トップ
>
大
>
おほい
ふりがな文庫
“
大
(
おほい
)” の例文
月は一庭の
樹
(
じゆ
)
を
照
(
て
)
らし、樹は一庭の影を落し、影と光と
黒白
(
こくびやく
)
斑々
(
はん/\
)
として
庭
(
には
)
に
満
(
み
)
つ。
椽
(
えん
)
に
大
(
おほい
)
なる
楓
(
かへで
)
の如き影あり、
金剛纂
(
やつで
)
の落せるなり。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「イヤ、
左様
(
さう
)
固く出られると
大
(
おほい
)
に閉口する——お互様ぢや」と、客は
無頓着
(
むとんちやく
)
に打ち笑ひ「知らぬ方でもないので、御邪魔に来ました」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
床
(
とこ
)
にも
座敷
(
ざしき
)
にも
飾
(
かざり
)
といつては
無
(
な
)
いが、
柱立
(
はしらだち
)
の
見事
(
みごと
)
な、
畳
(
たゝみ
)
の
堅
(
かた
)
い、
炉
(
ろ
)
の
大
(
おほい
)
なる、
自在鍵
(
じざいかぎ
)
の
鯉
(
こひ
)
は
鱗
(
うろこ
)
が
黄金造
(
こがねづくり
)
であるかと
思
(
おも
)
はるる
艶
(
つや
)
を
持
(
も
)
つた
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これもロメオを書きし恋愛に対する極致と趣を一にして、唯だ是にては他に
大
(
おほい
)
なる不完全不調子の実現を備へたる点に於て異なるのみ。
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
汲ませ玉へやといふ先に家の
大
(
おほい
)
なるに合せ奮發したる茶代の高
此
(
こゝ
)
に至ツて光を放ちぬ
併
(
しか
)
しながら此家は
夫是
(
それこれ
)
の事に拘はらず山を祝ふて酒を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
▼ もっと見る
我々
(
われ/\
)
の
町
(
まち
)
に
話
(
はなし
)
の
面白
(
おもしろ
)
い、
知識
(
ちしき
)
のある
人間
(
にんげん
)
の
皆無
(
かいむ
)
なのは、
實
(
じつ
)
に
遺憾
(
ゐかん
)
なことぢや
有
(
あ
)
りませんか。
是
(
これ
)
は
我々
(
われ/\
)
に
取
(
と
)
つて
大
(
おほい
)
なる
不幸
(
ふかう
)
です。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
勿論
(
もちろん
)
それはさつきから、彼に秋波を送つてゐる芸者だつた。彼は
大
(
おほい
)
に嬉しかつたから、両手でしつかりその芸者を抱いた。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこで将門興世王を
大
(
おほい
)
に恨んで、京に馳せ上つて、将門興世王謀反の
企
(
くはだて
)
を致し居る由を太政官に訴へた。六孫王の言であるから忽ち信ぜられた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
又「帰後已一年」と云つてあるのも、十二箇月に満ちた一年とは
看做
(
みな
)
されない。したがつて切角の自註が考拠上に
大
(
おほい
)
なる用をばなさぬのである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
呉起
(
ごき
)
、
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て、
名
(
な
)
を
就
(
な
)
さんと
欲
(
ほつ
)
し、
遂
(
つひ
)
に
其妻
(
そのつま
)
を
殺
(
ころ
)
し、
以
(
もつ
)
て
齊
(
せい
)
に
與
(
くみ
)
せざるを
明
(
あきら
)
かにす。
魯
(
ろ
)
、
卒
(
つひ
)
に
以
(
もつ
)
て
將
(
しやう
)
となす。
將
(
しやう
)
として
齊
(
せい
)
を
攻
(
せ
)
め、
大
(
おほい
)
に
之
(
これ
)
を
破
(
やぶ
)
る。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
この時彼の
小
(
ちひさ
)
き胸は破れんとするばかり
轟
(
とどろ
)
けり。
半
(
なかば
)
は
曾
(
かつ
)
て覚えざる
可羞
(
はづかしさ
)
の為に、半は
遽
(
にはか
)
に
大
(
おほい
)
なる
希望
(
のぞみ
)
の宿りたるが為に。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
從
(
したがつ
)
て
茲
(
こゝ
)
に
堅實
(
けんじつ
)
なる
基礎
(
きそ
)
が
出來
(
でき
)
た
以上
(
いじやう
)
は
此
(
こ
)
の
基礎
(
きそ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて
今後
(
こんご
)
大
(
おほい
)
に
日本
(
にほん
)
の
産業
(
さんげふ
)
の
振興
(
しんこう
)
、
貿易
(
ぼうえき
)
の
發達
(
はつたつ
)
を
圖
(
はか
)
つて
行
(
い
)
くことが、
吾々
(
われ/\
)
政府
(
せいふ
)
の
責務
(
せきむ
)
であり
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
『それ
發射
(
はつしや
)
!。』と
私
(
わたくし
)
が
叫
(
さけ
)
ぶ
瞬間
(
しゆんかん
)
、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
隙
(
すか
)
さず
三發
(
さんぱつ
)
まで
小銃
(
せうじう
)
を
發射
(
はつしや
)
したが、
猛狒
(
ゴリラ
)
は
平氣
(
へいき
)
だ。
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
大
(
おほい
)
に
怒
(
いか
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その夕方電話で北門の校正にはいることが出来て社内の小使ひ部屋の三畳に寄寓すると
報
(
し
)
らせて来た、月給は九円だが
大
(
おほい
)
に助かつたとよろこんだ電話だ。
札幌時代の石川啄木
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
素
(
もと
)
より戯曲には種々の規則あり、罪過を以つて唯一の規則となすは不可なるべしと
雖
(
いへど
)
も、
之
(
これ
)
が為めに罪過は不用なりと言ふあらば
亦
(
ま
)
た
大
(
おほい
)
に不可なるが如し。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
辛未
(
かのとひつじ
)
、皇太子、使を
遣
(
また
)
して飢者を視しむ。使者
還
(
かへ
)
り来て曰く、飢者既に
死
(
まか
)
りぬ。
爰
(
ここ
)
に皇太子
大
(
おほい
)
に
之
(
これ
)
を悲しみ、則ち
囚
(
よ
)
りて以て
当処
(
そのところ
)
に
葬
(
ほふり
)
埋
(
をさ
)
めしむ。
墓
(
つか
)
固
(
つき
)
封
(
かた
)
む。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
それが其頃大阪に居た慶喜公の耳に聞えた。そこで公は心
大
(
おほい
)
に
平
(
たひらか
)
ならず、更に薩長彈劾の奏を
上
(
たてま
)
つる、さアそんな事を聞くと江戸でもじツとしては居られない。
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
食指
(
しよくし
)
大
(
おほい
)
に動くと云ふ
語
(
ことば
)
は彼等に適切である。食ひ終つた指は洗ふ代りに綺麗に
舐
(
な
)
めて
仕舞
(
しま
)
ふ。
贅沢
(
ぜいたく
)
な
連中
(
れんぢゆう
)
は食後に青い
椰子
(
やし
)
の実を
鉈
(
なた
)
で
割
(
さ
)
いて核の中の水を吸ふ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
大
(
おほい
)
なる都會を
埋
(
うづ
)
め
盡
(
つく
)
さうとする埃!………其の埃は今日も東京の空に
漲
(
みなぎ
)
ツて、
目路
(
めじ
)
の
涯
(
はて
)
はぼやけて、ヂリ/″\
照
(
て
)
り付ける
天日
(
てんぴ
)
に
焦
(
こ
)
がされたやうになツてゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
軈
(
やが
)
て
今度
(
こんど
)
は、
愛
(
あい
)
ちやんが
其
(
そ
)
の
頭
(
あたま
)
を
下
(
した
)
へやり、
再
(
ふたゝ
)
び
始
(
はじ
)
めやうとすると
針鼠
(
はりねずみ
)
が、
自分
(
じぶん
)
を
仲間外
(
なかまはづ
)
れにしたと
云
(
い
)
つて
大
(
おほい
)
に
怒
(
いか
)
り、
將
(
まさ
)
に
匍
(
は
)
ひ
去
(
さ
)
らうとする
素振
(
そぶり
)
が
見
(
み
)
えました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
持行
(
もちゆき
)
見
(
み
)
せければ利兵衞の妻は見覺えのあるお
菊
(
きく
)
が
簪
(
かんざ
)
しなる
故
(
ゆゑ
)
大
(
おほい
)
に
驚
(
おどろ
)
き夫利兵衞に
斯
(
かく
)
と
告
(
つ
)
げしに利兵衞も是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
□大阪には文芸同攻会と云ふものが起つた、読売に「母」を書いた石丸梅外氏などの発起で
大
(
おほい
)
に関西芸術の振興に努めて大阪を英のダブリンにしようとする計画だ。
TZSCHALLAPPOKO
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
彼奴
(
きやつ
)
が
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
る、どうして
彼奴
(
きやつ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
先
(
さき
)
へ
先
(
さき
)
へと
廻
(
ま
)
はるだらう、
忌
(
い
)
ま/\しい
奴
(
やつ
)
だと
大
(
おほい
)
に
癪
(
しやく
)
に
觸
(
さは
)
つたが、さりとて
引返
(
ひきか
)
へすのは
猶
(
な
)
ほ
慊
(
いや
)
だし、
如何
(
どう
)
して
呉
(
く
)
れやうと
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
自分
(
じぶん
)
の一
時
(
じ
)
の
心理
(
しんり
)
を
標準
(
へうじゆん
)
とし、
之
(
これ
)
を
正
(
たゞ
)
しいものと
獨斷
(
どくだん
)
して、
他
(
た
)
の一
時
(
じ
)
の
心理
(
しんり
)
を
否認
(
ひにん
)
することは
兎角
(
とかく
)
誤妄
(
ごもう
)
に
陷
(
おちい
)
るの
虞
(
おそ
)
れがある。これは
大
(
おほい
)
に
考慮
(
かうりよ
)
しなければならぬ
事
(
こと
)
である。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
文珠岩の如きは
実
(
じつ
)
に奇中の
奇
(
き
)
たるものなり、要するに人跡未到の
地
(
ち
)
なるを以て、動植物及鉱物共に
大
(
おほい
)
に得る所あらんとするを
期
(
き
)
せしなれ共、右の如く別に
珍奇
(
ちんき
)
なる者を
発見
(
はつけん
)
せざりき
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
来青花その
大
(
おほい
)
さ桃花の如く六瓣にして、其の色は
黄
(
くわう
)
ならず
白
(
はく
)
ならず恰も琢磨したる象牙の如し。
而
(
しか
)
して花瓣の肉
甚
(
はなはだ
)
厚く、
仄
(
ほのか
)
に臙脂の
隈取
(
くまどり
)
をなせるは正に佳人の
爪紅
(
つまべに
)
を施したるに譬ふべし。
来青花
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
東方聖人は
此聲
(
このこゑ
)
を聞きながら星を考へ、
大
(
おほい
)
なる代の近づくを察したらずや。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
大
(
おほい
)
に、イヤ、多少間違つて居るのでは有るまいかと、私には思はれます。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
蓋し
大
(
おほい
)
なる国民は大なる英雄を奉じ、小なる国民は小なる英雄を奉ず、此理必しもカライル氏を待ちて後に知る程の秘密に非ず、国民の理想とするところ低くんば、其国民も亦低からざるを得ず
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
先方
(
せんぱう
)
では
大
(
おほい
)
に
恐縮
(
きようしゆく
)
して、いろ/\
相談
(
さうだん
)
の
末
(
すゑ
)
、
或
(
あ
)
る
名高
(
なだか
)
い
針醫
(
はりい
)
が
亡
(
なくな
)
つて、
其
(
そ
)
の
藥箱
(
くすりばこ
)
の
不用
(
ふよう
)
になつてゐたのを
買
(
か
)
ひ
取
(
と
)
り、それを
療法
(
れうはふ
)
の
禮
(
れい
)
として
贈
(
おく
)
つて
來
(
き
)
たのが、この
藥箱
(
くすりばこ
)
で、
見事
(
みごと
)
な
彫刻
(
てうこく
)
がしてあつて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
著者は
已
(
やむ
)
を得ず煤煙の切抜帳を
抱
(
いだ
)
いて、
大
(
おほい
)
に
詰
(
つ
)
まらながつてゐた。
『煤煙』の序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
大
(
おほい
)
に意味のありさうな事を云つて、三田をいやがらせた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
無慙なるかな
大
(
おほい
)
なる驚異ぞわれの眼に映る
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
二人はそれから
大
(
おほい
)
に論じ合つた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
手に手に、
大
(
おほい
)
なる雁を
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
おゝい、おゝい、
母屋
(
おもや
)
に
集
(
つど
)
へる
人數
(
にんず
)
の
目
(
め
)
には、
其
(
そ
)
の
盥
(
たらひ
)
たゞ
一枚
(
いちまい
)
大
(
おほい
)
なる
睡蓮
(
れんげ
)
の
白
(
しろ
)
き
花
(
はな
)
に、うつくしき
瞳
(
ひとみ
)
ありて、すら/\と
流
(
なが
)
れ
寄
(
よ
)
りきとか。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯だ夫れこの心の世界
斯
(
かく
)
の如く広く、斯の如く
大
(
おほい
)
に、森羅万象を包みて余すことなく、而してこの広大なる心が来り臨みて人間の
中
(
うち
)
にある時に
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
其
(
それ
)
に梅子などは
何
(
どう
)
やら其の
僻論
(
へきろん
)
に感染して居るらしいので、
大
(
おほい
)
に其の不心得を叱つたことだ、
特
(
こと
)
に近頃
彼女
(
あれ
)
の結婚に
就
(
つい
)
て相談最中のであるから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
しない所か、何時でも正反対になつて現れる。だから、彼は
大
(
おほい
)
に強硬な意志を持つてゐると、必ずそれに反比例する、如何にも柔しい声を出した。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
景公
(
けいこう
)
、
穰苴
(
じやうしよ
)
を
召
(
め
)
して
與
(
とも
)
に
兵事
(
へいじ
)
を
語
(
かた
)
り、
大
(
おほい
)
に
之
(
これ
)
を
説
(
よろこ
)
び、
以
(
もつ
)
て
將軍
(
しやうぐん
)
と
爲
(
な
)
し、
兵
(
へい
)
を
將
(
ひき
)
ゐて
燕
(
えん
)
・
晉
(
しん
)
の
師
(
し
)
を
扞
(
ふせ
)
がしむ。
穰苴
(
じやうしよ
)
曰
(
いは
)
く
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
いや
私
(
わたくし
)
は
哲學者
(
てつがくしや
)
でも
何
(
なん
)
でも
無
(
な
)
い。が、
之
(
これ
)
を
主張
(
しゆちやう
)
するのは、
大
(
おほい
)
に
各人
(
かくじん
)
の
義務
(
ぎむ
)
だらうと
思
(
おも
)
ふのです、
是
(
これ
)
は
道理
(
だうり
)
の
有
(
あ
)
る
事
(
こと
)
で。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
怪
(
あや
)
しと見返れば、更に怪し!
芳芬
(
ほうふん
)
鼻を
撲
(
う
)
ちて、
一朶
(
いちだ
)
の
白百合
(
しろゆり
)
大
(
おほい
)
さ
人面
(
じんめん
)
の
若
(
ごと
)
きが、満開の
葩
(
はなびら
)
を垂れて肩に
懸
(
かか
)
れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「元大阪町名倉
彌次兵衞
(
やじべゑ
)
と申候而、此節高名の
骨接
(
ほねつぎ
)
醫師、
大
(
おほい
)
に流行にて、日々八十人九十人位づゝ怪我人參候故、早朝參候而も順繰に待居候間、終日かゝり申候。」
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
筑摩川春ゆく水はすみにけり消て
幾日
(
いくか
)
の峯の白雪とは
順徳院
(
じゆんとくゐん
)
の
御製
(
ぎよせい
)
とか
大
(
おほい
)
なる石の上にて女
衣
(
きぬ
)
を
濯
(
あら
)
ふ波に捲き
取
(
とら
)
れずやと
氣遣
(
きづかは
)
る向の岸の
方
(
かた
)
に此川へ流れ入る流に
水車
(
みづぐるま
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は
其
(
その
)
性質
(
せいしつ
)
からいつても、かゝる
擧動
(
きよどう
)
に
出
(
い
)
でたのは
大
(
おほい
)
に
期
(
き
)
する
所
(
ところ
)
があつたに
相違
(
さうゐ
)
ない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夫
(
それ
)
でアツと云はせようなどと云ふものだから、自分と松岡とは
大
(
おほい
)
に久米を信頼して居た所、その当日が来ても所謂新作狂言なるものは出来ないので仕方なく狂言の本を見て
学生時代の久米正雄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
洋々
(
やう/\
)
たるナイル
河
(
かは
)
、
荒漠
(
くわうばく
)
たるサハラの
沙漠
(
さばく
)
、
是等
(
これら
)
は
大
(
おほい
)
に
化物思想
(
ばけものしさう
)
の
發達
(
はつたつ
)
を
促
(
うなが
)
した。
埃及
(
えじぷと
)
の
神樣
(
かみさま
)
には
化物
(
ばけもの
)
が
澤山
(
たくさん
)
ある。
併
(
しか
)
し
之
(
これ
)
が
希臘
(
ぎりしや
)
へ
行
(
い
)
くと
餘程
(
よほど
)
異
(
ことな
)
り、
却
(
かへ
)
つて
日本
(
にほん
)
と
似
(
に
)
て
來
(
く
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
退
(
しりぞ
)
き宿へ歸りて
女房
(
にようばう
)
に
御内命
(
ごないめい
)
の
趣
(
おもぶ
)
きを申し聞せければ妻女
大
(
おほい
)
に
悦
(
よろこ
)
びさりながら
御本腹
(
ごほんぷく
)
の
若君
(
わかぎみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
天高けれども報尽きては宝殿
忽地
(
たちまち
)
に崩れ、魔王の十善、善
大
(
おほい
)
なればとて
果
(
くわ
)
窮まれば業苦早くも逼る、人間五十年の石火の如くなるのみならず天上幾万歳も電光に等しかるべし
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
好
(
す
)
きこそ
物
(
もの
)
の
上手
(
じやうず
)
とやらで、
自分
(
じぶん
)
も
他
(
た
)
の
學課
(
がくゝわ
)
の
中
(
うち
)
畫
(
ゑ
)
では
同級生
(
どうきふせい
)
の
中
(
うち
)
自分
(
じぶん
)
に
及
(
およ
)
ぶものがない。
畫
(
ゑ
)
と
數學
(
すうがく
)
となら、
憚
(
はゞか
)
りながら
誰
(
たれ
)
でも
來
(
こ
)
いなんて、
自分
(
じぶん
)
も
大
(
おほい
)
に
得意
(
とくい
)
がつて
居
(
ゐ
)
たのである。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
“大”を含む語句
大丈夫
大人
大概
大海
大洋
大神
大方
大切
大家
大分
大通
大臣
大変
大将
大根
大嫌
大地
大略
大王
大食
...