ぞん)” の例文
ハツ/\うも御親切ごしんせつ有難ありがたぞんじます、何卒どうか貴方あなたたくかへつてくださいまし。金「かへらんでもいからおあがりな、わつしの見てめえで。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
おこがましい申分もうしぶんかはぞんじませぬが、そのてん御理解ごりかい充分じゅうぶんでないと、地上ちじょう人類じんるい発生はっせいした径路いきさつがよくおわかりにならぬとぞんじます。
カラバ侯爵こうしゃくというのは、猫吉がいいかげんに、じぶんの主人につけたなまえですが、王様はそんなことはごぞんじないものですから
それに、洋画家やうぐわか梶原かぢはらさんが、あめしのぎ、なみびて、ふねでも、いはでも、名勝めいしよう実写じつしやをなすつたのも、御双方ごそうはう御会心ごくわいしんことぞんじます。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
本州ほんしゆう木曾きそ甲州こうしゆう信州等しんしゆうなど高山こうざんのぼつたかたはよくごぞんじでせうが、日光につこう白根山しらねさん男體山なんたいざんやまた富士山ふじさんなどでは偃松はひまつません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
歩行あるきうち先夜せんや伊勢屋の前へまゐかゝりし時腹痛ふくつうにて難儀仕なんぎつかまつり夜更なれども詮方せんかたなく伊勢屋の戸をたゝき湯をもらはんとぞんじ候處一かうに戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれど賓人まれびとよ、わたくしはよくぞんじてります、今夜こんや弦月丸げんげつまるとかで御出發ごしゆつぱつになつては、奧樣おくさまも、日出雄樣ひでをさまも、けつして御無事ごぶじではみませんよ。
なされてくださるはづもなしべつものにあそばすとりながらおうらみも申されぬ不束ふつゝかうらめしうぞんじますとホロリとこぼすひざつゆ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「たしかにさようとぞんぜられます。今朝けさヒームキャのこうぎしでご説法せっぽうのをハムラの二人の商人しょうにんおがんでまいったともうします」
四又の百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
如何どうしてわたしぞんじてりませう?』つてあいちやんはみづか其勇氣そのゆうきおどろきました。『それはわたしつたことではありません』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
なん御用ごようぞんじませんが、一こくはやくお師匠ししょうさんにおにかかって、おねがいしたいことがあると、それはそれは、いそいでおりますんで。……」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
賓頭盧尊者びんづるそんじやざうがどれだけたつといものかぞんぜずにいたしたことゝえます。唯今たゞいまではくりや僧共そうども食器しよくきあらはせてをります。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
しかし、わたしは年とっておりますので、そういうこの世のはなやかなものが、やがてどうなるか、よくぞんじております。
こういう歌を皆さんはごぞんじでしょう。この歌が流行はやり始めた頃には、おもしろい話がそれについていたものです。
お山の爺さん (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
はれて權藏ごんざうは、『わかりました、難有ありがたぞんじます』とつたぎり、感泣かんきふしてしばらくはあたま得上えあげませんでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「まことにはやご苦労くろうさまにぞんじます。あの気違きちがいも長ながとご迷惑めいわくをかけましたが、それでわたしも安心いたしました。まずどうぞおかけくださいまし」
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
愚老ぐらう殿樣とのさま守口もりぐちで、與力衆よりきしう膽玉きもだまをおひしぎになつたことを、いまもつて小氣味こきみよくぞんじてります。』
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ぞんじのごとく、資力しりょくのないわたしどもに、ひとたすける資格しかくはありませんが、ほかでない、両親りょうしんをなくした、子供こどもかんがえますと、だれも世話せわをするものがなければ
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)
若君わかぎみ、昨夜もお願いいたしたとおり、兵法大講会へいほうだいこうえ故信玄公こしんげんこう甲斐かい武風ぶふうをあくまで天下にしめされた行事ぎょうじ、われわれが生涯しょうがいの思い出ともいたしとうぞんじますゆえ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わたしは、ナなんにも、ぞんじませんです。しかし、クレーンのスウィッチは、必ず切って帰りますで、真夜中に、ヒョロヒョロ動き出すなんて、そんな妙なことが……」
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
れがめに大邊たいへん危險きけんるとのことですが、わたくし田舍いなかりまする時分じぶんこれれについ實見じつけんしたことりますから、れをばまうようぞんじます、れは二さいばかりの子供こども
手前てまへぞんじをりまするは是限これぎり。内祝言ないしうげん乳母うば承知しょうちはず何事なにごとにまれ、われら不埓ふらち御檢斷ごけんだんあそばれうならば、餘命よめい幾何いくばくもなき老骨らうこつ如何いか御嚴刑ごげんけいにもしょせられませう。
既に述べしが如く、石器製造せききせいざうの順序は未開人民實際の所爲しよゐと、遺跡にぞんする原料、破片、作り掛け、作り損じ、製造用具せいざうようぐと思はる物品等の比較研究とにつて窺ひ知るを得るなり
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
「これはみかん十五ではございません。ねずみ十五ひきをおれになったとぞんじます。」
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
うま月毛つきげの、——たし法師髮ほふしがみうまのやうでございました。たけでございますか? たけ四寸よきもございましたか? ——なにしろ沙門しやもんことでございますから、そのへんははつきりぞんじません。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
大久保おほくぼのことを、すこ先生せんせいにおうかがひしたいとぞんじまして、お邪魔じやまましてございますが、先生せんせいにはなにもかもおわかりでせうとおもひますけれど。」あねはさうふうふのであつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「えゝ、御出おいででした。平岡の奥さんが。よく御ぞんじですな」と門野かどのは平気に答へた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
金銭なんぞ取扱うよりも読書一偏の学者になって居たいというかんがえであるに、ぞんかけもなく算盤そろばんとって金の数を数えなければならぬとか、藩借はんしゃく延期の談判をしなければならぬとかう仕事で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私たちの都合つごうで両親の手から取ろうと申すのはあまり勝手でございます。私、お母様のお心持ちが察しられますから、そこのところを直々お目にかかって念の通じるように申し上げたいとぞんじます
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
これはこれは ようこそ 星野さんは私よくぞんじてをります
まうはゞやとぞんさふらふ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
なんとも、ありがたうぞんじます——けて今晩こんばん御苦勞樣ごくらうさまです……のち御加勢ごかせいにまゐります。」おなじくみなみどなりへらせにおいでの
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
現代いまのよ人達ひとたちから頭脳あたまふるいとおもわれるかぞんじませぬが、ふるいにも、あたらしいにも、それがその時代じだいおんなみちだったのでございます。
承まはり何にも知ぬ私しさへくやしくぞんずる程なればさぞ御無念ごむねんにも思し召んが他所から出來た事ではなし矢張やつぱりお身からもとめた事故人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
へゝゝ不断ふだんやりつけてるもんですから……(一くちんで猪口ちよこを下に置き)有難ありがたぞんじます、どうも……。小「さめないうちにおひよ、おわんを。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「いや若様わかさま、雷がまいりましたせつ手前てまえ一身いっしんにおんわざわいをちょうだいいたします。どうかご安心あんしんをねがいとうぞんじます」
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かくて直ちに相役の嫡子ちゃくしを召され、御前において盃を申つけられ、それがし彼者かのものと互に意趣をぞんずまじきむね誓言致し候。
はやるほどなほ落附おちつきてお友達ともだちたれさま御病氣ごびやうきときく格別かくべつなかひとではあり是非ぜひ見舞みまひまをしたくぞんじますがと許容ゆるし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
鹿しかはみなさんもよくてごぞんじでせう。鹿しか本州ほんしゆう四國しこく九州きゆうしゆう朝鮮等ちようせんなどひろ分布ぶんぷしてゐます。牡鹿をじか牝鹿めじかよりすこおほきく、頭部とうぶつのつてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
しようもないことが、おしたとはぞんじてりましたが、しかし殿樣とのさまにあのときのことをすツかり愚老ぐらうくちからまをげますのは、今日けふはじめでござります。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
わたしは、年をとっておりますので、人間の心がかわりやすいものだということを、よくぞんじております。
無理むりやりに、手習てならいッふでにぎらせるようにして、たった二ぎょうふみではあったが、いやおうなしにかされた、ありがたくぞんそうろうかしこの十一文字もじになるままに
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
わたくし櫻木君さくらぎくん大望たいまうをばよくつてります。また、かれが、ひとらないこの印度洋インドやうちういつ孤島こたうに、三十有餘名いうよめい水兵すいへいともに、ひそめて次第しだいをもよくぞんじてります。
パチノ墓穴の場所については、いささかぞんじよりがあるが、しかしパチノの遺族を捜し出すのはちょっと骨が折れるネ。しかし何事なにごとも墓穴の中に在ると思うよ。では勇君、——
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『勿論、そんな代金はお下げにならんが。……お引移りの日取りは、口外できぬ事に俺たちも申しつかっているんじゃ。一ぞんで云うわけにゆかぬから、ちょっと、待って居れ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事件じけんくわんして、其方そのはうぞんじてることは!』と王樣わうさまあいちやんにまをされました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
乳母 はい/\、ぞんじてをりますとも、ぢゃうさまの年齡おとしなら、何時間なんじかんふことまで。
其時そのときあつまツてツた、一どうものよろこびはくらいりましたか、商家抔せうかなどではおうおわし取扱とりあつかつてるから、醫者いしやぶもはぬとようときは、實驗上じつけんぜう隨分ずいぶんもちひて宜敷よろしほうようぞんじます。
それから二日ふつかばかりして、坂井さかゐ名刺めいしへた立派りつぱ菓子折くわしをりつて、下女げぢよれいたが、先達せんだつては色々いろ/\御世話おせわになりまして、難有ありがたぞんじます、いづ主人しゆじん自身じしんうかゞはず御座ございますがといて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
愚息ぐそくでつとまることならまことに光栄のぞんじます」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)