トップ
>
其
>
そ
ふりがな文庫
“
其
(
そ
)” の例文
此
(
こ
)
の一
歩
(
ぶ
)
に
身
(
み
)
のかはを
剥
(
は
)
がれたために
可惜
(
をし
)
や、お
春
(
はる
)
と
云
(
い
)
ふ
其
(
そ
)
の
娘
(
むすめ
)
は
繼母
(
まゝはゝ
)
のために
手酷
(
てひど
)
き
折檻
(
せつかん
)
を
受
(
う
)
けて、
身投
(
みな
)
げをしたが、
其
(
それ
)
も
後
(
のち
)
の
事
(
こと
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
片手を岸なる松柳にかけたるもの、足を
団石
(
だんせき
)
の上に進め、
猿臂
(
えんぴ
)
を伸ばせる者、
蹲踞
(
そんきょ
)
して煙草を吹く者、全く釣堀の光景
其
(
そ
)
のまゝなり。
東京市騒擾中の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
父がここへ来たのは
丁度
(
ちょうど
)
幸いである。市郎は
彼
(
か
)
の𤢖に
就
(
つい
)
て父の意見を
訊
(
ただ
)
すべく待ち構えていた。が、父の話は
其
(
そ
)
んな問題で無かった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其
(
そ
)
の人の作った戯曲の面白さが分らないとすれば、
罪
(
つみ
)
は自分の方にある。残念ながら、自分は藝術の
殿堂
(
でんどう
)
を
窺
(
うかゞ
)
う資格がないのである。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼
(
かれ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
過
(
す
)
ぎ
行
(
ゆ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は八
時
(
じ
)
に
起
(
お
)
き、
服
(
ふく
)
を
着換
(
きか
)
へて
茶
(
ちや
)
を
呑
(
の
)
み、
其
(
そ
)
れから
書齋
(
しよさい
)
に
入
(
はひ
)
るか、
或
(
あるひ
)
は
病院
(
びやうゐん
)
に
行
(
ゆ
)
くかである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
は
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
に
懸
(
か
)
けた
大根
(
だいこ
)
の
動
(
うご
)
かぬ
程
(
ほど
)
穩
(
おだや
)
かな
日
(
ひ
)
であつた。お
品
(
しな
)
は
此
(
こ
)
の
分
(
ぶん
)
で
行
(
ゆ
)
けば
一枚紙
(
いちまいがみ
)
を
剥
(
は
)
がすやうに
快
(
こゝろ
)
よくなることゝ
確信
(
かくしん
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
乃
(
すなわ
)
ち
曹国公
(
そうこくこう
)
李景隆
(
りけいりゅう
)
に命じ、兵を調して
猝
(
にわか
)
に河南に至り、周王
橚
(
しゅく
)
及び
其
(
そ
)
の
世子
(
せいし
)
妃嬪
(
ひひん
)
を
執
(
とら
)
え、爵を削りて
庶人
(
しょじん
)
となし、
之
(
これ
)
を
雲南
(
うんなん
)
に
遷
(
うつ
)
しぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
平生
(
へいぜい
)
私の処に
能
(
よ
)
く来るお
婆
(
ばば
)
さんがあって、私の母より少し年長のお婆さんで、お
八重
(
やえ
)
さんと云う人。今でも
其
(
そ
)
の人の
面
(
かお
)
を覚えて居る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
Tolède Andalousie
(
トレド アンダルジイ
)
の国々よ。燃上る
其
(
そ
)
の声もなき狂熱を、君いづこよりか
齎
(
もたら
)
せし。おそろしき
痴情
(
ちじょう
)
の狂ひかな。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
帽子屋
(
ばうしや
)
はこれを
聞
(
き
)
いて
著
(
いちじる
)
しく
其
(
そ
)
の
眼
(
め
)
を
瞪
(
みは
)
りました、が、
云
(
い
)
つたことは、『
何故
(
なぜ
)
嘴太鴉
(
はしぶとがらす
)
が
手習机
(
てならひづくゑ
)
に
似
(
に
)
てるか?』と、
只
(
たゞ
)
これだけでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
先生にお
叱
(
こごと
)
を
受
(
うけ
)
ましたの——其れから学校を卒業する、貴女は
菅原様
(
すがはらさん
)
へ
嫁
(
いら
)
つしやる、他の
人々
(
かたがた
)
も
其
(
そ
)
れ
其
(
ぞ
)
れ方向をお
定
(
さだめ
)
になるのを見て
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
若
(
も
)
しも読者にして、ゆっくり
味読
(
みどく
)
さるるならば、
其
(
そ
)
の分量の少なきを憂えず、得るところ
寧
(
むし
)
ろ
甚
(
はなは
)
だ多かるべきを信ずるものである。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
読みて
大尉
(
たいゐ
)
の
壮行
(
さうかう
)
と
予
(
われ
)
も
共
(
とも
)
にするの感あり、
其
(
そ
)
は
此日
(
このひ
)
より
後
(
のち
)
の
事
(
こと
)
にして、
予
(
よ
)
は
此日
(
このひ
)
只一人
(
たゞひとり
)
嬉
(
うれ
)
しくて、ボンヤリとなり、社員にも
辞
(
じ
)
せず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
從
(
したが
)
つて
私
(
わたし
)
は、
其
(
そ
)
の
以前
(
いぜん
)
に
同郷的愛着
(
どうきやうてきあいちやく
)
、
同藩的偏見
(
どうはんてきへんけん
)
を
失
(
うしな
)
つたと
同
(
おな
)
じやうに、
今
(
いま
)
は
次第
(
しだい
)
に
國民的愛着
(
こくみんてきあいちやく
)
、
國家的偏見
(
こくかてきへんけん
)
を
失
(
うしな
)
つたのであつた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
未
(
いま
)
だ
必
(
かなら
)
ずしも
(六四)
其身
(
そのみ
)
之
(
これ
)
を
泄
(
もら
)
さざるも、
而
(
しか
)
も((説者ノ))
語
(
ご
)
((適〻))
其
(
そ
)
の
匿
(
かく
)
す
所
(
ところ
)
の
事
(
こと
)
に
及
(
およ
)
ばんに、
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
者
(
もの
)
は
身
(
み
)
危
(
あやふ
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
この国研は(国立科学研究所を国研と略称することも、
其
(
そ
)
の日知ったのである)東京の
北郊
(
ほくこう
)
飛鳥山
(
あすかやま
)
の地続きにある
閑静
(
かんせい
)
な研究所で
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それで
其
(
そ
)
の一
町
(
ちやう
)
四
方
(
はう
)
は
晝間
(
ひるま
)
も
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めたといふほど、ひどい
臭氣
(
しうき
)
が、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
の
腐
(
くさ
)
つた
人間
(
にんげん
)
の
心
(
こゝろ
)
のやうに、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
朕ハ我カ臣民ノ権利及財産ノ安全ヲ
貴重
(
きちょう
)
シ及之ヲ保護シ此ノ憲法及法律ノ範囲内ニ
於
(
おい
)
テ
其
(
そ
)
ノ
享有
(
きょうゆう
)
ヲ完全ナラシムヘキコトヲ宣言ス
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
初めて
其
(
そ
)
の
耦
(
ぐう
)
を
喪
(
うしの
)
うて
鰥居無聊
(
かんきょむりょう
)
、
復
(
また
)
出
(
い
)
でて遊ばず、
但
(
ただ
)
門に
倚
(
よ
)
つて
佇立
(
ちょりつ
)
するのみ。十五
夜
(
や
)
三
更
(
こう
)
尽きて
遊人
(
ゆうじん
)
漸
(
ようや
)
く
稀
(
まれ
)
なり。
丫鬟
(
あかん
)
を見る。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ところが
其
(
そ
)
の
井戸
(
ゐど
)
の
中
(
なか
)
へ
嫁
(
よめ
)
が身を投げて死んだり、二代目と三代目の主人が
気違
(
きちが
)
ひになつたりしたのが、
其家
(
そのいへ
)
の
潰
(
つぶ
)
れる初まりといふので
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
卓子
(
テーブル
)
の
側
(
そば
)
が
僅
(
わづか
)
に
少
(
すこ
)
しばかり
明
(
あか
)
るいだけで、
其
(
そ
)
の
外
(
ほか
)
は
電灯
(
でんとう
)
一
(
ひと
)
つ
点
(
つ
)
けず、
真黒闇
(
まつくらやみ
)
のまゝで
何処
(
どこ
)
を
何方
(
どちら
)
に行つて
宜
(
い
)
いかさツぱり
分
(
わか
)
らぬ。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
男は、かの女が
其
(
そ
)
の時の真面目くさって自分の名を訊いた顔を忘れないと
方々
(
ほうぼう
)
で話したそうだ。だが、それも、五六年前だった。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
其
(
そ
)
の翌日から丸田は工場へ出た。調子の悪い機械が急に何かの工合で廻転し出したやうに彼は働いた。
厭
(
いや
)
な動揺の危機は通り過ぎたのだ。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
動物性毒に関する迷信も
甚
(
はなは
)
だ数多いが、
就中
(
なかんづく
)
毒蛇に関しては古来色々の伝説が行はれて居るから
茲
(
こゝ
)
に
其
(
そ
)
れを説いて見ようと思ふ。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
討
(
うた
)
で置くべきやと一心を
込
(
こめ
)
て君太夫に
對
(
むか
)
ひ
其許樣
(
そのもとさま
)
には常々吉原へ
入込
(
いりこみ
)
給へば私しの身を遊女に
成
(
なさ
)
れ
其
(
そ
)
の
身
(
み
)
の
代金
(
しろきん
)
にて母の身の上を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「残念なことをした。
其
(
そ
)
の山伏をよんで来たなら、民部大輔の、今言つた其の
嘘
(
うそ
)
を、もつと、小くしてやるやうに、祈らせる筈だつたが。」
岩を小くする
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
かう
暴
(
あば
)
れて
居
(
ゐ
)
るうちにも
自分
(
じぶん
)
は、
彼奴
(
きやつ
)
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にチヨーク
畫
(
ぐわ
)
を
習
(
なら
)
つたらう、
何人
(
だれ
)
が
彼奴
(
きやつ
)
に
教
(
をし
)
へたらうと
其
(
そ
)
ればかり
思
(
おも
)
ひ
續
(
つゞ
)
けた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
山田
(
やまだ
)
は
元来
(
ぐわんらい
)
閉戸主義
(
へいこしゆぎ
)
であつたから、
其
(
そ
)
の
躯
(
からだ
)
が
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふ
雑務
(
ざつむ
)
に
鞅掌
(
わうしやう
)
するのを
許
(
ゆる
)
さぬので、
自
(
おのづ
)
から
遠
(
とほざ
)
かるやうに
成
(
な
)
つたのであります
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
今でもパラオ
本島
(
ほんとう
)
、殊にオギワルからガラルドへ掛けての島民で、ギラ・コシサンと
其
(
そ
)
の妻エビルの話を知らない者は無い。
南島譚:02 夫婦
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
まづ
書物
(
しよもつ
)
で
言
(
い
)
へば一
度
(
ど
)
教
(
をし
)
へた
處
(
ところ
)
は二
度
(
ど
)
教
(
をし
)
へない、
能
(
よ
)
く
熟讀
(
じゆくどく
)
させて
見
(
み
)
て、どうしても
解
(
わか
)
らなかつたならば、
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
は
教
(
をし
)
へやう。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
途
(
みち
)
に一騎の驕将を
懲
(
こ
)
らすといふ一段を五行或は四行の大字にものしぬるに
字行
(
じのかたち
)
もシドロモドロにて
且
(
かつ
)
墨の
続
(
つ
)
かぬ処ありて読み難しと云へば
其
(
そ
)
を
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
私
(
わたくし
)
は
其
(
そ
)
の
後
(
ご
)
幾度
(
いくたび
)
も
竜宮界
(
りゅうぐうかい
)
に
参
(
まい
)
り、そして
幾度
(
いくたび
)
も
御両方
(
おふたかた
)
にお
目
(
め
)
にかかって
居
(
お
)
りますので、
幾分
(
いくぶん
)
その
辺
(
へん
)
の
事情
(
じじょう
)
には
通
(
つう
)
じて
居
(
い
)
るつもりでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其
(
そ
)
の
中
(
うち
)
にどうと家中を揺がせる地響を打って、一方が投げ出される音が聞えた、それに続いて転がり合いながら、格闘する凄じい音が続いた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
卿
(
いまし
)
が
道
(
い
)
ふ所の如くば、
其
(
そ
)
の勝たむこと必ず
然
(
しか
)
らむ。
但
(
た
)
だ
吾
(
わ
)
が
情
(
こころ
)
に
冀
(
ねが
)
ふは、十年百姓を
役
(
つか
)
はず、一身の故を以て、
豈
(
あ
)
に
万民
(
おほむたから
)
を
煩
(
わづら
)
はし
労
(
いたは
)
らしめむや。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
即
(
すなわ
)
ち「石狩国札幌郡
空知郡
(
そらちぐん
)
ノ内——
但
(
ただ
)
シ、地所ノ儀ハ石狩府ニテ差図ニ及ブベキコト——右
其
(
そ
)
ノ方支配仰セツケラレ候事」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
心に泛ぶこともないので、明日からは
断々乎
(
だんだんこ
)
として訪問を
止
(
よ
)
そうと、私は
頻
(
しき
)
りに
其
(
そ
)
の
愉
(
たの
)
しさを思いはじめるのであった。
母
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
其
(
そ
)
の
後
(
ご
)
も
低落
(
ていらく
)
して十二
月
(
ぐわつ
)
末
(
すゑ
)
には百六十二・九九となり六
月
(
ぐわつ
)
に
比
(
くら
)
べて十三・三二
即
(
すなは
)
ち七
分
(
ぶ
)
五
厘
(
りん
)
餘
(
よ
)
の
下落
(
げらく
)
となつたのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
是等の者を
外
(
よそ
)
にしても、元禄文学が大に
我邦
(
わがくに
)
文学に罪を造りたる者あり、
其
(
そ
)
を
如何
(
いか
)
にと言ふに、恋愛を其自然なる地位より退けたる事、即ち是なり。
「伽羅枕」及び「新葉末集」
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
そして労苦に使いへらされて、
一旦
(
いったん
)
不景気が——あの悲しい不景気——来れば、
其
(
そ
)
の報いとして餓死する。これが果して諸君の一生の
憧憬
(
どうけい
)
であろうか
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
まさやけき
言立
(
ことだて
)
か
彼
(
か
)
は、ゆるすべき
邪
(
よこしま
)
か
其
(
そ
)
は、
己
(
おの
)
が子のためとは言はじ、すべて世の子らをあはれと、胸張り裂くる。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
私にあなたがしてお置きになる遺言と云ふものも、私のします
其
(
そ
)
れも、権威のあるものでないことは一緒だらうと思ひます。ですからこれは覚書です。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
又わざ/\
其
(
そ
)
の為めに出かけでもしない限り、ダンス場なるものに近づけないと思つて、直ぐ
従
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
く事にした。
私の社交ダンス
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
福
(
ふく
)
やいそいでお
医者様
(
いしやさま
)
へお
父
(
とつ
)
さんそこに
立
(
た
)
つて
入
(
い
)
らつしやらないで
何
(
ど
)
うかしてやつて
下
(
く
)
ださい
良
(
りやう
)
さん
鳥渡
(
ちよつと
)
其
(
そ
)
の
手拭
(
てぬぐひ
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして
其
(
そ
)
れがすむと
間
(
ま
)
もなく一
人
(
り
)
の
婦人
(
ふじん
)
が、R
氏
(
し
)
と
打合
(
うちあわ
)
せをしたあとでR
氏
(
し
)
の
通訳
(
つうやく
)
説明
(
せつめい
)
につれて
舞台
(
ぶたい
)
に
上
(
のぼ
)
つた。そしてピアノの
伴奏
(
ばんそう
)
で
独唱
(
どくせう
)
をはじめた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
厳冬永く
留
(
とどま
)
り、春気至らず、
躯殻
(
くかく
)
生くるも精魂は死するが如きは、生くると
雖
(
いえど
)
も人の生くべき道は失われたるなり。文章無用の用は
其
(
そ
)
れ
斯
(
ここ
)
に在らん
乎
(
か
)
。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
併
(
しか
)
し其れよりも著しいしるしがある。
其
(
そ
)
は此の蘆の中から湧いて来る歌の声——万作の娘お
光
(
みつ
)
が歌う歌であった。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
其
(
そ
)
の好意を無にし給わじとのお心遣から、草鞋をお穿きになったお
足拵
(
あしごしら
)
えにも拘らせられず、それに召されて、午前六時四十分に古那屋を御出発になった。
朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
そして
其
(
その
)
向ふに、同じつくりの二階屋がずらりと
幾軒
(
いくけん
)
も並んで、
其
(
そ
)
の裏を見せて
居
(
ゐ
)
る。二階屋の裏!
其処
(
そこ
)
には
蚊帳
(
かや
)
が釣つたまゝになつて
居
(
を
)
る
家
(
いへ
)
もあつた。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
平岡が代助を
小供視
(
こどもし
)
する程度に於て、あるひは
其
(
そ
)
れ以上の程度に於て、代助は平岡を
小供視
(
こどもし
)
し
始
(
はじ
)
めたのである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
国々から集まつた大名や殿様は
皆
(
みな
)
其
(
そ
)
の儀式の華やかなのに驚いて
只
(
ただ
)
もう感心してしまひましたが
其
(
その
)
中でも金銀の衣裳を着たお玉の美くしさは唯一人として頭を
金銀の衣裳
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
“其”を含む語句
其方
其処
其様
其許
其後
其家
其樣
其儘
其間
其辺
其傍
其故
其中
其女
其々
其面
其切
其所
其處
其上
...