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片足
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かたあし
ふりがな文庫
“
片足
(
かたあし
)” の例文
片足
(
かたあし
)
は、
水
(
みづ
)
の
落口
(
おちくち
)
に
瀬
(
せ
)
を
搦
(
から
)
めて、
蘆
(
あし
)
のそよぐが
如
(
ごと
)
く、
片足
(
かたあし
)
は
鷺
(
さぎ
)
の
眠
(
ねむ
)
つたやうに
見
(
み
)
える。……
堰
(
せき
)
の
上
(
かみ
)
の
水
(
みづ
)
は
一際
(
ひときは
)
青
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んで
靜
(
しづか
)
である。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どんな
時
(
とき
)
でも、どういうことをしてる時でも、たとえば
片足
(
かたあし
)
でとびながら
往来
(
おうらい
)
を歩きまわっている時でも——
祖父
(
そふ
)
の家の
床
(
ゆか
)
にねころがり
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と
馬方
(
うまかた
)
が
言
(
い
)
ひますと、
馬
(
うま
)
は
片足
(
かたあし
)
づゝ
盥
(
たらひ
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れます。
馬
(
うま
)
の
行水
(
ぎやうずゐ
)
は
藁
(
わら
)
でもつて、びつしより
汗
(
あせ
)
になつた
身體
(
からだ
)
を
流
(
なが
)
してやるのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
真坊
(
しんぼう
)
は、ボールを
投
(
な
)
げるときのように、
片足
(
かたあし
)
を
揚
(
あ
)
げて、
高
(
たか
)
いひさしにかかっている、
円
(
まる
)
いはちの
巣
(
す
)
をねらって
石
(
いし
)
を
投
(
な
)
げました。
真坊と和尚さま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それはやなぎのかれたような
幹
(
みき
)
の間に根を
張
(
は
)
っていた。また
砲台
(
ほうだい
)
の
傾斜地
(
けいしゃち
)
をわたしたちはよく
片足
(
かたあし
)
で楽にすべって下りた——それもかきたい。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
忽
(
たちま
)
ち
全山
(
ぜんざん
)
の
高等野次馬
(
かうとうやじうま
)
は、
我
(
われ
)
おくれじと
馳付
(
はせつ
)
けて
見
(
み
)
ると、
博士
(
はかせ
)
は
笑
(
わら
)
ひながら、
古靴
(
ふるぐつ
)
の
片足
(
かたあし
)
を、
洋杖
(
すてつき
)
の
先
(
さき
)
に
懸
(
か
)
けて
示
(
しめ
)
された。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
片足
(
かたあし
)
を
煙突
(
えんとつ
)
の
上
(
うへ
)
へ
出
(
だ
)
しました、『どんな
事
(
こと
)
があつても
最
(
も
)
うこれが
止
(
とま
)
りだらう、これで
何
(
ど
)
うなるのかしら?』と
呟
(
つぶや
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
といいながら、
欄干
(
らんかん
)
に
片足
(
かたあし
)
をかけて一の
矢
(
や
)
をつがえて、一ぱいに
引
(
ひ
)
きしぼって、
切
(
き
)
って
放
(
はな
)
しました。
矢
(
や
)
はまさしくむかでのみけんに
当
(
あ
)
たりました。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
『おつ
魂消
(
たまぎ
)
えた/\、
危
(
あぶ
)
なく
生命
(
いのち
)
を
棒
(
ぼう
)
に
振
(
ふ
)
る
處
(
ところ
)
だつた。』と
流石
(
さすが
)
の
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
も
膽
(
きも
)
をつぶして、
靴
(
くつ
)
無
(
な
)
き
片足
(
かたあし
)
を
撫
(
な
)
でゝ
見
(
み
)
たが、
足
(
あし
)
は
幸福
(
さひはひ
)
にも
御無事
(
ごぶじ
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
おもふにはゝが
筒
(
つゝ
)
をもてといひしゆゑ、母の
片足
(
かたあし
)
を雪の山
蔭
(
かげ
)
にくらひゐたる
狼
(
おほかみ
)
をうちおとして母の
敵
(
かたき
)
はとりたれど、二疋をもらししはいかに
口惜
(
くちをし
)
かりけん。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これまでの象使いは
例
(
れい
)
の
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
でしたが、一寸法師には、
片足
(
かたあし
)
を上げさせたり、ラッパを
吹
(
ふ
)
かせたり、
碁盤
(
ごばん
)
の上へ乗せたりするぐらいしか出来ませんでした。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
すると耳に手をあてて、わあわあと
言
(
い
)
いながら
片足
(
かたあし
)
でぴょんぴょん
跳
(
と
)
んでいた小さな
子供
(
こども
)
らは、ジョバンニがおもしろくてかけるのだと思って、わあいと
叫
(
さけ
)
びました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
附て道中を
成
(
なさ
)
れましと
噺
(
はな
)
しながらに行所を
此所
(
こなた
)
の
松陰
(
まつかげ
)
より
忽然
(
ぬつ
)
と出たる畔倉重四郎ものをも云ず
馬
(
うま
)
の
上
(
うへ
)
なる飛脚の
片足
(
かたあし
)
をばつさりと
切付
(
きりつけ
)
たり飛脚はアツと馬より
轉
(
ころ
)
げ落るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
破
(
やぶ
)
れかぶれに
暴
(
あば
)
れて
暴
(
あば
)
れて、
正太郎
(
しようたらう
)
が
面
(
つら
)
に
疵
(
きず
)
一つ、
我
(
わ
)
れも
片眼
(
かため
)
片足
(
かたあし
)
なきものと
思
(
おも
)
へば
爲
(
し
)
やすし、
加擔人
(
かたうど
)
は
車屋
(
くるまや
)
の
丑
(
うし
)
に
元結
(
もとゆひ
)
よりの
文
(
ぶん
)
、
手遊屋
(
おもちやゝ
)
の
彌助
(
やすけ
)
などあらば
引
(
ひ
)
けは
取
(
と
)
るまじ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
天滿與力
(
てんまよりき
)
は、
渡船
(
とせん
)
を
呼
(
よ
)
び
戻
(
もど
)
してみたけれど、
殆
(
ほと
)
んど
片足
(
かたあし
)
を
蹈
(
ふ
)
み
込
(
こ
)
む
餘地
(
よち
)
もないので、
腹立
(
はらだ
)
たし
氣
(
げ
)
に
舌打
(
したう
)
ちして、
汀
(
みぎは
)
に
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
つてゐたが、やがて
高
(
たか
)
く、
虎
(
とら
)
が
吼
(
ほ
)
えるやうに
聲
(
こゑ
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げると
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
娘が出る。
腰痛
(
ようつう
)
でなければ婆さんも出る。奇麗に掃いた
禾場
(
うちば
)
に一面の穂麦を
敷
(
し
)
いて、男は男、女は女と相並んでの差向い、
片足
(
かたあし
)
踏出
(
ふみだ
)
し、気合を入れて、一上一下とかわる/″\打下ろす。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
けれども
閾
(
しきい
)
を
跨
(
また
)
ぐ
時
(
とき
)
に、
片方
(
かたほう
)
の
上沓
(
うわぐつ
)
が
脱
(
ぬ
)
げたので、
片足
(
かたあし
)
には、
上沓
(
うわぐつ
)
を
穿
(
は
)
き、
片足
(
かたあし
)
は、
沓下
(
くつした
)
だけで、
前垂
(
まえだれ
)
を
掛
(
か
)
け、
片手
(
かたて
)
には、
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
、
片手
(
かたて
)
には、ヤットコを
持
(
も
)
って、
街
(
まち
)
の
中
(
なか
)
へ
跳出
(
とびだ
)
しました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
蟇
(
がま
)
がなめくじに
魔術
(
まじゅつ
)
をほどこしたごとく、じゅうぶんかれの気をのんでしまった竹童は、やがて、一
尺
(
しゃく
)
二尺と梁の上をはいわたって、
蛾次郎
(
がじろう
)
のすぐ
脳天
(
のうてん
)
のところへ
片足
(
かたあし
)
をブランと
垂
(
た
)
らした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木履
(
くつ
)
を
片足
(
かたあし
)
失
(
な
)
くなした、
寒
(
さむ
)
いと
一人
(
ひとり
)
が云ふと、
何
(
なに
)
を? と
一人
(
ひとり
)
が聞き
直
(
なほ
)
した。
木履
(
くつ
)
を
失
(
な
)
くなして寒いと
前
(
まへ
)
のものが同じ事を繰り返した。Mは
何処
(
どこ
)
にゐると
誰
(
だれ
)
か聞いた。
此所
(
こゝ
)
にゐると
誰
(
だれ
)
か答へた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
庭先
(
にわさ
)
きの
土
(
つち
)
の
中
(
なか
)
に、
大
(
おお
)
ぶりな
瀬戸物
(
せともの
)
の
金魚鉢
(
きんぎょばち
)
が、ふちのところまでいけこんであつて、その
鉢
(
はち
)
のそばで、セルの
和服
(
わふく
)
を
着
(
き
)
、
片足
(
かたあし
)
にだけ
庭下駄
(
にわげた
)
をつつかけた
人間
(
にんげん
)
の
死体
(
したい
)
が、
地
(
ぢ
)
べたに
這
(
は
)
いつくばつている。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
子供
(
こども
)
が
片足
(
かたあし
)
づゝ
揚
(
あ
)
げて
遊
(
あそ
)
ぶことを、
東京
(
とうきやう
)
では『ちん/\まご/\』と
言
(
い
)
ひませう。
土地
(
とち
)
によつては『
足拳
(
あしけん
)
』と
言
(
い
)
ふところも
有
(
あ
)
るさうです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
島
(
しま
)
か、
光
(
みつ
)
か、
拂
(
はたき
)
を
掛
(
か
)
けて——お
待
(
ま
)
ちよ、
否
(
いゝえ
)
、
然
(
さ
)
う/\……
矢張
(
やつぱり
)
これは、
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
の
中
(
なか
)
で、
鰐
(
わに
)
に
片足
(
かたあし
)
食切
(
くひき
)
られたと
云
(
い
)
ふ
土人
(
どじん
)
か。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
敬礼
(
けいれい
)
がすむとかれは
仲間
(
なかま
)
のほうを向いて、かたっぽの前足でやはり胸をおさえながら、
片足
(
かたあし
)
をさしのべて、みんなそばに
寄
(
よ
)
るように合図をした。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
おもふにはゝが
筒
(
つゝ
)
をもてといひしゆゑ、母の
片足
(
かたあし
)
を雪の山
蔭
(
かげ
)
にくらひゐたる
狼
(
おほかみ
)
をうちおとして母の
敵
(
かたき
)
はとりたれど、二疋をもらししはいかに
口惜
(
くちをし
)
かりけん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
云
(
い
)
ひ
終
(
をは
)
るや
愛
(
あい
)
ちやんの
片足
(
かたあし
)
は
滑
(
すべ
)
つて、
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
へぱちやん!
愛
(
あい
)
ちやんは
鹹水
(
しほみづ
)
の
中
(
なか
)
へ
頥
(
あご
)
まで
浸
(
つか
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ズボンは
滅茶苦茶
(
めちやくちや
)
に
引裂
(
ひきさ
)
かれ、
片足
(
かたあし
)
の
靴
(
くつ
)
は
無殘
(
むざん
)
に
噛取
(
かみと
)
られて、
命
(
いのち
)
から/″\
車中
(
しやちう
)
に
轉
(
まろ
)
び
込
(
こ
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一
日
(
にち
)
、
太郎
(
たろう
)
は、
学校
(
がっこう
)
で、
幾人
(
いくにん
)
かの
友
(
とも
)
だちと
鬼
(
おに
)
ごっこをして
騒
(
さわ
)
いでいました。そのとき、
一人
(
ひとり
)
が、ベンチにつまずいて、
片足
(
かたあし
)
の
骨
(
ほね
)
を
砕
(
くだ
)
きました。みんなは、
大騒
(
おおさわ
)
ぎをしました。
翼の破れたからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ところが、この男も
退治
(
たいじ
)
に出かけた次の朝、
片足
(
かたあし
)
半分食い取られ、おまけに鼻や耳や
頬
(
ほ
)
っぺたまでかみ切られて、おいおい
泣
(
な
)
きながら地べたを
這
(
は
)
うようにして
逃
(
に
)
げ帰って来た。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
私
(
わたし
)
の
父
(
ちゝ
)
といふは三つの
歳
(
とし
)
に
椽
(
ゑん
)
から
落
(
おち
)
て
片足
(
かたあし
)
あやしき
風
(
ふう
)
になりたれば
人中
(
ひとなか
)
に
立
(
たち
)
まじるも
嫌
(
い
)
やとて
居職
(
いしよく
)
に
飾
(
かざり
)
の
金物
(
かなもの
)
をこしらへましたれど、
氣位
(
きぐらい
)
たかくて
人愛
(
じんあい
)
のなければ
贔負
(
ひいき
)
にしてくれる
人
(
ひと
)
もなく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
岩のかげへ身をくっして
片足
(
かたあし
)
をおって、
短銃
(
たんじゅう
)
の
筒先
(
つつさき
)
をキッとかまえた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蹴込
(
けこみ
)
へ
片足
(
かたあし
)
を
掛
(
か
)
けて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
たのでは、
大
(
おほい
)
に、いや、
少
(
すくな
)
くとも
湯治客
(
たうぢきやく
)
の
體面
(
たいめん
)
を
損
(
そこな
)
ふから、
其處
(
そこ
)
で、
停車場
(
ていしやぢやう
)
の
出口
(
でぐち
)
を
柵
(
さく
)
の
方
(
はう
)
へ
開
(
ひら
)
いて、
悠然
(
いうぜん
)
と
待
(
ま
)
つたのである。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
みるよります/\おどろきはせいりければ狼二疋
逃
(
にげ
)
さりけり、あたりをみれば母はゐろりのまへにこゝかしこくひちらされ、
片足
(
かたあし
)
はくひとられてしゝゐたり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
二人
(
ふたり
)
は
片足
(
かたあし
)
づゝ
揚
(
あ
)
げまして、
坂
(
さか
)
になつた
村
(
むら
)
の
往来
(
わうらい
)
を『ちんぐら、はんぐら』とよく
遊
(
あそ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
特
(
こと
)
に
朝日島
(
あさひじま
)
紀念塔
(
きねんたふ
)
設立
(
せつりつ
)
の
顛末
(
てんまつ
)
——あの
異樣
(
ゐやう
)
なる
自動冐險車
(
じどうぼうけんしや
)
が、
縱横無盡
(
じうわうむじん
)
に、
深山
(
しんざん
)
大澤
(
たいたく
)
の
間
(
あひだ
)
を
猛進
(
まうしん
)
したる
其時
(
そのとき
)
の
活劇
(
くわつげき
)
。
猛獸
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
との
大奮鬪
(
だいふんとう
)
。
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
片足
(
かたあし
)
の
危
(
あぶ
)
なかつた
事
(
こと
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
わたしは子どもをおびえさせまいと思って、まえよりは
静
(
しず
)
かにひいた。そうして少しでもそばへ
引
(
ひ
)
き
寄
(
よ
)
せようとした。両手を
延
(
の
)
ばして、
片足
(
かたあし
)
ずつよちよち上げて、かれは歩いて来た。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
かず
子
(
こ
)
ちゃんは、
勝
(
か
)
ち
誇
(
ほこ
)
ったように、
片足
(
かたあし
)
を
上
(
あ
)
げて、トン、トンと
跳
(
は
)
ねました。
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
みるよります/\おどろきはせいりければ狼二疋
逃
(
にげ
)
さりけり、あたりをみれば母はゐろりのまへにこゝかしこくひちらされ、
片足
(
かたあし
)
はくひとられてしゝゐたり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と
小戻
(
こもど
)
りして、
及腰
(
およびごし
)
に、
引
(
ひつ
)
こ
拔
(
ぬ
)
くやうにバスケツトを
掴
(
つか
)
んで、
慌
(
あわ
)
てて
辷
(
すべ
)
つて、
片足
(
かたあし
)
で、
怪飛
(
けしと
)
んだ
下駄
(
げた
)
を
搜
(
さが
)
して
逃
(
に
)
げた。
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さうな
顏
(
かほ
)
をしたが、
女
(
をんな
)
もそツと
立
(
た
)
つて
來
(
く
)
る。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
或はまた山に
九曲
(
まがりくねり
)
あるには、
件
(
くだん
)
のごとくに
縛
(
くゝ
)
したる
薪
(
たきゞ
)
の
輴
(
そり
)
に
乗
(
の
)
り、
片足
(
かたあし
)
をあそばせて是にて
楫
(
かぢ
)
をとり、船を
走
(
はしら
)
すがごとくして
難所
(
なんじよ
)
を
除
(
よけ
)
て数百丈の
麓
(
ふもと
)
にくだる、一ツも
過
(
あやまつ
)
ことなし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
今
(
いま
)
大塚
(
おほつか
)
の
樹立
(
こだち
)
の
方
(
はう
)
から
颯
(
さつ
)
と
光線
(
くわうせん
)
を
射越
(
いこ
)
して、
露
(
つゆ
)
が
煌々
(
きら/\
)
する
路傍
(
ろばう
)
の
草
(
くさ
)
へ、
小
(
ちひ
)
さな
片足
(
かたあし
)
を
入
(
い
)
れて、
上
(
うへ
)
から
下
(
お
)
りて
來
(
く
)
る
者
(
もの
)
の
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
いて
待構
(
まちかま
)
へると、
前
(
まへ
)
とは
違
(
ちが
)
ひ、
歩
(
ほ
)
を
緩
(
ゆる
)
う、のさ/\と
顯
(
あら
)
はれたは
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
或はまた山に
九曲
(
まがりくねり
)
あるには、
件
(
くだん
)
のごとくに
縛
(
くゝ
)
したる
薪
(
たきゞ
)
の
輴
(
そり
)
に
乗
(
の
)
り、
片足
(
かたあし
)
をあそばせて是にて
楫
(
かぢ
)
をとり、船を
走
(
はしら
)
すがごとくして
難所
(
なんじよ
)
を
除
(
よけ
)
て数百丈の
麓
(
ふもと
)
にくだる、一ツも
過
(
あやまつ
)
ことなし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そして
大跨
(
おほまた
)
に、
其
(
その
)
逞
(
たくまし
)
い
靴
(
くつ
)
を
片足
(
かたあし
)
づゝ、やりちがへにあげちやあ
歩行
(
ある
)
いて
来
(
く
)
る、
靴
(
くつ
)
の
裏
(
うら
)
の
赤
(
あか
)
いのがぽつかり、ぽつかりと
一
(
ひと
)
ツづゝ
此方
(
こつち
)
から
見
(
み
)
えるけれど、
自分
(
じぶん
)
じやあ、
其
(
その
)
爪
(
つま
)
さきも
分
(
わか
)
りはしまい。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
獣
(
けもの
)
だのが、いくらでも
見
(
み
)
えるから、ちつとは
思出
(
おもひで
)
になるトいつちやあ、アノ
笑顔
(
わらひがほ
)
をおしなので、
私
(
わたし
)
もさう
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
る
故
(
せい
)
か、
人
(
ひと
)
があるいて
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
、
片足
(
かたあし
)
をあげた
処
(
ところ
)
は
一本脚
(
いつぽんあし
)
の
鳥
(
とり
)
のやうでおもしろい
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
“片足”で始まる語句
片足神