“かんじん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カンジン
語句割合
肝腎66.6%
肝心19.9%
勧進4.0%
奸人1.7%
閑人1.7%
肝甚0.9%
間人0.9%
漢人0.6%
肝要0.6%
宦人0.3%
勧請0.3%
噉尽0.3%
大事0.3%
官人0.3%
寛仁0.3%
康津0.3%
緊要0.3%
肝賢0.3%
陥人0.3%
韓人0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どっこい、まだ顎なんか撫でるには早いよ。肝腎かんじんの小僧に逢わずに来たのは大きな手落ちだ。八丁堀なんか、明日でもよかったんだ」
私は肝心かんじんの自分というものを問題の中から引き抜いてしまいました。そうしてお嬢さんの結婚について、奥さんの意中を探ったのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「さんぞうろういずれもの旦那衆にさように勧進かんじんを申し上げて御用をつとめまいらせ候、今法界坊とは、やつがれのことに御座あり候」
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
けれども毒飼は最もケチビンタな、しらみッたかりの、クスブリ魂の、きたない奸人かんじん小人妬婦とふ悪婦の為すことで、人間の考え出したことの中で最も醜悪卑劣の事である。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
……その貴重なるものへ、山荘の一閑人かんじんが、鞍をかけて、悠々、労さず道をあるくとはまことに、申しわけないことだ。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
形容沢山たくさんのお祝の言葉が、主人熊谷三郎兵衛に捧げられるのですが、肝甚かんじんの三郎兵衛はそれどころでは無いらしく、来賓の祝辞を空耳に走らせて、秘書の本田大助を呼んで
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
換言すれば余裕がある人でなければ出来ない趣味である。間人かんじんが買物に出ると途中で引かかる。
高浜虚子著『鶏頭』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
錦著てうたへる顔のほのぐらし胡弓を摺るは師父の漢人かんじん
今度は他の者は皆揃ったが肝要かんじんの王様が居ない。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
最後となっては、劉禅の親政と、宦人かんじん黄皓こうこうの専横などが、いよいよ衰兆すいちょうに拍車をかけていた。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
といわぬばかりに擡頭たいとうしてきた一勢力がある。宦人かんじん黄皓こうこうを中心とする者どもである。皓は日頃から帝の寵愛を鼻にかけていたが、政治に容喙ようかいし始めたのは、このときからである。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きょうは正月の十日で、金比羅こんぴらまいりの当日、名代の京極きょうごく金比羅、虎の御門そとの京極能登守の上屋敷へ讃岐さぬきから勧請かんじんした金比羅さまがたいへんに繁昌する。
吒吉尼天は魔だ、ぶつだ、魔でない、ほとけでない。吒吉尼天だ。人心を噉尽かんじんするものだ。心垢しんくを噉尽するものだ。政元はどういう修法をしたか、どういう境地にいたか、更に分らぬ。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
端艇競漕ボートレース本職ほんしよくことだから流行はやるのも無理むりいが、大事かんじん端艇ボートかつおこつた大颶風だいぐふうめに大半たいはん紛失ふんしつしてしまつたので、いまのこつてるのは「ギク」一さう、「カツター」二さうで、オール餘程よほど不揃ふぞろひなので
段〻と左へ燈光ともしびを移すと、大中小それぞれの民家があり、老人としよりや若いものや、蔬菜そさいになっているものもあれば、かさを張らせて威張いばって馬にっている官人かんじんのようなものもあり
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
とまれその方が、わが寛仁かんじんに甘え、すこしも改悛かいしゅんの色なく、将軍の寵におごるさる人物とこころをあわせ、二奸一体にかんいったいとなって、不逞ふていたくらみをつづけ参ったことはいいのがれあるまいが
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(ロ)主な製産地たる康津かんじん郡は、一大窯業地であって、当時は非常に数多くできた品なのです。(ハ)大部分が実用品であって、単なる装飾物に作られたものはほとんどありません。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
気が利けば気が利くほど与次郎に遠ざかり、緊要かんじんな泣かせ場の哀れげのなくなるに心附かぬは、驚き入つたものなり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
おぼえがあるはづなれど一々申さねばおわかりになるまじ、お身寄みよ便たよりのなきおまへさまのあんじて、ひとをしへが肝賢かんじんのものなるにはヾそのさまなどはいま白糸はくしなんいろにもまりやすければ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
陥人かんじんこう、今よりち満ち、迷魂の陣、れより打開す。双明そうめいともしび焼毀しょうきし、九幽の獄に押赴おうふす。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『日本紀』の崇神すじん垂仁すいにんの御朝の記事などに、韓人かんじんに命じて某々ぼうぼうの池を築かしめられたことが見える。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)