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毒
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どく
ふりがな文庫
“
毒
(
どく
)” の例文
と
平生
(
へいぜい
)
から
嘲
(
あざけ
)
るものは
嘲
(
あざけ
)
るが、
心優
(
こゝろやさ
)
しい
衣絵
(
きぬゑ
)
さんは、それでも
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
がつて、
存分
(
ぞんぶん
)
に
沸
(
わ
)
かして
飲
(
の
)
むやうにと
言
(
い
)
つた
厚情
(
こゝろざし
)
なのであつた。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
少年
(
しょうねん
)
は
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
に
思
(
おも
)
って、
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
るときに、その
車
(
くるま
)
の
後
(
あと
)
を
押
(
お
)
してやりました。すると
車
(
くるま
)
の
上
(
うえ
)
から、
小
(
ちい
)
さな
石
(
いし
)
ころが一つ
転
(
ころ
)
げ
落
(
お
)
ちました。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし
段々
(
だんだん
)
と
落着
(
おちつ
)
くに
随
(
したが
)
って、さすがにミハイル、アウエリヤヌイチに
対
(
たい
)
しては
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
で、
定
(
さだ
)
めし
恥入
(
はじい
)
っていることだろうと
思
(
おも
)
えば。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それから
又
(
また
)
『
毒
(
どく
)
』と
記
(
しる
)
してある
瓶
(
びん
)
から
澤山
(
たくさん
)
飮
(
の
)
めば、それが
屹度
(
きつと
)
晩
(
おそ
)
かれ
早
(
はや
)
かれ
體
(
からだ
)
の
害
(
がい
)
になるものだと
云
(
い
)
ふことを
决
(
けつ
)
して
忘
(
わす
)
れませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と
言
(
い
)
いました。おばあさんはこれこれの目にあったと
話
(
はな
)
して、「ああもう、こりごりだ。」と
言
(
い
)
いますと、おじいさんは
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
そうに
舌切りすずめ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
パリス
何
(
いづ
)
れも
名譽
(
めいよ
)
の
家柄
(
いへがら
)
であらせらるゝに、
久
(
ひさ
)
しう
確執
(
なかたがひ
)
をなされたはお
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
儀
(
ぎ
)
でござった。
時
(
とき
)
に、
吾等
(
われら
)
が
申入
(
まうしい
)
れた
事
(
こと
)
の
御返答
(
ごへんたふ
)
は?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
可憐
(
かれん
)
な
自白
(
じはく
)
を
何
(
ど
)
う
慰
(
なぐ
)
さめて
可
(
い
)
いか
分別
(
ふんべつ
)
に
餘
(
あま
)
つて
當惑
(
たうわく
)
してゐたうちにも、
御米
(
およね
)
に
對
(
たい
)
して
甚
(
はなは
)
だ
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だといふ
思
(
おもひ
)
が
非常
(
ひじやう
)
に
高
(
たか
)
まつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
父
(
とう
)
さんが
石垣
(
いしがき
)
の
側
(
そば
)
を
通
(
とほ
)
る
度
(
たび
)
に、
蛇苺
(
へびいちご
)
が
左樣
(
さう
)
言
(
い
)
つては
父
(
とう
)
さんを
誘
(
さそ
)
ひました。
蛇苺
(
はびいちご
)
は
毒
(
どく
)
だと
言
(
い
)
ひます。それを
父
(
とう
)
さんも
聞
(
き
)
いて
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
とうなりながら、
胸
(
むね
)
に
弦音
(
つるおと
)
を鳴らせ、口もきかずに
腕
(
うで
)
ばかりさすっているようすは、はたからみてもなんとも気の
毒
(
どく
)
らしかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不運
(
ふうん
)
にも
彼
(
かれ
)
に
誘惑
(
いうわく
)
された
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
女
(
をんな
)
だとも
思
(
おも
)
へるのであつたが、しかし
恋愛
(
れんあい
)
の
成立
(
せいりつ
)
については、
彼
(
かれ
)
も
詳
(
くは
)
しい
事
(
こと
)
は
知
(
し
)
らなかつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
花薄荷
(
はなはくか
)
、
双鸞菊
(
とりかぶと
)
、
風鈴草
(
ふうりんさう
)
、
毒
(
どく
)
の薄い、浮れやうの足りないほかの花よりも、おまへたちの
方
(
はう
)
が、わたしは
好
(
すき
)
だ。
滅
(
ほろ
)
んだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「あれだ。おもしれえは
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だぜ。千
吉
(
きち
)
は
妹
(
いもうと
)
のおせんを
餌
(
えさ
)
にして、
若旦那
(
わかだんな
)
から、二十五
両
(
りょう
)
という
大金
(
たいきん
)
をせしめやがったんだ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それで、ほうぼう姫のからだをしらべてみますと、
毒
(
どく
)
の
櫛
(
くし
)
が見つかりましたので、それをひきぬきますと、すぐに姫は息をふきかえしました。
白雪姫
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
そなたも
若
(
わか
)
いのに
歿
(
なく
)
なって、まことに
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なことであるが、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
はすべて
老少不定
(
ろうしょうふじょう
)
、
寿命
(
じゅみょう
)
ばかりは
何
(
な
)
んとも
致方
(
いたしかた
)
がない。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「
神楽坂上
(
かぐらざかうえ
)
の
御箪笥町
(
おたんすまち
)
までやっておくれ。あの、ほら、
南蔵院
(
なんぞういん
)
さまの前だよ。長丁場で
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だけれども
南鐐
(
なんりょう
)
でいいかえ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
此
(
この
)
至情
(
しゞやう
)
をあざける
人
(
ひと
)
は、百
萬年
(
まんねん
)
も千
萬年
(
まんねん
)
も
生
(
い
)
きるが
可
(
よ
)
い、
御氣
(
おき
)
の
毒
(
どく
)
ながら
地球
(
ちきう
)
の
皮
(
かは
)
は
忽
(
たちま
)
ち
諸君
(
しよくん
)
を
吸
(
す
)
ひ
込
(
こ
)
むべく
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
泡
(
あわ
)
のかたまり
先生
(
せんせい
)
諸君
(
しよくん
)
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
おかみさんはうしろ
姿
(
すがた
)
に
毒
(
どく
)
づきながら、ちょっと考えて、
勘定書
(
かんじょうがき
)
をひょいと
盆
(
ぼん
)
の上にのせ、
客
(
きゃく
)
のへやにはいっていった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
落付思ひ定めて歸らるべしヤヨ氣の
毒
(
どく
)
なる病氣ぞと長庵更に
取合
(
とりあは
)
ねば千太郎は其儘に
戻
(
もど
)
るにも戻られず
進退
(
しんたい
)
爰ぞと覺悟を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何處
(
どこ
)
の
姉樣
(
あねさま
)
からお
手紙
(
てがみ
)
が
來
(
こ
)
やうぞ、
眞赤
(
まつか
)
な
嘘
(
うそ
)
をと
我家
(
わがや
)
の
見返
(
みかへ
)
られて、
何事
(
なにごと
)
も
御存
(
ごぞん
)
じなしによいお
顏
(
かほ
)
をして
暇
(
ひま
)
を
下
(
くだ
)
さる
勿躰
(
もつたい
)
なさ、あのやうな
毒
(
どく
)
の
無
(
な
)
い
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
(いいえ。さっきの
泉
(
いずみ
)
で
洗
(
あら
)
いますから、
下駄
(
げた
)
をお
借
(
か
)
りして。)老人は新らしい
山桐
(
やまぎり
)
の下駄とも一つ
縄緒
(
なわお
)
の
栗
(
くり
)
の木下駄を気の
毒
(
どく
)
そうに一つもって来た。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
勘次
(
かんじ
)
さんそんでも
入
(
せ
)
えんなよ、
毒
(
どく
)
だつちんだから、
俺
(
おれ
)
折角
(
せつかく
)
別
(
べつ
)
にしてたんだから」お
品
(
しな
)
は
少
(
すこ
)
し
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
し
掛
(
か
)
けていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私は、お前さんを、ほんとうに気の
毒
(
どく
)
だと思っていますよ。けれどもお前さん、私が、しじゅうのんきにくらしているのだと、思っちゃあこまります。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
何うかして其の全ての考を引ツ
括
(
くる
)
むでゐる
毒
(
どく
)
ガスさへ消えて了ツたならば、自ら立派な名案が出て來るやうに思ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「こんな夜に働かせておくのは
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だ。それにあの男は、おとなしい。
明日
(
あした
)
はもうあの仕事をやめさせよう。」
巨男の話
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
これもやはり東京人の僕には妙に
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な言葉だった。しかし彼はいつの
間
(
ま
)
にか元気らしい
顔色
(
かおいろ
)
に返り、彼の絶えず愛読している日本文学の話などをし出した。
彼 第二
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
で、
彼
(
かれ
)
はムキになればなるだけ
教練
(
けうれん
)
や
武術
(
ぶじゆつ
)
に
失敗
(
しつぱい
)
し、
上官達
(
じやうくわんたち
)
に
叱
(
しか
)
りつけられ、
戰友達
(
せんいうたち
)
にはなぶり
物
(
もの
)
にされるのだつた。——
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だな‥‥と、
思
(
おも
)
ふことが
私
(
わたし
)
も
度々
(
たび/\
)
あつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
その
時
(
とき
)
、まだ
口
(
くち
)
に
残
(
のこ
)
つていた
毒
(
どく
)
が
水中
(
すいちゅう
)
へしたたりおちたために、
金魚
(
きんぎょ
)
も
死
(
し
)
んだのだと
思
(
おも
)
われる。しかし、
問題
(
もんだい
)
はこの
毒殺死体
(
どくさつしたい
)
だつた。
断
(
だん
)
じてまきぞえをくつた
金魚
(
きんぎょ
)
ではない。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
數
(
かず
)
を
知
(
し
)
らざる
無學
(
むがく
)
の
人
(
ひと
)
には、
一時
(
いちじ
)
目
(
め
)
を
驚
(
おどろ
)
かすの
不便
(
ふべん
)
あらん
乎
(
か
)
、
文盲人
(
もんまうじん
)
の
不便
(
ふべん
)
は
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ながら
顧
(
かへりみ
)
るに
暇
(
いとま
)
あらず。
其便不便
(
そのべんふべん
)
は
暫
(
しばら
)
く
擱
(
さしを
)
き、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に
日輪
(
にちりん
)
は
本
(
もと
)
なり、
月
(
つき
)
は
附
(
つき
)
ものなり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
かつはその
可哀
(
あわれ
)
な境遇を
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
と思うのとのために、これもまたいろいろに親切にしてやる。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其の
一〇一
端詞
(
はしことば
)
に、
高野
(
たかの
)
の奥の院へまゐる道に、玉川といふ河の
水上
(
みなかみ
)
に
毒
(
どく
)
虫おほかりければ、此の流を飲むまじきよしをしめしおきて後よみ
侍
(
はべ
)
りける、とことわらせ給へば
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
子あるまゝを塩引にしたるを
子籠
(
ここも
)
りといふ、古へのすはよりといひしも是ならんか。本草に
鮏
(
さけ
)
味
(
あぢ
)
はひ
甘
(
うま
)
く
微温
(
やはらか
)
毒
(
どく
)
なし、
主治
(
きゝみち
)
中
(
うち
)
を
温
(
あたゝ
)
め
気
(
き
)
を
壮
(
さかん
)
にす、多く
喰
(
くら
)
へば
痰
(
たん
)
を
発
(
おこ
)
すといへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そして、それがなんとなく
彼
(
かれ
)
に
對
(
たい
)
して
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な、
彼女
(
かれ
)
の一
生
(
しやう
)
を
通
(
つう
)
じてすまないことのやうに、
思
(
おも
)
はれるのであつた。まち
子
(
こ
)
は、もはや
不自由
(
ふじいう
)
の
足
(
あし
)
の
惡
(
わる
)
い、
自分
(
じぶん
)
の
肉體
(
からだ
)
についてはあきらめてゐる。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
K
夫人
(
ふじん
)
はいひ
澁
(
しぶ
)
つたが、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さうに
病人
(
びやうにん
)
を
見
(
み
)
ていふのだつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
あな
哀
(
あは
)
れ、
明日
(
あす
)
も亦
鈍
(
にぶ
)
き血の
毒
(
どく
)
をや吐かむ。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
にうんと
力
(
ちから
)
を
籠
(
こ
)
むれば、さしもの
毒
(
どく
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
実
(
じつ
)
にまずいね、
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だが。」
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
毒
(
どく
)
なものならなんでまあ
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
毒
(
どく
)
ある
牙
(
きば
)
に
噛
(
か
)
みてゆく
哀音
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
毒
(
どく
)
とげぬくも
晩
(
おそ
)
からん
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
毒
(
どく
)
ガス
弾
(
だん
)
豆潜水艇の行方
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうして、その
酒
(
さけ
)
と
水
(
みず
)
には、ことごとく
毒
(
どく
)
を
入
(
い
)
れておきました。
大将
(
たいしょう
)
は、
敵
(
てき
)
がきっと
腹
(
はら
)
を
減
(
へ
)
らして、のどを
渇
(
かわ
)
かしてくるにちがいない。
酒倉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
手
(
て
)
がないものだから、つい
遲
(
おそ
)
くなりまして
御氣
(
おき
)
の
毒
(
どく
)
です。すぐ
御膳
(
ごぜん
)
に
致
(
いた
)
しませう。
然
(
しか
)
しこんな
所
(
ところ
)
だから
上
(
あ
)
げるものがなくつて
困
(
こま
)
ります。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
(
いま
)
は
早
(
は
)
や、お
慈悲
(
じひ
)
、お
慈悲
(
じひ
)
の
聲
(
こゑ
)
も
嗄
(
か
)
れて、
蒋生
(
しやうせい
)
手放
(
てばな
)
しに、わあと
泣出
(
なきだ
)
し、
涙
(
なみだ
)
雨
(
あめ
)
の
如
(
ごと
)
く
下
(
くだ
)
ると
聞
(
き
)
けば、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
にも
又
(
また
)
あはれに
成
(
な
)
る。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ヂュリ ほんに
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ぢゃ、
氣分
(
きぶん
)
が
惡
(
わる
)
うてはなァ。したが、
乳母
(
うば
)
、
乳母
(
うば
)
や、
乳母
(
うば
)
いなう、
何卒
(
どうぞ
)
言
(
い
)
うてたも、
戀人
(
こひゞと
)
が
何
(
なん
)
と
被言
(
おッしゃ
)
った?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「まあ、それはお
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ですね。ではその
代
(
か
)
わりに、これを
上
(
あ
)
げましょう。のどがかわいたでしょう、お
上
(
あ
)
がりといって、
上
(
あ
)
げておくれ。」
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だが、またあらためて、
会
(
あ
)
ってやっておもらい
申
(
もう
)
すより、
仕方
(
しかた
)
がないじゃなかろうかと、
実
(
じつ
)
は
心配
(
しんぱい
)
している
訳
(
わけ
)
だが。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『さア、それは
好
(
い
)
い
鹽梅
(
あんばい
)
だ!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
獨語
(
ひとりごと
)
を
云
(
い
)
ひました、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
宣告
(
せんこく
)
された
死刑
(
しけい
)
の
人々
(
ひと/″\
)
を、
如何
(
いか
)
にも
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
に
思
(
おも
)
つてた
所
(
ところ
)
でしたから。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
その扇縄の区域へ、
裏切
(
うらぎ
)
り者がひそかに
毒
(
どく
)
をしずめたので、夕方の
兵糧時
(
ひょうろうどき
)
に、すべての者の
腹中
(
ふくちゅう
)
へ、おそるべき
酔魚草
(
すいぎょそう
)
の
毒水
(
どくすい
)
がめぐっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
認
(
した
)
ためんとするに先より
傍
(
かたは
)
らに
酒
(
さけ
)
を
呑居
(
のみゐ
)
たりし後藤半四郎は長八が話しを聞夫は何にしても
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なる事なり併し其金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
知
(
し
)
らず
曵
(
ひき
)
しかばなど
堪
(
たま
)
るべき
微塵
(
みぢん
)
になりて
恨
(
うら
)
みを
地
(
ち
)
に
殘
(
のこ
)
しぬ
孃
(
ぢやう
)
さま
御覽
(
ごらん
)
じつけて
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
がり
給
(
たま
)
ひ
此
(
この
)
そこねたるは
我身
(
わがみ
)
に
取
(
と
)
らせよ
代
(
かは
)
りには
新
(
あた
)
らしきのを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“毒”の解説
毒(どく)、毒物(どくぶつ)は、生物の生命活動にとって不都合を起こす物質の総称である。
毒物及び劇物指定令が定める毒物については、毒物及び劇物取締法#分類を参照。
毒は、生命活動に芳しくない影響を与える物質の総称。その性質は毒性(どくせい)とよばれ、また毒性を持つもの(物体・生物問わず)は有毒(ゆうどく)と表現される。専門に扱う学問には毒性学がある。
(出典:Wikipedia)
毒
常用漢字
小5
部首:⽏
8画
“毒”を含む語句
毒蛇
毒気
中毒
瘡毒
毒草
毒々
毒吐
毒茸
毒酒
防毒面
毒水
消毒
毒龍
毒人参
毒瓦斯
毒舌
黴毒
梅毒
毒薬
毒矢
...