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
冬にはいった空は、目に痛いほど碧色に澄みあがり、雲のわたる遠い山なみのなかには早くも雪をかぶった
峯
(
みね
)
がながめられた。
蘭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
杏
(
あんず
)
やすももの白い花が
咲
(
さ
)
き、
次
(
つい
)
では
木立
(
こだち
)
も草地もまっ
青
(
さお
)
になり、もはや
玉髄
(
ぎょくずい
)
の雲の
峯
(
みね
)
が、四方の空を
繞
(
めぐ
)
る
頃
(
ころ
)
となりました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
御城の北一里にある
剣
(
つるぎ
)
が
峯
(
みね
)
の
天頂
(
てっぺん
)
まで登って、其所の
辻堂
(
つじどう
)
で
夜明
(
よあかし
)
をして、日の出を拝んで帰ってくる習慣であったそうだ。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
桜井から
多武
(
とう
)
の
峯
(
みね
)
への路を十数町行ってちょっと右へはいったところである。百済観音もまた近年は法隆寺へ帰って、
宝物殿
(
ほうもつでん
)
の王様になっている。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
まして、日の短い秋であるから、まだ三時というのに、もう
黄昏
(
たそがれ
)
のようだ。部落の名は、
広島県
(
ひろしまけん
)
比婆郡
(
ひばぐん
)
峯田村
(
みねたむら
)
字
(
あざ
)
峯
(
みね
)
。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
もういくら待つても
人通
(
ひとゞほ
)
りはない。
長吉
(
ちやうきち
)
は
詮方
(
せんかた
)
なく疲れた眼を
河
(
かは
)
の
方
(
はう
)
に移した。
河面
(
かはづら
)
は
先刻
(
さつき
)
よりも一体に
明
(
あかる
)
くなり
気味悪
(
きみわる
)
い雲の
峯
(
みね
)
は影もなく消えてゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
手に取つて見ると、
柄
(
え
)
に
籐
(
とう
)
を卷いた古い剃刀で、
峯
(
みね
)
が殆んどなくなるほど
磨
(
す
)
り
減
(
へ
)
らしてありますが、その代り使ひ込んだ品で、きれ味は非凡らしく見えます。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
よも
空
(
うつろ
)
なる世ではないであろう。この世を心の浄土と想い得ないであろうか。この地を天への扉といい得ないであろうか。低き
谿
(
たに
)
なくば高き
峯
(
みね
)
も失せるであろう。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
お
峯
(
みね
)
は
此出來事
(
このできごと
)
も
何
(
なん
)
として
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
るべき、
犯
(
おか
)
したる
罪
(
つみ
)
の
恐
(
おそ
)
ろしさに、
我
(
わ
)
れか、
人
(
ひと
)
か、
先刻
(
さつき
)
の
仕業
(
しわざ
)
はと
今更
(
いまさら
)
夢路
(
ゆめぢ
)
を
辿
(
たど
)
りて、おもへば
此事
(
このこと
)
あらはれずして
濟
(
す
)
むべきや
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
恰
(
あだか
)
も
相撲
(
すまふ
)
のとき、
土俵
(
どひよう
)
の
中央
(
ちゆうおう
)
からずる/\と
押
(
お
)
された
力士
(
りきし
)
が、
劍
(
つるぎ
)
の
峯
(
みね
)
に
蹈
(
ふ
)
み
耐
(
こら
)
へる
場合
(
ばあひ
)
のようである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
湯流山は氷のかけらが溶けかけているような形で、
峯
(
みね
)
には三つのなだらかな起伏があり西端は流れたようにゆるやかな傾斜をなしていた。百
米
(
メートル
)
くらいの高さであった。
ロマネスク
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
峯
(
みね
)
の
茶屋
(
ちゃや
)
の主人が助けて思い止まらせ、そうして臨時の切符係に採用したのだということであった。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
靈
(
れい
)
なる
哉
(
かな
)
この石、
天
(
てん
)
の
雨
(
あめ
)
降
(
ふら
)
んとするや、
白雲
(
はくうん
)
油然
(
ゆぜん
)
として
孔々
(
こう/\
)
より
湧出
(
わきい
)
で
溪
(
たに
)
を
越
(
こ
)
え
峯
(
みね
)
を
摩
(
ま
)
する其
趣
(
おもむき
)
は、
恰度
(
ちやうど
)
窓
(
まど
)
に
倚
(
よ
)
つて
遙
(
はる
)
かに
自然
(
しぜん
)
の
大景
(
たいけい
)
を
眺
(
なが
)
むると
少
(
すこし
)
も
異
(
ことな
)
らないのである。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
見上ぐれば、蝦夷松椴松
峯
(
みね
)
へ
峰
(
みね
)
へと
弥
(
いや
)
が上に立ち重なって、日の目も
漏
(
も
)
れぬ。此辺はもう
関
(
せき
)
牧場
(
ぼくじょう
)
の西端になっていて、
林
(
りん
)
は直ちに針葉樹の大官林につゞいて居るそうだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
博勞等
(
ばくらうら
)
ぞろ/\
繼
(
つなが
)
つて
來
(
く
)
んだから、
峯
(
みね
)
の
方
(
はう
)
でも
谷底
(
たにそこ
)
の
方
(
はう
)
でも一
度
(
ど
)
に
大變
(
たいへん
)
だあ、さうすつと
駒
(
こま
)
つ
子奴等
(
こめら
)
ひゝんなんてあばさけてぱか/\ぱか/\と
斯
(
か
)
う
運
(
はこ
)
びが
違
(
ちが
)
つて
來
(
く
)
らな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
崖の下は月輪川で、谷の
奥所
(
おくが
)
に
月輪関白
(
つきのわかんぱく
)
兼実
(
かねざね
)
の墓があるという。墓といえば、ついそこの眉にせまる
阿弥陀
(
あみだ
)
ヶ
峯
(
みね
)
の下あたりは墓や
御陵
(
ごりょう
)
だらけだった。鳥部野が近いのである。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
篠
(
しの
)
の細道
掻
(
か
)
き
分
(
わ
)
け行けば、虫のこえごえ面白や
合
降りそむる、やれ降りそむる、けさだにも
合
けさだにも
合
所は
跡
(
あと
)
もなかりけり
合
西は田の
畦
(
あぜ
)
あぶないさ、谷
峯
(
みね
)
しどろに越え行け
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
して立出
漸々
(
やう/\
)
其夜の
子刻過
(
ねのこくすぎ
)
長谷川町の我が家へ歸り養母并に實母のお
峯
(
みね
)
も此節在所より來り
逗留
(
とうりう
)
して居ける故右の樣子を
咄
(
はな
)
せしにぞ兩人も涙を流して
悲
(
かなし
)
みけるが
愁
(
うれ
)
ひの中にも城富の
孝心
(
かうしん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
直行は今年五十を一つ越えて、妻なるお
峯
(
みね
)
は四十六なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
梵天宮
(
ぼんてんきう
)
に
至
(
いた
)
り
給
(
たま
)
ひし
富士
(
ふじ
)
の
峯
(
みね
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
○
按
(
あんず
)
るに、蛾眉山は唐土の北に
在
(
あ
)
る
峻岳
(
じゆんがく
)
にて、富士にもくらぶべき高山なり。
絶頂
(
ぜつてう
)
の
峯
(
みね
)
双立
(
ならびたち
)
て八字をなすゆゑ、
蛾眉山
(
がびさん
)
といふなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
……
次第
(
しだい
)
に
近
(
ちか
)
く
此処
(
こゝ
)
に
迫
(
せま
)
る
山
(
やま
)
と
山
(
やま
)
、
峯
(
みね
)
と
峯
(
みね
)
との
中
(
なか
)
を
繋
(
つな
)
いで
蒼空
(
あをぞら
)
を
縫
(
ぬ
)
ふ
白
(
しろ
)
い
糸
(
いと
)
の、
遠
(
とほ
)
きは
雲
(
くも
)
、やがて
霞
(
かすみ
)
、
目前
(
まのあたり
)
なるは
陽炎
(
かげらふ
)
である。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それこそはたびたび聞いた
西蔵
(
チベット
)
の
魔除
(
まよ
)
けの
幡
(
はた
)
なのでした。ネネムは
逃
(
に
)
げ出しました。まっ黒なけわしい岩の
峯
(
みね
)
の上をどこまでもどこまでも逃げました。
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
上野
(
かんづけ
)
の国
五八
迦葉山
(
かせうざん
)
、
下野
(
しもづけ
)
の国
五九
二荒
(
ふたら
)
山、山城の
六〇
醍醐
(
だいご
)
の
峯
(
みね
)
、河内の
六一
杵長
(
しなが
)
山、
就中
(
なかんづく
)
此の山にすむ事、大師の
六二
詩偈
(
しげ
)
ありて世の人よくしれり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
無論
(
むろん
)
、
妻
(
つま
)
は
大佐
(
たいさ
)
の
病氣
(
びやうき
)
次第
(
しだい
)
で
早
(
はや
)
かれ
遲
(
おそ
)
かれ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
ますが、
兒
(
こ
)
は
永
(
なが
)
く/\——
日本帝國
(
につぽんていこく
)
の
天晴
(
あつぱ
)
れ
軍人
(
ぐんじん
)
として
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
つまでは、
芙蓉
(
ふよう
)
の
峯
(
みね
)
の
麓
(
ふもと
)
を
去
(
さ
)
らせぬ
積
(
つもり
)
です。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
店の内外はゴッタ返す騒ぎ、それをかきわけて入ると、奥は思いの外
森
(
しん
)
として、主人七兵衛の死体には、若い女房のお
峯
(
みね
)
と奉公人の
釜吉
(
かまきち
)
が付いているだけ——。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
峯
(
みね
)
は三
之
(
の
)
助
(
すけ
)
を
抱
(
だ
)
きしめて、さてもさても
世間
(
せけん
)
に
無類
(
むるい
)
の
孝行
(
かう/\
)
、
大
(
おほ
)
がらとても
八歳
(
やつ
)
は
八歳
(
やつ
)
、
天秤
(
てんびん
)
肩
(
かた
)
にして
痛
(
いた
)
みはせぬか、
足
(
あし
)
に
草鞋
(
わらじ
)
くひは
出來
(
でき
)
ぬかや、
堪忍
(
かんにん
)
して
下
(
くだ
)
され
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
例の
奇癖
(
きへき
)
は
斯
(
かう
)
いふ
場合
(
ばあひ
)
にも
直
(
す
)
ぐ
現
(
あら
)
はれ、若しや
珍石
(
ちんせき
)
ではあるまいかと、
抱
(
だ
)
きかゝへて
陸
(
をか
)
に
上
(
あ
)
げて見ると、
果
(
はた
)
して! 四
面
(
めん
)
玲瓏
(
れいろう
)
、
峯
(
みね
)
秀
(
ひい
)
で
溪
(
たに
)
幽
(
かすか
)
に、
亦
(
また
)
と類なき
奇石
(
きせき
)
であつたので
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ただその告白が雲の
峯
(
みね
)
のようであった。私の頭の上に正体の知れない恐ろしいものを
蔽
(
おお
)
い
被
(
かぶ
)
せた。そうしてなぜそれが恐ろしいか私にも
解
(
わか
)
らなかった。告白はぼうとしていた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
多武
(
とう
)
の
峯
(
みね
)
の陰欝な姿を右にながめながら、やがて汽車は方向を変えて、
三輪山
(
みわやま
)
の
麓
(
ふもと
)
へ近づいて行く。古代神話に重大な役目をつとめているこの三輪山はまた特に大和の山らしい。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
霧島火山群
(
きりしまかざんぐん
)
は
東西
(
とうざい
)
五里
(
ごり
)
に
亙
(
わた
)
り
二
(
ふた
)
つの
活火口
(
かつかこう
)
と
多
(
おほ
)
くの
死火山
(
しかざん
)
とを
有
(
ゆう
)
してゐる。その
二
(
ふた
)
つの
活火口
(
かつかこう
)
とは
矛
(
ほこ
)
の
峯
(
みね
)
(
高
(
たか
)
さ
千七百米
(
せんしちひやくめーとる
)
)の
西腹
(
せいふく
)
にある
御鉢
(
おはち
)
と、その
一里
(
いちり
)
ほど
西
(
にし
)
にある
新燃鉢
(
しんもえばち
)
とである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
わたしは現に時とすると、
攀
(
よ
)
じ難い
峯
(
みね
)
の頂を窮め、越え難い海の
浪
(
なみ
)
を渡り——云わば不可能を可能にする夢を見ることがございます。そう云う夢を見ている時程、空恐しいことはございません。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
峯
(
みね
)
が三つ。まんなかの円い峯は、高さが三四丈もあるであろうか。
猿ヶ島
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
雲
(
くも
)
の
峯
(
みね
)
湧
(
わ
)
く
夏
(
なつ
)
の
日
(
ひ
)
に
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
ぞ
籠
(
こめ
)
たりける此所は名に
負
(
おふ
)
周智郡
(
すちごほり
)
大日山の
續
(
つゞ
)
き秋葉山の
絶頂
(
ぜつちやう
)
なれば
大樹
(
だいじゆ
)
高木
(
かうぼく
)
生茂
(
おひしげ
)
り晝さへ
暗
(
くら
)
き
木下闇
(
このしたやみ
)
夜は猶さらに月
暗
(
くら
)
く
森々
(
しん/\
)
として
更行
(
ふけゆく
)
樣に如何にも
天魔
(
てんま
)
邪神
(
じやしん
)
の
棲巣
(
すみか
)
とも云べき
峯
(
みね
)
には
猿猴
(
ましら
)
の木傳ふ聲谷には流水
滔々
(
たう/\
)
と
而
(
して
)
木魂
(
こだま
)
に
響
(
ひゞき
)
遠寺
(
ゑんじ
)
の
鐘
(
かね
)
も
最
(
いと
)
物
凄
(
すご
)
く遙に聞ば
野路
(
のぢ
)
の
狼
(
おほかみ
)
吼
(
ほえ
)
て青嵐
颯々
(
さつ/\
)
と
梢
(
こずゑ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
なだれは
敢
(
あへ
)
て山にもかぎらず、
形状
(
かたち
)
峯
(
みね
)
をなしたる処は時としてなだるゝ事あり。文化のはじめ
思川村
(
おもひがはむら
)
天昌寺
(
てんしやうじ
)
の
住職
(
じゆうしよく
)
執中和尚
(
しつちゆうをせう
)
は
牧之
(
ぼくし
)
が
伯父
(
をぢ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
『
奥様
(
おくさま
)
』と
呼
(
よ
)
ぶのが
峯
(
みね
)
から
伝
(
つた
)
はる。
谺
(
こだま
)
を
返
(
かへ
)
して
谷
(
たに
)
へカーンと
響
(
ひゞ
)
く、——
雲
(
くも
)
が
白
(
しろ
)
く、
山
(
やま
)
が
青
(
あを
)
く、
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いて
水
(
みづ
)
が
流
(
なが
)
れる。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
上を見ると、まるで小さな円い空が見えるだけ、かがやく雲の
峯
(
みね
)
は
一寸
(
ちょっと
)
のぞいて居りますが、蛙たちはもういくらもがいてもとりつくものもありませんでした。
蛙のゴム靴
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
時に
峯
(
みね
)
谷
(
たに
)
ゆすり動きて、風
叢林
(
はやし
)
を
僵
(
たふ
)
すがごとく、
沙石
(
まさご
)
を
空
(
そら
)
に
巻上
(
まきあ
)
ぐる。見る見る
一二七
一段の
陰火
(
いんくわ
)
、君が
膝
(
ひざ
)
の
下
(
もと
)
より
燃上
(
もえあが
)
りて、山も谷も昼のごとくあきらかなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
上州の平野で育てられた雲の
峯
(
みね
)
が、氣流の關係で大部分は江戸の眞上に流れ、此處で空中放電の大亂舞となつて、三日に一度は夏の江戸つ子の
膽
(
きも
)
を冷やさしたのです。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
我
(
わ
)
れのみ
一人
(
ひとり
)
あし
曳
(
びき
)
の
山
(
やま
)
の
甲斐
(
かひ
)
に
峯
(
みね
)
のしら
雲
(
くも
)
あとを
消
(
け
)
すこと
左
(
さ
)
りとは
是非
(
ぜひ
)
もなけれど、
今歳
(
ことし
)
この
度
(
たび
)
みやこを
離
(
はな
)
れて八
王子
(
わうじ
)
に
足
(
あし
)
をむける
事
(
こと
)
これまでに
覺
(
おぼ
)
えなき
愁
(
つ
)
らさなり。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
若
(
も
)
し
不時
(
ふじ
)
の
天變
(
てんぺん
)
が無ければ、
今
(
いま
)
より
二年
(
にねん
)
九
(
く
)
ヶ
月目
(
げつめ
)
、
即
(
すなは
)
ち
之
(
これ
)
から
三度目
(
さんどめ
)
の
記元節
(
きげんせつ
)
を
迎
(
むか
)
ふる
頃
(
ころ
)
には、
試運轉式
(
しうんてんしき
)
を
擧行
(
きよかう
)
し、
引續
(
ひきつゞ
)
いて
本島
(
ほんとう
)
を
出發
(
しゆつぱつ
)
して、
懷
(
なつ
)
かしき
芙蓉
(
ふえう
)
の
峯
(
みね
)
を
望
(
のぞ
)
む
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ませう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
奈良と郡山の間の佐保川の流域(昔の都)を幾分下に見渡せる小高い畑地である。遠く南の方には三輪山、
多武
(
とう
)
の
峯
(
みね
)
、吉野連山から金剛山へと続き、薄い
霞
(
かすみ
)
のなかに
畝傍山
(
うねびやま
)
・
香久山
(
かぐやま
)
も浮いて見える。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
峯
漢検準1級
部首:⼭
10画
“峯”を含む語句
金峯山
吐月峯
早池峯
三峯
金峯
鷲峯山
高峯
白峯
峯々
八峯
槵触峯
一峯
喜望峯
峯巒
早池峯山
勝峯晉風
蘇峯
三峯山
連峯
白峯寺縁起
...