学生時代の久米正雄がくせいじだいのくめまさお
高等学校に入学すると間もなく教室で、自分の机の直ぐ傍に顔のやゝ赤い溌剌たる青年を見附けた、その青年はASAKAと云ふ字を染めぬいた野球のユニホームを着て居たので、少からず我々を駭かしもすれば、笑はせもしたものだ、さうした稚気がその頃の久米に …