大寺だいじ)” の例文
あの聖徳太子が仏教をさかんにひろめたもうてからは、代々のみかどがみな法師を尊信し、大寺だいじ大伽藍だいがらんを建てさせ、天下の財用を尽くして御信心があつかったが
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
遂に京都で大寺だいじの住職となり、鴻の巣の若江は旅籠屋はたごやを親族に相続させ、あらためて渡邊祖五郎が媒妁人なこうどで、梅三郎と夫婦になり、お竹も重役へ嫁入りました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
香の煙のたちこめた大寺だいじの内陣で、金泥きんでい緑青ろくしょうところはだらな、孔雀明王くじゃくみょおうの画像を前に、常燈明じょうとうみょうの光をたのむ参籠さんろうの人々か、さもなくば、四条五条の橋の下で、短夜を芥火あくたびの影にぬすむ
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)