人物じんぶつ)” の例文
かつ面白おもしろ人物じんぶつであるから交際かうさいして見給みたまへとふのでありました、これからわたしまた山田やまだ石橋いしばしとを引合ひきあはせて、桃園とうゑんむすんだかたちです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
訊問じんもんすると、案外あんがいにも老人ろうじんのことを、借金しゃっきん取立とりたてがきびしくへんくつだが、面白おもしろいところのある人物じんぶつだといつたし、また借金しゃっきんのことで
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ついでだからつてくが、わたくしはじこのふね乘組のりくんだときから一見いつけんしてこの船長せんちやうはどうも正直しようじき人物じんぶつではいとおもつてつたがはたしてしかり、かれいま
ると、室内しつないには白衣びゃくいた五十さいおもわるる一人ひとり修験者しゅけんじゃらしい人物じんぶつて、鄭重ていちょうこしをかがめて私達わたくしたちむかえました。
うしても、ありや萬里ばんり長城ちやうじやう向側むかふがはにゐるべき人物じんぶつですよ。さうしてゴビの沙漠さばくなか金剛石ダイヤモンドでもさがしてゐればいんです
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ちや外套氏ぐわいたうし大欠伸おほあくびをしてきた。口髯くちひげ茶色ちやいろをした、けた人物じんぶつで、ズボンをはだけて、どつかと居直ゐなほつて
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つまり根氣こんきくらべだね。しか如何いかなる人物じんぶつでも、毎日々々まいにち/\葉書はがきてられちやはふつてけないものとえるなア。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
「もしお前が、ここからコブレンツまであるほど大きな人物じんぶつになったところで、たった一つの歌もつくれやすまい。」
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
故郷くに靜岡しづをか流石さすが士族出しぞくでだけ人品じんぴん高尚かうしようにて男振をとこぶりぶんなく、さいありがくあり天晴あつぱれの人物じんぶついまこそ内科ないくわ助手しよしゆといへども行末ゆくすゑのぞみは十のさすところなるを
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一人ひとり張飛ちやうひやせよわくなつたやうな中老ちゆうらう人物じんぶつ一人ひとり關羽くわんう鬚髯ひげおとして退隱たいゝんしたやうな中老ちゆうらう以上いじやう人物じんぶつ
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
山車だしうえには、かおにしたおじいさんが、ひと人物じんぶつあいだって、このまちなか見下みおろしていました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし非常ひじよう面白おもしろ人物じんぶつ動物どうぶつ家屋かおくなどのほかには、祝部土器いはひべどきやその品物しなもの、または古墳こふん石室せきしつ横穴よこあななかかべなどにりつけた、まことに粗末そまつ人物じんぶつたて
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さいわい、江戸えどから長崎ながさき勉強べんきょうにきている書生しょせいなかまに、岡部おかべという青年せいねんがいました。しっかりした人物じんぶつですし、そのおとうさんは、江戸えど医者いしゃをしていました。
小栗の人物じんぶつは右のごとしとして、さて当時の外国人は日本国をいかに見たるやというに、そもそもの米国の使節しせつペルリが渡来とらいして開国かいこくうながしたる最初さいしょの目的は
一国の神社仏閣じんじやぶつかく名所旧跡めいしよきうせき山川地理さんせんちり人物じんぶつ国産薬品こくさんやくひんるゐまでも、わけをいだして通暁さとしやすくしたる精撰せいせん也。此しよに右菱山ひしやませつほゞ見えたれど、さのみはとて引ず。
どうして、わたくしには、世にもふしぎな影があるのでしてね。それでは、いつもわたくしといっしょにあるいております人物じんぶつが、お目にとまらないのでございますか。
しかしてみづかべんじてはるゝは、作者さくしや趣意しゆいは、殺人犯さつじんはんおかしたる人物じんぶつは、その犯後はんごいかなる思想しそういだくやらんとこゝろもちひて推測おしはか精微せいびじよううつして己が才力を著はさんとするのみと。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
貴方あなたしんじなさらんとえるがわたししんじてます。ドストエフスキイのうちか、ウオルテルのうちかに、小説中せうせつちゆう人物じんぶつつてることります、かみかつたとしたら、其時そのときひとかみかんがさう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わたし人物じんぶつまつた想像さうざうはんしてたのにおどろいたとひます、甚麼どんなはんしてたか聞きたいものですが、ちと遠方ゑんぱうで今問合とひあはせるわけにもきません
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さうして土山つちやまから人物じんぶつうちでは、千兩凾せんりやうばこへてはりつけになつたのが一番いちばんおほきいのだと一口話ひとくちばなし矢張やは友達ともだちからいたとほかへした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
唱歌しやうかうたふて朝寐坊あさねばうする人物じんぶつ學校がくかうからるやうになりてはなんやくにもつまじく、其邊そのへん御賢慮ごけんりよ願上候ねがひあげさふらふ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『たのもしい人物じんぶつじゃ。あれよりほかにそちが良人おっとかしづくべきものはない……』ただそれっきりの事柄ことがらで、わたくしはおとなしくちちおおせに服従ふくじゅうしたまででございます。
すなわち彼等の目的もくてき時機じきに投じて恩威おんいならほどこし、くまでも自国の利益りえきらんとしたるその中には、公使始めこれに附随ふずいする一類いちるいはいにも種々の人物じんぶつありて
また漆器しつきうへうつくしいいたものや、面白おもしろ人物じんぶついた鼈甲べつこう小箱こばこなどがあり、支那しな漢時代かんじだいには美術びじゆつすゝんでをつたことが、歴史れきしほんてをつても、まさか
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
みつは、ふかかんじたので、丁寧ていねいあたまげて、交番こうばんましたが、みちあるきながら、もし、その主人しゅじんというのが、薄情はくじょうで、もののわからぬ人物じんぶつであったらどうであろう。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
だい二の容疑者ようぎしゃは、金属きんぞくメッキ工場こうじょう技師ぎしけん重役じゅうやくであり、中内忠なかうちただしという工学士こうがくしだつたが、この人物じんぶつは、刈谷老人かりやろうじん高利こうりかねりていて、かなりくるしめられていたはずである。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
いま前後ぜんご事情じじやうよりかんがへ、またきみ人物じんぶつしんずるので、し、きみ確固くわくこたる約束やくそくがあるならば、今日こんにちおいて、この大秘密だいひみつを、きみ明言めいげんしてことの、むし得策とくさくなるをしんずるのです。
道連みちづれになつた上人しやうにんは、名古屋なごやから越前えちぜん敦賀つるが旅籠屋はたごやて、いましがたまくらいたときまで、わたしつてるかぎあま仰向あふむけになつたことのない、つま傲然がうぜんとしてものないたち人物じんぶつである。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
貴方あなたしんじなさらんとえるがわたししんじてます。ドストエフスキイのうちか、ウォルテルのうちかに、小説中しょうせつちゅう人物じんぶつってることがあります、もしかみかったとしたら、そのときひとかみかんがそう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それと利害りがいともにすべく滿洲まんしうから一所いつしよ安井やすゐが、如何いかなる程度ていど人物じんぶつになつたかを、あたまなかゑがいてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
伸一先生しんいちせんせい柔和にうわにして毅然きぜんたる人物じんぶつは、これ教訓けうくん兒童こどもこゝろむにてきしてたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
矢張やは人物じんぶつ善悪ぜんあくは、うまくった場合ばあいよりもまずった場合ばあいによくわかるようでございます。
先生せんせいは、小田おだ忠実ちゅうじつであって、信用しんようのおける人物じんぶつであることは、とうからていられたので、かれに、学問がくもんをさしたら、ますます人間にんげんになるとおもわれたから、このごろ、ひまのあるときは
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
近所きんじょでもよくつていることですが、老人ろうじんはかなりへんくつな人物じんぶつです。ひどく用心ようじんぶかくて、昼日中ひるひなかでも、もん内側うちがわしまりがしてあり、門柱もんちゅう呼鈴よびりんさないと、もんをあけてくれません。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
こんなことからおさんも、去年きよねん……當座たうざ、かりに玉川たまがはとしてく……其家そのいへ出入ではひりにけたやうだつたが、主人あるじか、旦那だんならず、かよつてるのが、謹深つゝしみぶかつゝましやかな人物じんぶつらしくて
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いま都下とかもつと有力いうりよくなるなにがし新聞しんぶん經濟部主任記者けいざいぶしゆにんきしやたり、つぎ總選擧そうせんきよには某黨ぼうたうよりおされて議員候補者ぎゐんこうほしやたるべき人物じんぶつ兒玉進五こだましんごとて小介川文學士こすけがはぶんがくしすで人々ひと/″\紹介せうかいしたのである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さっそくたま真贋しんがん見分みわけることのできる人物じんぶつかかえることにいたそう。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今朝けさ梅林ばいりん金色夜叉こんじきやしやうめる、富山唯繼とやまたゞつぐ一輩いつぱい人物じんぶつあるのみ。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
山高帽やまたかばういたゞいてる、たか人物じんぶつ
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)