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帽子
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ばうし
ふりがな文庫
“
帽子
(
ばうし
)” の例文
といつて、
涙
(
なみだ
)
だか
汗
(
あせ
)
だか、
帽子
(
ばうし
)
を
取
(
と
)
つて
顏
(
かほ
)
をふいた。
頭
(
あたま
)
の
皿
(
さら
)
がはげてゐる。……
思
(
おも
)
はず
私
(
わたし
)
が
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ると、
同伴
(
つれ
)
も
苦笑
(
にがわら
)
ひをしたのである。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
道を歩いてゐる時、ふいに風が吹いて
帽子
(
ばうし
)
が飛ぶ。自分の周囲の
凡
(
すべ
)
てに対して意識的になつて帽子を追つかける。だから中々帽子は手に
這入
(
はい
)
らない。
拊掌談
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なれたる人はこれをはきて
獣
(
けもの
)
を追ふ也。右の外、男女の雪
帽子
(
ばうし
)
雪
下駄
(
げた
)
、
其余
(
そのよ
)
種々雪中
歩用
(
ほよう
)
の
具
(
ぐ
)
あれども、
薄
(
はく
)
雪の国に用ふる物に
似
(
に
)
たるはこゝに
省
(
はぶ
)
く。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
二種の
帽子
(
ばうし
)
の形状は右に
述
(
の
)
べたる通りなるが、
實物
(
じつぶつ
)
の
搆造
(
かうざう
)
は果して如何なりしか
余
(
よ
)
は未だ考定の
材料
(
ざいれう
)
を有せず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「やあ
昨夜
(
さくや
)
は。
今
(
いま
)
御歸
(
おかへ
)
りですか」と
氣輕
(
きがる
)
に
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けられたので、
宗助
(
そうすけ
)
も
愛想
(
あいそ
)
なく
通
(
とほ
)
り
過
(
す
)
ぎる
譯
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かなくなつて、
一寸
(
ちよつと
)
歩調
(
ほてう
)
を
緩
(
ゆる
)
めながら、
帽子
(
ばうし
)
を
取
(
と
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
醫者
(
いしや
)
は
小
(
ちひ
)
さな
手鞄
(
てかばん
)
を一つ
持
(
も
)
つて
古
(
ふる
)
い
帽子
(
ばうし
)
をちよつぽり
載
(
いたゞ
)
いて
出
(
で
)
た。
手鞄
(
てかばん
)
は
勘次
(
かんじ
)
が
大事相
(
だいじさう
)
に
持
(
も
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
通
(
つう
)
じければ山内先生の御出とならば自身に
出迎
(
でむかう
)
べしと何か
下心
(
したごころ
)
のある天忠が
出來
(
いできた
)
る
行粧
(
ぎやうさう
)
は
徒士
(
かち
)
二人を先立自身は
紫
(
むらさ
)
きの
法衣
(
ころも
)
に
古金襴
(
こきんらん
)
の
袈裟
(
けさ
)
を
掛
(
かけ
)
頭
(
かしら
)
には
帽子
(
ばうし
)
を戴き右の手に
中啓
(
ちうけい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
又
(
また
)
モイセイカは
同室
(
どうしつ
)
の
者
(
もの
)
にも
至
(
いた
)
つて
親切
(
しんせつ
)
で、
水
(
みづ
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
て
遣
(
や
)
り、
寐
(
ね
)
る
時
(
とき
)
には
布團
(
ふとん
)
を
掛
(
か
)
けて
遣
(
や
)
りして、
町
(
まち
)
から一
錢
(
せん
)
づつ
貰
(
もら
)
つて
來
(
き
)
て
遣
(
や
)
るとか、
各
(
めい/\
)
に
新
(
あたら
)
しい
帽子
(
ばうし
)
を
縫
(
ぬ
)
つて
遣
(
や
)
るとかと
云
(
い
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
へえゝ、
何
(
ど
)
う
云
(
い
)
ふ姿で、
矢
(
や
)
ツ
張
(
ぱ
)
り
舌
(
した
)
や
何
(
なに
)
か出して
居
(
ゐ
)
ますか。婆「
重
(
おも
)
たい
冠
(
かんむり
)
は
脱
(
と
)
つてしまひ、軽い
帽子
(
ばうし
)
を
冠
(
かぶ
)
つて、
又
(
また
)
儀式
(
ぎしき
)
の時にはお
冠
(
かむ
)
りなさいます、それに
到頭
(
たうとう
)
散髪
(
ざんぱつ
)
になツちまひました。 ...
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
帽子
(
ばうし
)
も冠らないのだからそれに
打
(
ぶ
)
つかると、
顏
(
かほ
)
へでも手へでもぢきたかられる。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
麥藁
(
むぎわら
)
でさへ
帽子
(
ばうし
)
が
出來
(
でき
)
るのに、
檜木
(
ひのき
)
で
笠
(
かさ
)
が
造
(
つく
)
れるのは
不思議
(
ふしぎ
)
でもありません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
若
(
も
)
し
同車
(
どうしや
)
の
人
(
ひと
)
が
無
(
な
)
かつたら
僕
(
ぼく
)
は
地段駄
(
ぢだんだ
)
を
踏
(
ふ
)
んだらう、
帽子
(
ばうし
)
を
投
(
な
)
げつけたゞらう。
僕
(
ぼく
)
と
向
(
む
)
き
合
(
あ
)
つて、
眞面目
(
まじめ
)
な
顏
(
かほ
)
して
居
(
ゐ
)
る
役人
(
やくにん
)
らしい
先生
(
せんせい
)
が
居
(
ゐ
)
るではないか、
僕
(
ぼく
)
は
唯
(
た
)
だがつかりして
手
(
て
)
を
拱
(
こま
)
ぬいてしまつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『お
前
(
まへ
)
の
帽子
(
ばうし
)
を
脱
(
ぬ
)
げ』と
王樣
(
わうさま
)
が
帽子屋
(
ぼうしや
)
に
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
なにがなしに
帽子
(
ばうし
)
をふりて
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かぶつた
帽子
(
ばうし
)
にや
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
此
(
こ
)
の
可哀
(
あはれ
)
な
車夫
(
しやふ
)
に
向
(
むか
)
つて、
大川
(
おほかは
)
の
流
(
ながれ
)
の
音
(
おと
)
の
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
むやうに、
姿
(
すがた
)
を
引締
(
ひきし
)
めて
彳
(
たゝず
)
んだ
袖崎
(
そでさき
)
の
帽子
(
ばうし
)
には、
殊更
(
ことさら
)
に
月
(
つき
)
が
宿
(
やど
)
るが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えた。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なん
)
の
某
(
なにがし
)
は
帽子
(
ばうし
)
ばかり上等なのをかぶつてゐる。あの帽子さへなければ
好
(
よ
)
いのだが、——かう云ふ言葉を
做
(
な
)
す人がある。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なれたる人はこれをはきて
獣
(
けもの
)
を追ふ也。右の外、男女の雪
帽子
(
ばうし
)
雪
下駄
(
げた
)
、
其余
(
そのよ
)
種々雪中
歩用
(
ほよう
)
の
具
(
ぐ
)
あれども、
薄
(
はく
)
雪の国に用ふる物に
似
(
に
)
たるはこゝに
省
(
はぶ
)
く。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
帽子 土偶中には
帽子
(
ばうし
)
を戴きたるが如くに
作
(
つく
)
られたる物二個有り。一は鍔の
幅廣
(
はばひろ
)
き帽子をば後部にて縱に截り、
鍔
(
つば
)
の
端
(
はし
)
をば下の方に
引
(
ひ
)
きて且つ後頭部に
押
(
を
)
し付けたるが如き
形
(
かた
)
なり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
小六
(
ころく
)
は
自分
(
じぶん
)
の
所有物
(
しよいうぶつ
)
を
兄
(
あに
)
が
無斷
(
むだん
)
で
他
(
ひと
)
に
呉
(
く
)
れてやつたのが、
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
つたので、
突然
(
いきなり
)
兼坊
(
けんばう
)
の
受取
(
うけと
)
つた
帽子
(
ばうし
)
を
引
(
ひ
)
つたくつて、それを
地面
(
ぢめん
)
の
上
(
うへ
)
へ
抛
(
な
)
げつけるや
否
(
いな
)
や、
馳
(
か
)
け
上
(
あ
)
がる
樣
(
やう
)
に
其上
(
そのうへ
)
へ
乘
(
の
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
下腹
(
したつぱら
)
の
方
(
ほう
)
が
図
(
づ
)
ぬけにはずんでふくれた、
脚
(
あし
)
の
短
(
みぢか
)
い、
靴
(
くつ
)
の
大
(
おほ
)
きな、
帽子
(
ばうし
)
の
高
(
たか
)
い、
顔
(
かほ
)
の
長
(
なが
)
い、
鼻
(
はな
)
の
赤
(
あか
)
い、
其
(
それ
)
は
寒
(
さむ
)
いからだ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
僕等の作品を批評する時にも一応は
帽子
(
ばうし
)
を脱いだ上、歌人や俳人に対するやうに「素人であるが」と
断
(
ことわ
)
り給へ。
変遷その他
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夫
(
をつと
)
は
簑笠
(
みのかさ
)
を吹とられ、
妻
(
つま
)
は
帽子
(
ばうし
)
を
吹
(
ふき
)
ちぎられ、
髪
(
かみ
)
も吹みだされ、
咄嗟
(
あはや
)
といふ
間
(
ま
)
に
眼口
(
めくち
)
襟袖
(
えりそで
)
はさら也、
裾
(
すそ
)
へも雪を吹いれ、
全身
(
ぜんしん
)
凍
(
こゞえ
)
呼吸
(
こきう
)
迫
(
せま
)
り
半身
(
はんしん
)
は
已
(
すで
)
に雪に
埋
(
う
)
められしが
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
京都
(
きやうと
)
の
襟新
(
えりしん
)
と
云
(
い
)
ふ
家
(
うち
)
の
出店
(
でみせ
)
の
前
(
まへ
)
で、
窓硝子
(
まどがらす
)
へ
帽子
(
ばうし
)
の
鍔
(
つば
)
を
突
(
つ
)
き
付
(
つ
)
ける
樣
(
やう
)
に
近
(
ちか
)
く
寄
(
よ
)
せて、
精巧
(
せいかう
)
に
刺繍
(
ぬひ
)
をした
女
(
をんな
)
の
半襟
(
はんえり
)
を、いつ
迄
(
まで
)
も
眺
(
なが
)
めてゐた。その
中
(
うち
)
に
丁度
(
ちやうど
)
細君
(
さいくん
)
に
似合
(
にあひ
)
さうな
上品
(
じやうひん
)
なのがあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
工學士
(
こうがくし
)
は、
井桁
(
ゐげた
)
に
組
(
く
)
んだ
材木
(
ざいもく
)
の
下
(
した
)
なる
端
(
はし
)
へ、
窮屈
(
きうくつ
)
に
腰
(
こし
)
を
懸
(
か
)
けたが、
口元
(
くちもと
)
に
近々
(
ちか/″\
)
と
吸
(
す
)
つた
卷煙草
(
まきたばこ
)
が
燃
(
も
)
えて、
其
(
その
)
若々
(
わか/\
)
しい
横顏
(
よこがほ
)
と
帽子
(
ばうし
)
の
鍔廣
(
つばびろ
)
な
裏
(
うら
)
とを
照
(
て
)
らした。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
○かくてその
妻
(
つま
)
は母も
臥
(
ふ
)
し子どもゝ
寐
(
ね
)
かしたれば、この雪あれに
夫
(
をつと
)
はさこそ
凍
(
こゞ
)
え玉ふらめ、
行
(
ゆき
)
むかへてつれ
皈
(
かへ
)
らんと、
蓑
(
みの
)
にみの
帽子
(
ばうし
)
をかふり、
松明
(
たいまつ
)
をてらし、ほかに二本を
用意
(
ようい
)
して
腰
(
こし
)
にさし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
博士
(
はかせ
)
は
片手
(
かたて
)
で
眼鏡
(
めがね
)
を
持
(
も
)
つて、
片手
(
かたて
)
を
帽子
(
ばうし
)
にかけたまゝ
烈
(
はげ
)
しく、
急
(
きふ
)
に、
殆
(
ほと
)
んど
数
(
かぞ
)
へる
遑
(
ひま
)
がないほど
靴
(
くつ
)
のうらで
虚空
(
こくう
)
を
踏
(
ふ
)
むだ、
橋
(
はし
)
ががた/\と
動
(
うご
)
いて
鳴
(
な
)
つた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
言
(
い
)
ふが
否
(
いな
)
や、
靴
(
くつ
)
どのが
被
(
かぶ
)
つた
帽子
(
ばうし
)
を
引捻
(
ひんねぢ
)
つて
取
(
と
)
つたと
思
(
おも
)
ふと、
片側町
(
かたがはまち
)
の
瓦屋根
(
かはらやね
)
の
上
(
うへ
)
へ、スポンと
投
(
な
)
げて
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其時
(
そのとき
)
も
今
(
いま
)
被
(
かむ
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
高
(
たか
)
い
帽子
(
ばうし
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
何
(
なん
)
だつてまたあんな
度
(
ど
)
はづれの
帽子
(
ばうし
)
を
着
(
き
)
たがるんだらう。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼠
(
ねずみ
)
のぐたりとした
帽子
(
ばうし
)
を
被
(
かぶ
)
つて、
片手
(
かたて
)
に
其
(
そ
)
の
杖
(
つゑ
)
、
右
(
みぎ
)
の
手首
(
てくび
)
に、
赤玉
(
あかだま
)
の
一連
(
いちれん
)
の
數珠
(
じゆず
)
を
輪
(
わ
)
にかけたのに、
一
(
ひと
)
つの
鐸
(
りん
)
を
持添
(
もちそ
)
へて、チリリリチリリリと、
大
(
おほき
)
な
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
つて
鳴
(
な
)
らし
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とゞろ/\と
踏鳴
(
ふみな
)
らしもしない、
輕
(
かる
)
い
靴
(
くつ
)
の
音
(
おと
)
も、
其
(
そ
)
の
筈
(
はず
)
で、ぽかりと
帽子
(
ばうし
)
を
脱
(
ぬ
)
ぐやうに
角
(
つの
)
の
生
(
は
)
えた
面
(
めん
)
を
取
(
と
)
つて、
一寸
(
ちよつと
)
壁
(
かべ
)
の
釘
(
くぎ
)
へ
掛
(
か
)
けた、
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ると、
何
(
なん
)
と!
色白
(
いろじろ
)
な
細面
(
ほそおもて
)
で
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
若旦那
(
わかだんな
)
は、くわつと
逆上
(
のぼ
)
せた
頭
(
あたま
)
を、
我
(
われ
)
を
忘
(
わす
)
れて、うつかり
帽子
(
ばうし
)
の
上
(
うへ
)
から
掻毮
(
かきむし
)
りながら、
拔足
(
ぬきあし
)
に
成
(
な
)
つて、
庭傳
(
にはづた
)
ひに、
密
(
そつ
)
と
其
(
そ
)
の
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
に
忍
(
しの
)
び
寄
(
よ
)
る。
内
(
うち
)
では、
媚
(
なま
)
めいた
聲
(
こゑ
)
がする。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
尊頭
(
そんとう
)
が
堪
(
たま
)
りますまい。
何故
(
なぜ
)
屋根
(
やね
)
へお
上
(
あが
)
んなすつてお
帽子
(
ばうし
)
をお
取
(
と
)
りなさいません。」
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其處
(
そこ
)
で
薄汚
(
うすよご
)
れた
襪
(
したぐつ
)
に
成
(
な
)
つて、
肩
(
かた
)
から
廂
(
ひさし
)
へ、
大屋根
(
おほやね
)
へ
這上
(
はひあが
)
つて、
二百十日
(
にひやくとをか
)
と
云
(
い
)
ふ
形
(
かたち
)
で、やつとこな、と
帽子
(
ばうし
)
を
掴
(
つか
)
むと、
下
(
した
)
の
奴
(
やつ
)
は
甜瓜
(
まくは
)
かじりに
靴
(
くつ
)
を
掴
(
つか
)
んで、
一目散
(
いちもくさん
)
。
人込
(
ひとごみ
)
の
中
(
なか
)
へまぎれて
候
(
さふらふ
)
。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つたのは
鼠
(
ねずみ
)
であらう、
夜目
(
よめ
)
には
此
(
こ
)
の
靄
(
もや
)
を
織
(
お
)
つてなやした、
被布
(
ひふ
)
のやうなものを、ぐたりと
着
(
き
)
て、
縁
(
ふち
)
なしの
帽子
(
ばうし
)
らしい、ぬいと、のはうづに
高
(
たか
)
い、
坊主頭
(
ばうずあたま
)
其
(
そ
)
のまゝと
云
(
い
)
ふのを
被
(
かぶ
)
つた
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぱツと、
乘
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
るものの、
目
(
め
)
にも
眉
(
まゆ
)
にもかゝるから、ト
帽子
(
ばうし
)
を
傾
(
かたむ
)
けながら
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
駅員
(
えきゐん
)
の
一人
(
ひとり
)
は、
帽子
(
ばうし
)
とゝもに、
黒
(
くろ
)
い
頸窪
(
ぼんのくぼ
)
ばかりだが、
向
(
むか
)
ふに
居
(
ゐ
)
て、
此方
(
こつち
)
に
横顔
(
よこがほ
)
を
見
(
み
)
せた
方
(
はう
)
は、
衣兜
(
かくし
)
に
両手
(
りやうて
)
を
入
(
い
)
れたなり、
目
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
め、
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
けた、
声
(
こゑ
)
はしないで、あゝ、
笑
(
わら
)
つてると
思
(
おも
)
ふのが
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
目
(
め
)
の
縁
(
ふち
)
が
蒼
(
あを
)
くつて、
色
(
いろ
)
は
赤
(
あか
)
ツ
茶
(
ちや
)
けたのに、
厚
(
あつ
)
い
唇
(
くちびる
)
が
乾
(
かわ
)
いて、だらりと
開
(
あ
)
いて、
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
しさうに
喘
(
あへ
)
ぎ/\——
下司
(
げす
)
な
人相
(
にんさう
)
ですよ——
髮
(
かみ
)
の
長
(
なが
)
いのが、
帽子
(
ばうし
)
の
下
(
した
)
から
眉
(
まゆ
)
の
上
(
うへ
)
へ、ばさ/\に
被
(
かぶ
)
さつて
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
白
(
しろ
)
い
帽子
(
ばうし
)
を
掛
(
か
)
けてある。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“帽子”の解説
帽子(ぼうし)は、防暑、防寒、防砂、装飾を主な目的として頭にかぶる衣類の一種。西洋化以前は広義に布の被り物、狭義では烏帽子の略語であったが、西洋化とともに多くの頭にかぶる被り物を帽子と言うようになった。
素材には布や織、皮革や毛皮、ゴムやプラスチックなどが用いられ、用途に応じたさまざまな形状がある。冠やターバン、ヘルメット、兜、カツラなどを帽子に含めるか否かについては議論がある。
(出典:Wikipedia)
帽
常用漢字
中学
部首:⼱
12画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“帽子”で始まる語句
帽子屋
帽子製造場
帽子兜
帽子店
帽子編
帽子被