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仕方
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しかた
ふりがな文庫
“
仕方
(
しかた
)” の例文
「一番上等な帽子に化けて、あの男に買われて、ともかくも外に出てみるとしよう。ここにこうしていたんでは、
窮屈
(
きゅうくつ
)
で
仕方
(
しかた
)
がない」
不思議な帽子
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
仕方
(
しかた
)
なしに
唯
(
た
)
だ左へ左へと、いゝかげんに
折
(
を
)
れて
行
(
ゆ
)
くと
蔵造
(
くらづく
)
りの問屋らしい
商家
(
しやうか
)
のつゞいた同じやうな
堀割
(
ほりわり
)
の岸に二度も出た。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
原本写本会読の法それから塾で修行するその時の
仕方
(
しかた
)
は
如何
(
どう
)
云
(
い
)
う
塩梅
(
あんばい
)
であったかと申すと、
先
(
ま
)
ず始めて塾に入門した者は何も知らぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
勘次
(
かんじ
)
はそれでも
他
(
た
)
に
分別
(
ふんべつ
)
もないので
仕方
(
しかた
)
なしに
桑畑
(
くはばたけ
)
を
越
(
こえ
)
て
南
(
みなみ
)
へ
詑
(
わび
)
を
頼
(
たの
)
みに
行
(
い
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
古
(
ふる
)
い
菅笠
(
すげがさ
)
を
一寸
(
ちよつと
)
頭
(
あたま
)
へ
翳
(
かざ
)
して
首
(
くび
)
を
蹙
(
ちゞ
)
めて
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
吉さんは人の見得ないものを見る。汽車の
轢死人
(
れきしにん
)
があった処を吉さんが通ると、青い顔の
男女
(
なんにょ
)
がふら/\
跟
(
つ
)
いて来て
仕方
(
しかた
)
がないそうだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
「えゝ、
其
(
そ
)
れが
矢張
(
やはり
)
、
手前
(
てまへ
)
心
(
こゝろ
)
から
仕方
(
しかた
)
がないのでござりまして、
以前
(
いぜん
)
、お
家
(
うち
)
に
居
(
を
)
りました
時分
(
じぶん
)
から、
何
(
ど
)
うも
此
(
こ
)
の
目
(
め
)
が
惡
(
わる
)
いので、」
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
仕方
(
しかた
)
がない
矢張
(
やつぱ
)
り
私
(
わたし
)
も
丸木橋
(
まるきばし
)
をば
渡
(
わた
)
らずはなるまい、
父
(
とゝ
)
さんも
踏
(
ふみ
)
かへして
落
(
おち
)
てお
仕舞
(
しまい
)
なされ、
祖父
(
おぢい
)
さんも
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
であつたといふ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
仕方
(
しかた
)
がなくて、兄が大事ですと答えましたところ、わたくしに註文して、自分とお前とで天下を治めるから、天皇をお殺し申せと言つて
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
あっしゃァ
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
という、けちな
職人
(
しょくにん
)
でげすがね。お
前
(
まえ
)
さんの
仕方
(
しかた
)
が、あんまり
情
(
なさけ
)
な
過
(
す
)
ぎるから、
口
(
くち
)
をはさましてもらったのさ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『
皆
(
みん
)
な
仕方
(
しかた
)
なしに一
緒
(
しよ
)
に
居
(
ゐ
)
たんだ』と
海龜
(
うみがめ
)
が
云
(
い
)
ひました、『どんな
賢
(
かしこ
)
い
魚
(
さかな
)
でも、
海豚
(
いるか
)
を
伴
(
つ
)
れなくては
何處
(
どこ
)
へも
行
(
ゆ
)
けやしないもの』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
忘
(
わす
)
れはせまじ餘り
情
(
なさけ
)
なき
仕方
(
しかた
)
なりと利兵衞を
恨
(
うら
)
みけるが吉三郎は
素
(
もと
)
より
孝心
(
かうしん
)
深
(
ふか
)
ければ母を
慰
(
なぐさ
)
め利兵衞殿斯の如く
約束
(
やくそく
)
を
變
(
へん
)
じ
音信
(
おとづれ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
上
(
うへ
)
になつた
目
(
め
)
が、平岡に都合が
悪
(
わる
)
からうと、
父
(
ちゝ
)
の気に入らなからうと、賽を
投
(
な
)
げる以上は、天の法則通りになるより
外
(
ほか
)
に
仕方
(
しかた
)
はなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
だが、
入院
(
にふゐん
)
するとしても、
誰一人
(
たれひとり
)
入院料
(
にふゐんれう
)
などを
持合
(
もちあは
)
してゐる
筈
(
はず
)
がないので、
施療
(
せれう
)
患者
(
くわんじや
)
を
扱
(
あつか
)
ふ
病院
(
びやうゐん
)
へ
入
(
い
)
れるより
仕方
(
しかた
)
がなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
一
時
(
じ
)
麻雀競技會
(
マアジヤンきやうぎくわい
)
の
常勝者
(
じやうしようしや
)
としてその
技法
(
ぎはふ
)
をたゞ
驚歎
(
きやうたん
)
されてゐた
某
(
それがし
)
が、
支那人式
(
しなじんしき
)
の
仕方
(
しかた
)
からすれば
至極
(
しごく
)
幼稚
(
えうち
)
な
不正
(
ふせい
)
を
行
(
おこな
)
つてゐたことが
分
(
わか
)
るし
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
(そうです。そうです。そうですとも。いかにも私の景色です。私なのです。だから
仕方
(
しかた
)
がないのです。)諒安はうとうと
斯
(
こ
)
う
返事
(
へんじ
)
しました。
マグノリアの木
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
私
(
わたくし
)
どもとても、
幽界
(
ゆうかい
)
に
入
(
はい
)
ったばかりの
当座
(
とうざ
)
は、
何
(
なに
)
やらすべてがたよりなく、
又
(
また
)
飽気
(
あっけ
)
なく
思
(
おも
)
われて
仕方
(
しかた
)
がなかったもので……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
所長さんのやさしい言葉に、ぼくは胸がつまって、泣けて泣けて
仕方
(
しかた
)
がなかった。さすがに技術で苦労した所長さんだ。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
水
(
みづ
)
なしの
消防
(
しようぼう
)
は
最
(
もつと
)
も
不利益
(
ふりえき
)
であるから、
水道
(
すいどう
)
の
水
(
みづ
)
が
止
(
と
)
まらない
内
(
うち
)
、
機敏
(
きびん
)
に
貯水
(
ちよすい
)
の
用意
(
ようい
)
をすることが
賢明
(
けんめい
)
な
仕方
(
しかた
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
こう
山奥
(
やまおく
)
深
(
ふか
)
く
入
(
はい
)
っては、もう
今更
(
いまさら
)
引
(
ひ
)
っ
返
(
かえ
)
して、うちへ
帰
(
かえ
)
ろうにも
帰
(
かえ
)
れなくなりました。
仕方
(
しかた
)
がないので、
今夜
(
こんや
)
は山の中に
野宿
(
のじゅく
)
をすることにきめました。
忠義な犬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
最
(
もつと
)
も
廣
(
ひろ
)
く行はるるは
摩擦發火法
(
まさつはつくわはう
)
なるが是に又一
片
(
へん
)
の木切れに他の木切れを
當
(
あ
)
てて
鋸
(
のこぎり
)
の如くに
運動
(
うんどう
)
さする
仕方
(
しかた
)
も有り
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
仕方
(
しかた
)
なしに、
伯父
(
をぢ
)
さんが
裏
(
うら
)
の
桐
(
きり
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
へ
友伯父
(
ともをぢ
)
さんを
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
きまして、
伯父
(
をぢ
)
さんが
自分
(
じぶん
)
で
床屋
(
とこや
)
をつとめました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
都合
(
つごう
)
のいいこともあれば都合の悪いこともある。しかし
今更
(
いまさら
)
このことを
喜憂
(
きゆう
)
しても始まらない。本能的なものが運命をそう招いたと思うより
仕方
(
しかた
)
がない。
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
いまに居どころをつきとめて、おれは、おれの
仕方
(
しかた
)
で大事にするんだ。いいかい。あの女は、おれでなければ、だめなんだ。おれひとりだけが知つてゐる。
火の鳥
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
けれど、このシャツのままで
打
(
う
)
っちゃって
置
(
お
)
かれないのは、もう目に見えていた。
仕方
(
しかた
)
なしに
箪笥
(
たんす
)
をあけて、まだ
袖
(
そで
)
を
通
(
とお
)
さない
新
(
あたら
)
しいシャツをとり出した。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
我輩
(
わがはい
)
の家なぞは
隣屋敷
(
となりやしき
)
に馬が飼ってあるためか蠅が多くて
仕方
(
しかた
)
がありません。蠅のおらんのは何より
心持
(
こころもち
)
がよい
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
まわりの人たちは手を取って葉子を起こしてやる
仕方
(
しかた
)
も知らないような顔をしてただばからしくあざわらっている。そんなふうにしか葉子には思えなかった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
僕
(
ぼく
)
は
此
(
この
)
少女
(
せうぢよ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すと
共
(
とも
)
に『
戀
(
こひ
)
しい』、『
見
(
み
)
たい』、『
逢
(
あ
)
ひたい』の
情
(
じやう
)
がむら/\とこみ
上
(
あ
)
げて
來
(
き
)
た。
君
(
きみ
)
が
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
はうとも
實際
(
じつさい
)
さうであつたから
仕方
(
しかた
)
がない。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
わたし
)
もいつか
頼
(
たの
)
まれてそんなのをかえした
事
(
こと
)
があるけど、
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
子達
(
こたち
)
はみんな、どんなに
気
(
き
)
を
揉
(
も
)
んで
直
(
なお
)
そうとしても、どうしても
水
(
みず
)
を
恐
(
こわ
)
がって
仕方
(
しかた
)
がなかった。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
が、わたしも
多襄丸
(
たじやうまる
)
ですから、どうにかかうにか
太刀
(
たち
)
も
拔
(
ぬ
)
かずに、とうとう
小刀
(
さすが
)
を
打
(
う
)
ち
落
(
おと
)
しました。いくら
氣
(
き
)
の
勝
(
か
)
つた
女
(
をんな
)
でも、
得物
(
えもの
)
がなければ
仕方
(
しかた
)
がありません。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
仕方
(
しかた
)
がない……
宜
(
よ
)
しく
此餅
(
これ
)
を
皆
(
みんな
)
皿
(
さら
)
に
積
(
つ
)
んでの……さア
何
(
ど
)
うか
不味
(
つまら
)
ない物だが
子供衆
(
こどもしう
)
に
皆
(
み
)
な
上
(
あ
)
げて
下
(
くだ
)
さい。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「たいしてむづかしいことではありません」と、いひ
切
(
き
)
つて
平氣
(
へいき
)
でをります。
翁
(
おきな
)
は
仕方
(
しかた
)
なしに
姫
(
ひめ
)
の
註文
(
ちゆうもん
)
通
(
どほ
)
りを
傳
(
つた
)
へますと、みなあきれかへつて
家
(
いへ
)
へ
引
(
ひ
)
き
取
(
と
)
りました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
さうです これは
鏡
(
かがみ
)
です ピッカリングといふ天
文学者
(
もんがくしや
)
が
考
(
かんが
)
へ出した
火星
(
くわせい
)
への
信号
(
しんがふ
)
の
仕方
(
しかた
)
です
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
飛離
(
とびはな
)
れて面白いでもなく
候
(
そろ
)
へどもほかの事の
仕方
(
しかた
)
がないにくらべ
候
(
そろ
)
へばいくらか面白かりしものと
存候
(
ぞんじそろ
)
たゞ
其頃
(
そのころ
)
小生
(
せうせい
)
の一
奇
(
き
)
と
致候
(
いたしそろ
)
は
萬場
(
ばんじやう
)
の
観客
(
かんかく
)
の面白げなるべきに
拘
(
かゝわ
)
らず
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
いまさら
改
(
あらた
)
めようもないから、まずそのままにしておくよりほか
仕方
(
しかた
)
がない。そしてこのバショウは、
元来
(
がんらい
)
日本のものではなく昔中国から渡って来た
外来
(
がいらい
)
植物なのである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
渇
(
かはき
)
の
止
(
と
)
まると
共
(
とも
)
に
次
(
つぎ
)
には
飢
(
うゑ
)
の
苦
(
くるしみ
)
、あゝ
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
と
知
(
し
)
つたら、
昨夜
(
さくや
)
海中
(
かいちう
)
に
飛込
(
とびこ
)
む
時
(
とき
)
に、「ビスケツト」の
一鑵
(
ひとかん
)
位
(
ぐら
)
いは
衣袋
(
ポツケツト
)
にして
來
(
く
)
るのだつたにと、
今更
(
いまさら
)
悔
(
くや
)
んでも
仕方
(
しかた
)
がない
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ジャンセエニュ
先生
(
せんせい
)
は、なんでもよくお
出来
(
でき
)
になるのですが、この小さな
生徒
(
せいと
)
たちに
先
(
ま
)
ず
計算
(
けいさん
)
の
仕方
(
しかた
)
をお
教
(
おし
)
えになります。
先生
(
せんせい
)
はローズ・ブノワさんにこうおっしゃいます。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
その人は、やはり、どうすることもできず、
仕方
(
しかた
)
なしにたおれて
息
(
いき
)
を
殺
(
ころ
)
していたのだそうである。くまが、
頭
(
あたま
)
のそばへきて、自分をかぎまわしているのが、はっきりとわかる。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
這
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へ
出
(
だ
)
した
時
(
とき
)
には、
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いので——
併
(
しか
)
し、三千
年
(
ねん
)
前
(
ぜん
)
の
石器時代
(
せききじだい
)
住民
(
じうみん
)
は、
今日
(
こんにち
)
までも
生存
(
せいそん
)
して
我等
(
われら
)
と
語
(
かた
)
る——と
云
(
い
)
つた
樣
(
やう
)
な
事
(
こと
)
を
思浮
(
おもひうか
)
べて、
強
(
しひ
)
て
涙
(
なみだ
)
を
紛
(
まぎ
)
らすのである。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「とにかくあの
人達
(
ひとたち
)
の
仕方
(
しかた
)
は
賢
(
かしこ
)
かつた。」
彼
(
かれ
)
は
時々
(
とき/″\
)
思
(
おも
)
つた。
大久保
(
おほくぼ
)
のやうな
稚気
(
ちき
)
の
多
(
おほ
)
い
狂人
(
きちがひ
)
を
相手取
(
あいてど
)
ることに、
何
(
なん
)
の
意味
(
いみ
)
のあらう
筈
(
はず
)
もなかつた。(大正14年7月「婦人の国」)
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ああ、」とお
父
(
とう
)
さんが
言
(
い
)
った。「おれは
嬉
(
うれ
)
しくって、
仕方
(
しかた
)
がない。まるでこう、
日
(
ひ
)
がぱーッと
射
(
さ
)
してでも
居
(
い
)
るような
気持
(
きもち
)
だ。まるで
久
(
ひさ
)
しく
逢
(
あ
)
わない
友達
(
ともだち
)
にでも
逢
(
あ
)
う
前
(
まえ
)
のようだ。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
何しろ
退屈
(
たいくつ
)
で
仕方
(
しかた
)
が無い。そこで少し體を起して廣くもない庭を見𢌞して見る。庭の
植込
(
うゑこみ
)
は
雜然
(
ざつぜん
)
として
是
(
これ
)
と目に
付
(
つ
)
く程の物も無い。それでゐて青葉が
繁
(
しげ
)
りに
繁
(
しげ
)
ツてゐる
故
(
せい
)
か庭が薄暗い。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「ウム、じゃ
仕方
(
しかた
)
がねえ。夜どおしでも、お前の帰る所へついて行くだけの話だ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仕方
(
しかた
)
なしに一泊して朝になってみると雨はやんでいたが、路のぬかりがひどくて、旅人達は
脛
(
すね
)
まで入って往来していた。王成はそれにも弱って待っていると、
午
(
ひる
)
になって路がやっと乾いた。
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
是
(
これ
)
では
實
(
じつ
)
に
仕方
(
しかた
)
がない、
其故
(
それゆゑ
)
私
(
わたくし
)
は
生徒
(
せいと
)
に
向
(
むか
)
つて
常々
(
つね/″\
)
斯
(
か
)
う
申
(
まを
)
して
居
(
を
)
ります。
何事
(
なにこと
)
も
自分
(
じぶん
)
で
研究
(
けんきう
)
して
御覽
(
ごらん
)
なさい、
研究
(
けんきう
)
して
見
(
み
)
て
自分
(
じぶん
)
で
難問
(
なんもん
)
を
解釋
(
かいし
)
するやうに
爲
(
な
)
さい。これは
強
(
あなが
)
ち
讀書
(
どくしよ
)
のみに
限
(
かぎ
)
りません。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
何
(
なに
)
か
寶物
(
ほうもつ
)
として
持
(
も
)
つてゐたものだらうと
考
(
かんが
)
へるより
仕方
(
しかた
)
がありません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その
仕方
(
しかた
)
は夏の
末
(
すゑ
)
より事をはじめて、
岸根
(
きしね
)
より川中へ丸木の
杭
(
くひ
)
を
建
(
たて
)
つらね
横木
(
よこき
)
をそえ、これに
透間
(
すきま
)
なく
竹簀
(
たけす
)
をわたして
墻
(
かき
)
のごとくになし、川の石をよせかけて
力
(
ちから
)
となす。長さは百
間
(
けん
)
二百間にいたる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
養生
(
やうじやう
)
の
仕方
(
しかた
)
は
人
(
ひと
)
に
依
(
よる
)
なれど
心
(
こゝろ
)
とむるは
誰
(
たれ
)
も
替
(
かは
)
らず
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
どうにも
仕方
(
しかた
)
がありませんでした。それで
皆
(
みな
)
は
相談
(
そうだん
)
して、その
癖
(
くせ
)
が
止
(
や
)
むまでしばらくの
間
(
あいだ
)
、王子を広い
庭
(
にわ
)
に
閉
(
と
)
じこめることになりました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「
構
(
かま
)
あねえで
置
(
お
)
け、
耕
(
うな
)
つてあつちへ
行
(
い
)
つてからにしろ」
勘次
(
かんじ
)
は
性急
(
せいきふ
)
に
嚴
(
きび
)
しくおつぎを
止
(
と
)
めた。おつぎは
仕方
(
しかた
)
なく
泣
(
な
)
くのも
構
(
かま
)
はずに
耕
(
たがや
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
是れは私の潔癖とでも云うようなもので、全体を申せば度量の狭いのでしょうが、何分にも生れつきの性質とあれば
仕方
(
しかた
)
がない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“仕方”で始まる語句
仕方噺
仕方話
仕方身