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帯
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おび
ふりがな文庫
“
帯
(
おび
)” の例文
旧字:
帶
其跡
(
そのあと
)
へ
入違
(
いれちが
)
つて
来
(
き
)
たのは、
織色
(
おりいろ
)
の
羽織
(
はおり
)
、
結城博多
(
ゆうきはかた
)
の五
本手
(
ほんて
)
の
衣服
(
きもの
)
に
茶博多
(
ちやはかた
)
の
帯
(
おび
)
を
締
(
し
)
めました人物、年齢四十五六になる
品
(
ひん
)
の
好
(
よ
)
い
男
(
をとこ
)
。客
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
肩
(
かた
)
を
掴
(
つか
)
んで、ぐいと
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
った。その
手
(
て
)
で、
顔
(
かお
)
を
逆
(
さか
)
さに
撫
(
な
)
でた八五
郎
(
ろう
)
は、もう一
度
(
ど
)
帯
(
おび
)
を
把
(
と
)
って、
藤吉
(
とうきち
)
を
枝折戸
(
しおりど
)
の
内
(
うち
)
へ
引
(
ひ
)
きずり
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
みかん箱を平べったくしたような形の、じょうぶそうな木の箱で、板の合わせめには、黒い鉄板が
帯
(
おび
)
のようにうちつけてあります。
大金塊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
花畑
(
はなばたけ
)
へでも
抱
(
だ
)
いて
出
(
で
)
ると、
綺麗
(
きれい
)
な
蝶々
(
てふ/\
)
は、
帯
(
おび
)
に
来
(
き
)
て、
留
(
とま
)
つたんです、
最
(
も
)
う
一
(
ひと
)
つ
不思議
(
ふしぎ
)
なのは、
立像
(
りつざう
)
に
刻
(
きざ
)
んだのが、
膝
(
ひざ
)
柔
(
やはら
)
かにすつと
坐
(
すは
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ただ、
帯
(
おび
)
ほどの澄んだ水が、
雲母
(
きらら
)
のような雲の影をたった一つ
鍍金
(
めっき
)
しながら、ひっそりと蘆の中にうねっている。が、女は未だに来ない。
尾生の信
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
つんつるてんの
紺絣
(
こんがすり
)
の筒っぽに
白木綿
(
しろもめん
)
の
帯
(
おび
)
をグルグル巻きにして
冷飯草履
(
ひやめしぞうり
)
、いま言ったように釣竿を肩にどこにでも出かける。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
身は、やぶれ
衣
(
ごろも
)
に、
縄
(
なわ
)
の
帯
(
おび
)
一つ。そして、
沓
(
くつ
)
よりは丈夫らしい
素裸足
(
すはだし
)
で、ぬっと、大地から
生
(
は
)
えているというかたちである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さらに、
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ
目
(
め
)
を
向
(
む
)
けると、百
姓家
(
しょうや
)
にしては、ぜいたくすぎる
派手
(
はで
)
な
着物
(
きもの
)
が、
同
(
おな
)
じように
高価
(
こうか
)
な
帯
(
おび
)
といっしょに
衣桁
(
いこう
)
へかかっていました。
子供は悲しみを知らず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なお賢人の
曰
(
い
)
うに、「
言
(
げん
)
近くして
旨
(
むね
)
遠きものは
善言
(
ぜんげん
)
なり。守ること約にして
施
(
ほどこ
)
すこと
博
(
ひろ
)
きものは善道なり。
君子
(
くんし
)
の
言
(
げん
)
は
帯
(
おび
)
より
下
(
くだ
)
らずして
道
(
みち
)
存
(
そん
)
す」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そこで、
仕立屋
(
したてや
)
さんはおおいそぎで、
帯
(
おび
)
を一本
裁
(
た
)
って、ぬいあげました。そしてそれに、大きな字で、「ひと
打
(
う
)
ちで七つ」と、ししゅうをしました。
いさましい ちびの仕立屋さん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
縦令
(
たとへ
)
旦那様
(
だんなさま
)
が
馴染
(
なじみ
)
の女の
帯
(
おび
)
に、百
金
(
きん
)
を
抛
(
なげう
)
たるゝとも
儂
(
わたし
)
が
帯
(
おび
)
に百五十
金
(
きん
)
をはずみ
給
(
たま
)
はゞ、
差引
(
さしひき
)
何の
厭
(
いと
)
ふ所もなき
訳也
(
わけなり
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
帯
(
おび
)
もせざる女
片手
(
かたて
)
に
小児
(
せうに
)
を
背負
(
せおひ
)
、
提灯
(
ちやうちん
)
を
提
(
さげ
)
て
高処
(
たかきところ
)
へ
逃
(
にげ
)
のぼるは、
近
(
ちか
)
ければそこらあらはに見ゆ、
命
(
いのち
)
とつりがへなればなにをも
恥
(
はづか
)
しとはおもふべからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
かと思うと、一山いくらのところをあれこれと見まわってから、ごそごそと
帯
(
おび
)
の
間
(
あいだ
)
から
財布
(
さいふ
)
がわりの
封筒
(
ふうとう
)
をとりだす、みすぼらしいおばあさんもあります。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
岸
(
きし
)
のあたりは、もう、とけはじめていて、そこは
幅
(
はば
)
のひろい、黒くかがやく水の
帯
(
おび
)
のように見えているのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
白
(
しろ
)
い
蒸氣
(
ゆげ
)
が
釜
(
かま
)
の
蓋
(
ふた
)
から
勢
(
いきほ
)
ひよく
洩
(
も
)
れてやがて
火
(
ひ
)
が
引
(
ひ
)
かれてからおつぎは
起
(
おこ
)
される。
帯
(
おび
)
を
締
(
しめ
)
た
儘
(
まゝ
)
横
(
よこ
)
になつたおつぎは
容易
(
ようい
)
に
開
(
あ
)
かない
目
(
め
)
をこすつて
井戸端
(
ゐどばた
)
へ
行
(
ゆ
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一緒
(
いっしょ
)
に里のおとうさんおかあさんの家へ行くときにはおよめさんはおむこさんをじぶんの
帯
(
おび
)
のあいだに、ちょこなんとはさんで、
仲
(
なか
)
よく話しながら行きました。
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
やはりそのまん中には上から下へかけて
銀河
(
ぎんが
)
がぼうとけむったような
帯
(
おび
)
になって、その下の方ではかすかに
爆発
(
ばくはつ
)
して
湯
(
ゆ
)
げでもあげているように見えるのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
もう夜明けの時間をよほど
過
(
す
)
ぎていたが、空はまだまっ暗であった。東のほうに白っぽい
帯
(
おび
)
のようなものが雪の間に流れてはいたが、太陽は出て来そうもなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そして、店を畳んだ金で、その頃十七、八円もする
縮緬
(
ちりめん
)
の
長繻絆
(
ながじゅばん
)
や
帯
(
おび
)
や
洋傘
(
こうもり
)
などを買ってやった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
汽車の進むに従つて、隠見する相模灘はすゝけた銀の如く、底光を
帯
(
おび
)
たまゝ澱んでゐた。
先刻
(
さつき
)
まで、見えてゐた天城山も、何時の間にか、灰色に塗り隠されて了つてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
彼等は最高の階級を代表し、数年前までは二本の刀を
帯
(
おび
)
ることを許されていた。その短い方は、腰をめぐる紐の内側の
褶
(
ひだ
)
に、長い方は外側の褶にさし込まれるのであった。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
木綿のもので、よく目がつんでいて丈夫を以て名があり、主として
帯
(
おび
)
や
袴
(
はかま
)
に用いられました。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
其時三千代は長い
睫毛
(
まつげ
)
を二三度打ち合はした。さうして、
掌
(
てのひら
)
に落ちたものを
帯
(
おび
)
の
間
(
あひだ
)
に
挟
(
はさ
)
んだ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
帯
(
おび
)
しろ
裸
(
はだか
)
の叔母がそこにやって来て、またくだらぬ
口論
(
くちいさかい
)
をするのだと思うと、
泥
(
どろ
)
の中でいがみ合う豚かなんぞを思い出して、葉子は
踵
(
かかと
)
の
塵
(
ちり
)
を払わんばかりにそこそこ家を出た。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
身
(
み
)
には
平袖
(
ひらそで
)
の
白衣
(
びゃくい
)
を
着
(
き
)
て、
帯
(
おび
)
を
前
(
まえ
)
で
結
(
むす
)
び、
何
(
なに
)
やら
絵
(
え
)
で
見覚
(
みおぼ
)
えの
天人
(
てんにん
)
らしい
姿
(
すがた
)
、そして
何
(
な
)
んともいえぬ
威厳
(
いげん
)
と
温情
(
おんじょう
)
との
兼
(
か
)
ね
具
(
そなわ
)
った、
神々
(
こうごう
)
しい
表情
(
ひょうじょう
)
で
凝乎
(
じっ
)
と
私
(
わたくし
)
を
見
(
み
)
つめて
居
(
お
)
られます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ここに
前
(
さき
)
の
夫
(
つま
)
の
一一九
二
(
ふた
)
つなき
宝
(
たから
)
にめで給ふ
一二〇
帯
(
おび
)
あり。これ常に
帯
(
は
)
かせ給へとてあたふるを見れば、
金銀
(
きがねしろがね
)
を飾りたる
太刀
(
たち
)
の、
一二一
あやしきまで
鍛
(
きた
)
うたる古代の物なりける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
彼女は花びらを一つずつ用い草の葉や、草の実をたくみに
点景
(
てんけい
)
した。ときには
帯
(
おび
)
のあいだにはさんでいる小さい
巾着
(
きんちゃく
)
から、
砂粒
(
すなつぶ
)
ほどの
南京玉
(
なんきんだま
)
を出しそれを花びらのあいだに
配
(
はい
)
した。
花をうめる
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
その眼と眉の
間
(
あいだ
)
に一種形容の出来ぬ凄味を
帯
(
おび
)
ていて、
所謂
(
いわゆ
)
る殺気を含んでいると云うのであろう、その凄い怖い眼でジロリと睨まれた一瞬間の怖さ恐しさ、私は思わず気が遠くなって
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
つまり本人はその都度別の人間になって衷心からそう信じて云うから、鼻の頭までも熱誠と確信の光りを
帯
(
おび
)
て来るので、これに影響された相手は、如何にもあの人は感心だ。話せる人物だ。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
新聞紙は紙と活字と記者と職工とにて出来るものぢやない、我等配達人も
亦
(
ま
)
た実に之を成立せしめる重要なる職分を
帯
(
おび
)
て居るのである、
然
(
しか
)
るに君等は我が同胞新聞の社会に存在する理由、
否
(
い
)
な
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
姿にしても
其通
(
そのとほり
)
だ、
奈何
(
いか
)
にもキチンと
締
(
しま
)
ツて、
福袢
(
じゆはん
)
の
襟
(
えり
)
でも
帯
(
おび
)
でも、または
着物
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
でもひツたり體にくツついてゐるけれども、
些
(
ちつ
)
とだツて
氣品
(
きひん
)
がない。別の
言
(
ことば
)
でいふと、
奥床
(
おくゆか
)
しい點が無いのだ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
帯
(
おび
)
のなかに
金
(
きん
)
・
銀
(
ぎん
)
または
銭
(
ぜに
)
を
持
(
も
)
つな。
旅
(
たび
)
の
嚢
(
ふくろ
)
も、
二枚
(
にまい
)
の
下衣
(
したぎ
)
も、
鞋
(
くつ
)
も、
杖
(
つえ
)
も
持
(
も
)
つな。
視
(
み
)
よ、
我
(
われ
)
なんじらを
遣
(
つかわ
)
すは、
羊
(
ひつじ
)
を
豺狼
(
おおかみ
)
のなかに
入
(
い
)
るるが
如
(
ごと
)
し。この
故
(
ゆえ
)
に
蛇
(
へび
)
のごとく
慧
(
さと
)
く、
鴿
(
はと
)
のごとく
素直
(
すなお
)
なれ。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これがためにかえって浪子は初心を破らじとひそかに心に
帯
(
おび
)
せるなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「じゃあ、わたしは、いつものスカートにしておくわ。けれど、そのかわり、金の花もようのマントを着るわ。そうして、ダイヤモンドの
帯
(
おび
)
をするわ。あれは
世間
(
せけん
)
にめったにない品物なんだもの。」
灰だらけ姫:またの名 「ガラスの上ぐつ」
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
都会は繁華となるに従つて
益々
(
ます/\
)
自然の地勢から生ずる風景の美を大切に保護せねばならぬ。都会に於ける自然の風景は其の都市に対して金力を以て
造
(
つく
)
る事の出来ぬ威厳と品格とを
帯
(
おび
)
させるものである。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
大隅は立ち上ると、
帯
(
おび
)
を
解
(
と
)
いて、洋服に着かえた。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
とうとうこの谷間の静かな地面の
帯
(
おび
)
を
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
帯
(
おび
)
のようにうねっていました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
目をかきみだす赤き
帯
(
おび
)
かな
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
無塵
(
むじん
)
の
衣
(
ころも
)
、
水
(
みづ
)
の
帯
(
おび
)
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
腸
(
はらわた
)
断
(
た
)
えざらん
限
(
か
)
ぎりなき
心
(
こゝろ
)
のみだれ
忍艸
(
しのぶぐさ
)
小紋
(
こもん
)
のなへたる
衣
(
きぬ
)
きて
薄
(
うす
)
くれなゐのしごき
帯
(
おび
)
前に結びたる
姿
(
(すが)た
)
今
(
いま
)
幾日
(
いくひ
)
見
(
み
)
らるべきものぞ
年頃
(
としごろ
)
日頃
(
ひごろ
)
片時
(
かたとき
)
はなるゝ
間
(
ひま
)
なく
睦
(
むつ
)
み
合
(
あ
)
ひし
中
(
うち
)
になど
底
(
そこ
)
の
心
(
こゝろ
)
知
(
し
)
れざりけん
少
(
ちい
)
さき
胸
(
むね
)
に
今日
(
けふ
)
までの
物思
(
ものおも
)
ひはそも
幾何
(
いくばく
)
ぞ
昨日
(
きのふ
)
の
夕暮
(
ゆふぐれ
)
お
福
(
ふく
)
が
涙
(
なみだ
)
ながら
語
(
かた
)
るを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
折角
(
せっかく
)
の
御親切
(
ごしんせつ
)
でおますが、いったんお
返
(
かえ
)
ししょうと、
持
(
も
)
って
参
(
さん
)
じましたこの
帯
(
おび
)
、また
拝借
(
はいしゃく
)
させて
頂
(
いただ
)
くとしましても、
今夜
(
こんや
)
はお
返
(
かえ
)
し
申
(
もう
)
します
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
帯
(
おび
)
の
間
(
あひだ
)
から
紙幣入
(
さついれ
)
を出して
幾許
(
いくら
)
か
払
(
はらひ
)
をして
帰
(
かへ
)
る時に、重い口からちよいと
世辞
(
せじ
)
を
云
(
い
)
つて
往
(
ゆ
)
きましたから、
大
(
おほ
)
きに
様子
(
やうす
)
が
宜
(
よろ
)
しうございました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
出水
(
でみづ
)
だ
危
(
あぶな
)
い、と
人々
(
ひと/″\
)
此方
(
こなた
)
の
岸
(
きし
)
から
呼
(
よ
)
ばゝつたが、
強情
(
がうじやう
)
にものともしないで、
下駄
(
げた
)
を
脱
(
ぬ
)
ぐと
杖
(
つゑ
)
を
通
(
とほ
)
し、
帯
(
おび
)
を
解
(
と
)
いて
素裸
(
すはだか
)
で、ざぶ/\と
渉
(
わた
)
りかける。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
うるわしいお
下髪
(
さげ
)
にむすび、
帯
(
おび
)
のあいだへ笛をはさんだその
少女
(
おとめ
)
は、おずおずと、梅雪の駕籠の前へすすんで手をついた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見
(
み
)
わたすかぎり、
初雪
(
はつゆき
)
にいろどられて、
白
(
しろ
)
い
世界
(
せかい
)
の
中
(
なか
)
を、
金色
(
こんじき
)
の
帯
(
おび
)
のように、
河
(
かわ
)
が
流
(
かわ
)
れ、
田圃
(
たんぼ
)
は、
獣物
(
けだもの
)
の
背中
(
せなか
)
のように、しまめを
造
(
つく
)
っていました。
美しく生まれたばかりに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
このゆゑに此
束
(
たば
)
ねたる
稿
(
わら
)
は
帯
(
おび
)
にはさみてはなたず。また
行
(
ぎやう
)
の中は
无言
(
むごん
)
にて
一言
(
ひとこと
)
もいはず、又母のほか妻たりとも女の手より物をとらず、
精進潔斎
(
しやうじんけつさい
)
は
勿論
(
もちろん
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そこで、しめている
帯
(
おび
)
をなげてやりました。これでもまだだめなので、
靴下
(
くつした
)
どめをなげてやりました。
六羽の白鳥
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
光ったり
陰
(
かげ
)
ったり、
幾重
(
いくえ
)
にも
畳
(
たた
)
む
丘々
(
おかおか
)
の
向
(
むこ
)
うに、
北上
(
きたかみ
)
の野原が
夢
(
ゆめ
)
のように
碧
(
あお
)
くまばゆく
湛
(
たた
)
えています。
河
(
かわ
)
が、
春日大明神
(
かすがだいみょうじん
)
の
帯
(
おび
)
のように、きらきら銀色に
輝
(
かがや
)
いて
流
(
なが
)
れました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
からだには
褐色
(
かっしょく
)
の木の上着をき、
腰
(
こし
)
には黒い木の
帯
(
おび
)
をしめ、大きな灰色の木の半ズボンをはいて、それに、木の
靴下
(
くつした
)
をはいていました。それから黒い木の靴をはいていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
“帯”の解説
帯(おび、帶)とは、着物の上から腰の上に巻いて結ぶことで着物を体に固定させる幅広で紐状の装身具。道具を装用する機能も持つ。
(出典:Wikipedia)
帯
常用漢字
小4
部首:⼱
10画
“帯”を含む語句
世帯
腰帯
帯刀
腹帯
紐帯
革帯
帯革
扱帯
拐帯
世帯染
昼夜帯
携帯
痩世帯
大佩帯
飾帯
臍帯
繃帯
帯紐
兵古帯
新世帯
...