“一蝶”の読み方と例文
読み方割合
いっちょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
葉子はぽんと高飛車たかびしゃに出た。そしてにやりとしながらがっくりと顔を上向きにはねて、床の間の一蝶いっちょうのひどいまがものを見やっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「土佐狩野はいうに及ばず、応挙、光琳の風をよく呑み込んで、ちょっと浮世絵のほうでは又平から師宣、宮川長春などという所を見破って、其へ一蝶いっちょうの艶のある所をよく味わって」
吾人ごじん元禄げんろく時代の美術を鑑賞するに当り一蝶いっちょう及び宗珉そうみんらの制作に関して俳諧の感化を拒みがたしとなさば、天明寛政の平民美術についてはその勢力隠然狂歌にありしといふことを得べし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)