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大事
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だいじ
ふりがな文庫
“
大事
(
だいじ
)” の例文
一
方
(
ぽう
)
、おばあさんは、ほんとうに
居眠
(
いねむ
)
りをしてしまいました。そして
大事
(
だいじ
)
な
財布
(
さいふ
)
を、むしろの
下
(
した
)
に
入
(
い
)
れたことを
忘
(
わす
)
れてしまいました。
善いことをした喜び
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかしながら
昔
(
むかし
)
の
歌人
(
かじん
)
は、
秋
(
あき
)
は
悲
(
かな
)
しいものだと
感
(
かん
)
じることの
出來
(
でき
)
るのは、
自分
(
じぶん
)
の
歌人
(
かじん
)
としての
大事
(
だいじ
)
の
資格
(
しかく
)
だとおもつてゐました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「
此
(
こ
)
りや
大層
(
たいそう
)
大事
(
だいじ
)
にしてあるな」
醫者
(
いしや
)
は
穢
(
きたな
)
い
手拭
(
てぬぐひ
)
をとつて
勘次
(
かんじ
)
の
肘
(
ひぢ
)
を
見
(
み
)
た。
鐵
(
てつ
)
の
火箸
(
ひばし
)
で
打
(
う
)
つた
趾
(
あと
)
が
指
(
ゆび
)
の
如
(
ごと
)
くほのかに
膨
(
ふく
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
吹聽
(
ふいちやう
)
するに疑ひなし其上長屋中へ
錢金
(
ぜにかね
)
用立家主へも金を
貸
(
かす
)
故
(
ゆゑ
)
勘太郎を二
無
(
なき
)
者の樣におもひ我々如き
後生
(
ごしやう
)
大事
(
だいじ
)
と渡世する者は
貧乏
(
びんばふ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
皆
(
みな
)
さんこんないろ/\のわけをお
話
(
はなし
)
したら、われ/\がお
互
(
たがひ
)
に、
今
(
いま
)
生
(
い
)
き
育
(
そだ
)
つてゐるすべての
老樹
(
ろうじゆ
)
名木
(
めいぼく
)
を、ます/\
大事
(
だいじ
)
にして
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
▼ もっと見る
これは
成
(
な
)
らぬと
力足
(
ちからあし
)
を
踏
(
ふみ
)
こたゆる
途端
(
とたん
)
、さのみに
思
(
おも
)
はざりし
前鼻緒
(
まへはなを
)
のずる/\と
㧞
(
ぬ
)
けて、
傘
(
かさ
)
よりもこれこそ一の
大事
(
だいじ
)
に
成
(
な
)
りぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それでも
風俗
(
ふう
)
のかはつた
方
(
かた
)
が
被入
(
いらつ
)
しやいますと、
大事
(
だいじ
)
にしてお
辞義
(
じぎ
)
をすることだけは
知
(
し
)
つてゞございますが、
未
(
ま
)
だ
御挨拶
(
ごあいさつ
)
をいたしませんね。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『オヤ、
其處
(
そこ
)
に
彼
(
か
)
れの
大事
(
だいじ
)
な
鼻
(
はな
)
が
歩
(
ある
)
いて
行
(
い
)
つてよ』
通常
(
なみ/\
)
ならぬ
大
(
おほ
)
きな
肉汁
(
スープ
)
鍋
(
なべ
)
が
其
(
そ
)
の
側
(
そば
)
に
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
て、
正
(
まさ
)
にそれを
取
(
と
)
つて
去
(
い
)
つて
了
(
しま
)
つたのです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
これは
私
(
わたくし
)
の
大事
(
だいじ
)
な
品
(
しな
)
でございまして、
当時
(
いま
)
斯
(
か
)
う
零落
(
おちぶ
)
れまして、
値
(
ね
)
を高く
買
(
か
)
はうといふ人がございますけれども、なか/\
手離
(
てばな
)
しませぬで……。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
松王さまは小半時ほど、焼跡の検分などをお手伝い下さいましたが、もはや
大事
(
だいじ
)
もあるまいとの事で、間もなく引揚げておいでになりました。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
但しこれが他に知れると
由々敷
(
ゆゆし
)
き
大事
(
だいじ
)
であるから絶対秘密を守るようにという条件を持ち出されたことが認められてあった。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わしの
甥
(
をひ
)
の、
弟
(
おとうと
)
の
子
(
こ
)
の! おゝ、
御領主
(
とのさま
)
! おゝ、
甥
(
をひ
)
よ! わが
夫
(
つま
)
! おゝ、
大事
(
だいじ
)
の/\、
親族
(
うから
)
の
血汐
(
ちしほ
)
が
流
(
なが
)
されてゐる!
公平
(
こうへい
)
な
御領主
(
ごりゃうしゅ
)
さま
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
中納言
(
ちゅうなごん
)
はさっそく
天子
(
てんし
)
さまの
御所
(
ごしょ
)
へ
上
(
あ
)
がって、
大事
(
だいじ
)
な
娘
(
むすめ
)
が
大江山
(
おおえやま
)
の
鬼
(
おに
)
に
取
(
と
)
られたことをくわしく
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げて、どうぞ一
日
(
にち
)
もはやく
鬼
(
おに
)
を
退治
(
たいじ
)
して
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
けれどもそんなことでもしようと
言
(
い
)
うんです。僕あなたくらい
大事
(
だいじ
)
なものは
世界中
(
せかいじゅう
)
ないんです。どうか僕を
愛
(
あい
)
してください
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いつか
時節
(
じせつ
)
が
来
(
き
)
たら、あなたにはきっと
何
(
なん
)
ぞ
大事
(
だいじ
)
のお
仕事
(
しごと
)
が
授
(
さず
)
けられますよ。
何
(
ど
)
うぞそのつもりで、
今後
(
こんご
)
もしっかり
修行
(
しゅぎょう
)
に
精
(
せい
)
を
出
(
だ
)
してください。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
コスモとコスマとは、人形を
大事
(
だいじ
)
にかかえて、
故郷
(
こきょう
)
へ
帰
(
かえ
)
っていきました。たくさんもらったお金を、半分ばかり、ターコール
僧正
(
そうじょう
)
へおくりました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「お
前
(
まえ
)
は
道端
(
みちばた
)
じゃ
見
(
み
)
せられないというから、わざわざ
駕籠
(
かご
)
を
急
(
いそ
)
がせて、ここまで
来
(
き
)
たんだよ。さ
大事
(
だいじ
)
な
文
(
ふみ
)
を、
少
(
すこ
)
しでも
速
(
はや
)
く
見
(
み
)
せてもらいましょう」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「
折角
(
せつかく
)
、お
大事
(
だいじ
)
になせえよ。
俺
(
おい
)
らは、これでやつと
蘇生
(
いきかへ
)
つた
譯
(
わけ
)
さ。まるで
火炮
(
ひあぶ
)
りにでもなつてゐるやうだつたんでね」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
それにあるこーる、えーてる
等
(
とう
)
の
如
(
ごと
)
く
一時
(
いちじ
)
に
燃
(
も
)
え
擴
(
ひろ
)
がるものが
近
(
ちか
)
くにあるとき、
直
(
すぐ
)
に
大事
(
だいじ
)
を
惹起
(
ひきおこ
)
すに
至
(
いた
)
ることが
多
(
おほ
)
い。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そこで
少女
(
をとめ
)
にふさはしい
髮飾
(
かみかざ
)
りや
衣裳
(
いしよう
)
をさせましたが、
大事
(
だいじ
)
の
子
(
こ
)
ですから、
家
(
いへ
)
の
奧
(
おく
)
にかこつて
外
(
そと
)
へは
少
(
すこ
)
しも
出
(
だ
)
さずに、いよ/\
心
(
こゝろ
)
を
入
(
い
)
れて
養
(
やしな
)
ひました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
それまでは、あるいは義貞もまだ“
詰
(
つめ
)
の
大事
(
だいじ
)
”に迷うところもあったであろう。が、詰手は幾つもあるものではない。
徐々
(
じょじょ
)
の
緩
(
かん
)
か、電撃の急かである。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
は
驚
(
おどろ
)
いて『
飛
(
と
)
んだことを言はるゝ、これは
拙者
(
せつしや
)
永年
(
ながねん
)
祕藏
(
ひざう
)
して居るので、
生命
(
いのち
)
にかけて
大事
(
だいじ
)
にして居るのです』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
見神の一義に君は
到頭
(
とうとう
)
精力
(
せいりょく
)
を
傾注
(
けいちゅう
)
せずに居られなくなったのである。
而
(
しか
)
して生涯の
大事
(
だいじ
)
、生存の目的を果したので、君は軽く肉の
衣
(
ころも
)
を脱いだのであろう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
藏
(
くら
)
の
中
(
なか
)
から
大事
(
だいじ
)
さうに
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して
來
(
き
)
たと
云
(
い
)
ふ
所作
(
しよさ
)
を
付
(
つ
)
け
加
(
くは
)
へて
考
(
かんが
)
へると、
自分
(
じぶん
)
が
持
(
も
)
つてゐた
時
(
とき
)
よりは
慥
(
たしか
)
に十
倍
(
ばい
)
以上
(
いじやう
)
貴
(
たつ
)
とい
品
(
しな
)
の
樣
(
やう
)
に
眺
(
なが
)
められた
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さりながら
人気
(
じんき
)
の
奴隷
(
どれい
)
となるも
畢竟
(
ひつきやう
)
は
俗物
(
ぞくぶつ
)
済度
(
さいど
)
といふ
殊勝
(
しゆしよう
)
らしき
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
があれば
強
(
あなが
)
ち
無用
(
むよう
)
と
呼
(
よ
)
ばゝるにあらず、
却
(
かへつ
)
て
之
(
こ
)
れ
中々
(
なか/\
)
の
大事
(
だいじ
)
決
(
けつ
)
して
等閑
(
なほざり
)
にしがたし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
が、やがて
不意
(
ふい
)
に
松葉
(
まつば
)
から
離
(
はな
)
れると
蜂
(
はち
)
はぶんと
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
つた。三
人
(
にん
)
ははつとどよめいた。けれども、
蜂
(
はち
)
は
大事
(
だいじ
)
な
犧牲
(
ぎせい
)
の
蜘蛛
(
くも
)
の
死骸
(
しがい
)
を
警戒
(
けいかい
)
しに
行
(
い
)
つたのだつた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
なによりも
大事
(
だいじ
)
な、たった一つの
武器
(
ぶき
)
とも思っていたランプが、メチャメチャになってしまったのである。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
『これは
大事
(
だいじ
)
にして
置
(
お
)
くがいゝ。
東京
(
とうきやう
)
へ
行
(
い
)
つたら、お
前
(
まへ
)
の
本箱
(
ほんばこ
)
のひきだしにでも
入
(
い
)
れて
置
(
お
)
くがいゝ。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
はじめは人間の子のニールスをきらっていましたが、のちにはニールスのちえと
親切
(
しんせつ
)
に感心して、「オヤユビ太郎」とか「オヤユビくん」と呼んで
大事
(
だいじ
)
にしています。
「ニールスのふしぎな旅 下」まえがき
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
恁
(
か
)
う
言
(
い
)
ふと、
或
(
あるひ
)
は
嗤
(
わら
)
ふ
人
(
ひと
)
があるかも
知
(
し
)
れぬ。が、
其
(
それ
)
は
秘密
(
ひみつ
)
がなかつた
折
(
をり
)
のことで、
若
(
も
)
し
有
(
あ
)
つたら、
其
(
それ
)
こそ
大事
(
だいじ
)
だ。
私
(
わたし
)
は
寧
(
むし
)
ろ
此不安
(
このふあん
)
を
消
(
け
)
すために、
私
(
そつ
)
と四
畳半
(
でふはん
)
へ
忍込
(
しのびこ
)
んだ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
船中の人々は今を興
闌
(
たけなわ
)
の時なりければ、
河童
(
かっぱ
)
を殺せ、なぐり殺せと
犇
(
ひし
)
めき合い、荒立ちしが、
長者
(
ちょうじゃ
)
の
言
(
げん
)
に従いて、皆々
穏
(
おだ
)
やかに解散し、
大事
(
だいじ
)
に至らざりしこそ幸いなれ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
毎号
(
まいがう
)
三千
(
さんぜん
)
づゝも
刷
(
す
)
るやうな
訳
(
わけ
)
で、
未
(
いま
)
だ
勉
(
つと
)
めて
拡張
(
かくちやう
)
すれば
非常
(
ひじやう
)
なものであつたのを、
無勘定
(
むかんじやう
)
の
面白半分
(
おもしろはんぶん
)
で
遣
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
た
為
(
ため
)
に、
竟
(
つひ
)
に
大事
(
だいじ
)
を
去
(
さ
)
らせたとは
後
(
のち
)
にぞ
思合
(
おもひあは
)
されたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
だってあたし知ってるけど、あそこには小さな舞台があるのよ。あの舞台があたし
大事
(
だいじ
)
だと思っているの。——まあ、つまりね、とても類のないような宴会にしてみたいわ。
ルイスヒェン
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
もう一つのタイプは、京都と堺、とりわけ堺自由市の富有の商人の
女室
(
にょしつ
)
で、このほうは機才にこそは乏しいが直情純真で冒険を好み、あっというような
大事
(
だいじ
)
をやってのける。
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
さりとて
此
(
この
)
大事
(
だいじ
)
な
生命
(
いのち
)
の
綱
(
つな
)
を、むさ/″\
海中
(
かいちう
)
に
投棄
(
なげす
)
てるには
忍
(
しの
)
びず、なるべく
艇
(
てい
)
の
隅
(
すみ
)
の
方
(
ほう
)
へ
押遣
(
おしや
)
つて、またもや四五
日
(
にち
)
前
(
まへ
)
のあはれな
有樣
(
ありさま
)
を
繰返
(
くりかへ
)
して
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あか
)
したが、
翌朝
(
よくあさ
)
になると
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
心
(
しん
)
の心は、要らないどころか、
大事
(
だいじ
)
で大事でならないものを、
煩
(
うるさ
)
いなどゝあんまり
世間並
(
せけんな
)
みなことを仰言るな、あなたの
惠
(
めぐ
)
まれた母の愛を、
猶
(
なほ
)
この
上
(
うへ
)
とも
眞面目
(
まじめ
)
にお
大切
(
たいせつ
)
になさいまし。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「もう日が暮れるのに間もあるまい。今夜はお前達に
大事
(
だいじ
)
の仕事があるんだよ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これはふたつとも、わたしのいちばん
大事
(
だいじ
)
な
道具
(
どうぐ
)
のはいっている
大戸棚
(
おおとだな
)
のかぎだ。これはふだん使わない金銀の皿を入れた戸棚のかぎだ。これは
金貨
(
きんか
)
と銀貨をいっぱい入れた
金庫
(
きんこ
)
のかぎだ。
青ひげ
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
しかも
垢
(
あか
)
じみた
萌黄色
(
もえぎいろ
)
の
毛絲
(
けいと
)
の
襟卷
(
えりまき
)
がだらりと
垂
(
た
)
れ
下
(
さが
)
つた
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うへ
)
には、
大
(
おほ
)
きな
風呂敷包
(
ふろしきづつ
)
みがあつた。その
又
(
また
)
包
(
つつ
)
みを
抱
(
だ
)
いた
霜燒
(
しもや
)
けの
手
(
て
)
の
中
(
なか
)
には、三
等
(
とう
)
の
赤切符
(
あかぎつぷ
)
が
大事
(
だいじ
)
さうにしつかり
握
(
にぎ
)
られてゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
……これほどの
大事
(
だいじ
)
が解らんか、断頭台が目に入らんか……馬鹿ッ!
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
と、
玄竹
(
げんちく
)
は
天下
(
てんか
)
の一
大事
(
だいじ
)
を
語
(
かた
)
るやうに、
聲
(
こゑ
)
を
密
(
ひそ
)
めて
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
小林夫人と
大事
(
だいじ
)
の如く語り合はれ
候
(
さふら
)
ひけん。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
て二
歩
(
ぶ
)
のこる、
金
(
かね
)
ゆへ
大事
(
だいじ
)
の
忠兵衛
(
ちゆうべえ
)
さ
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
『
名譽
(
めいよ
)
は
大事
(
だいじ
)
だ。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
大事
(
だいじ
)
なお
月
(
つき
)
さま
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そして、
親
(
おや
)
たちは、みんな
子供
(
こども
)
を
大事
(
だいじ
)
にしなければならないと
思
(
おも
)
いますのに、いつか
自分
(
じぶん
)
たちのことにかまけて、
忘
(
わす
)
れてしまいます。
いいおじいさんの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
稽古
(
けいこ
)
は
引取
(
ひきと
)
つてからでも
充分
(
じうぶん
)
させられるから
其心配
(
そのしんぱい
)
も
要
(
い
)
らぬ
事
(
こと
)
、
兎角
(
とかく
)
くれさへすれば
大事
(
だいじ
)
にして
置
(
お
)
かうからと
夫
(
それ
)
は
夫
(
それ
)
は
火
(
ひ
)
のつく
樣
(
やう
)
に
催促
(
さいそく
)
して
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
松王さまは小半時ほど、焼跡の検分などをお手伝ひ下さいましたが、もはや
大事
(
だいじ
)
もあるまいとの事で、間もなく引揚げておいでになりました。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
隱
(
かく
)
して
置
(
お
)
くにも、
何
(
なん
)
の
中
(
なか
)
も、どんな
箱
(
はこ
)
も
安心
(
あんしん
)
ならず……
鎖
(
じやう
)
をさせば、
此處
(
こゝ
)
に
大事
(
だいじ
)
が
藏
(
しま
)
つてあると
吹聽
(
ふいちやう
)
するも
同一
(
おなじ
)
に
成
(
な
)
ります。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ロレ はれ、それは
物怪
(
もっけ
)
の
不運
(
ふうん
)
の!
眞實
(
しんじつ
)
、
重大
(
ぢゅうだい
)
な
容易
(
ようゐ
)
ならぬ
用向
(
ようむき
)
の
其
(
その
)
書面
(
しょめん
)
、それが
等閑
(
なほざり
)
になった
上
(
うへ
)
は、どのやうな一
大事
(
だいじ
)
が
出來
(
でけ
)
うも
知
(
し
)
れぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
“大事”の意味
《名詞》
大 事 (おおごと, だいじ)
(おおごと): 重大な出来事。大変な事態。大きな騒ぎ。
(だいじ): 重大な事柄。
(だいじ): 大がかりな企て。
(だいじ): 心配な事態。
(だいじ): 念入りな配慮。自重。用心。
(だいじ):(茨城弁、栃木弁) 大丈夫。
《名詞・形容動詞》
大 事 (だいじ)
大切に扱うこと、扱うべきこと。
重要なこと。成否がかかっていること。
(出典:Wiktionary)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“大事”で始まる語句
大事件
大事相
大事變
大事川
大事業
大事出来
大事切迫
大事忍男