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躍
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をど
ふりがな文庫
“
躍
(
をど
)” の例文
騙詐
(
かたり
)
が
世渡
(
よわた
)
り
上手
(
じやうず
)
で
正直
(
しやうぢき
)
が
無気力漢
(
いくぢなし
)
、
無法
(
むはう
)
が
活溌
(
くわつぱつ
)
で
謹直
(
きんちよく
)
が
愚図
(
ぐづ
)
、
泥亀
(
すつぽん
)
は
天
(
てん
)
に
舞
(
ま
)
ひ
鳶
(
とんび
)
は
淵
(
ふち
)
に
躍
(
をど
)
る、さりとは
不思議
(
ふしぎ
)
づくめの
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
ぞかし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
キヤツと
啼
(
な
)
く、と五六
尺
(
しやく
)
眞黒
(
まつくろ
)
に
躍
(
をど
)
り
上
(
あが
)
つて、
障子
(
しやうじ
)
の
小間
(
こま
)
からドンと
出
(
で
)
た、
尤
(
もつと
)
も
歌
(
うた
)
を
啣
(
くは
)
へたまゝで、
其
(
そ
)
ののち
二日
(
ふつか
)
ばかり
影
(
かげ
)
を
見
(
み
)
せぬ。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
躍
(
をど
)
り狂ふ烟の下に自若として、
面
(
おもて
)
も
爛
(
ただ
)
れんとすばかりに照されたる姿は、この災を司る鬼女などの現れ出でにけるかと疑はしむ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その枝は不二と
愛鷹
(
あしたか
)
とを振り分けて、
殊
(
こと
)
に愛鷹の
両尖点
(
りやうせんてん
)
(右なるは主峰越前嶽にして
位牌
(
ゐはい
)
ヶ嶽は左の
瘤
(
こぶ
)
ならむ)は、
躍
(
をど
)
つて梢に
兎耳
(
とじ
)
を立てたり
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
鉤には誰かが
河豚
(
ふぐ
)
にでも切られたらしい釣鉤と
錘具
(
おもり
)
とが引つ懸つてゐるばかしで鱚らしいものは一
尾
(
ぴき
)
も
躍
(
をど
)
つてゐなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
神々
(
かう/″\
)
しき
朝日
(
あさひ
)
に
向
(
むか
)
つて
祈念
(
きねん
)
を
凝
(
こら
)
したこともあつたのです。ふと
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
つた
時
(
とき
)
には
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
はず
躍
(
をど
)
り
上
(
あが
)
つて
喜
(
よろこ
)
んださうです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
(あの星がかの女を守つてゐる! かの女の美しさと純潔さとをいつまでもいつまでも守つてゐる……)かう考へると、静夫の心は堪らなく
躍
(
をど
)
つた。
赤い鳥居
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
『
實
(
じつ
)
に
感謝
(
かんしや
)
に
堪
(
た
)
えません。』と
私
(
わたくし
)
は
不測
(
そゞろ
)
に
憘涙
(
うれしなみだ
)
の
流
(
なが
)
るゝを
禁
(
きん
)
じ
得
(
え
)
なかつた。
無邪氣
(
むじやき
)
なる
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
眼
(
め
)
をまんまるにして、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
肩上
(
かた
)
で
躍
(
をど
)
ると。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
頭を振りつゝ松本は
躍
(
をど
)
り上つて叫ぶ「諸君は
宜
(
よろ
)
しく自ら決断せねばならぬ、諸君は果して僕を信ずるか、信じないか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
先天の理想はこの時暗中より
躍
(
をど
)
り出でゝ此聲美なり、この色美なりと叫ぶなり。これ
感納性
(
レチエプチヰテエト
)
の上の理想にあらずや。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
こつちでは五
疋
(
ひき
)
がみんなことりことりとお
互
(
たがひ
)
にうなづき
合
(
あ
)
つて
居
(
を
)
りました。そのとき
俄
(
には
)
かに
進
(
すゝ
)
んで
行
(
い
)
つた
鹿
(
しか
)
が
竿立
(
さをだ
)
ちになつて
躍
(
をど
)
りあがつて
遁
(
に
)
げてきました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
此処の顔も
覗
(
のぞ
)
きたく、身は一つ心は千々に走せまはつて、
匆々
(
そう/\
)
忙々
(
ばう/\
)
と茫然自失する折から人を
躍
(
をど
)
り立たす様な
奏楽
(
そうがく
)
の音起つて、舞踏室の戸は左右に開かれぬ。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ガラツ八は物置から
躍
(
をど
)
り出すと、何やら一と抱への着物を持つて、風呂場に驅け込む女の後を追ひました。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此の二人
忽
(
たちま
)
ち
躍
(
をど
)
りたちて、滝に飛び入ると見しが、水は
大虚
(
おほぞら
)
に
湧
(
わ
)
きあがりて見えずなるほどに、雲
摺
(
す
)
る
墨
(
すみ
)
をうちこぼしたる如く、雨
二七六
篠
(
しの
)
を乱してふり来る。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
あの頃が
懷
(
なつ
)
かしくて
耐
(
たま
)
らぬと言つた風に、お光は
膚理
(
きめ
)
の
細
(
こまか
)
い顏に筋肉を
躍
(
をど
)
らせつゝ、小池に寄り添うた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
又
(
また
)
獲物
(
えもの
)
が
鋭
(
するど
)
く
水
(
みづ
)
を
切
(
き
)
つて
進
(
すゝ
)
んで
來
(
く
)
るのを
彼等
(
かれら
)
の
敏捷
(
びんせふ
)
な
目
(
め
)
が
闇夜
(
あんや
)
にも
必
(
かなら
)
ず
逸
(
いつ
)
することなく、
接近
(
せつきん
)
した一
刹那
(
せつな
)
彼等
(
かれら
)
は
水中
(
すゐちう
)
に
躍
(
をど
)
つて
機敏
(
きびん
)
に
網
(
あみ
)
を
以
(
もつ
)
て
獲物
(
えもの
)
を
卷
(
ま
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
体中の血が
躍
(
をど
)
るやうな、何とも云ひやうのない、愉快な昂奮です。銃を手にして、待つてゐた猟師が、獲物の来るのを見た時のやうな心もちとでも、云ひませうか。
猿
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
予はこの景色を
打眺
(
うちなが
)
めて何となく心
躍
(
をど
)
りけるが、この
刹那
(
せつな
)
忽然
(
こつぜん
)
として、吾れは天地の神と
偕
(
とも
)
に、同時に、この森然たる眼前の景を観たりてふ一種の意識に打たれたり。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
自分ひとりでの心から
躍
(
をど
)
り出たものであるから、一層その人の生得の性質、つまり個性といふものにも根據してゐるし、また至極單純な心で得られるものでもあるから
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
細流
(
こながれ
)
ある所にいたれば
紅唇
(
べに
)
粉面
(
おしろい
)
の
哥妓
(
げいしや
)
紅裩
(
あかきゆもじ
)
を
褰
(
かゝげ
)
て
渉
(
わた
)
る、
花姿
(
くわし
)
柳腰
(
りうえう
)
の
美人等
(
びじんら
)
わらじをはいて水をわたるなど
余
(
よ
)
が江戸の目には
最
(
いと
)
珍
(
めづ
)
らしく
興
(
きやう
)
あり。
酔客
(
すゐかく
)
ぢんくをうたへば
酔妓
(
すゐぎ
)
歩々
(
あるきながら
)
躍
(
をど
)
る。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
で、腕の
血色
(
けつしよく
)
を見ても、
濁
(
にごり
)
が
除
(
と
)
れて、若い血が
溌溂
(
はつらつ
)
として
躍
(
をど
)
ツてゐるかと思はれる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
と、
夫
(
をつと
)
は四五
間
(
けん
)
向
(
むか
)
うに
立
(
た
)
つてゐる
子供
(
こども
)
の
方
(
はう
)
へ
色
(
いろ
)
どりしたゴム
鞠
(
まり
)
を
投
(
な
)
げた。が、
夏繪
(
なつゑ
)
は
息込
(
いきご
)
んでゐたのがまたも
受
(
う
)
け
取
(
と
)
りそこねて、
鞠
(
まり
)
は
色彩
(
しきさい
)
を
躍
(
をど
)
らしながらうしろの
樹蔭
(
こかげ
)
へころがつて
行
(
い
)
つた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
翌日
(
あくるひ
)
の
晩
(
ばん
)
宗助
(
そうすけ
)
はわが
膳
(
ぜん
)
の
上
(
うへ
)
に
頭
(
かしら
)
つきの
魚
(
うを
)
の、
尾
(
を
)
を
皿
(
さら
)
の
外
(
そと
)
に
躍
(
をど
)
らす
態
(
さま
)
を
眺
(
なが
)
めた。
小豆
(
あづき
)
の
色
(
いろ
)
に
染
(
そ
)
まつた
飯
(
めし
)
の
香
(
かをり
)
を
嗅
(
か
)
いだ。
御米
(
およね
)
はわざ/\
清
(
きよ
)
を
遣
(
や
)
つて、
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
いへ
)
に
引
(
ひ
)
き
移
(
うつ
)
つた
小六
(
ころく
)
を
招
(
まね
)
いた。
小六
(
ころく
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
追取松の
蔭
(
かげ
)
より
躍
(
をど
)
り出で
茲
(
こゝ
)
な欲心衆生の
惡漢
(
わるもの
)
共命が惜くば逃去べしコレ若衆氣を
慥
(
たしか
)
に持れよ我等助けて
進
(
まゐ
)
らせんと聲を懸けるに雲助共は振返りヤア
茲
(
こゝ
)
な入らざる入道め
汝
(
おのれ
)
も
倶
(
とも
)
に成佛させんと打て蒐るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
風くれば薔薇はたちまち火となれり
躍
(
をど
)
りあがるらむうれしき風に
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
進み、
躍
(
をど
)
り、飛ぶ、さあれただ押移る。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
龍
(
りよう
)
のごとくむなしき空に
躍
(
をど
)
り
出
(
い
)
でて
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
素早
(
すばや
)
く
横手
(
よこて
)
の
小路
(
こみち
)
に
身
(
み
)
を
躍
(
をど
)
らせた
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
彼女はわく/\と胸が
躍
(
をど
)
つた。
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
魚竜
潜
(
ひそ
)
み
躍
(
をど
)
りて水
文
(
あや
)
をなす
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
躍
(
をど
)
れば
長髮
(
ちやうはつ
)
風
(
かぜ
)
に
鳴
(
なつ
)
て
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
君が心は
躍
(
をど
)
れども
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
然
(
さ
)
うかと
思
(
おも
)
ふと、
膝
(
ひざ
)
のあたりを、のそ/\と
山猫
(
やまねこ
)
が
這
(
は
)
つて
通
(
とほ
)
る。
階子
(
はしご
)
の
下
(
した
)
から
上
(
あが
)
つて
来
(
く
)
るらしく、
海豚
(
いるか
)
が
躍
(
をど
)
るやうな
影法師
(
かげぼふし
)
は
狐
(
きつね
)
で。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その面色、その
声音
(
こわね
)
! 彼は
言下
(
ごんか
)
に
皷怒
(
こど
)
して、その名に
躍
(
をど
)
り
被
(
かか
)
らんとする
勢
(
いきほひ
)
を示せば、愛子は
駭
(
おどろ
)
き、狭山は
懼
(
おそ
)
れて、何事とも知らず
狼狽
(
うろた
)
へたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
上さんの胸は
愈々
(
いよ/\
)
躍
(
をど
)
つた。何より先に、車をさがした。そしてそこから一里位しかない村へと志した。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
窓
(
まど
)
から
半身
(
はんしん
)
を
乘
(
の
)
り
出
(
だ
)
してゐた
例
(
れい
)
の
娘
(
むすめ
)
が、あの
霜燒
(
しもや
)
けの
手
(
て
)
をつとのばして、
勢
(
いきほひ
)
よく
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
つたと
思
(
おも
)
ふと、
忽
(
たちま
)
ち
心
(
こころ
)
を
躍
(
をど
)
らすばかり
暖
(
あたたか
)
な
日
(
ひ
)
の
色
(
いろ
)
に
染
(
そ
)
まつてゐる
蜜柑
(
みかん
)
が
凡
(
およ
)
そ
五
(
いつ
)
つ
六
(
むつ
)
つ
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ここもとにこそありつれと、禅師が前を幾たび走り過ぐれども、更に禅師を見る事なし。堂の方に
駆
(
かけ
)
りゆくかと見れば、庭をめぐりて
躍
(
をど
)
りくるひ、
遂
(
つひ
)
に疲れふして起き来らず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
彼
(
かれ
)
は
從來
(
じうらい
)
見
(
み
)
たことのない
綺麗
(
きれい
)
な
菓子
(
くわし
)
を
發見
(
はつけん
)
したと
思
(
おも
)
つて
心
(
こゝろ
)
が
躍
(
をど
)
つた。それでも
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
の
半分
(
はんぶん
)
を
割
(
わ
)
つていきなり
嚥
(
の
)
み
下
(
くだ
)
した。
彼
(
かれ
)
は
喉
(
のど
)
がぢり/\と
焦
(
こ
)
げつく
程
(
ほど
)
非常
(
ひじやう
)
な
苦惱
(
くなう
)
を
感
(
かん
)
じた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
勇ましいとも
訳
(
わか
)
らずに、心がゾク/\
躍
(
をど
)
り立つて、思ふさま有りたけの涙を流したんですよ、インスピレーションと云ふのは、
彼様
(
あゝ
)
した
状態
(
さま
)
を言ふのぢやないか知らと思ひますの
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
細流
(
こながれ
)
ある所にいたれば
紅唇
(
べに
)
粉面
(
おしろい
)
の
哥妓
(
げいしや
)
紅裩
(
あかきゆもじ
)
を
褰
(
かゝげ
)
て
渉
(
わた
)
る、
花姿
(
くわし
)
柳腰
(
りうえう
)
の
美人等
(
びじんら
)
わらじをはいて水をわたるなど
余
(
よ
)
が江戸の目には
最
(
いと
)
珍
(
めづ
)
らしく
興
(
きやう
)
あり。
酔客
(
すゐかく
)
ぢんくをうたへば
酔妓
(
すゐぎ
)
歩々
(
あるきながら
)
躍
(
をど
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「惡黨の
自惚
(
うぬぼ
)
れだよ、惡黨に自惚れがなきやア、こちとらの仕事は上がつたりだ。重三郎も多分平次の懷中に飛込んで、存分に
躍
(
をど
)
らせてやらうと思つたんだらう。甘く見られたんだね」
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ニコライ堂のやうな高い/\
塔
(
たふ
)
の屋根に登ツて
躍
(
をど
)
ツたり跳たりしてゐる。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
藥屋
(
くすりや
)
が
主
(
しゆ
)
の
寫眞材料店
(
しやしんざいれうてん
)
、名
刺
(
し
)
形
(
かた
)
の
乾
(
かん
)
板の
半
(
はん
)
ダース、
現像液
(
げんぞうえき
)
に
定
(
てい
)
着
液
(
えき
)
、
皿
(
さら
)
、赤色
燈
(
とう
)
、それだけは
懇願
(
こんぐわん
)
の
末
(
すゑ
)
、
祖
(
そ
)
母から
資
(
し
)
金を
貰
(
もら
)
つたのだつたが、
胸
(
むね
)
を
躍
(
をど
)
らせながら、
押
(
おし
)
入へもぐり
込
(
こ
)
んで
乾
(
かん
)
板を
裝置
(
そうち
)
して
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
虎
(
とら
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
愚
(
おろか
)
な
動物
(
どうぶつ
)
で、
憤然
(
ふんぜん
)
身
(
み
)
を
躍
(
をど
)
らして、
鐵車
(
てつしや
)
の
前方
(
ぜんぽう
)
から
飛付
(
とびつ
)
いたから
堪
(
たま
)
らない、
恐
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
旋廻圓鋸機
(
せんくわいえんきよき
)
のために、
四肢
(
しゝ
)
や、
腹部
(
ふくぶ
)
を
引裂
(
ひきさ
)
かれて、
苦鳴
(
くめい
)
をあげて
打斃
(
うちたを
)
れた。
最
(
もつと
)
も
狡猾
(
こうくわつ
)
なるは
猛狒
(
ゴリラ
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
呼に此方の後藤は
先刻
(
せんこく
)
より表に立て
懸合
(
かけあひ
)
の樣子を
聞居
(
きゝゐ
)
たりしが元より
氣象
(
きしやう
)
濶達
(
くわつたつ
)
の人故ぢり/\氣を
焦
(
いら
)
ち今に見よと
腕
(
うで
)
を
摩
(
さす
)
つて
待
(
まつ
)
處に八五郎が呼込や否や油屋の見世へ
躍
(
をど
)
り
上
(
あが
)
りたり
其體
(
そのてい
)
赤銅造
(
しやくどうづく
)
りの
強刀
(
がうたう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
円
(
つぶ
)
ら眼の童子かまどの前に居りあなひもじさよ焔の
躍
(
をど
)
り
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大
(
おほ
)
いなる
敵
(
てき
)
目の前に
躍
(
をど
)
り
出
(
い
)
でよと
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かなた
見
(
み
)
て、
躍
(
をど
)
りぬ、
胸
(
むね
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
体中
(
からだぢう
)
珠数生
(
じゆずなり
)
になつたのを
手当次第
(
てあたりしだい
)
に
掻
(
か
)
い
除
(
の
)
け
毟
(
むし
)
り
棄
(
す
)
て、
抜
(
ぬ
)
き
取
(
と
)
りなどして、
手
(
て
)
を
挙
(
あ
)
げ
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
宛
(
まる
)
で
躍
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
ふ
形
(
かたち
)
で
歩行
(
あるき
)
出
(
だ
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宮は
虚
(
すか
)
さず
躍
(
をど
)
り
被
(
かか
)
りて、我物得つと手に為れば、遣らじと満枝の組付くを、
推隔
(
おしへだ
)
つる
腋
(
わき
)
の下より
後突
(
うしろづき
)
に、
𣠽
(
つか
)
も
透
(
とほ
)
れと刺したる急所、一声
号
(
さけ
)
びて
仰反
(
のけぞ
)
る満枝。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
躍
常用漢字
中学
部首:⾜
21画
“躍”を含む語句
跳躍
雀躍
躍上
躍出
踴躍
踊躍
躍起
一躍
小躍
躍気
躍如
勇躍
躍込
活躍
躍入
躍蒐
遊躍
飛躍
欣喜雀躍
暗躍
...