“芥火”の読み方と例文
読み方割合
あくたび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その何人とも知れない白癩びゃくらいどものおもてが、新に燃え上った芥火あくたびの光を浴びて、星月夜ほしづくよも見えないほど、前後左右からうなじをのばした気味悪さは、到底この世のものとは思われません。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
香の煙のたちこめた大寺だいじの内陣で、金泥きんでい緑青ろくしょうところはだらな、孔雀明王くじゃくみょおうの画像を前に、常燈明じょうとうみょうの光をたのむ参籠さんろうの人々か、さもなくば、四条五条の橋の下で、短夜を芥火あくたびの影にぬすむ
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし一人海女あまだけは崖の下にいた芥火あくたびの前に笑って眺めているばかりだった。