“たいじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
対峙55.7%
退治32.9%
胎児4.7%
胎兒2.0%
大切0.7%
大寺0.7%
大慈0.7%
大治0.7%
太地0.7%
対侍0.7%
對峙0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし何か優越感に似たものをもって彼と対峙たいじしていたのであったが、しばらくすると秋本は葉子にそこまで送られて帰って行った。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
山伏やまぶし姿すがたにやつしてはおいでになりますが、あなたがたはきっと酒呑童子しゅてんどうじ退治たいじするために、京都きょうとからおくだりになった方々かたがたでしょう。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
赤ん坊が生れるということさえ不思議であるのに、女の子だときめつけられていた胎児たいじが男であったということは、ますます意外であった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
それととも安住あんぢう場所ばしようしなうた胎兒たいじ自然しぜん母體ぼたいはなれてねばならなかつた。胎兒たいじ勿論もちろんんでさうしてした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「おやッ。野郎め、あんなに自慢していやがったのに、よっぽど慌てやがったとみえて、大切たいじな品を忘れて行きやがったね。古高様の中間の六松めが、さっき見せびらかしていた品でごぜえますよ」
本願寺も在所の者の望みどほりに承諾した。で代々だい/″\清僧せいそうが住職に成つて、丁度禅寺ぜんでらなにかのやう瀟洒さつぱりした大寺たいじで、加之おまけに檀家の無いのが諷経ふぎんや葬式のわづらひが無くて気らくであつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
風体ふうていによりて夫々それ/″\の身の上を推測おしはかるに、れいるがごとくなればこゝろはなはいそがはしけれど南無なむ大慈たいじ大悲たいひのこれほどなる消遣なぐさみのありとはおぼえず無縁むえん有縁うえんの物語を作りひとひそかにほゝゑまれたる事にそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
いまはめたが、検非違使けびいしをしていたみなもと為義ためよし。知ってるだろう。大治たいじ五年、あの人が、延暦寺えんりゃくじ堂衆どうしゅうの鎮圧にのり出したとき、四白の栗毛くりげにのっていた。相模栗毛さがみくりげとよんで、人も知るかれの愛馬だ。
紀州の熊野の太地たいじ辺でも、旧十月十五日のこの神祭の供物には、この割菜とくじらの皮とを入れた味噌汁を、今でも必ず供えることにしている。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
学者は日常他人に教示きょうじするくせをもってくらす。その気持ちのリズムにうて、暮さなければ夫の心情しんじょうを荒らす。妻も大方おおかたのことは生徒になりたる態度をもって、夫に対侍たいじすべし。
良人教育十四種 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その背後に利害と利害が睨みあい、權力と權力とが對峙たいじしている。だからその運動は觀念の一起一伏でけりがつくものではない。
文芸運動と労働運動 (旧字旧仮名) / 平林初之輔(著)