-
トップ
>
-
大事相
鐵砲玉は
麥藁の
籠へも
入れられた。
與吉はそれを
大事相に
持つては時
ゝ覗きながら、おつぎが
炊事の
間を
大人しくして
坐つて
居るのであつた。
醫者は
小さな
手鞄を一つ
持つて
古い
帽子をちよつぽり
載いて
出た。
手鞄は
勘次が
大事相に
持つた。
卯平は
目を
蹙めた
儘燐寸をとつて
復すつと
擦つて、ゆつくりと
軸木を
倒にして
其の
白い
軸木を
包んで
燃え
昇らうとする
小さな
火を
枯燥した
大きな
手で
包んで、
大事相に
覗いた。