“だいじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大事60.0%
大切35.0%
大字2.1%
大慈1.2%
大寺0.9%
大地0.3%
肝要0.3%
貴重0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしながらむかし歌人かじんは、あきかなしいものだとかんじることの出來できるのは、自分じぶん歌人かじんとしての大事だいじ資格しかくだとおもつてゐました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
大切だいじの大切の一枚看板を外されては、明日からの人気にさわる。人気よりも、損得よりも、出し抜かれたことがお角としては口惜くやしい。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
室の中はただ薄暗いに照らされていた。その弱い光は、いかに大字だいじな書物をも披見ひけんせしめぬ程度のものであった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただ願ふらくはかの如来にょらい大慈だいじ大悲だいひ我が小願の中において大神力を現じ給ひ妄言まうげん綺語きご淤泥おでいして光明顕色けんじき浄瑠璃じゃうるりとなし、浮華ふくわの中より清浄しゃうじゃう青蓮華しゃうれんげを開かしめ給はんことを。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
遂に京都で大寺だいじの住職となり、鴻の巣の若江は旅籠屋はたごやを親族に相続させ、あらためて渡邊祖五郎が媒妁人なこうどで、梅三郎と夫婦になり、お竹も重役へ嫁入りました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これ家来の無調法を主人がわぶるならば、大地だいじへ両手を突き、重々じゅう/″\恐れ入ったとこうべつちに叩き着けてわびをするこそしかるべきに、なんだ片手に刀の鯉口こいぐちを切っていながら詫をするなどとは侍の法にあるまい
なにより肝要だいじなのは斎戒沐浴さいかいもくよく……つまり心身しんしんきよめる仕事しごとでございます。もちろんわたくしどもには肉体にくたいはないのでございますから、人間にんげんのように実地じっちみずなどをかぶりはいたしませぬ。
これほど貴重だいじなものはいないのだということがはっきりと身にしみて分かった。
曠野 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)