トップ
>
物
>
もの
ふりがな文庫
“
物
(
もの
)” の例文
鬘
(
かつら
)
ならではと
見
(
み
)
ゆるまでに
結做
(
ゆひな
)
したる
圓髷
(
まるまげ
)
の
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
きに、
珊瑚
(
さんご
)
の
六分玉
(
ろくぶだま
)
の
後插
(
あとざし
)
を
點
(
てん
)
じたれば、
更
(
さら
)
に
白襟
(
しろえり
)
の
冷豔
(
れいえん
)
、
物
(
もの
)
の
類
(
たと
)
ふべき
無
(
な
)
く——
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
だから
平常
(
へいじょう
)
、
歌
(
うた
)
をおうたいになり、
鳴
(
な
)
り
物
(
もの
)
を
鳴
(
な
)
らしておいでなさるときは、けっして、さびしいということはなかったのであります。
町のお姫さま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
居室
(
へや
)
に
歸
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
ると、ちやんと
整頓
(
かたづい
)
て
居
(
ゐ
)
る。
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
は
書物
(
しよもつ
)
やら
反古
(
ほご
)
やら
亂雜
(
らんざつ
)
極
(
きは
)
まつて
居
(
ゐ
)
たのが、
物
(
もの
)
各々
(
おの/\
)
所
(
ところ
)
を
得
(
え
)
て
靜
(
しづ
)
かに
僕
(
ぼく
)
を
待
(
まつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「今朝の味噌汁が悪うございました。飯にも
香
(
こう
)
の
物
(
もの
)
にも
仔細
(
しさい
)
はなかった様子で、味噌汁を食わないものは何ともございませんが——」
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜
(
よる
)
もうっかり
流
(
なが
)
しの
下
(
した
)
や、
台所
(
だいどころ
)
の
隅
(
すみ
)
に
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
をあさりに出ると、
暗
(
くら
)
やみに目が
光
(
ひか
)
っていて、どんな目にあうか
分
(
わ
)
からなくなりました。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
そうして、このさいく
物
(
もの
)
のことりをはこんできたものは、さっそく、
帝室
(
ていしつ
)
さよなきどり
献上使
(
けんじょうし
)
、というしょうごうをたまわりました。
小夜啼鳥
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
事定りてのち寺に於て
稽古
(
けいこ
)
をはじむ、
技
(
わざ
)
熟
(
じゆく
)
してのち初日をさだめ、
衣裳
(
いしやう
)
髢
(
かつら
)
のるゐは是を
借
(
かす
)
を一ツの
業
(
なりはひ
)
とするものありて
物
(
もの
)
の
不足
(
たらざる
)
なし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
葉子はぽんと
高飛車
(
たかびしゃ
)
に出た。そしてにやりとしながらがっくりと顔を上向きにはねて、床の間の
一蝶
(
いっちょう
)
のひどい
偽
(
まが
)
い
物
(
もの
)
を見やっていた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
内
(
うち
)
より
明
(
あ
)
けて
面
(
おもて
)
を
出
(
いだ
)
すは
見違
(
みちが
)
へねども
昔
(
むかし
)
は
殘
(
のこ
)
らぬ
芳之助
(
よしのすけ
)
の
母
(
はゝ
)
が
姿
(
すがた
)
なり
待
(
ま
)
つ
人
(
ひと
)
ならで
待
(
ま
)
たぬ
人
(
ひと
)
の
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らず
佇
(
たゝず
)
むかげに
驚
(
おどろ
)
かされて
物
(
もの
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
海岸
(
かいがん
)
で、
鳶
(
とび
)
と
喧嘩
(
けんくわ
)
をして
負
(
ま
)
けたくやしさ、くやしまぎれに
物
(
もの
)
をもゆはず、
飛
(
と
)
びをりてきて、いきなり
強
(
つよ
)
くこつんと一つ
突衝
(
つゝ
)
きました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「じゃ、弦之丞様、今夜はちょっとお暇をいただいて、
家
(
うち
)
の様子を見たり、また、
当座
(
とうざ
)
の
食
(
く
)
い
物
(
もの
)
を少し仕入れてまいりますから——」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と言うお雪ちゃんの言葉は、今晩に限って、たしかに
物
(
もの
)
の
怪
(
け
)
にとりつかれているに相違ないほど、たかぶったかんの物言いぶりです。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さうして、彼等の魂の『
物
(
もの
)
云はぬ海』へ、大膽と好意を以て、
闖入
(
ちんにふ
)
することは、屡々、彼等に、第一の恩惠を與へることになるのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
今迄は無沙汰したのが
面目無
(
めんもくない
)
何と御見舞言た
物
(
もの
)
やらと、獨言引出したとたんがら/\と淺草の
市歸
(
いちかへり
)
か勢よく五六臺、前後して通ぬけぬ。
うづみ火
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
塾
(
じゆく
)
は
家族的
(
かぞくてき
)
の
組織
(
そしき
)
であるから
各人
(
かくじん
)
共同
(
きようどう
)
の
物
(
もの
)
である、
塾生
(
じゆくせい
)
は
此處
(
こゝ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いへ
)
と
心得
(
こゝろえ
)
て
何事
(
なにごと
)
も
自分
(
じぶん
)
に
責任
(
せきにん
)
を
持
(
も
)
つて
遣
(
や
)
らねばなりません。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
それは
物
(
もの
)
をつめたくする。どんなものでも水にあってはつめたくなる。からだをあつい
湯
(
ゆ
)
でふいても
却
(
かえ
)
ってあとではすずしくなる。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
『
留守中
(
るゐちう
)
これは
失禮
(
しつれい
)
でした。
妻
(
さい
)
が
居
(
ゐ
)
ませんので、
女中
(
ぢよちう
)
ばかり‥‥や、つまらん
物
(
もの
)
を
差上
(
さしあ
)
げて
恐縮
(
きようしゆく
)
しました』と
花竦薑
(
はならつきやう
)
を
下目
(
しため
)
で
見
(
み
)
る。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
日本
(
にほん
)
は
今
(
いま
)
藝術上
(
げいじゆつじやう
)
の
革命期
(
かくめいき
)
に
際
(
さい
)
して、
思想界
(
しさうかい
)
が
非常
(
ひぜう
)
に
興奮
(
こうふん
)
して
居
(
ゐ
)
る。
古今東西
(
ここんとうざい
)
の
思想
(
しさう
)
を
綜合
(
そうがふ
)
して
何物
(
なにもの
)
か
新
(
あたら
)
しい
物
(
もの
)
を
作
(
つく
)
らうとして
居
(
ゐ
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
また
二階
(
にかい
)
には
家々
(
いへ/\
)
の
道具類
(
どうぐるい
)
が、あるひは
織
(
お
)
り
物
(
もの
)
あるひは
木器
(
もくき
)
あるひは
陶器
(
とうき
)
といふように
種類
(
しゆるい
)
をわけて
見
(
み
)
られるようにしてあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
顏中
(
かほぢゅう
)
のどこも/\
釣合
(
つりあひ
)
が
善
(
よ
)
う
取
(
と
)
れて、
何一
(
なにひと
)
つ
不足
(
ふそく
)
はないが、
萬
(
まん
)
一にも、
呑込
(
のみこ
)
めぬ
不審
(
ふしん
)
があったら、
傍註
(
わきちゅう
)
ほどに
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
ふ
眼附
(
めつき
)
を
見
(
み
)
や。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『古今集』にはまた
大歌所
(
おおうたどころ
)
の
執
(
と
)
り
物
(
もの
)
の歌としてあって、山人の手に持つ
榊
(
さかき
)
の枝に、何か信仰上の意味がありそうに見えるのであります。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と、闇の中にシラジラと、砕ける波の穂頭が、
物
(
もの
)
の
怪
(
け
)
のように見えて来た。大穴の
周囲
(
まわり
)
に岩があって、それへ水がぶつかるらしい。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どうしたんだんべい。林さんもとは金持っていたほうだが、このごろじゃねっからお菜も買いやしねえ。いつも
漬
(
つ
)
け
物
(
もの
)
で茶をかけて飯を
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
其
(
そ
)
れ
程
(
ほど
)
ならば
何故
(
なぜ
)
彼
(
かれ
)
は
蜀黍
(
もろこし
)
の
穗
(
ほ
)
を
伐
(
き
)
ることを
敢
(
あへ
)
てしたのであつたらうか。
彼
(
かれ
)
は
此
(
こ
)
れまでも
畑
(
はたけ
)
の
物
(
もの
)
を
盜
(
と
)
つたのは一
度
(
ど
)
や二
度
(
ど
)
ではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
一體
(
いつたい
)
是
(
こり
)
や、
何
(
ど
)
う
云
(
い
)
ふ
了見
(
れうけん
)
だね」と
自分
(
じぶん
)
で
飾
(
かざ
)
り
付
(
つ
)
けた
物
(
もの
)
を
眺
(
なが
)
めながら、
御米
(
およね
)
に
聞
(
き
)
いた。
御米
(
およね
)
にも
毎年
(
まいとし
)
斯
(
か
)
うする
意味
(
いみ
)
は
頓
(
とん
)
と
解
(
わか
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
上
(
あ
)
げ若し長庵殿
言事
(
いふこと
)
にも程が有る
近所
(
きんじよ
)
には居らるれどもお前とは
染々
(
しみ/″\
)
物
(
もの
)
言換
(
いひかは
)
した事も無いに私しと
密通
(
みつつう
)
を仕て居るなどと根も葉も
無事
(
なきこと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
殊に塙団右衛門直之は
金
(
きん
)
の
御幣
(
ごへい
)
の
指
(
さ
)
し
物
(
もの
)
に
十文字
(
じゅうもんじ
)
の
槍
(
やり
)
をふりかざし、槍の
柄
(
つか
)
の折れるまで戦った
後
(
のち
)
、樫井の町の中に打ち死した。
古千屋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もし
自分
(
じぶん
)
が
文字
(
もんじ
)
に
通
(
つう
)
じてゐたなら、ひとつ
羊皮紙
(
やうひし
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れて、それに
認
(
したゝ
)
めもしよう。さうして
毎晩
(
まいばん
)
うんと
旨
(
うま
)
い
物
(
もの
)
を
食
(
た
)
べてやる。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
けれど泥が
深
(
ふか
)
いから、足がはまつたら最後二度と拔けなかつた。水の外に
掴
(
つか
)
まる
物
(
もの
)
が無いのだから、もがけばもがく
程
(
ほど
)
泥
(
どろ
)
に吸はれて行く。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
『
私
(
わたし
)
は
賣
(
う
)
る
爲
(
ため
)
にそれを
持
(
も
)
つてるのです』と
帽子屋
(
ばうしや
)
が
説明
(
せつめい
)
のやうに
言
(
い
)
ひ
足
(
た
)
しました、『
自分
(
じぶん
)
の
物
(
もの
)
は
一個
(
ひとつ
)
も
持
(
も
)
ちません。
私
(
わたし
)
は
帽子屋
(
ばうしや
)
ですもの』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
こうして正太と二人ぎりで居ることは、病院に来ては得難い
機会
(
おり
)
であった。豊世は
濯
(
すす
)
ぎ
物
(
もの
)
か何かに出て居なかった。幸作も見えなかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
時たま窓から人の顔などが
覗
(
のぞ
)
いていると、なんだか
物
(
もの
)
の
怪
(
け
)
のように無気味で、通りかかる付近の人を怖がらせるほどであった。
暗黒星
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ところへ
物
(
もの
)
を
蒸
(
む
)
し、そして
發酵
(
はつこう
)
させるやうな日光が
照付
(
てりつ
)
けるのであるから、地はむれて、むツと息の
塞
(
つ
)
まるやうな
温氣
(
うんき
)
と
惡臭
(
あくしう
)
とを
放散
(
ほうさん
)
する。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
この
歌
(
うた
)
は
別
(
べつ
)
に
深
(
ふか
)
く
思
(
おも
)
ひこんでゐるのでもない
樂
(
たの
)
しみを、ぢっと
續
(
つゞ
)
けてゐたといふだけの
物
(
もの
)
ですから、
調子
(
ちようし
)
と
意味
(
いみ
)
とがぴったりとしてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ある日のこと、
重吉
(
じゅうきち
)
はなにを思ったか、お父さんが大切にしまって
置
(
お
)
いた
掛
(
か
)
け
物
(
もの
)
を、そっと取り出して、台所の
片隅
(
かたすみ
)
にかくしてしまいました。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
老人
(
ろうじん
)
は松女を
膝
(
ひざ
)
からおろしてちょっとむきなおる。はいったふたりはおなじように老人に
会釈
(
えしゃく
)
した。老人はたって
敷
(
し
)
き
物
(
もの
)
をふたりにすすめる。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
俗界
(
ぞくかい
)
に
於
(
お
)
ける
小説
(
せうせつ
)
の
勢力
(
せいりよく
)
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
く
大
(
だい
)
なれば
随
(
したがつ
)
て
小説家
(
せうせつか
)
即
(
すなは
)
ち
今
(
いま
)
の
所謂
(
いはゆる
)
文学者
(
ぶんがくしや
)
のチヤホヤせらるゝは
人気
(
じんき
)
役者
(
やくしや
)
も
物
(
もの
)
の
数
(
かづ
)
ならず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
このとき足あがらざるゆえ、楽戯にあらずと断定す。また曰く、「しからば、汝は
物
(
もの
)
教
(
おし
)
えに来たるか。物教えに来たるならばこの足をあげよ」
妖怪玄談
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
或る人民の
好
(
この
)
んで
食
(
くら
)
ふ物を他の人民は
捨
(
す
)
てて
顧
(
かへり
)
みず、或る人民の食ふ可からずとする
物
(
もの
)
を他の人民は
喜
(
よろこ
)
んで
賞玩
(
せうくわん
)
するの類其
例
(
れい
)
决
(
けつ
)
して少からす。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
男3 とにかく、それは死んだ
行平
(
ゆきひら
)
の
物
(
もの
)
の
怪
(
け
)
ですよ。確かにそうです。……全く
執拗
(
しつこ
)
いったらありゃしない……(左へ退場)
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
梅干を使わない時は
酢
(
す
)
の
物
(
もの
)
を
拵
(
こしら
)
えるとか百合のない時には
款冬
(
ふき
)
の
薹
(
とう
)
とか
鮎
(
あゆ
)
のウルカとか必ず苦味と酸味を膳の上に欠かないのが五味の調和だ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
に
着物
(
きもの
)
だって……すこし
待
(
ま
)
ちたまえ、なにかあるだろう。が、家のものをさわがしたくないから、まにあわせだよ」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
物
(
もの
)
堅
(
がた
)
い
良人
(
おっと
)
の
方
(
ほう
)
でも、うわべはしきりに
耐
(
こら
)
え
耐
(
こら
)
えて
居
(
お
)
りながら、
頭脳
(
あたま
)
の
内部
(
なか
)
は
矢張
(
やは
)
りありし
昔
(
むかし
)
の
幻影
(
げんえい
)
で
充
(
み
)
ち
充
(
み
)
ちているのがよく
判
(
わか
)
るのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ふん、
物
(
もの
)
の
値打
(
ねうち
)
のわからねえ
奴
(
やつ
)
にゃかなわねえの。
女
(
おんな
)
の
身体
(
からだ
)
についてるもんで、
年
(
ねん
)
が
年中
(
ねんじゅう
)
、
休
(
やす
)
みなしに
伸
(
の
)
びてるもなァ、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
と
爪
(
つめ
)
だけだぜ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
物
(
もの
)
を
積
(
つも
)
つて考へて見ろ、それに
此頃
(
このごろ
)
は
生意気
(
なまいき
)
になつて
大分
(
だいぶ
)
大人
(
おとな
)
にからかふてえが、
宜
(
よ
)
くないぞ、
源蔵
(
げんぞう
)
見
(
み
)
たやうな
堅
(
かた
)
い人を
怒
(
おこ
)
らせるぢやアねえぞ。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
物
(
もの
)
の
怪
(
け
)
に
憑
(
つ
)
かれでもしたかのごとくふるえ声で叫んだ千之介の制止を、同じ物の怪に憑かれでもしたように林田が跳ね返し乍らつづけていった。
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「裏から出たらあきまへん!………表へ、………表へ廻んなはれ!………
穿
(
は
)
き
物
(
もの
)
わてが持つて
行
(
い
)
たげる! 早よ、早よ!」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それを三浦と上総の両介どのが追いすがって、
犬追
(
いぬお
)
う
物
(
もの
)
のようにして射倒されたということじゃが、その執念は怖ろしい。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それに、この家には、おばさんがひとり住んでいるだけですが、あのおばあさんは、
生
(
い
)
き
物
(
もの
)
をつかまえたりはしませんよ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
あとは
髪毛
(
かみのけ
)
と血の
和
(
あ
)
え
物
(
もの
)
みたようになったのが、線路の
一側
(
ひとかわ
)
を十間ばかりの間に、ダラダラと引き散らされて来ている。
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“物”の意味
《名詞》
(もの)人の認識の対象となる存在又はそれに順ずる概念。cf.こと。
(もの、「者」と読み分ける場合はブツ)(法律)権利等の主体である人に対立する概念で、権利等の客体をいう。
(ブツ)(隠語)違法に取引されるもの。
(出典:Wiktionary)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“物”を含む語句
着物
物語
怪物
食物
腫物
動物
供物
作物
贈物
副食物
生物
物凄
果物
玩弄物
器物
植物
香物
物品
物柔
贋物
...